資料10-1 2020-2021のユネスコ活動に関する方針(答申案)(概要)

A 2020-2021年のユネスコ活動に関する我が国の基本的方針

1.ユネスコにおける主な取組の現状と、我が国の主な活動状況

・ユネスコにおける主な取組の現状として、事務局長のリーダーシップの下進められている「戦略的なユネスコ改革」の実現や、「持続可能な開発目標(SDGs)」達成のために、(1)教育分野、(2)自然科学及び人文・社会科学分野、(3)文化分野、(4)コミュニケーション・情報分野、(5)普及分野、(6)行財政分野のそれぞれにおいて取組の充実が図られている。
・我が国の主な活動状況としては、日本が提唱国となっている「持続可能な開発のための教育(ESD)」の普及や、「戦略的なユネスコ改革」を目指した議論への貢献など、国内のユネスコ活動と国際的な協力への貢献の双方について充実が図られている。

2.2020-2021年のユネスコ事業に関する我が国の基本的方針

(1)総論
・加盟国中第2位の分担金を担い、各分野に信託基金等の拠出を行う我が国には、日本の強みを生かしながら、ユネスコにおける議論を先導していく役割が期待される。
(2)教育分野
・ESDに関する新たな枠組みである「持続可能な開発のための教育:SDGsの達成に向けて(ESD for 2030)」等について、日本の強みを生かした国際貢献を進める。併せて、ユネスコ活動を通じた、多文化共生の考え方に基づく我が国の教育機会の提供や、多様なステークホルダーと連携してユネスコ活動の基盤強化を図る。
(3)自然科学及び人文・社会科学分野
【自然科学分野】
・「国連海洋科学の10年」の2021年開始等に向けて、我が国の先進的な知見を生かした協力の充実を図る。また、我が国における事業展開においても、自然科学のみならず人文・社会学的視点をもって、地域コミュニティや多様なステークホルダーとのコミュニケーションを図りながら取り組む。
【人文・社会科学分野】
・「AIの倫理」に関する規範的文書の策定等について、「人間中心のAI社会原則」をまとめた我が国の考え・価値観を基に積極的に議論に参画する。また、体育・スポーツ分野においては、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会開催国として、積極的に国際的なスポーツ政策づくりに貢献していく。
(4)文化分野
・国際的にも高い水準にある修復技術や知見といった、我が国の高い専門性を生かした国際貢献を推進していくとともに、我が国の有形・無形の文化遺産の国際的な登録のみならず、登録後の世界への発信や、世界各地の様々な文化遺産を守り伝える主体との双方向の交流促進に努める。
(5)コミュニケーション・情報分野
・科学分野とも協力し、AIを含む先進的な科学技術の活用にあたっては、社会のための科学技術、社会のなかの科学技術という観点に立って、ユネスコの議論に貢献していく。また、「世界の記憶」事業の包括的見直しを含めた事業の適切な運営を促進する。
(6)普及分野
・地域の活性化を支えるユネスコ活動の充実や、ユネスコの理念を継承する次世代の育成を図る。また、多様なステークホルダー同士の連携を深め、オールジャパンでの戦略的な取組を推進し、我が国のユネスコ活動の未来を共創するプラットフォームの構築を図る。
(7)行財政分野
・事務局長の「戦略的なユネスコ改革」による改革が重要であると高く評価し、改革によって、ユネスコがより効率的な組織運営と確実かつ効果的な事業の実施を実現、国連組織において所掌分野における主導的役割を確保できるよう、積極的に関与していく。

B 第40回ユネスコ総会における2020-2021年事業・予算案(40C/5)等に関する我が国の対応方針

・(1)教育分野、(2)自然科学及び人文・社会科学分野、(3)文化分野、(4)コミュニケーション・情報分野、(5)普及分野、(6)行財政分野それぞれの総会の議題について、上記A 2.の基本方針に基づく適切な対応を行う。

C 第40回ユネスコ総会における政府代表

・ユネスコ総会については、文部科学大臣が出席するとともに、日本ユネスコ国内委員会事務総長(文部科学省国際統括官)、ユネスコ日本政府代表部特命全権大使等が政府代表等として出席することが適当である。


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