資料2-2 第209回ユネスコ執行委員会 主要議題(教育分野)

【209EX 議題5.I.A】教育の未来

 「教育の未来」イニシアティブの進捗報告を行うもの。
 2019年9月25日、国連本部(ニューヨーク)において、「教育の未来」イニシアティブのキックオフイベントが開催。議長のエチオピア大統領をはじめとするハイレベルの他、教育者並びにユース、市民社会組織、技術、大学、産業界の関係者が、政策的課題や未来の学習システムの機会に関して意見交換を実施。
 2020年1月28日~29日、ユネスコ本部(パリ)において、国際委員会第1回会合が開催。同会合では、国際委員会の任務の承認の他、方向性の合意、焦点を当てる観点の特定、活動方法の確認を行った。第2回会合は、2020年中に開催予定。【附属資料8-1 (PDF)を参照】

・論点:COVID-19による影響も見据えた、2050年に向けた今後の教育のあり方及び我が国の貢献のあり方について。

【209EX 議題6.I】SDG4-教育2030:グローバルレベル・地域レベルでの調整及び支援

 SDG4-教育2030の調整及び支援に関するユネスコの主導的役割について報告するもの。
 国連ハイレベル政治フォーラム(HLPF)2019(2019年7月)では、SDG4(教育)の実施状況についてレビュー。教育は17全てのSDGsの達成に貢献する中心的なものであり、SDG8(経済成長)、SDG10(不平等の是正)、SDG13(気候変動)、SDG16(平和構築等)と相互連携していることを確認。2019年9月のSDGサミットでは、包摂性・質の高い教育・生涯学習の重要性を確認した政治宣言を採択。

○世界規模及び地域レベルのパートナーシップ
 第40回ユネスコ総会期間中に開催された第7回ステアリング・コミッティ(SC)では、SDGsのための実施の促進及びSCのビジビリティ向上のための戦略について議論。
 ユネスコは多角的な教育パートナー・プラットフォームを設置し、2019年7月に第1回会合を開催し、パリ成果宣言では優先事項の実施・促進のために、対話の継続実施を確認。2019年9月の第2回会合では、具体的な行動計画を合意。今後、SCと密に連携しながら活動予定。多様な資金提供者を通じた追加的教育資源の動員を目的としたグローバル教育フォーラムでは、2019年9月に第1回会合を開催し、重複に配慮した支援やユネスコの主導を確認。その他、市民社会組織との連携を議論するため、2019年12月に第9回教育2030に係るNGOコンサルテーション会合(CCNGO)を開催。
 地域レベルでは、ユネスコは各地域事務所等とともに、世界レベルと連携しつつSDG4を促進。アジア太平洋地域では、2019年10月に日本の財政支援を通じて第5回アジア太平洋教育2030会合を開催し、SDGターゲット4.1(無償かつ公正で質の高い初等中等教育の修了)及び4.6(若者及び成人の識字、計算能力の習得)について議論の上、テーマに関する促進のための活動に関する勧告(Recommendations)をまとめた。2020年後半に、大臣級会合を開催予定。【附属資料8-2 (PDF) (PDF)を参照】

・論点:SDG4実現に向けた、ユネスコのSDG4コーディネーションに対する我が国の今後の貢献のあり方について。

【209EX 議題6.II】SDG4-Education 2030 ユース及び成人の識字戦略(2020年~2025年)における行動計画

 第40回ユネスコ総会で採択されたユース及び成人の識字戦略(2020年~2025年)に基づき、行動計画案を提出し採択を求めるもの。【附属資料8-3 (PDF)を参照】

【209EX 議題6.III】技術及び職業教育・訓練(TVET)の戦略における中間評価

 職業技術教育訓練(TVET)に関する2016年から2021年までの戦略に関する中間評価(2019年実施)の結果を報告するもの。【附属資料8-4 (PDF)を参照】

【209EX 議題7】SDG4.5の実現に向けた評価の作成-教育における平等とインクルージョン

 ユネスコ内部監査部が、2015年から2019年にかけて国連機関及びその他の機関(ユニセフ、ノルウェー開発協力局(Norad)、世界銀行)との合同でSDGターゲット4.5(脆弱層のあらゆるレベルの教育、職業訓練への平等なアクセス)に関する調査を実施。2019年7月に公表された調査結果のサマリーを報告するもの。【附属資料8-5 (PDF)を参照】

【209EX 議題8】ユネスコ教育局の未来評価-SDG4の文脈における規範的役割対運用役割

 ユネスコIOSが実施した「ユネスコ教育局の未来評価-SDG4の文脈における規範的役割対運用役割」評価のサマリーを提供するもの。
・ユネスコが比較優位性を持ち合わせている点。
(i)幼児教育から生涯教育まで、フォーマル教育からノンフォーマル教育までの全ての段階をカバーするユネスコの任務の普遍的妥当性、(ii)国際条約を準備し、現代の教育課題における国際標準を設定することができる唯一の機関であるという、ほかにはない規範能力、(iii)教育に対する人権を基本とした人道的アプローチへの揺るぎない責任、(iv)国内委員会、代表部及び各国教育省を通じた直接的アクセスにより促進される加盟国政府との間の招集力及び信頼力、(v)公平で信頼できるアドバイザーとしての現場レベルでの存在感、(vi)国際教育アジェンダを設定する重大な役割。
・ユネスコはSDG4-Education 2030アジェンダ形成における主導的役割を果たしたが、実施段階での推進力は遅い。
・ユネスコは加盟国のニーズに応える責任があるが、特にSDG4-Education 2030アジェンダ実施に係る加盟国からの支援要求は実施能力を超えている。
・国レベルでは、ユネスコは教育改革、教育政策、教育システムに貢献しているが、外部資金に頼っている状況によりその効果が限定的である。
・資源不足にも関わらず、あまりに広い分野をカバーしようとしており、SDG4の世界規模と地域レベルのコーディネーションプロセスに力を入れられていない。
・局全体でリーダーを集めようと試みてはいるが、One Sectorとして対応していくためにはより一層の努力が必要。例えば、地域局(Regional Bureau・アジア太平洋地域等幅広い地域を管轄)の所長は、域内のクラスター事務所(Cluster Office・所在国を含む複数国を管轄)、ナショナル事務所(National Office・所在国を管轄)の教育専門職員への業務上の影響力がなく、彼らは世界規模・地域レベル・国レベルの共通の優先順位に沿った業務遂行ができていない。
・SDG4の幅広さやユネスコの対象地域に比して、教育局の組織規模は小さくパンク状態。

ハイレベル勧告:
(1)比較優位性のある分野へのプログラム上の重点化を強化する
(2)世界規模、地域レベルの運用役割間のバランスをとる
(3)世界規模のSDG4のリーダーシップとコーディネーションを強化する
(4)教育の先見を作り、アイデアの実験室機能を強化する
(5)Education 2030アジェンダの実施とモニタリングへの国レベルの支援に再び焦点を合わせる
(6)リーダーシップを作り上げ、One Sectorとして運営するための能力支援を行う
附属資料8-6 (PDF)を参照】

・論点:今後のユネスコ教育局のあり方について。また、我が国として、どの分野にいかにして貢献し、プレゼンスを発揮していくべきか。

【209EX 議題12】 国際教育局(IBE)の未来

 スイス・ジュネーブに設置されているユネスコカテゴリー1センターである国際教育局(IBE)の再編成(任務及び規約)を検討するために設置されたワーキンググループによる提案を、事務局長から提示するもの。【附属資料8-7 (PDF)を参照】

【209EX 議題18.II】 国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する1974年勧告の実施―次期協議の準備

 第39回ユネスコ総会の決議に基づき、「国際理解、国際協力及び国際平和のための教育並びに人権及び基本的自由についての教育に関する1974年勧告」の実施に係る次期総括報告が第41回ユネスコ総会に提出予定。その準備の情報収集に用いる、加盟国の勧告実施状況に係る報告書準備のためのガイドライン案について、事務局から提案がなされるもの。【附属資料8-8 (PDF)を参照】

【209EX 議題18.III】 成人学習及び成人教育に関する勧告の次期コンサルテーションの準備

 第40回ユネスコ総会の決議に基づき、「成人学習及び成人教育に関する2015年勧告」実施に係る次期総括報告が第42回ユネスコ総会に提出予定。その準備の情報収集に用いる、加盟国の勧告実施状況に係る報告書準備のためのガイドライン案について事務局長から提案がなされるもの。【附属資料8-9 (PDF)を参照】

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