教育小委員会(第130回)議事録

1. 日時

平成25年7月18日(木曜日) 10時00分~12時00分

2. 場所

文部科学省 3階2特別会議室

3. 出席者

(委員)
安西祐一郎(委員長)、見上一幸(委員長代理)、伊藤一義、榎田好一、大津和子、田村哲夫、三木繁光 〔敬称略〕

(外部有識者)
川田力  国立大学法人岡山大学大学院教育学研究科教授
手島利夫 江東区立八名川小学校長     〔敬称略〕 

(オブザーバー)
国立教育政策研究所 五島総括研究官 ほか

(事務局)
加藤日本ユネスコ国内委員会事務総長(文部科学省国際統括官)、岩本日本ユネスコ国内委員会上級事務次長(国際統括官付国際交渉分析官)、その他関係官

4. 議事

【安西委員長】
 おはようございます。皆様おそろいでいらっしゃいますので、始めさせていただきます。お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 まず、事務局に定足数の確認をお願いします。

【本村国際統括官補佐】
 本日、御出席7名ですので、定足数を満たしております。

【安西委員長】
 それでは、ただ今から教育小委員会を始めさせていただきます。
 今日は、手島先生、川田先生にいらしていただいております。よろしくお願い申し上げます。
 まず、配付資料の説明を事務局からお願いします。

(事務局より配付資料について説明)

【安西委員長】
 よろしいでしょうか。それでは、議題1「前回議事録について」に入らせていただきますが、前回5月9日の議事録をお手元に既に配付させていただいておりまして、委員の皆様には、内容を御確認いただいたと理解しております。事務局には特段御意見は頂いておりませんけれども、何か改めて御質問、御意見ありますでしょうか。よろしいでしょうか。
 それでは、確定したということにさせていただきます。
 それでは、議題2、「学校教育におけるESDの推進について」ということでございます。
 前回の小委員会におきまして、ユネスコスクールについて集中的に議論をしていただいております。今回はユネスコスクールとともに広く学校教育におけるESDの推進について御自由に御討議を頂きたいと考えております。
 皆様から御意見を頂く前に、事務局の方から資料2から9について説明をお願いします。

【本村国際統括官補佐】
 それでは、お手元の教委130-2から9につきまして御説明させていただきます。
 まず130-2を御覧ください。これは前回の129回の教育小委員会での議論のポイントをまとめたものでございます。左側に現状と課題、例えば、学校の教員は多忙なため、ユネスコスクールの活動のコーディネートの時間が十分取れないということに対しまして、右側に、解決の方向性や考えられる施策等を並べてございます。これに対しては、地域や教育委員会のコーディネーター機能の仕組みの構築というような形で、一覧にしているものでございます。
 続きまして、教委130-3でございますけれども、これも前回の議論等を踏まえて出てまいりましたユネスコスクールに関する課題を列挙してございます。大きく分けて3点あるかと思います。
 一つは、「地域的な偏在がある」。ユネスコスクールの多い地域としましては、金沢、気仙沼、大牟田、多摩市だけで合計135校登録されておりまして、全体の23%を占めるわけでございますが、他方でまだ1校も登録されていない県が、主に長崎、大分、宮崎等ございます。
 もう一つの課題としまして、「国内外のユネスコスクール間の交流に必ずしも積極的ではない」ということでございまして、例えば、これはアンケートから引っ張ってきたものでございますが、国内のユネスコスクールとの交流実績を見ますと、「会議やセミナーに出席した際の交流」については比較的多いですけれども、「実施していない」という学校も154校ございます。また、(2)の海外のユネスコスクールとの交流実績を見ましても、「教員」、「生徒・児童の往来」は1割以下でございます。「実施していない」というところも340校ございます。
 三つめとしまして、「ユネスコスクールの質を担保するメカニズムが十分に確立されていない」という課題がございます。これにつきましては、平成24年8月に本教育小委員会でも御議論いただきまして、ユネスコスクールガイドラインを策定したところでございますけれども、また、日本ユネスコ国内委員会におきましては、国内委員会宛てに、毎年1回報告書の提出を義務付けておりまして、これが2年連続、報告書の提出がない場合には、国内委員会の方からユネスコスクールの認定取消の勧告を行うこととしておりますが、現在までのところ該当した事例はございません。
 続きまして、130-4の資料を御覧ください。こちらはユネスコスクールの加盟校数を都道府県別にまとめたものでございますが、多いところから、東京都が68校、宮城県が66校、石川県が54校と多い県がある一方で、先ほど申し上げたゼロの県が4県、また、1から数校程度の学校が、登録された県がまだまだかなりたくさんございます。
 次のページでございますけれども、御案内のとおり、平成18年度当初、20校程度であったユネスコスクールの加盟校というのは急激に拡大しておりまして、平成25年6月現在で、583校まで伸びてきてございます。内訳を見ますと、これは日本の特徴でもございますけれども、小学校が約半数の290校、中学校が136校、高等学校が90校という内訳になっております。
 次の3ページを御覧いただきますと、これは日本国内の全学校数に対してのユネスコスクールの割合を記述しておりますけれども、例えば小学校、2万1,460校のうち、290校、1.4%でございます。中学校が1.3%、高等学校が1.8%という状況でございます。
 4ページ以下にユネスコスクール、現在の登録されたユネスコスクールの一覧を添付してございます。
 続きまして、130-5でございますけれども、こちらは世界のユネスコスクールの加盟校の数でございます。
 2ページ目を御覧ください。全世界で現在のところ、9,633校のユネスコスクールが登録されております。アフリカ、アラブ、アジア等、地域的なバランスを見ても比較的バランスがとれた形になっておりますが、3ページ以下に、国別の数が記載されております。これを見ますと、日本が587となっておりますけれども、これは登録申請中のところも含めておりますので、若干誤差が出てきておりますが、日本が突出した数になっております。200以上の国で申し上げますと、パキスタン、フランス、ロシア、スペイン、ブラジル、メキシコがございますけれども、いずれも200台から300前後でございます。
 続きまして、130-6を御覧ください。こちらはタイと韓国におけるユネスコスクールの取組の事例でございますけれども、例えばタイでございますが、タイ国内のユネスコスクール数は153校でございますけれども、ユニークな取組といたしまして、「姉妹校プロジェクト」ということで進めております、タイ国内のユネスコスクールが農村地域の、貧しい地域の学校を支援する形を政府として支援しておりまして、現在、ユネスコスクール64校がこの農村地域の131校を教員のトレーニングですとか、ユースキャンプの開催等の支援を行っているという状況でございます。タイ政府の目標としましては、今後この農村地域の500校に対しての支援を拡大していきたいとしております。
 また、韓国におきましては、韓国国内のユネスコスクールは134校となっておりますけれども、これはこのうち正式にユネスコに承認された、いわゆるユネスコスクールは59校でございまして、2階層制を取っているということでございます。まず国内において、ユネスコスクールへの新規加盟申請を受け付けて、その後、国内委員会が学校訪問したり、担当教員と面談をしたり、活動実績を確認したりした上で、国内のユネスコスクールに加入を認めております。その後、3年間の活動を更に評価した上で、ユネスコに推薦をし、正式なユネスコスクールということで申請されるという2段階のシステムを導入してます。ちなみに、2年連続して活動実績のない学校は除名ということで措置しておりまして、実際にも2007年から2011年の間に44校が除名されているそうでございます。
 続きまして、130-7を御覧ください。こちらはユネスコスクールにかかる関係機関でございますが、通常、各国におきましてナショナルコーディネーターというものが置かれております。このナショナルコーディネーターが各国のユネスコスクールのネットワークの管理ですとか、ユネスコスクール間の交流についてアレンジ、支援を行う、加盟申請の支援を行うという役割を担っておりますけれども、こちらの図は日本国内の運営体制でございますが、日本ユネスコ国内委員会事務局に置かれたナショナルコーディネーターとユネスコスクールの事務局としてACCU、また、ASPUnivNet、今、17大学が加盟しておりますけれども、それぞれこの3者が協力しながら、ユネスコスクールの加盟申請の支援、また、事務局としての各種支援や研修等を行っております。
 続きまして、130-8を御覧ください。こちらは前回の教育小委員会で委員から御質問のございました各大学で、特に教員養成課程のある大学で、ESDの科目がどのように教えられているのか、どの程度教えられているのかという質問がございましたので、私どもの方からASPUnivNetの加盟大学に照会をいたしまして、17大学からESD関連科目の開講状況をお聞きしてございます。開講数、科目数はそこに一覧にありますとおりでございますけれども、必ずしも教職科目に限定されたものではないというものでございます。
 続きまして、130-9でございますが、これはユネスコスクールに認定されている学校以外でのESDの取消状況につきまして、国立教育政策研究所の五島総括研究官の方から情報を頂きましてまとめた資料でございます。これに関しましては、五島先生にオブザーバーとして来ていただいていますので、五島先生の方から簡単に御説明いただければと思います。

【五島総括研究官】
 国立教育政策研究所の五島です。では、御説明したいと思います。
 実はユネスコスクールですごくESDというのが盛んになっているのですけれども、全国的に総合的な学習を中心に、ESDをやっている学校もあれば、ESDというのを前面に出していませんけど、ESD的な内容を実施している学校というのは広がっております。
 来年、ESDに関するユネスコ世界会議がありますので、同じ思いでやっている学校がお互いを認知することが大事かなと思っております。
 まず1番目に、埼玉県ですけれども、教育センターの方で、ESDの推進を目的として、実際に研修を行って、一つの事例ですけれども、川口の戸塚南小学校は、環境教育を中心に学校カリキュラム、学年カリキュラム、学級カリキュラムで実施しております。
 そして、2番目に熊谷江南中学校ですけれども、農業体験活動を中心に行っているということです。
 2番目の神奈川県と4番目の和歌山県は、後ろにスライドで紹介していますので飛ばさせていただきます。
 3番目の愛知県ですが、愛知県は、ESDに関するユネスコ世界会議があるということで、実はもう全県的に結構広がっておりまして、結構な数のユネスコスクールが登録されております。それ以外として、ここに紹介している緒川小学校、葉栗小学校、愛知商業高等学校とか土橋小学校などが伝統行事やマーケティングにESDの考えを取り入れています。それから、土橋小学校の場合には、環境に配慮した校舎の改築も行って、環境モデル都市である豊田市と協力して全面的にやっていて、すばらしい事例が紹介されております。表面的に出ているのは環境教育ですけれども、実質的にはESDということをきちっと意識して、実施されております。
 そして、4番を飛ばしまして、5番目の鹿児島県ですけれども、これは奄美大島の龍郷町というところですけれども、ここも全庁的に環境プロジェクトという、中身はESDですけれども、そういうものを実施しております。ここは環境教育優良賞というのを確か3年連続受賞しております。
 和歌山県の方ですけれども、ここは全県的に最近広がりを見せておりまして、実は従来からふるさと教育というふうにやっております。最近はふるさと教育ESDというふうにやっておりまして、次ページに昨年の例を紹介しております。大体10件ぐらい、今年で小中高のトータル10件ぐらいが3年間のプロジェクトですので、県内に30校、ユネスコスクール以外ですばらしいふるさと教育、ESDの視点を入れ行われております。
 下の方のスライドを見ますと、地域学習から、それから、防災教育とか、観光プランを考えるような教育という、非常に多様性を帯びて、本当にESDの全てのテーマを網羅していると思います。
 次のところを見ていただけるようお願いします。次は神奈川県の例ですけれども、実は三浦市では、平成13年、もう10年ぐらい前からですけど、地域学というのでしょうか、三浦市総合計画の中の「みうらっ子」を育てようという、地域の自然や産業、地理、暮らしなどを子供たちに理解させて、人材育成、教材開発を行っているという例です。
 ここの写真に、カラースライドの2枚目ですけれども、三浦市はずっと地域学というのを長い間やっていまして、ここの写真にあるように、三浦の地層とか、三浦の植物とか、三浦の社会科の教材とか、それを英語で紹介したりして、今はESD的なものを意識してやっております。教材を開発して、三浦市全体に広げるために人材育成もやっておりまして、それは3ページ目の次のスライドを見ていただければと思います。やはりESDを広めるためには、人材育成というのは非常に大事だということです。三浦市の場合には学校が13校しかありません。中学校4校、小学校9校です。そこの中で毎年5人ずつ、次の4ページに書いてありますけれども、「みうら学」という、そういう総合的な学習、ESDの内容を広めるために人材育成をやろうということで、毎年5人ずつ研修をやって、1年間で、先生方を育成すると。そのプログラムの中で、8年間行われてきていますので、約35件のここにあるような三浦のさばとか、外来生物とか、三浦の自然とか、三浦の寺とか、三浦の砂とか、こういうものの地域を知って、更にそれを世界とつなげていくということであります。 ESDというのは全面的には出していませんけれども、内容的にはESD的なことをやっているような学校が全国的に増えておりますので、せっかくですので、ユネスコスクール以外のESDをやっているところも顕在化できればと思っております。 以上です。ありがとうございました。

【本村国際統括官補佐】
 以上で事務局からの説明を終わります。

【安西委員長】
 それでは、まず今の説明について、何か御質問、御意見ありますでしょうか。どうぞ。

【手島校長】
 ユネスコスクールの研修をしている日本ユネスコ協会連盟は、130-7の図でいうと、どこに位置付けられるのかなと思いまして、そこが疑問に思ったのですが。

【岩本国際交渉分析官】
 日本ユネスコ協会連盟は、ユネスコスクール普及の際とか、いろいろな研修会とかいうことをやってこられたわけですが、今現在やっているかというと、そうはっきりはしていないので、あくまで現状ということで書いてしまいました。そうは言いながらも、ユネスコ協会連盟は、ESDに全く無関心というわけではなくて、いろんな事業をやろうとしています。ただ、それもそのときの財政状況に応じつつということになります。最近もユネスコ協会連盟は、ユネスコスクールについてのガイドブックみたいなものを出したということを聞いておりますので、資料に全く抜けているというのはこちらの配慮が足りなかったかもしれませんが、今現状の姿というふうに捉えていただければと思います。

【手島校長】
 そうですか。分かりました。

【安西委員長】
 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

【田村委員】
 これは別に今日テーマにされなくていいと思うのですけれども、ユネスコスクールを増やしていく運動をしている最中に気が付いたのですが、国連大学をもうちょっと使った方がいいのではないかという感じを持っております。つまり、ここで御覧いただいているように、地域で取り上げようというところはすごく増えるのですね。一挙に増えるのです。地域で取り上げるということの方法として、国連大学というものはすごい役割を果たしてくれるということを実感したことが何回かありました。
 具体的に言いますと、沖縄ですね。沖縄に国連大学のRCE((Regional Centre of. Expertise:ESDに関する地域拠点)というのがありましたね。RCEを置くというと、もうあっと言う間にユネスコスクールが沖縄にたくさんできるだろうと感じがありましたので、国連大学に動きを聞いてみると、RCEを少し増やしていきたいというお考えもあるようです。我々のやっているユネスコスクールというのは実は国連の仕事ですよね。つながりでいえばそうですよね。だから、国連大学をもっと使った方がいいのではないかという感じを持ったものですから、そういったことができるかどうかですね。

【岩本国際交渉分析官】
 事実関係だけ申しますと、今おっしゃった国連大学のインスティテュート・オブ・アドバンスト・ユニバーシティズという、これは横浜にある国連大学の研究所ですけれども、そこが中心になりまして、世界的にリージョナル・センター・オブ・エクスパティーズというのを構築しております。日本では既に岡山大学あるいは、宮城教育大学等を中心にして、六つの地域が既にあるわけです。この考え方としては、高等教育機関のみならず、そこにある初等教育機関、社会教育施設等がネットワークを結んで、まさに地域におけるESDの振興を果たしていくということで、本日、資料は用意しませんでしたけれども、そういったことが取組としてなされております。
 確かに田村委員おっしゃったように、先般、沖縄の方でそういうお話があったということも国連大学の方へ伝えましたところ、RCEが増えていくという意味でも、また、地域におけるESDの振興ということでも、そういう機運が盛り上がっていけば大歓迎だということは言ってらっしゃいました。RCEについて、もし岡山大学あるいは宮城教育大の方で補足があれば、お願いします。

【川田教授】
 ただ今のお話に関してですが、ESDあるいはユネスコスクールの推進に御協力いただけるような機関はなるべく多くの機関に御活躍いただければ良いと思います。しかしながら、私が理解するところでは、RCEの実態としては、国連大学から多くの予算が当該地域に配分されているわけではなく、各地域が自律的に運営している形になっていると思います。例えば、RCE岡山では、岡山市がRCEの中心的な役割を果たしており、岡山大学も各種の御協力をさせていただいておりますが、現実的にはボランタリーな力によって支えられている部分がかなりございます。ボランタリーであるということは、草の根的に根強い活動である可能性がある一方で、かなりぜい弱な側面もあります。
 特に予算的なこと、あるいは人員的なことは十分に保証されているわけではないという実態です。また、RCEも私がお聞きするところ、地域によって中心的な役割を果たしている組織に違いがあり、活動も多様であるとお聞きしております。

【見上委員】
 宮城の現状を申し上げますと、事務局は宮城教育大学でお引き受けしてやっておりますが、実際には今、川田先生がおっしゃったように、岡山と同じような形で、資金的にはかなり自立した形でやっていて、そのRCEでお金をいろんな形で、グラント(補助金)を取ってくるような形の働きをしています。メンバーはそれぞれの地域の、それはこの中にはユネスコスクール関係の関係者も多いのですけれど、この地域がだんだん広がりつつあります。いろんな農業関係者とか漁業関係者、そういった方も入っておられまして、そういう意味では非常に地域全体を巻き込んだ形のESDが進んでいるというふうに言えるかと思います。
 それから、沖縄の方ですけど、1月にちょうど友達が学部長をしていたということもあって、お話に行ってきました。非常にESDに関心を持っておられて、その話は、ゆっくりですけど、進んでいるようですので、恐らく沖縄のRCEに対して琉球大学がかなりサポートしてくれるのではないかというような期待を持っております。以上です。

【安西委員長】
 ありがとうございます。どうぞ。

【三木委員】
 今の御報告を聞いて、一番感心しましたのは、韓国における加入方法と手続ということですね。数の上で日本が非常に多い。ちょうどその対照的にやっているのが韓国だなと。国内で3年間の活動を評価した上じゃないと申請しない。さらに、2年連続して活動しない学校は除名する。今、日本では量だけじゃなく、質にということも話題に上っているが、量の方が優先しているのですが、やっぱり本当にユネスコスクールに値するかというと、これは韓国ほど厳密にやるかどうかは別として、本来はこう行かなくてはいけないのではないかなと思います。日本でも最初の方にユネスコスクールになったけれども、何もしていない学校もあるのですけど、その辺の除名というのはしていないと思います。韓国の場合は何をしたらいいかというのが非常にはっきりしていて、最初の3年間にこういうことをやったら認めるというのがあり、それを続けるということですね。それに対して日本の場合はいろいろな、例えば環境もふるさと教育ももちろんいいのですけど、それをやればいいのかというと、その辺がちょっとはっきりしないなと。要は、数量的には非常に増えてきましたし、ゼロの県はなくしたいけど、やはりこの質の面で韓国を一つの参考にして、そこまでやるかどうかは別として、やらなくてはいけないのではないかなと強く思いました。

【安西委員長】
 ありがとうございました。大変貴重な御意見を頂いておりますけれども、先ほどからの件について、大体11時ぐらいまで意見交換の時間を取らせていただきますので、事務局説明への御質問だけではなくて、もっと広く御意見を頂ければと思います。
 また、今日はこの後、手島先生から御提言を頂いておりますので、その御説明もこの後にしていただくことにしております。手島先生の御提言は、ユネスコスクール、また、ESDの活動をもっと質的にも量的にも高めていこうということではないかと理解しておりましたので、今の三木委員の御発言あるいは田村委員、また、ほかの委員の方々の御発言とも関係してくると思われます。
 それから、その後で、今日は事務局からの提言というか、案です。これからの案も出るということになっておりますので、盛りだくさんでございますので、まずは今までのところで御意見を頂くということを11時ぐらいまでさせていただきます。

【見上委員】
 ユネスコスクールの日本と海外との交流、なるべく質の高い交流をするためにということで、少し御説明をしたいと思います。それで、いろいろ川田先生、岡山大学にも非常にサポートしていただいているのですが、何かテーマを決めて、日本の学校と海外の学校ができたらいいということで、これは国内委員会やACCUのサポートもあって、お米をテーマにしております。お米だと、文化から、それこそお祭りなども含めて、いろんなことが交流できるだろうということで、数年前からしかけていました。日本のユネスコスクールについては、我々知っているわけですから声を掛けられるのですけど、海外のユネスコスクールというのはなかなか情報が手に入りません。そこで、もうこの際必ずしも相手はユネスコスクールでなくてもいいからというような形にしましたら、今度は相手が割と決まりました。そして、この7月にようやく、宮城の古川市というお米どころの小学校数校と、タイ国のアユタヤの学校がインターネットの会議をやりました。お米の収穫の時期が違うとか、お米の形が違うとか、味が違うとか、料理が違うとか、情報交流をやりまして、地域にとっては非常に目新しいものですから、新聞に取り上げられたり、テレビに取り上げられたりして、子供たちが大分自信を持って張り切っているという情報がありました。もう一例は、昨日無事終わったと思うのですが、これも宮城県内の学校と韓国の学校がお米をテーマに交流しました。
相手の学校を必ずユネスコスクールというふうに限定しなければ、かなりそういったことがうまく行くのかなというような予想を持っています。これがどれだけ深まっていくかとか、あるいは継続するかが大切だと思いますので、これはASPUnivNet、大学間ネットワークのメンバーが学校をサポートして継続できるようにしてあげられたらいいなと、そんなふうに考えています。

【安西委員長】
 どうぞ。

【川田教授】
 ただ今の件についてですが、宮城教育大学が中心となって、非常に熱心に学校支援をされているのだと思います。この活動は是非、継続的にお進めいただきたいと思います。これは個人的な見解ですけれども、そうした活動が海外の学校とうまくマッチングしにくい点に関して、ESDについての理解が、日本国内における理解と海外における理解に違いがあることが影響しているのではないかと心配しています。地域あるいは地域の文化に根ざした持続可能性を考えることは極めて重要なことだと思います。しかし、ESDで今、グローバルな流れになっているのは、やはり、直面する世界の持続可能性を揺るがす危機的状況に対処できるような人材育成をしようということで、生物多様性の喪失、気候変動、防災・減災、貧困などの問題がESDが取り組むべき喫緊の課題であると認識されているのではないでしょうか。
 その点で、お米プロジェクトがどのようにそれらの課題と関連しているのかが十分に理解していただけないとすると、進めにくいのだと思います。グローバルに見て、ESDがどういうように進められているのかをしっかり認識してプロジェクトを進めていく必要があると思いますので、UnivNetとしても加盟大学から様々なアイデアを集めて御協力していきたいと思っているところです。

【安西委員長】 
 どうぞ。

【田村委員】
 ユネスコスクールの数を増やしてきたというところにずっと立ち会っていた関係からちょっと申し上げてみたいことが幾つかあるのですが、まず韓国のやり方はとてもいいやり方で、私も全く同じ意見なのですが、実は、もう御存じだと思いますけど、日本と韓国は立ち位置が全然違うのですね。韓国はすごい財政的にしっかり国が支援してくれています。

【岩本国際交渉分析官】
  いえいえ、どうぞ。

【田村委員】
 その専門のビルまであるわけですよね。そこからも収入が上がるし、財政支援が国としてしっかりできているのですね。日本では、はっきり言うと、そのときに応じて予算要求して、通ればいいし、通らないと駄目だと。ESDに関するユネスコ世界会議をやると決まっていながら予算に苦労しているみたいなところがあって、このユネスコスに対する取組がいま一つ、やっていて、実感としてあるのですけれども、国の姿勢が非常に、言っているほどじゃないというのはあるのですね。しようがないから、とにかく数を増やしてからまずやろうかと。これは民主主義ですから。数も増やさないと何言ったって通らないからというので、増やしている。結局それは当然そのままじゃいけないから、質の問題を後からでも改良していこうというのが、これが当然のこととして始まっているという、こういう流れなのですけどね。
 それについてはこれからどうしたらいいかというと、やっぱり国連については、韓国にはなくて日本にあるものというと、国連大学なのですよね。国連大学は日本にあるのです。国連の直接組織だから、やっぱりそれは韓国よりはその部分がメリットとしてあるわけですから、もうちょっと積極的に活用するという方法を講じられないだろうかというので、たまたま沖縄でそういうケースがあって、進めていただけないものかというような話でお願いしているところなのですけれども、やっぱり最後はお金なのです。
 例えば経済界で組織的にそういったところが支援するみたいなことが仕組みとしてできるかどうかというようなことも考えないといけないんだろうなと。国がやってくれないから、それはやらざるを得ない。しかし、実際、大学を置くにしても、お金がないと大学も置けないわけですから、その辺のところをどうするかというところで、今ちょっと動けなくなっているというような実感があるんですけれども。ただ、たまたまESDに関するユネスコ世界会議を来年日本でやるわけですから、そのためにも是非一つそのチャンスを生かして、多くの方に説得を繰り返して、そのファンデーションですね。資金的な支援ができるような仕組みをもうちょっとユネスコスクールを議論するところで、並行してその議論も進めてもらえないかなと。
 例えば、国連大学が沖縄でRCEをやってもいいよという御意向を持っているのであれば、沖縄なり、役所がどこかよく分かりませんけど、適切なところに働きかけて、そういうことについて支援してくれないだろうかという、そういうような動きができるのかどうかですね。やっていただくことによって、少なくともあの地域には、国連大学を通して確実にユネスコスクールができるという見通しがありますから、そんなようなことがお願いできないものだろうかなということを考えています。

【安西委員長】 
 どうぞ。

【岩本国際交渉分析官】
 韓国のユネスコ国内委員会は、御案内のとおり、これは国の機関ではございません。民間の団体であります。それで、収入の3分の1程度は、さっきおっしゃったように自前のビルのレンタルの借料から、3分の2は今は教育省というのでしょうか、そこから来る国のお金で、もちろん韓国自身が朝鮮戦争の直後にユネスコに非常に助けられたという思い入れもあって、非常にユネスコ活動に熱心だということはございますけれども、それに加えてその民間団体である国内委員会の活動というのは非常に活発なことは確かであります。我々が日頃付き合っているのでも、やはりユネスコスクールの担当者は課長レベルでおりまして、その下に二、三人、アシスタントみたいな方がいまして、その方々が定期的に国内を回って、国内版ユネスコスクールの現状を見たり、あるいは何か新しい芽があると発掘しているというようなことはやっているようであります。
 一方、RCEでございます。確かにRCE、非常にいいコンセプトだと思います。ただ、国連大学の関係者に伺いますと、先ほど川田先生おっしゃったように、これを始めた当時のヒンケル総長の考えとして、お金は一切付けない。お金を付けるとプロジェクトは堕落してしまうというのことだったらしくて、結局そのエクストラ・バジェッタリー、外部資金を持ってくるというようなことでやっております。
 もちろんRCE自体はユネスコスクールを含み得るものでございますけれども、ユネスコスクールの振興のためだけのものではないということはお含みおきいただけますでしょうか。やはり、地域の振興、それと高等教育機関、初中機関、そういったものを全部巻き込んだ形でESDをどう振興していくかという上では非常に有意義な措置だと思いますし、国連大学というのはおっしゃるとおり日本にございます唯一の国連機関ということから考えれば、より一層な連携が必要かと思います。

【安西委員長】
 ありがとうございました。ほかにはいかがでしょうか。
 私の方から一つ、質問半分なのですけれども、先ほどから世界各国のユネスコスクールの数を御説明いただきましたけれども、これは学校の数とか、それから、児童・生徒の数でなぜ割らないのかと。それを割って、今、目の子算でやってみますと、いわゆる発展途上国にかなりユネスコスクールが多いように見えるのです。その理由はやはりユネスコに期待しているところがあると。日本が昔、戦後間もなくの頃そうであったのと意味は違うかもしれませんけれども、そのことと、日本がなぜESDとかユネスコスクールということに、特にESDについて力を入れるということがいいことだという感覚を持つのかというと、個別の教科ではなくて、ある社会的な課題について総合的に考え、実践するということを子供たちが行うということが今まで日本の教育では、抜けてきた面が強いからではないかというふうに見えて、これは私の主観でございますけれども、そのことについて、今、中央教育審議会あるいは教育再生実行会議もそうだと思いますが、子供一人一人が自ら考えて、自ら実践をしていくような方向へ学びの場を作っていこうという、そういう空気はかなり今出てきているように思います。
 そういう中で、ユネスコスクールの活動、あるいはESDの活動が核になっていける、ちょうどそういう時期に来ているのではないか。大変大風呂敷の話で申し訳ありませんけれども、そういうふうに捉えないと、日本のユネスコスクールの数を大きく増やしてきたのは、先ほど川田先生おっしゃったように、グローバルな見方と国内の事情というのは多少違う面があると私も思うのですけれども、それはやはり日本の国内の教育の状況を今申し上げたように変えていこうという、変えていかなければならないのだということがバックにあって、増やしていかなくてはいけないのではないかということがあるのではないかなと思います。少し長くなりましたけれども。
 ですから、世界と比べて数がどうだからどうだとかということを日本の教育あるいは学びをどうしていきたいのかということが、実はかなりバックにあるべきかと思います。だから、予算が少ないというのも、今申し上げたような見方をしていくことによって、今、国内でいろいろ行われている教育の論議と結び付いていくし、むしろその核になり得るのではないかというふうな気がしますので、申し上げておければと思いました。

【見上委員】
 今、委員長がおっしゃられたことを実感しています。これはUnivNetの会合でも申し上げたことなのですけど、ESDと言ってもなかなか受け入れてもらえませんが、子供たちがこういう能力、例えばOECDで言っているキー・コンピテンシーとの関わり、あるいはPISA型教育、学力の問題等に結び付けて、ユネスコスクールでこういう活動をするとこういった力が付くのですというようなことを説明すると、校長先生も非常に食い付いてきます。ですから、おっしゃられたとおりだと思います。その辺を我々も頑張るということが大事かもしれません。

【安西委員長】
 それは先ほど見上先生がおっしゃったユネスコスクール以外の学校とコミュニケーションを取ると、コンタクトが取れる面もあるというのは、日本全国の学校がユネスコスクールかどうかにかかわらず、ここで行われているような議論に対して関心を持っているし、実践もしてきているということだというふうに思いますので、ユネスコスクールがむしろそれ以外の学校といろいろな関係を持っていくということも大事だというふうに思います。
 先ほどのこの世界の数というのを見ていると、それからずっと、先進も後進も教育にはないのですけど、いわゆる総合学習的な教育に慣れている、そういう国ほどユネスコスクールの数はそれほどでもないという感じがするのです。日本はそういう意味で、ESDが目指しているような学びの場が今まで非常に少なかったということがあるのではないかと、それがバックにあるのではないかと思っております。

【岩本国際交渉分析官】
確かにこの世界の学校の数は、全学校数の割合とかキャピタルでどのくらいというのを示すのが本来やるべきことだったのかもしれませんけれども、確かにおっしゃるとおり、一方ではアフリカ地域は割と多いのです。それはユネスコに加盟したのが大体1960年以降とかそういうこともあって、それとユネスコの政策への親和性みたいなのがあったのかもしれません。それから、ヨーロッパ、アメリカなど、特にアメリカというのは非常に少ないわけですね。ですから、そこら辺、確かにその各国の教育内容の取扱いと、そのユネスコスクールの数の関係はある、何かの相関はあるのかもしれません。
 それと、おっしゃるように、ESDにつきましては、先ほど見上先生がおっしゃったようにキー・コンピテンシーでございますとか、21st Century Skillsでございますとか、そういったことが言われている中で、また、日本では最近、汎用的能力というような議論もされている。どうもそういったお話を、教科書調査官のOBと議論していると、それはESDで僕たちが言っていることとかなり同じではないかというようなことがございました。
 ですから、ユネスコスクールの問題と、もっと全学校でやるべきESDというのは、かなり共通の話題にはなっているというような気はしているわけであります。ただ、ESDという言葉の知名度は相変わらず低いわけですけれども、そういったことは言えると思います。

【安西委員長】
 ほかにはいかがでしょうか。もしよろしければ、あとで総合的な時間は取れると思いますので、先に進めさせていただきます。
 それでは、手島校長先生の御提言がありますので、まず手島先生に御説明いただいて、その後、意見交換をさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

【手島校長】
 貴重なお時間を頂けること、大変うれしく思っております。今、安西先生がおっしゃっていただいたように、ESDを広めるということは、ただユネスコスクールという形を多くするということだけでなくて、日本の教育をどのような在り方にしていこうか。あるいはどういうふうにしていくべきなのかということを抜きに考えられるものではないと思っています。どちらかというと、知識・理解中心の従来の教育から、児童・生徒あるいは学生が体験や人との触れ合い等を通した学びを進める中で、思考力、判断力あるいは自らその問題意識を持って取り組むという実践力等を中心とした学びになっていってほしいというような願いがあるわけです。
 問題解決力や、それから、コミュニケーション能力がこれからの時代、特に必要とされているわけで、そのような学びの在り方というのがこのユネスコスクールの取組を進める中で必ず広がりを持っていくのではないかというふうに考えておりますので、私はそこに向かって全力を尽くしてきたわけです。
 まず、前回のお話を伺って、今どういう問題があるのかなということで、ざっとここに挙げてみました。最初はESDの拠点としてのユネスコスクールの在り方についてなのですが、数の問題は580校でいいのかということ。そこで、一つ目は、580校のままで日本のESDを十分に推進できるのかというと、困難ではないかと思うのです。全体の1.5%に満たないわけで、あるいは地域格差がある現状の中で、ESDをやっています、という形を作るだけではなくて、日本中がこのような教育の在り方になっていくためには、どうしても足りないのではないかということでした。
 それから、ユネスコスクールは周辺の学校への拠点なのですが、拠点としてどのように巻き込む力があるのか、そういう力が今のユネスコスクールで十分なんだろうかという話もあると思います。
 それから、数が増えていったとしても、それはESDというのはユネスコスクールの問題でしょうと、一般の校長や教育委員会の方々がそのような認識で広がってしまって、ユネスコスクールはたくさんやっていますね、いいですね、というようなことであったとしたら、これは全然意味がないと思うわけです。あるいは教育委員会との関わり方もその中ではとても大切なことだと思われます。そういう中で、韓国のやり方などを例にしていくことが必要だろうというお話だったと思いました。
 それから、質の問題では、日本のユネスコスクールの質がどうなるのかということは、とても重要な問題、世界的にも重要な問題なのだろうということと、ガイドラインができて、大変分かりやすくてすばらしいガイドラインだと思うのですが、強制力がないという点で、それで十分かということがあったと思います。それから、その質を保証するための調査あるいは監督していくための機関が十分でないかもしれないというような意見もあったように思います。
 3番目には、今度は持続性の問題なのですが、校長たちというのは大体3年から5年ぐらいで異動します。職員も5年から、長くて七、八年ぐらいで公立学校の職員は動いていくわけです。そういったときに、3年なり、長くて5年たったときには、今のユネスコスクール580校がどうなってしまうのかという心配があります。これはかなり深刻な問題だと思っています。
 それから、予算面での弱さも話題になりました。それと関係があると思うのですが、2014年の会議で、世界会議が終わったときに、ESDはこれで終わりなのだというような認識が広がってしまったり、あるいは予算がそこで付かなくなってしまったりということで、その予算目当てに研究しているようなところがあったとしたら、そういうところはすっと手を引いてしまうのではないだろうか。そういう在り方であってはいけないなというふうなことも感じました。
 そういうふうには言っているけれども、大分基盤整備が進んできたことも確かだと思います。一定の数とネットワークも整った。これをうまく活用することが大事だと思いますし、ホームページの整備、全国大会がもう4回目になりましたし、プレートも贈られていて、あのプレートがあるということで、職員や子供たちやあるいは保護者、地域の方たちの教育に対する見方も随分変わってきます。大きな力を発揮してくれているのは確かだと思います。ただ、そういうプレートがあるとか、名前があるということが教育の本質でないことはもちろん確かなのですけれども、それが教育を推し進めていく力があることも確かだと思っています。
 それから、日本の教育への、ESDの位置付けが明確化されてきたというのは、国内委員会で作っていただいているオレンジ色のパンフレットでも分かりますし、学習指導要領や教育振興基本計画との整合性というのがすごく明確化されてきたので、現場でやっている学校としては大変力強く感じています。
 それから、学習指導要領に対する必要な枠組みというのが国立教育政策研究所の研究報告書で大変明確化されてきて、それを基に、学校教育ではこう考えていけばいいのかというようなことが大変分かりやすくなった点は、参考にさせていただいております。
 また、いろいろな研修会が大変盛んに行われているのも、これも基盤整備という意味では大変価値のあることだと思っていますし、最近では、ここ一、二年だと思うのですが、教育新聞社が毎月、そのESD特集を月の終わりぐらいに1ページを割いて特集してくださっているのです。このことは随分ESDの推進に役立っているのではないかなと思います。ただ、一般紙はほとんど無関心であるというのが現状だと思います。
 それから、これ以外にも政府の広報のインターネットテレビ等で番組が作られていることも有り難いなと思っています。ただ、あんまり人が見ていないらしいなというのは感じています。見せる工夫というのが必要なのかなというふうにも思いながら拝見しておりました。私自身も不勉強で知らなかったことがたくさんありました。
 それから、もう一つ大きな柱として、全国の学校教育におけるESDの推進というのが、これが今日の会議の中心になるのかなというふうにも思いながらまとめておりました。つまり、ユネスコスクール以外の学校には、依然としてこのESDに対する無関心というか、意識がないということが問題だろうと思います。それは取りも直さず、各地の教育委員会がこのこと自体をよく知らないということにも原因になっているのではないかと思います。
 それから、やはり知識・理解を中心とした教育観からどうしても抜け出せずに、学力調査の結果が学校を計る、あるいは教育力を計るバロメーターかのように思われてしまっている。そういう人たちがやっぱりリーダーの中に大勢いるのではないかというふうな危惧を抱いております。
 それから、教科横断的な学習指導計画あるいは問題解決的、探求的な学習の在り方というのがそういう意味で軽視されがちな現状があるのだと思います。結局、ESDを進めていく中で、このような教科横断的なインテグレートした学びというのでしょうか、そういう学びの在り方とかがもっと重視されるようになっていくことがESDを進めていく価値になっていくのかなというふうにも思っております。
 それから、どういうふうに問題解決の提案をするのかということなのですが、幾つかあると思います。現状ではやはりいろいろ不十分な点があるので、思い切った取組が必要だと思います。それはユネスコスクールの在り方について、先ほどの韓国のやり方も参考にしながらということだと思いますが、休止校とか除籍校の規定というのを作っていくことが大事かなと思います。もちろん韓国のやり方は大変参考になるのですが、日本の場合は、そのユネスコスクールをどうするかということだけではなくて、一般の学校をどう巻き込んでいくのかという意味で考えていくのだとすると、そういうことを大きく視野に入れて、日本の在り方というのを作っていくべきだなと思っております。
 それから、各校の自己評価を一層重視するというふうにしていますけれども、報告書のやり方がガイドラインの内容を反映したものになりましたので、大変価値のある報告書が作られるようになってきたと思っています。各校が自校の取組を評価するのにとても役立っています。それから、ユネスコスクールの数を今、580になって、フランスのパリの本部に今までかなりの負担を掛けていたのではないかなという気はしているのです。そういう意味で、これ以上、同じペースで増加していくのは難しいだろうと私は思っています。そうすると、国内での仕組みというのも作る必要があるのかなと思いました。
 そこで、2番の1として、日本のユネスコ国内委員会で、ESDの実践推進校というような認定制度を作ったらどうかというのが私の提案になります。決め方は自校推薦でなく、むしろ各区市町村の教育委員会にそのような学校を推薦してもらうようなやり方をしたらいいだろう。それはなぜかというと、区市町村がESDの学校における在り方というのを、ああ、こういう点を見ていけばいいのかというところがぐっと理解されることになるのではないかなと思って、こんなシステムを考えたわけです。
 つまり、ESDを進めるには、やはり「生活科・総合的な学習の時間」というものを各学校教育の中にうまく位置付けていくことが重要になってくると思うので、そのカリキュラムをしっかり見直していただいたり、あるいはそのカリキュラムに対して、いろいろな指導助言をしていただいたりできるような見方が広がっていくことが大事だろうと思います。
 それで、1から7までの案を書いてみたわけです。一度に増やした方がいいのではないかなというような大ざっぱな見方なのですが、区市町村の合計、国内で1,742あるというふうに言われているので、その各区市町村から1校ずつ推薦してもらったとしたら、1,742になる。全部来るかどうか分かりませんけれども。
 また、教育委員会の立場だとすると、1校ぐらいは自分のところに、それらしいことをやっているところがあるのは大体承知しているのです。そうすると、そこをただ推薦してくれればいいということで、ESDの推進という点では、今までとあまり変わらないということがあり得るわけです。しかし仮に、一度に3校出してくださいと言われたら、それには、各学校のカリキュラムの現状を見直さない限り、推薦できなくなるわけです。教科横断的な学習カリキュラムはできているのか。その時間の運営はきちっと各学年で現実的に行われているのか。あるいはその中でどんな取組がされて、どんな成果が出ているのか。子供たちは、あるいは教員はどのように変わってきているのか。そのようなことに対して目を向けていただけるようになったとしたら、これはやるべき価値があることだろうなというふうに思うのです。それがここに書かれていることです。
 また、ESD推進校の中から毎年30校程度を選んで、ユネスコスクールとして推薦していったらどうだろうかというふうに思います。それは報告書の中身を検討していくことでできるのではないかというふうにも思っています。
 表にしてみたのですが、まず1校ずつ毎年お願いするとしたら、これは毎年頼みますというふうな通達を出していったとしたら、何年間かの間にこの自分の地域の学校教育をもう少しよく見ていかなくてはいけないだろうなというような見方が広がるだろうということを期待して、何年間かのスパンを持ったやり方を提案しました。
 学習指導要領の改定については、総合的な学習が削除されてしまうのではないかという心配を私は強く懸念しているわけで、それがき憂であれば何ということでもないのです。でも、学校教育の中でESDを進めていくのには、「総合的な学習の時間」あるいは生活科の時間が各教科領域における実践をつないでいく「のりしろ」のような働きをしていて、とても重要な部分だろうと思いますし、これがもし失われてしまうようなことになってしまったら、日本の教育はかなり大きなダメージを受けるのではないかと思っているわけです。
 それから、各ユネスコスクール間でもっともっと交流が必要だろうということであれば、「パワーアップ交流会」というようなやり方を進めていったらどうだろうというようなことを2番で書きました。その具体的なチラシというのが資料の末尾のところにあります。去年、本校で取り上げたやり方で、自分のところの実践だけで発表会をするのでなく、いろいろな学校が集まって、実践を持ち寄って、それを交流し合うような場を作っていくことがESDを地域に広げていくのです。ESDの推進拠点として、ユネスコスクールの役割を果たす上で重要なことなのではないかなと考えて取り組みました。昨年度やったときには、六、七校が集まって、それぞれの実践を交流させていただきました。価値ある交流ができたというふうに大変高い評価を頂きましたので、実践して良かったと思っています。
 それから、今話したこととかなり重なっていますが、ESDそのものの日本全国への普及と一般化を進める方策としては、「総合的な学習の時間」を重視し、そういう研究会とユネスコスクールがもっともっとリンクしていくことが大事だろうと思っています。
 それから、5ページの3番では、「学校におけるESD推進有識者会議」というような会議が開けたらいいなというふうに思ったわけです。これは小学校、中学校、高校、それぞれやはり校長がどういうふうな意識を持つかということがとても大事なことで、ESDを進めるには、いわゆる一般の先生からのボトムアップだけでできることではないので、校長たちの認識が広がるということはとても大切なのです。そういう意味で、いろいろな会議と連携したり、その場で様々な会議の力を発揮していただけるような取組を話し合うことができたらいいかなと思います。
 5のところにも書きましたが、この会議の設置は、もちろん教育の本質に迫るものではないのですが、ESDの認識を広げたり、連携、協力を進めたりするという意味では、政治的に有効になり得るのではないかなというふうにも思います。
 前回のこの教育小委員会の議題は、ユネスコスクールの在り方でした。そして、今回が学校教育におけるESDの推進ということになっているわけです。それはやはりESDの普及を通じて、日本の教育を質的にどう向上させていくかという意味で、大きな二本柱だと思っています。それが持続可能な社会の実現に結び付く手立てになるのではないかなと思っています。
 以上です。どうもありがとうございました。

【安西委員長】
 ありがとうございました。大変内容の濃い御提言を頂いておりますけれども、御質問、御意見があれば是非頂ければと思います。

【田村委員】
  今の手島先生のお話、大変興味深く聞かせていただいて、こういうことは非常に重要だなということで進めていく必要があると思いますけれども、これにもし付け加えるとすれば、まず現状どうなっているかということです。580で話が進められるのですけれども、実は世界大会までに700超すだろうというふうに私は予測しているのです。というのは、愛知と岡山でもう県教委が何校増やすというのを明言しているのです。それを足すともう700校超すぐらいの勢いになっているのです。ですから、ここの委員会としての議論は、その数より増やすのか、それとも、そこから質を精選するという意味で減らしていくかというような、どっちの見方でその後の活動をするかというので、随分やり方が変わってくるのではないかというように思うのです。
 その最終的に何校になるかというのを設定することはそれほど意味がないような気がするので、そういう数が全然足りない、10校とか20校の時代にはとにかく大きい数を言わないと、誰も注目してくれないから。教育についていろいろ言っても、数を言わないと誰も認めてくれないのですね。だから、差し当たり、とにかく増やそうというので始めた活動だったわけですけれども、これがある程度増えるということもはっきりして、世界大会までの流れもかなり見通しが立ったところで、いよいよ質の問題をこれから議論していくという話なのだろうというように理解しているのですが、その際、それより増やすのか、減らすのかというのはその後の活動にかなり影響を与える考え方なので、そこのところをちょっと大まかな形でいいと思うのですけれども、やっぱり話し合いをされておいた方がいいのではないかという気がするのです。これは提案なのですが、いかがでしょうか。

【安西委員長】
 ありがとうございました。手島先生の御提言では、きちんと質を担保しながら年間30校ぐらい、一方で、教育委員会全てに声を掛けて1,700校という数字もありまして、いろいろな御提言が入っていると思います。今の田村委員の御発言に対しても結構なのですけれども、何かありますか。

【大津委員】
 手島先生の御意見、大変興味深く伺いました。それで、前半の議論の中で、韓国の二段構えでもって、質を担保しているということと非常にダブって私は受け止めました。それは3ページの「ESD実践推進校」を設定することによって、これは二つの意味があろうかと思います。つまり、全国全ての各区市町村教育委員会にという、これはもう全国的な広がりを組織的にやろうという点で非常に画期的な意味を持っていると思います。
 しかも、その質を担保するために推薦していただいた中から選ぶということで、確かに安西委員長がおっしゃるように、数がどんどん増えていくわけですから、そこをどうするかというときに、やはりここの5ページで提案されていました「休止校・除籍校規定」といいますか、やはり質を担保していくために、恐らく調査してみないと分からないのですが、プレートを頂いてそれっきりみたいな学校もひょっとしたらあるかもしれませんし、そのあたりを精査していきながら、しかし、この二段構えで行く。ユネスコ国内委員会によるESD実践推進校で、これを増やしていくことによって裾野を広げ、しかし、ユネスコスクール認定のためには一定の基準まではなかなか行かないと思うのですが、そこは推薦されたものの中から選んでいくという作業を通じて、恐らくこれまでの日本のユネスコスクールの登録とはもうガラッと変わると思うのです。
 今まではとにかく、極端な例を言いますと、北海道でもユネスコスクールを増やすためにユネスコ協会が、事務局が随分動きました。そして、その学校、結構、ESDとは言っていないし、校長自身もESDという言葉は全然知らないのですが、やっている活動を見たらこれはまさしくESDじゃないですかというようなことで、そのESDの、ユネスコスクールの加盟を進めてきたというような現状もありますが、ですから、一つはやはりさっきのお話で、来年度の大会で、愛知と岡山に集中的に、集中豪雨のように増えていくというのは、それはそれで恐らく来年にとっては意味があると思うのですが、やっぱりそれはイベント的だと思うのですね。もうちょっと長い目で持続的にどうなのかといったときに、やはり全国に広げていく。そのためにはやはり教育委員会が動かない限り、前回も多分、榎田先生がそういうことをおっしゃっていたと思うのですが、教育委員会が動かない限り、学校現場、特に校長は、なかなかもう目の前のことしか視野が広がらなくて、難しいと思うのです。ですから、教育委員会そのものも変わっていただきたい。それによって、学校レベルの校長の意識も変わっていくということで、これは、私は大変意味のあるやり方だと思いました。とりあえず以上です。

【安西委員長】
 今おっしゃるのはそのとおりなのですけれど、ここでの課題は、なぜ教育委員会は動かないのかということなのです。それは手島先生にもむしろお伺いできればと思うのですけど、かなりユネスコスクールが偏在しているということも教育委員会によって、非常に協力的な、むしろリードしておられるところと、広島県は特にそうですけれども、かなり違う。それがどうしてそうなのか。例えば、市町村全部に声掛けて1校ずつという案を実際に実行するのは相当難しいのが現状です。それをどうしたらいいのかというのは、むしろ手島先生に伺えれば有り難いと思います。。

【手島校長】
 教育委員会には私は属していなかったので、推測のような言い方になってしまうのですが、教育委員会というのは、制度として何かが動いてこない限り、自分のところで自主的に何かにチャレンジして進めていくということは余りないのではないかと思うのです。ですから、やはりこれはある程度上から言われて、こういう依頼があったので現場に下ろそうということが姿勢というか、教育委員会の通常の在り方かなと思うのです。ですから、教育委員会自身が、例えば区であれば、区長がこれを取り入れようとか、市長が取り入れよう、推進しようと言って、教育委員会に指示を出した場合はスッと動くと思うのですが、そうでないと、なかなか動きにくい。そういう部分があるのではないかと思っています。

【安西委員長】 
 どうぞ。

【川田教授】
 手島先生の問題意識と御提案について、納得でき、賛同する部分が多くあります。御提案の前提としては、まず、ユネスコスクール、あるいはESDに関して、グランドビジョンあるいはロードマップを、再度、しっかり立てなくてはいけない時期に来たという認識が必要ではないかと思います。ユネスコのESDモニタリング評価専門家グループ委員として御活躍されている聖心女子大学の永田先生によると、世界的に見て、日本はESDのフロントランナーとして非常に多くの実践を積み重ねてきていると評価されている一方で、日本におけるESDの進め方が保守的だと懸念されているということです。これについては私も共感するところがあります。教育委員会を動かして、上意下達でプログラムを実施していこうとするアイデア自体がそうしたことを反映していると見ることもできると思いますし、ユネスコスクール全国大会や2014年に予定されているユネスコスクール世界大会のプログラム策定過程にユネスコスクールの現場の先生方の意見がうまく拾い上げられていない状況においても同様な点を個人的に感じているところです。多様な主体が政策決定に何らかの関与ができるというのがESDの本来の在り方なのではないかと思っていますが、そうした点が必ずしも担保されていない場面が散見されるところが気になっています。今回の御提案について、そうした保守的な方法だと見られるのではないかということは気がかりです。
 教育委員会がどうして動きが鈍いように感じられるのかということに関して、私は考えるところが二つございます。一つは、例えばこの実践校指定だとか、ユネスコスクール加盟が学校教育の内容にいかに寄与するのかが明確に示されていないことが一因だと思います。いろいろと御説明はしているのだけれども、やはりしっかり御理解いただけるような示し方ができていない実態があると思います。これは、教科教育に比べるとESDに関する教育方法や教育理論的な裏付けは、少なくとも日本国内ではかなりぜい弱である点にも表れていると考えています。
 もう一つは初等中等局との連携がまだ十分でないのかなという辺りをやや感じておりまして、学校教育において市教委あるいは県教委と直接関わる体制整備も手島先生の御提案の実現と関連するものと考えます。

【三木委員】
 よろしいですか。田村さんが言われた量で行くか、質で行くかという問題については、それはもう質が伴えば量は多いほどいいということでしょう。質が駄目ならどうしようもないわけで、量を500にしなくてはいけないとかいうことはない。質が問題ではありますが、質が良ければ量が多いほどいいということだと思います。
 それから、手島先生のお話は大変参考になりました。手島先生のお考えは、ユネスコスクールも大事だけど、もっと大事なのはESDだと。それが教育の根本だと、こういうお考えだと思うのです。

【手島校長】 
ありがとうございます。

【三木委員】
 それは本当にそのとおりだと思います。その他問題点の指摘とか、御提案も全て納得して、非常にいいと思うのですが、私が、これはどうかと思いますのは、教育委員会の推薦で1校だけにするということになりますと、自発的にやりたい学校というのは複数あると思うのです。もう一つは、やっぱりこの国内委員会は、何とか日本の教育の質を上げて、その問題解決型能力ですか、そういうものを高めるために、ユネスコスクールを通じてやろうということで来ているわけですよね。そこでまたこの新しい実践推進校というようなことになると、二重構造になって、むしろそちらが中心になるような、ユネスコスクールを通していろいろやっていこうといったこととはちょっと違ってくるなと感じます。だから、それにはユネスコスクールの質の向上というのが是非必要だと思いまして、やっぱり実践推進校制度をやるよりは、ユネスコスクールの質の向上が先ではないかと個人的には思いました。

【伊藤委員】
 私、2回目で、このESDとユネスコスクールのつながりというか、ここがどうしてもなかなか理解できないところがあって、手島先生の今の提案で、この実践推進校がユネスコスクールになっていくという形になれば、そこがすごくつながって、説明しやすいなというふうに思ったのです。あとはユネスコスクールを学校が例えば認定を受けたときに、手島先生が先ほど言われたように3年から5年で代わって、それが果たして自分のときにユネスコスクールを受けて、これが逆に先々の害になっていくのではないかというような、そういう不安もどうしても学校側にあるのかなというふうに思っていて、そうなると、やはりそれが継続していくためには、やはり地域であったり、そういったところの協力があって、一緒に学校を今運営していこうというコミュニティスクール的なところが入ってきていますので、そうやって学校と地域と一緒に、このユネスコスクールを目指していこうというふうなそういうことができてこないと、継続していかないと思うんですよね。
 そのためにもこうやってESD実践推進校をやって、それが実績として残って、ユネスコスクールになれば、地域と一緒にこのESDを普及していきましょうという、学校側がやりながら、ということになれば、すごく地域側も理解できて、入っていきやすいのかなと、すごく今、手島先生の話を聞きながら思いましたので、やはりこれは継続していかないと意味がないと思うので、となりますと、学校側だけではなくて、やはり地域がそういう雰囲気を出していかないと間違いなく教育委員会から下ろしても、そこで終わって、1回やって終わりとか、そういうことであったら全然意味ないから、やはり質を上げるという意味では、この実践推進校からユネスコスクールというのはとてもいいのかなというふうには、僕個人的に思いました。

【大津委員】
 一番核のところはESDが日本の教育において、これだけの大きな意義を持っているのだと、このESDを推進することによって日本の教育を、先ほどいろんな形でいろんな言葉で説明されましたが、日本の教育をより一人一人の子供たちの、いわば教科に分断されるのではなく、総合的に、そして、現実の世界に向き合うような社会の変化に対応していけるような、そういう能力、技能、知識、そういうものを育てていく、そのためのESDだと思います。ですから、ESDの持つ教育的な意義というのは一番核にあります。
 それで、私は、例えば地元の北海道でいいますと、地域のユネスコ協会が一生懸命働きかけて、学校に働きかけて、スクール加盟を増やしてきたのですが、そのときにやはりもっと教育委員会がESDの教育的な意義をきちんと理解していてくれれば、もっともっとスムーズに行くのだけれども、本当に教育委員会自身がそのESDに関心を持っていらっしゃらない。例えば教育委員長のところに挨拶に行きまして、「ESDって実はこういう意味があって、大変いいと思うのです」と話すと、そこでは、個人的な話の中では、「ああ、それはすばらしいことですね」と言われるのですが、それが何らかの教育的な政策として反映されるかというと、そこはなかなか行かないという現状がございます。
 ですから、さっき教育委員会を通じてといいますのは、まず私のイメージでは、教育委員会の人たちがESDについて理解を深めることができるような研修の場を持つと、そういう意味でございます。現在確かにESDスクールの全国的な研修会も行われていますが、あれはやはり既にもうESDに活動している、ESDを推進していて、ユネスコスクールとして活動している、そこの学校間の交流がメインではないかなというふうに思っております。
 北海道でも毎年しています。全国レベルでも各地域でもしていますが、ただ、そこから、それはたかだか1.数%なわけですから、そこからもう少し広げていくためには一つの、もう一つのパイプといいますか、全国各地の教育委員会の中で一人でも二人でも、もうたった一人でもいいのですが、ESDの持つ教育的な意義を理解していただけると、各地域において、民間のユネスコ協会と、それから、教育委員会側と両方でもって広めていけるのではないかと。それと同時に、先ほど言いましたが、さっき手島先生が御提案されているような幾つもの方法でもって質を担保していくということを始める時期かなというふうには思っております。以上です。

【安西委員長】
 榎田委員はいかがですか。

【榎田委員】
 一番大事なのは、さっき言われた中で、学校教育に寄与することが明確に示されているかどうか。川田さんがおっしゃられたのですけれども、結局、地域の方、保護者も含めて、当然、今、大津先生が言われた教育委員会も含めて、評価指標というものを明確に持てるかどうかというのが一つあると思うのです。「ああ、そうだ、ここがこういうふうに変わっていくのか」というものです。これが持てるかどうか。また、持ってもらわないと、うまくいかないのだろうと。これが一つ。
 もう一つは、これは少し邪道なのですけれども、教育委員会が指導してというふうになるならば、学校が動くのは、一番効くのは定数です。教職員定数がこういうことをやるところには、教員を一人増やしますよと。こういうことができるかどうか。これは本道ではないのですけれど。これは研究開発のような形で、全国に少数となるかもしれません。そういう形でやっていくと、そこを核にして、実際に2年なり、何年なりやってもらって、さっき言った指標をしっかり高めていくという実績を上げていけば、これが核分裂をするように広がっていくのではないかなと。核分裂という言葉が適切かどうかは別として、広がっていくのではないかなという感じがあるのですけども。

【安西委員長】
 ありがとうございました。どうぞ。

【大津委員】
 今のことに関連して一言だけ。指標については、さっき手島先生のレポートの2ページの上から3行目に、国研の方で出された「ESDの学習指導過程を構想し展開するために必要な枠組み」とあり、この論文の中で、ESDに含まれている構成要素というのが明確にされていますので、そこをベースにすれば、どこまで専門的な指標が作れるかは別ですけれども、私はそこを、この報告書にはその可能性があると思っていますので、国研でも恐らくこれから研究されていくのではないか、あるいはもう既にされているのかもしれないのですが、そこは、私は可能性があるというふうに考えております。

【榎田委員】
 それは指標一つ一つがばらばらではなくて、総合的にこう上がっていくと、保護者、地域の人から見て、確かに上がったよね、というものになるようなものになっていく必要があるのではないかと。

【大津委員】
 そうですね。だから、子供がこんなふうに変わりましたということは、その指標に照らし合わせれば親でも分かるという、そういうものですね。

【榎田委員】
 はい。

【岩本国際交渉分析官】
 もしよろしければ、国研から五島先生がいらっしゃいますので。今の研究の担当でいらっしゃいます。

【五島総括研究官】
 ありがとうございます。国研のフレームワーク、実は1万4,000、全国に配っていまして、割合と評判良く使われております。そして、更に今、要望がありまして、その七つの指標というか、フレームは、資質、能力があるのですけれども、それを従来の4観点、いわゆる興味、関心、理解、思考とのすり合わせをやってくれという要望があるので、今研究間ベースで、いわゆる従来の日本の学習指導要領の評価の個人評価基準としての4観点と、その七つの資質、能力のすり合わせをやっているところです。

【大津委員】
 いつ頃できるんですか。

【五島総括研究官】
 研究レベルでは、この間、学会で発表しましたので。

【大津委員】
 では、もうできているんですね。

【五島総括研究官】
 はい。

【大津委員】
 公表してください。

【五島総括研究官】
 はい。あと、それからもう一点よろしいですか。実は個人の子供が変わったというのと、学校がどう変わったのだ、地域が変わったのだという意味では、国研で昨年の12月18日にやった国際シンポジウムのESDの中心、チャールズ・ホプキンスさんという方が7段階にうまく整理しています。それは国研の報告書が出ていますので、もし機会がありましたらまた報告させていただきます。

【安西委員長】
 どうぞ。

【田村委員】
 よろしいですか。今のいろんな御意見は、実はずっとされてきたことで、実際は全然動かなかったという実態があるのです。先ほど安西委員長がおっしゃったように。基本的に教育委員会は動かないですよ。そんな簡単には動かないです。だから、先ほど三木委員がおっしゃったように、今、差し当たりいろんな手立てで、ゲリラ的に増やしてきたユネスコスクールという手掛かりがあるから、そいつからまずやるというのがやり方としては一番いいのではないかなというふうに思っているのです。そうでないと、また新しい実践何とかというのもね。できたら最高なんだけど、今までやってきて、要するに、実践何とか校をやるには文科省が何がしかお金を出さなければ動かないのです。地方の教育委員会も絶対に。今の予算では、そんなことやれるわけがないし、既にできている制度でも、全国で何校かやらせるみたいな感じで予算組みしていますよね。これは千幾つなんて到底考えられないのです。だから、お金なくてもやれるという、ここは言えるのですけれども、実際今までやってきた経験では申し訳ないけれども、全く無理なので、手島先生のお考えはとてもいいのだけれども、ちょっと待って、我慢していただいて、差し当たりは今あるユネスコスクールをどう質を向上して、数は一応、多い方がいいということについては、反対という御意見がないわけですから、では、どうやって質を向上して、どうやって数を増やしていくかというようなところから議論を積み重ねていく以外にないのではないかなというふうに思ったものですから、発言させていただきました。

【安西委員長】
 ありがとうございました。時間のこともありますけど、手島先生、この件のまとめで何か。

【手島校長】
 はい。田村先生のお話は、そういう現実もあるのかなというふうにお伺いしました。予算がないとやっぱり動かないのだよということはそうなのかなと思いましたが、私自身は、学校というのは結構プライドで動く部分もあるので、紙切れ1枚が学校を変えることもあるかなというような思いで、こういう提案をさせていただいているのです。それについては、皆さん方が考える参考にしていただければ大変有り難いと思っています。何かうまく参考にしていただけるといいなと思っております。

【安西委員長】
 ありがとうございました。どうぞ。

【岩本国際交渉分析官】
 事務局から補足でございますけれども、先ほどの川田委員の御発言の関連ですが、最近出たユネスコのモニタリングレポートでは、日本という国は非常にESDに熱心だけれども、ステークホルダー間のコーディネーションがうまくいっていないということは書いてございます。それは補足させていただきます。
 それから、「総合的な学習の時間」でございますが、今日、初等中等教育局からも陪席しておりますけれども、今現在、「総合的な学習の時間」を減らすという方向での議論は全く行われておりません。当然、今後、ここからは個人的な推測ですけれども、将来、学習指導要領の改定ということがあった場合に、例えば今後道徳をどういうふうに教科として構成していくのか、いかないのかという話の中では、時間数の議論というのはまた出てくるかもしれませんけれども、今のところ、「総合的な学習の時間」を減らすという前提での議論はされていないと伺っております。

【安西委員長】
 ありがとうございました。それでは、この件はここまでにさせていただきますけれども、いろいろ頂いた御意見は事務局でまとめていただいて、是非これからの検討に生かしていただければと思います。
 田村委員が言われたように、かなり長いこと議論をしてきておりまして、ここから抜け出すのにどうしたらいいかという、そういうことになっておりますので、予算の問題も含めて、是非事務局には頑張っていただきたいと思っております。
 手島先生もありがとうございました。これからいろいろな形で生かしていければというふうに思います。
 それでは、次に、今までの議論に相当関係あると思うのですけれども、事務局がイメージ案ということで、これからどうしたらいいのかという案を作っていただいております。その案について、事務局から説明をお願いしたいと思います。
 資料10です。

【本村国際統括官補佐】
 はい。お手元の「ESDの推進」という資料について、御説明させていただきます。これは本日、今頂いた議論にも大いに関係しているところでございますけれども、主に前回の御議論を踏まえて事務局の方で作らせていただいたイメージ図でございます。現状といたしましては、御指摘もございましたように、ユネスコスクール自体は、数は拡大してきているところですけれども、また、熱心な教育委員会、市町村においては、教育委員会の支援を得つつ、一体となって進めている地域もございますけれども、まだまだ全国的に見ると、ユネスコスクール、学校独自の取組、いわば点での取組が中心で、まだまだ線あるいは面としての広がりというところが不足しているという御指摘もあったかと思います。
 それらを踏まえまして、では、今後、ユネスコスクールを中心に拠点としてESDの推進ということを進めていくに当たって、やはり地域一体となって進めていく必要があるのではなかろうかということで作らせていただいた図でございますけれども、まず教育委員会が中心になってユネスコスクールを進めていくということはもちろんでございますけれども、地域にある大学、あるいはユネスコ協会、また、企業でありますとか、NGO、これらの様々なステークホルダー、関係者が一体となってコンソーシアムのようなものを構築していただいた上で、更にユネスコスクールを中心にこの取組を進めていただくことがより今後の広がりにつながっていくのではないかと思っております。
 ただ、その際に、単にコンソーシアムをお作りいただくだけではなく、コンソーシアムの中にESDのコーディネーターのような方を置いていただいて、なかなか学校、校長先生とか教員の先生方が動きにくい、多忙でなかなか動けなかったところをこのESDコーディネーターを置いていただいて、例えば海外のユネスコスクールとの交流の場のアレンジでありますとか、他地域のユネスコスクールの交流の場をアレンジする、そういったようなことを考えられないかということでありますし、更にその地域で、このESD、ユネスコスクールを中心としたESDの推進をユネスコスクール以外の学校にも広げていただく。また、青少年教育施設でありますとか、公民館とか博物館、図書館等の社会教育施設にも広げて、これらの施設も巻き込んだ形でESDを推進していけないかということで作成した図でございます。
 これはまだ本日の議論も踏まえながら、我々事務局としましては、このESD推進のためのプラットフォームとしてこういったものを導入、構築できないかと考えておりますので、是非、委員の先生方からも御意見を賜れればと思っております。以上でございます。

【安西委員長】
 ありがとうございました。何か御質問、御意見ありますでしょうか。議論はこの件で最後でございます。どうぞ。

【榎田委員】
 いいですか。この案の何かベースになったというか、こんなことに近い状態をやっているところというのはあるのですか。

【本村国際統括官補佐】
 この図は都道府県教育委員会単位を構想、イメージして作ったものでございますけれども、まだなかなか県レベルでここまでの取組というのは恐らくないのではないかと思います。市町村レベルでは、例えば気仙沼市でありますとか、大牟田、多摩などは、このような取組を教育委員会中心にやっているということを伺っておりますけれども、それにしましてもまだまだ、例えばユネスコ協会でありますとか、大学、企業を巻き込んだ形でやっているというところはないのではないかと思っております。

【榎田委員】
 是非これはうまく進めていただきたいんですが、なぜそんな質問をしたかというと、金太郎あめのようなことを各都道府県にして、先行していたところが、それで規制されることのないようにという思いがありまして、そういう質問をさせてもらいました。

【安西委員長】
 そうですね。

【岩本国際交渉分析官】
 確かに今、補佐が説明したように、先進的な市においては、このコンソーシアムのどれか、欠けるものはあるにしても、何かそういった連合体があって、非常に熱心な方がいて、コーディネートされているというところはあります。これを案として考えたのは、都道府県単位、つまり、高校も含んだ形で考えていきたいということになると、どうしても都道府県でございます。市町村ですと、熱心な教育委員会は、どこ、どこ、どことすぐ出てくるのですけれど、都道府県で熱心なところというと、東京に近いところで言えば、千葉県でございますとか、幾つかの県は上がってくるわけでありますが、また、都道府県の教育委員会という行政単位でこういうことが可能なのかなということは内部でも議論しているわけでありまして、そこら辺も御議論いただければと思っております。

【安西委員長】
 ほかにはいかがですか。どうぞ。

【田村委員】
 私、今そのことを申し上げたかったのですけれども、絶対に知事部局は巻き込んだ方がいいと思うんですね。結局、教育委員会も市長の意識というのはものすごく影響するわけですから、知事なり、市長が言うと、大体言うことを聞きますよね。だから、是非巻き込んでいただいたらどうでしょうか。所轄庁が違うから難しいのかもしれませんけれども、あまりそれは考えないでやっていただいた方がいいのではないでしょうか。

【岩本国際交渉分析官】
 もちろんです。どうしても我々、旧文部省の人間は、地方教育行政法という聖書みたいなものがありまして、これにより教育委員会がユネスコ活動を担当することになっておりますのが、実態としては、知事部局との連携というのは不可欠だと思いますので、そこは念頭に置いた表し方にしたいと思います。

【安西委員長】
 ほかにはいかがでしょうか。どうぞ。

【見上委員】
 1点教えていただきたいのですけど、例えば県レベルということのお話なのですが、それはとてもいいことだと思うのです。県の認識が非常に上がるということで。ただ、ユネスコスクール、個々の活動といったことを考えると、それぞれの学校の周りにこういうものが全部囲んで支えてくれるともっといいというような気はするのです。県との関係で何か具体的なイメージをお持ちでしょうか。

【岩本国際交渉分析官】
 確かに、ここではこれは二次元でございますので、なかなか書き表しにくいのですけれども、例えば宮城県の場合でございましたら、気仙沼市、気仙沼市教育委員会を中心にして、ESD、ユネスコスクールが一生懸命やられている。仙台市があって、そこでもそういったネットワークがある。市町村レベルのネットワークがあり、そこに更に県教育委員会あるいは宮城教育大学、東北大学といったものが絡んでいく。さらにそのメタネットワークみたいなものといったように重層的なネットワークみたいなのが実はこの中にあるのかなという感じはしておるのですが、いかがなものでしょうか。

【見上委員】
 分かりました。イメージはつかめました。個々の学校の工夫がすごく、校長先生の個性とか何か、同じESDの中でもいろんな特徴がありますから、出せるというような自由度がないと、なかなか発展しないと思うのですね。それがないまま県の意向が伝わると、また上から下にという感じがして、少し心配だったものですから。
 だから、そういう意味からすると、例えば地元のユネスコ協会が近くの学校、1校なり、2校なりをサポートしてくださるような関係があり、各市町村教育委員会がそれぞれ地域の学校を支援し、更に企業さんも地域の学校を支援する、そんなものがあって、それが更に県レベルでそういうものに協力してくださると、なお望ましいかなというイメージを持ちました。

【岩本国際交渉分析官】
 確かにこう書くと、まるでトップダウンみたいなイメージですけれども、やはりESDを、実際にやられている方々というのは草の根からやっておられる、また、いろんなバラエティに富んだ取組をされているということがあるのでしょうから、そういうところは尊重しながら、ということになると思います。
 あともう一つ、このチャートの特徴は、右側の方に、ユネスコスクール以外の学校といたしまして、先ほどのような新たな推進校という形では位置付けませんけれども、このESDコーディネーターの方がそのユネスコスクールになっているところと、ユネスコスクール以外の学校を連携させて、ユネスコスクールになっていないところもESDを更に浸透していくというのを考えたような次第でございます。

【安西委員長】
 ほかにはいかがでしょうか。いろいろ委員の方々から御意見を頂いてきていることから、かなり事務局の方で勘案されて、これが作られてきていると理解しております。先ほどありましたように、都道府県レベルの教育委員会と、それから、基礎自治体、市町村の教育委員会と、それは市町村レベルと都道府県レベル、両方に対してコミュニケーションをうまく取っていく必要は当然あるというふうに思いますし、また、絵を描くと、これでなくてはいけないような、こういう格好に押し込めていかなくてはいけないように見えるかもしれませんけど、それは逆で、むしろできるだけ柔軟に一つ一つが自由にやっていけるようになっていくといいと思いますけど、いずれにしても、皆様の御意見をいろいろ勘案されて出てきた案だと理解しております。
 それともう一つ申し上げれば、いろいろ教育の政策も学校ベースとかいろんなことで、相当いろいろな政策が並行して進んでおられると思いますけれども、地域ぐるみでこういうESDというのか、持続的成長と言うのでしょうか、そういうことを本当に地域でやっていこうという、そういう方向というのはちょうどこれからと言うのでしょうか、そういう時期にあるようにも思われますので、時宜を得ているかなというふうには思っております。
 私が申し上げるよりいろいろ御意見いただければと思いますが、いかがでしょうか。

【榎田委員】
 一つ提案なのですが、このESDコーディネーターの人たちが一堂に会する機会を年に何回かでも持って、各都道府県を刺激するというのも一考ではないか。その中で、先ほど御紹介いただいた気仙沼のような都道府県レベルではないけれども、こんな事例もありますよというので、刺激し続けることによって動くのではないかなという気もするのです。そんなに頻度は必要ないと思いますけれども。

【岩本国際交渉分析官】
  民間の団体によっては、そういったESDコーディネーターというものを全ての県に配置して、資格化を検討して、その研修もしていくというような構想をお持ちのところもございます。それがいいのかどうかはともかくとして、ただ、そういったESDコーディネーター相互の情報交流といいますか、そういうことは必要だと思いますし、あと、ここにはあえて書いてございませんけど、先ほど安西委員長がちょっとおっしゃりかけたこういった地域におけるESD力の向上というのが、今後のグローバリゼーションの中における地域の人材養成ということにも資するという、そういった観点もあるのかなというふうに考えております。

【田村委員】
 今のお話は大変いいと思うのです。例えばユネスコスクール大会などにコーディネーターの人に来てもらって話してもらうとすごくいいですよ。参考になりますから。そのコーディネーター同士がまた集まってやるということですね。

【榎田委員】
 はい。

【安西委員長】
 ほかにはいかがでしょうか。まだこの件は出てきたばかりで、意見を言う時間が足りないということもおありになるかもしれませんので、多少の時間は事務局の方へダイレクトに御意見を言っていただいて大丈夫ですか。

【岩本国際交渉分析官】
 ええ、もちろんでございます。

【安西委員長】
 そういうふうにして、だんだん時間が迫ってきましたので、何日かの間に御意見があれば送っていただければと思います。

【岩本国際交渉分析官】
 勝手を申せば、今月中ぐらいに御意見がございましたら開催通知を出したメールの送付元にお送りいただければ幸いでございます。

【安西委員長】
 それでは、今の資料10の件につきましては、今月中までに御意見がおありでしたら、是非事務局にお寄せいただければと思います。
 それでは、本当に貴重な御意見をまた頂きましてありがとうございました。とにかくこれまで相当議論してきた、先ほどありました国立教育政策研究所の研究報告書についても、確かここでもメンバーが随分変わっておられるので、またの機会にとも思いますけれど、以前に一度御紹介いただいたことが確かありましたね。

【岩本国際交渉分析官】
 ええ。その時からメンバーも変わりました。

【安西委員長】
 そういうこともございますが、いずれにしましても、そろそろ次のステップの何かやっぱり原案を持って、それで、方向性を持って、議論をしていく時期に当たっていると思いますので、この資料10を元にして、それに皆様の御意見を頂きながら、今日も手島先生のいろいろ御提言も頂きましたし、そういうことからいろいろ検討を進めながら方向性を持っていくようにしていただければと思いますけど、そういうことでよろしゅうございましょうか。
 事務局はそれでよろしいですか。

【岩本国際交渉分析官】
 はい。

【安西委員長】
 それでは、この件、ここまでにさせていただきます。資料10の案を元にして、これから進めていただくということにさせていただきます。
 それでは、議題3、「その他」でしょうか。報告、いろいろあるかと思いますけど、事務局、よろしくお願いします。

(事務局から参考2について説明)

【本村国際統括官補佐】
1点御報告でございますが、前回の会議の際に、伊藤委員から御提案いただきましたこのESDの取組につきまして、是非PTA新聞に掲載したらどうかという御提案ですが、事務局の方にお口添えいただきまして、来年の世界会議に向けて、今後、5回シリーズで掲載を頂くことになりました。第1回の掲載が8月上旬ということでございますので、次回の教育小委員会の会合の場でお配りできればと考えております。以上でございます。

【安西委員長】
 伊藤委員、何か一言。よろしいですか。

【伊藤委員】
 いや、この前も申しましたけど、全体で12万7,000部、各学校に4部ずつ配られますので、その辺り間違いなく校長先生、PTA会長は見るかと思います。5回ありますので、どこまで広げられるか分かりませんけど、協力していきたいと思います。また、今後も年に3回はずっと発行していきますので、何かあればどんどん言っていただければ、そういうところで広めることは可能かと思います。以上です。

【本村国際統括官補佐】
 ありがとうございます。

【安西委員長】
 それでは、ほかに何か皆様ありますでしょうか。よろしいですか。
 それでは、ここまでにさせていただきます。御多忙のところ、本当にありがとうございました。

―― 了 ――

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