令和6年9月6日(金曜日)14時00分~16時00分
文部科学省東館3階第1講堂(対面・WEBのハイブリッド開催)
〔委員〕濵口会長、角南副会長、田代副会長、伊藤委員、井上委員、大枝委員※、大濱委員、沖委員、押谷委員、河野委員※、川村委員、黒川委員、小浦委員、肥塚委員、西藤委員、斎藤委員、坂本委員、佐藤委員、佐野委員、治部委員、鈴木郁香委員、鈴木昌德委員、髙木委員、髙橋秀行委員、髙橋裕子委員、田中委員、谷川委員、道傳委員※、中澤委員、野間委員、芳賀委員、蓮生委員※、藤本委員、細田委員、松本委員、丸尾委員、溝内委員、道田委員、山口委員、吉田和浩委員※
〔外務省〕川瀨国際文化協力室長
〔文化庁〕木南文化遺産国際協力室室長補佐
〔文部科学省〕盛山文部科学大臣、藤原文部科学事務次官、北山大臣官房国際課長
〔事務局〕渡辺その子事務総長(文部科学省国際統括官)、匂坂副事務総長(同省国際統括官付国際交渉分析官)、本村事務局次長(同省国際統括官付国際戦略企画官)、小野事務総長補佐(同省国際統括官付国際統括官補佐)、生田目事務総長補佐(同省国際統括官付国際統括官補佐)、岡田事務総長補佐(同省国際統括官付ユネスコ協力官)、その他関係官
【濵口会長】 皆様、本日は御多忙の中、御参加いただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、まず事務局から定足数の確認をお願いいたします。
【小野国際統括官補佐】 失礼いたします。本日は、会場で20名、オンラインで7名、合計27名の委員に御出席いただいております。委員の過半数ですので、定足数を満たしております。
【濵口会長】 ありがとうございます。ただいま事務局から定足数が満たされているとの報告がございましたので、第155回日本ユネスコ国内委員会総会を開会いたします。
本日の総会は対面とオンラインのハイブリッドで開催いたします。
なお、国内委員会の規程に基づき、傍聴を希望される方は、YouTubeを通じて公開いたします。御発言はそのまま議事録に残り、ホームページ等で公開されますので、よろしくお願いいたします。
本日の会議には、盛山正仁文部科学大臣に御出席をいただいております。初めに、盛山大臣より御挨拶を賜ります。盛山大臣、よろしくお願いいたします。
【盛山文部科学大臣】 皆様、お忙しい中、御出席賜りましたこと、誠にありがとうございます。まず、心より感謝、御礼を申し上げます。
さて、第155回ということで本日の日本ユネスコ国内委員会が開催されました。この総会の冒頭に一言御挨拶をさせていただきます。委員の皆様方におかれましては、日頃から日本ユネスコ国内委員会の取組に対しまして御理解、御協力を賜っておりますことにまず感謝、御礼を申し上げます。
御案内のとおり、今、大変厳しい国際情勢ということでございます。もう2年半前からロシアがウクライナへ侵攻する、そしてパレスチナ・ガザでも大変悲惨な紛争が起き、ほかのところでもいろんなことが起こっております。また、その紛争だけではなく、今年の夏も我々日本、大変暑い夏でございましたけど、気候変動というものはもう待ったなしということでございます。次の世代にどのようにして少しでもよい状態でこの地球を引き継いでいくのかという問題もございます。それとリンクする形で、生物多様性をどう守るかという話もございます。そしてまた、今回オリンピックへ行かせていただきましたが、そこでは難民問題が大きな問題になっておりまして、男女間のパリティー、平等でということも議論になりましたけれども、難民に対してどういうふうにして位置付けをしていくのかというのも大変大きな問題でございます。日本におりますと、ちょっと難民ということに対してアンテナが鈍くなっているなということを伺って痛感した次第でございますが、そのような厳しい世界の状況であるからこそ、ユネスコ憲章に書かれております、「人の心の中に平和のとりでを築く」という言葉の重要性が、一層、今我々に問いかけられているのではないかと感じた次第でございます。
さて、日本ユネスコ国内委員会では、本年3月に、「国際情勢等を踏まえたユネスコ活動等の推進についての提言」を取りまとめられました。その中でも触れられておりますように、ユネスコに対する戦略的かつ積極的な関与を通じた我が国のリーダーシップというものが求められていると思います。私は昨年の11月、パリのユネスコ本部での第42回ユネスコ総会に出席しまして、日本政府を代表して一般政策演説を行いました。その中で、世界が歴史的な転換点にある今、「平和への貢献」というユネスコの目的に立ち返るよう呼びかけ、我が国による教育や科学、文化の分野における積極的な貢献を表明したところでございます。持続可能な社会を構築していくためには、ユネスコ活動を推進すること、そして産業界や若者を含む多様な主体、世代間の連携を強化していくことが求められておりますので、日本政府としても、幅広く協力をしていきたい、後押しをしていきたいと感じているところでございます。今後とも教育、科学、文化を通じた課題の解決に向けまして、日本の多様なユネスコ活動がより効果的に推進されますよう、日本ユネスコ国内委員会の委員の皆様方におかれましては、引き続き活発な御議論を頂戴したく存じます。
最後になりますが、濵口会長の下で開催される日本ユネスコ国内委員会の会議は今回が最後とお聞きしております。濵口会長におかれましては、長年にわたり広い御見識と未来を見据えたリーダーシップで日本ユネスコ国内委員会を導いてくださいましたことに深く御礼を申し上げまして、私からの御挨拶とさせていただきます。誠にありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございました。身に余るお言葉をいただき、恐縮しております。
盛山大臣はこの後、御公務がございますので、ここで御退席されます。盛山大臣、どうもありがとうございました。
(盛山文部科学大臣退席)
【濵口会長】 それでは、続きまして、事務局の人事異動についてお伝えいたします。前回の総会以降、本年7月11日付けで渡辺その子文部科学省国際統括官、日本ユネスコ国内委員会事務総長が着任されております。渡辺国際統括官から一言御挨拶いただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
【渡辺国際統括官】 ただいま御紹介いただきました渡辺でございます。
15年ほど前に1度ユネスコ、それからパリの日本政府代表部と関わらせていただいて、そのときから存じ上げている懐かしい先生方とまた御一緒できること、それから、地域のユネスコ活動が一層しっかりと根づいていること、大変うれしく存じております。また皆様と一緒に活動できることも大変うれしく存じております。どうぞ皆様、御指導くださいますよう、よろしくお願いいたします。
【濵口会長】 ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。
続いて、本日の会議の配付資料について、事務局から説明をお願いいたします。
【小野国際統括官補佐】 失礼いたします。本日、お手元に1つの資料としてまとめて配付させていただいております。配付資料としまして、資料の1-1から2-3、そして附属資料としまして1番から4番、最後に参考資料としまして1から5番という構成になってございます。資料の不足等ございましたら、事務局までお知らせください。
【濵口会長】 ありがとうございました。
それでは、早速、議題1、最近のユネスコ関係の動きについてに入ります。事務局及び文化庁、外務省から報告をいただきたいと思います。御意見、御質問等については、全ての報告の後、まとめてお願いいたします。
まず、事務局から報告をお願いいたします。
【本村国際戦略企画官】 それでは、お手元の資料1-1を御覧ください。1ページ目でございます。本年3月にユネスコ本部で開催されました第219回ユネスコ執行委員会についての御報告でございます。
まず、4ページ目、別紙を御覧いただきますと、執行委員会全体の議題の一覧がついておりますので、こちらを御参照いただければと思います。この中で実際に主要なものについて御報告をいたします。
2ページ目を御覧ください。教育分野でございますけれども、ユネスコスクールネットワークの取組に係る報告といたしまして、これまでも国内委員会でも話題になってきたところでございます。ユネスコ内におきましてシステムの問題があって、なかなか新規加盟申請受付ができなかったということが続いてまいりましたけれども、このたびようやく新システムの構築が整いつつあるということで報告がございました。実際に事務局からは、この9月から運用開始ができそうであるという連絡をいただいております。
それから、次の議題、SGD4-Education 2030でございますけれども、これは定期的にユネスコがモニタリングを行っているものでございまして、今回、執行委員会でも、国際的/地域的調整、モニタリング及び支援に向けた取組の御報告でございました。
それから、1つ飛びまして、1966年教員の地位に関する勧告及び1997年高等教育教員の地位に関する勧告につきまして、両勧告が策定されてからかなり年月がたっておりまして、その間、教員をめぐる環境は大きく変化しているということを踏まえ、この勧告を改定していくことが望ましいということで事務局から報告がございました。今後、改定に向けて作業を続けていくということでございます。
続いて、科学分野でございますけれども、ユネスコ世界ジオパークについては、新たに18地域のユネスコ世界ジオパークが承認されています。
それから、文化及び情報・コミュニケーション分野でございますけれども、ユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)の内部監査報告がございました。ユネスコ事務局に対しまして、加盟後の活動継続を担保する仕組みを設けること等が勧告されています。
続きまして、5ページ目の資料1-2を御覧ください。ユネスコ研修プログラムにつきまして、昨年11月に文部科学省とユネスコとの間で、学生、若手職員等をユネスコに派遣する研修プログラムの創設に係る覚書に署名いたしました。これに基づきまして、その右下にございますユニツイン/ユネスコチェア登録大学、今現在、日本国内に12大学ございますけれども、これらの大学にお声がけをいたしまして、大学院生を推薦していただいております。その下にございますように、今現在まで8名の研修生を事務局側に推薦して、既に研修中に入っている者が3名、準備中が5名ということで、今後、文部科学省としても若手の大学院生をどんどん、ユネスコで活躍できる人材として派遣していきたいと考えております。
続きまして、資料1-3、6ページ目でございます。令和6年度ユネスコウィークの開催につきまして、これは御案内でございますけれども、本年11月29日に国際シンポジウム、30日にユネスコスクール全国大会、12月1日にユースフォーラムを開催する予定でございます。
私からは以上でございます。
【濵口会長】 ありがとうございました。
それでは、続きまして、文化庁から報告をお願いいたします。
【木南室長補佐】 文化庁でございます。今、資料が映し出されておりますが、文化分野における取組として簡単に御紹介をさせていただきます。
まず、世界遺産条約に関するものでございます。「佐渡島の金山」の世界遺産登録についてでございますが、今年7月27日にインドのニューデリーで行われました第46回世界遺産委員会におきまして、我が国が推薦しておりました「佐渡島の金山」の世界遺産登録が決定されております。これによりまして、我が国の世界文化遺産は21件となっております。
次のページでございますけれども、無形文化遺産条約の関係でございます。「伝統的酒造り」の提案に関し、昨年3月に「伝統的酒造り」の再提案をユネスコにしております。これによりまして、今年の12月に開催予定の無形文化遺産条約政府間委員会において、登録の可否が審議、決定される見込みとなっております。
その後、令和5年度における提案ということで、今年の3月に新規提案としまして「書道」、それから拡張提案としまして「和紙」、「山・鉾・屋台行事」、「伝統建築工匠の技」の3件をユネスコに提案しております。このうち3件の拡張提案につきましては、現状、2025年の審査サイクルで拡張提案が試験的に年間の審査件数の枠外とされているというユネスコにおける試験的制度運用を活用しまして、来年の秋頃に開催予定の政府間委員会において審議がなされる予定となっております。また、「書道」につきましては、新規提案案件に係る我が国の提案は、実質的に審査が2年に1件ということになっておりますので、こちらにつきましては再来年、令和8年の秋頃に開催予定の政府間委員会において登録の可否が審議される見込みとなっております。
文化庁からの説明は、以上でございます。
【濵口会長】 ありがとうございました。
それでは、続きまして、外務省からお願いいたします。
【川瀨国際文化協力室長】 この9月2日に外務省国際文化協力室長に着任いたしました川瀨でございます。よろしくお願いいたします。
外務省からは、最近のユネスコ関係の動きということで、ユネスコ分担金の分担率の変更について簡潔に御報告いたします。ユネスコは、国連の機関ということで、国連の本体の分担金の分担率というものに連動するということになっているんですが、その本体の国連の分担金の分担率というのがちょうど3年に1回、いろいろ議論の上、変わるということになっておりまして、ちょうど今年、この3年に1回の機会が来るということになっております。この関係で、最終的にはこの秋にその議論がなされ、恐らく12月頃に国連総会において加盟国の決定というものがなされるわけですが、それを受けてユネスコの分担金、分担率というものも変わっていくというものでございます。では、どのくらいになるのかということについてですが、本年8月にちょうど本体のほうの国連分担率についての試算というものが、最新の各国のGNPに基づいて試算が出ておりまして、2025年以降の分担金については、米国が22%、中国が20%、日本が6.93%となるとされています。その後はドイツ、英国、フランス、イタリア等が続きますが、現在は米国が22%、中国が15%、日本が8%でございます。したがいまして、これからの議論を踏まえて、ユネスコの分担率につきましても、これまでの8.033%から6.93%に減少するということにはなりますが、引き続き第3位の貢献をしていくということに変わりはなかろうかと考えてございます。ユネスコの分担金、分担率も、国連本体とは加盟国等に差がありますので、多少の調整はありますけれども、恐らくこのような形で変わり、第3位という状況に変わりはないという形でございます。外務省としましては引き続き、ユネスコに対する主要な財政貢献国であるということもしっかりと踏まえた上でユネスコとの関係を進めてまいりたいと思っております。
以上、簡潔でございますが、御説明でございました。
【濵口会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの報告について御意見、御質問のある方は挙手をお願いいたします。なお、オンラインで御参加いただいている委員におかれましては、挙手ボタンにてお知らせいただければ幸いです。事務局にて確認し、私から指名させていただきますので、よろしくお願いいたします。いかがでしょうか。よろしいでしょうか。オンラインの方、御意見ございませんか。よろしいでしょうか。
ありがとうございます。御意見ないようですので、次の議題に移らせていただきたいと思います。議題の2は、我が国におけるユネスコ活動の現状と今後の取組についてでございます。議題2のうち、(1)、専門小委員会からの報告について、教育、科学、文化・コミュニケーション小委員会の3委員長から御報告をお願いしたいと思います。
それでは、教育小委員会の鈴木委員長からお願いいたします。
【鈴木(昌)教育小委員会委員長】 失礼いたします。本年8月22日に午後1時から3時までオンラインで開催いたしました、教育小委員会の報告をさせていただきます。議題は4つありました。
まず、議題1、最近のユネスコ関係についてということで、特に教育分野について、まず事務局から第219回ユネスコ執行委員会の結果及び2024年1月以降に開催された国際会議と今後予定されている国際会議等について報告がありました。それを受けて委員からは、ユネスコの教育戦略に質の高い教育を提供するとあるが、何年もかけて取り組まれているのですが、重要なのはこれらの努力が具体的な行動変容にまでつながっているかという点であると御発言をいただきました。また、昨年11月に採択された新しい教育勧告の国内における対応状況についての質問等もありました。
続いて、議題2についてですが、これは令和5年度ユネスコスクール活動調査結果等についてという題で協議いたしました。まず、ユネスコスクール事務局(ユネスコ・アジア文化センター)から、標記の調査結果について報告がありました。その後、大濱委員と私から、地域のユネスコ協会とユネスコスクールの連携の事例を紹介しました。委員からは主に以下の提案がありました。1つは地域社会、例えば地元の企業や大学との協働を推進、促進することで、ユネスコスクールを地域で支え、活発に活動できる体制をつくる必要があるのではないかという御発言でした。2つ目は、ユネスコスクールと大学の連携事例は、実際は多数あるので、大学からも情報発信をしていただくことが重要ではないかという御発言をいただきました。
続いて、議題3ですが、令和5年度ユネスコスクール定期レビューの結果について報告がありました。同じくユネスコスクール事務局(ユネスコ・アジア文化センター)から、定期レビューの結果について報告がありました。委員からは主に以下の提案がありました。まず、各学校で自己評価をする際は、子供たちの声も反映することが重要ではないか。また、レビューに参加する負担感を減らす方法を検討すべきとの提案も出されました。最後に、校長等管理職の意識の啓発も重要ではないかという提案もいただきました。
そして、最後の議題がユネスコASPnetの新システム稼働後のユネスコスクール・キャンディデート校の扱いについてということで御報告がありました。事務局からは、ユネスコ本部で運用しているASPnetの新システムが9月以降稼働予定であり、この新システムが正常に稼働し全てのキャンディデート校の加盟手続が完了した場合には、「ユネスコスクール・キャンディデート」の仕組みを終了する旨を説明されました。そして、この件が承認されました。
以上、このことを報告して、教育小委員会の報告とさせていただきます。ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございました。
続いては、科学小委員会、沖委員長、よろしくお願いいたします。
【沖科学小委員会委員長】 それでは、科学小委員会の報告を申し上げます。令和6年9月4日、一昨日ですけれども、4時半から6時にオンライン開催いたしました。各議題における主な議論について御報告申し上げます。
まず、議題の1は、最近のユネスコ関係の動きについて、科学分野についての報告で、4件ございます。
1件目が、政府間海洋学委員会(IOC)分科会からの報告で、道田委員、IOCの議長をお務めになっていますが、6月の第57回IOC執行理事会における議論を中心に、国内外におけます「国連海洋科学の10年」に関する取組を含めまして、IOCに関する動きについて報告いただきました。道田委員がIOC議長として複雑な利害が絡む中で難しい議事運営を円滑に遂行し各国から評価されていることが、これは道田委員御自身でおっしゃったわけではなくて、そこに参加されていた委員から御指摘がありまして、IOC議長としての貢献のビジビリティーが高まっていて、日本のレピュテーションが上がっているということが分かりました。
2件目は、政府間水文学計画(IHP)分科会からの報告で、私からの報告で、6月の第26回IHP政府間理事会における議論を中心に、来年、2025年にIHPが50周年を迎えることを含めて、それらの関連の動きについて報告いたしました。その議論の中で、IHP政府間理事会でもユネスコの科学に関する、海、陸水、そして生物圏というのが主要な柱としてあるわけですが、それらの分野間連携についての議論が政府間理事会でもあったわけですが、それを受けて、河川から海への栄養・汚染物質やプラスチックの流入等の課題におけるIHPとIOC、さらにはMABも含んだ連携の可能性について議論が行われました。
また、人間と生物圏(MAB)計画分科会からの報告では、事務局から、7月の第36回MAB計画国際調整理事会における議論を中心に、来年の中国・杭州で開催予定の世界会議で新たなMAB戦略が策定される予定であることを含め、MAB計画に関する動きについて報告がありました。OECM(保護地域以外で生物多様性保全に資する地域)への貢献等、企業との連携の可能性についても発言がありました。なお、MABという略称の最初は、これはManで、ジェンダー的に現代に照らしていかがなものかという議論が長年続いてきておりましたが、変更しなくてもよろしいのではないかということで決着ついたという御報告もありました。
4つ目としまして、その他の科学分野のユネスコ活動に関する報告といたしまして、大野委員及び事務局から、ユネスコ世界ジオパーク並びにニューロテクノロジーの倫理に関する勧告の策定に向けました議論について報告がありました。ユネスコ世界ジオパークの再認定審査の状況やジオパークの運営への女性の参画に関しての質疑が行われました。
もう一つの議題が、地域ユネスコ協会における科学分野の取組についてで、押谷委員、小池委員、鈴木委員、髙木委員から、各地のユネスコ協会の取組を紹介いただくとともに、民間のユネスコ活動は専門家の取組と市民をつなぐコミュニケーターの役割及び地域コミュニティーにおけるSDGsと科学を結びつける役割を担っているといったことにつきまして御報告いただきました。民間ユネスコ活動の持続可能な発展のための課題やさらに広めていくための広報の在り方について質疑がありました。先ほども地域の大学との連携の例がいっぱいあるという御報告ありましたが、ここでもそういうことを推進してまいりたいと存じます。
以上です。
【濵口会長】 ありがとうございました。
最後に文化・コミュニケーション小委員会から御報告をいただきますが、井上委員長のマイクが不調のため、内容について事務局から報告をお願いいたします。
【本村国際戦略企画官】 それでは、事務局から失礼いたします。第11回文化・コミュニケーション小委員会の御報告でございます。以下4点、御報告いたします。
まず、議題1といたしまして、5月に開催されました、ユネスコ「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会総会につきまして、事務局から出張報告がございました。委員からは、我が国より「世界の記憶」アジア太平洋地域登録への申請案件がなかったことを踏まえまして、「良質な候補案件をプールしておく仕組みの創設が必要ではないか」という提案がございました。
続きまして、議題2といたしまして、文化庁から、7月に開催されました第46回世界遺産委員会について、我が国が推薦した「佐渡島の金山」が新たに登録されたこと等が報告されました。
続きまして、議題3として、ユネスコ創造都市ネットワークと創造都市ネットワーク日本・国際ネットワーク部会との連携等についての議論が行われました。事務局から、ユネスコ創造都市ネットワークと創造都市ネットワーク日本の連携強化に向けた具体的な取組や、2月の第10回小委員会で意見が相次ぎました、マンガ・アニメについてユネスコ創造都市の8つ目の分野として追加することについて、ユネスコの担当事務局長補に打診した結果等の報告がございました。委員からは、マンガ・アニメを軸とするまちづくりを行う都市につきまして、文学等の分野でユネスコ創造都市ネットワークへの加盟を進めることで、マンガ・アニメの世界的な存在感を高めていくべき等の意見がございました。
最後に、議題4といたしまして、昨年10月、新たに文学分野でユネスコ創造都市ネットワークに加盟した岡山市より、創造都市としての活動状況や今後の展望等について説明があり、意見交換が行われました。
文化・コミュニケーション小委員会からの報告は以上でございます。
【濵口会長】 ありがとうございました。
それでは、ただいまの各専門小委員会からの御報告について御質問、御意見がある方は挙手をお願いいたします。いかがでしょうか。よろしくお願いします。
【芳賀委員】 芳賀です。国内の「世界の記憶」の審査委員会の委員長、またユネスコの「世界の記憶」のアジア・太平洋地域(MOWCAP)の副議長でもあります。
今御報告がありましたように、我が国からユネスコ「世界の記憶」アジア・太平洋地域への申請案件はありませんでした。これは国益に反します。ですから、改めて具体的なお願いですが、良質な候補案件をプールしていく仕組みの創設を是非お願いいたします。
以上です。
【濵口会長】 御指摘ありがとうございます。
ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、次の議題に移らせていただきます。次に、(2)、次世代ユネスコ国内委員会からの報告についてお諮りします。
まず、私から、先ほど第520回運営小委員会を開催し、次世代ユネスコ国内委員会設置要綱の改正について審議しましたので、その結果を報告させていただきたいと思います。具体的には、次世代ユネスコ国内委員会は昨年度から運営小委員会の下に設置され、その存続期間は2年以内とされておりました。そのため、本年度末で期限を迎えることから、運営小委員会が廃止の決議をしたときまでとしました。あわせて、委員の委嘱期間についても、1回再委嘱できることとなっておりましたが、これを、再委嘱の回数に際限なく、通算で4年までとしました。
続いて、次世代ユネスコ国内委員会の小林委員長、沖田副委員長から活動の報告をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【小林次世代ユネスコ国内委員会委員長】 ありがとうございます。次世代ユネスコ国内委員会委員長の小林真緒子と申します。本日もよろしくお願いいたします。委員会が継続されるということで、大変うれしく思っております。今回は私のほうから、次世代ユネスコ国内委員会の活動報告というところで主に2点御説明させていただければと思います。
まず、1点目がユースフォーラム開催の計画というところで、先ほど御紹介にもありましたように、ユネスコウィークのうちの最終日にユースフォーラムを開催させていただく予定ですので、そちらの企画案について御説明させていただきます。
2点目に、民間企業との連携というところで、こちらも今年から新しく動き出したものになりますので、こちらについては沖田副委員長から御説明させていただきます。
では、本日のアジェンダというところで、3ページのほうに移らせていただければと思います。まず、こちらが活動の全体像になっております。今年度も昨年度と同様に、教育、科学、文化の3つのワーキンググループに委員20名がそれぞれ分かれまして活動を実施しております。分野ごとの活動が下のほうに書かれておりますが、そちらも取り組みつつ、ユースフォーラムの開催というところに向けては、委員全員が分野ごとの活動の成果も含めてユースフォーラムにつなげながら企画を実施していくという形になっております。あわせて、ソーシャルメディアでの発信等も積極的に行っていきたいと考えております。
次のページ、4ページになります。先ほどから御紹介させていただいているように、ユネスコウィークの一環でユースフォーラムを開催させていただきますが、今年度のテーマに関しましては、「今から、ここから、わたしから~ユースが集い、創るユネスコ活動の未来~」というところで、主にユネスコ活動に取り組んでいるユース及びユネスコ活動に関心のあるユースが集い、意見交換をしながらネットワークを構築する場にできればと思っております。主な対象者といたしましてはユース世代、特に全国各地でユネスコ活動に取り組んでいるユースであったりだとか、また、今は例えばライフステージが変わって取り組んでいないけれども、過去に学校、大学だったり高校でユネスコ活動に取り組んでいたユースを主な対象者としております。また、先輩世代に関しましては、ユネスコ活動の関係者であったり、また教育機関の方であったり、そのほかユース世代のユネスコ活動に関わる方に御参加いただければと思っております。
こちらはハイブリッドでやらせていただこうと思っていますが、こちらが全体のプログラム概要になります。流れとしては昨年度のユースフォーラムと大きくは変わらないですが、最初に全体会をいたしまして、その次に分科会を行います。こちらが、A、B、Cと設定させていただいておりますが、主には教育、科学、文化のワーキンググループごとに企画を行ってまいります。そして、最後にまとめとして全体会を行いまして、閉会となっております。昨年度から少し変えた部分といたしましては、ランチ休憩のところにブース・パネル見学というところがありますが、こちら、ユネスコ活動に取り組むユースの活動をしている団体からブースだったりパネル出展をいただいて、より具体的な活動内容について話し合えるような機会を設けられればと考えております。こちらに関しては、現地に来られないユース団体の皆様からもブースやパネル出展に御協力いただければと考えておりまして、より広い範囲でユース同士の交流ができたらと思っております。そして、もう一点変えた点といたしましては、最後の全体会に関してなんですけれども、こちらは会議全体のまとめと併せて、社会貢献に関心のあるユースが恐らく多く参加すると思いますが、そういったユースたちが今までやってきたユネスコ活動をこの先の将来にどのようにつなげていけばいいのかというところで、キャリア形成に関するようなワークショップをユース世代、そして先輩世代の皆様にも御協力いただきながら実施させていただければと考えております。
その次のページが具体的な計画というところで細かく書いてありますが、少し時間がないので、具体的な説明は省略させていただきますが、是非御覧いただければと思います。
次が参考資料になりますが、こちらに関しては、今年のユースフォーラムの目標というところで3点挙げさせていただいております。1つ目がユース世代の参加者を増やすことというところで、昨年度、私たちが企画するユースフォーラム第1回を開催しましたが、なかなかユース世代を集客するところに苦労したので、こちらはより広報等を強化して実施、ユース世代の参加者をより増やしていきたいと考えております。2点目がユース世代と先輩世代との対話の機会を作ることということ、3点目がユース世代・先輩世代を含めて参加者、出席者の多様性を豊かにすることです。特に民間企業の方がなかなかお越しにならないというところがあったので、こちらに対してもよりアプローチできたらと考えております。
最後に、8ページ目になります。今回、特にユネスコ活動に取り組んでいる経験があったりだとか知見が豊富なユースを主に対象としておりますが、その背景がこのスライドにまとまっております。昨年度の経験から、ユースフォーラムの、まだ始めたばかりというところで知名度がない中で、まだユネスコ活動に取り組んだことのないとかユネスコ活動自体あまり身近でないユースに急にアプローチするのはなかなか難しいのではないかというところと、また、ユネスコ活動に関わっているユース同士のつながりというところがまだ十分ではないのではないかというところが、実際ユネスコ活動に取り組むユースの委員から意見が出まして、今年はユネスコ活動に関心のある、もしくは既に取り組んでいるユースを対象に実施していきまして、今後のユースフォーラムにおいてはより対象を広げていき、ユネスコ活動に経験だったり知見がまだ限定的であったり、実際にまだ活動していないユースにもターゲットを拡大していければと考えております。
ユースフォーラム開催についての報告は以上とさせていただきます。
では、沖田副委員長、よろしくお願いいたします。
【沖田次世代ユネスコ国内委員会副委員長】 承知いたしました。次のページ以降から私から御説明させていただきます。2つ目のアジェンダとして、民間企業との連携について御説明をいたします。
20ページ目にスライド1枚でまとめております。我々といたしまして、これまで主に活動の連携先というものが、例えば教育関係者であったり、ユネスコ活動に関わる組織・団体がメインでしたが、なかなか民間企業と関わる機会が多くなかったため、今後、活動の規模であったり影響範囲を拡大するためには民間企業との連携が必要だというところが課題となっておりました。ということで、今年度から民間企業と連携をしていければと思っています。簡単に、この議論が内部で起こってきた背景と、そこに向けた民間企業のトレンドや我々の今後の方向性について、こちらで御説明します。
そもそも、先ほど小林が説明いたしましたユースフォーラムでも、特定のユネスコの関連組織や教育機関、国際機関等に連携先が限定されていたところが一つの課題と認識していました。もう一つ、我々、このユースフォーラム以外の活動、例えばユネスコの関連組織への地方への訪問にかかる旅費・宿泊費、ユースフォーラム以外のイベントの開催費、プロジェクトの運用費等、基本的に各委員の自費で賄っていたということもあり、今後、影響、規模を拡大するためには、このコスト面がおのずと障壁になってきたため、今後、活動規模を拡大するためには、外部から資金を調達していく必要があるというところで議論になっておりました。
そういったところが今後民間との連携という背景なんですけれども、一方で、それでは、民間企業が今どういったようなスタンスでこの社会課題の解決に向き合っているのかというところを2つ目でまとめています。まず1点目です。これまで短期的な株主利益の最大化が最も重要と言われるような「株主資本主義」が、どんどん今、資本主義が変わりつつあると。それは、国際社会だとか地域社会、あとは取引先といったような多様なステークホルダーに対して利益を還元していくといったような「ステークホルダー資本主義」というところが主流になりつつあるといったようなところです。中長期的に企業価値を向上させていくためには、多くのステークホルダーを巻き込んで、しっかりと社会課題を解決していこう、つまりSDGs等に貢献していこうといったような姿勢がかなり前向きになっていると理解しております。
このような我々委員会の課題と民間企業の社会課題解決に向けたトレンドを双方加味いたしまして、今年度以降、うまく民間企業のステークホルダーとして我々次世代国内委員会であったり、あとはユース世代というところも位置付けていただいて、企業のニーズと合致したような連携を進めていきたいなと考えております。そこで、今年度から民間企業に対して具体的に連携の依頼を始めるべく今準備を進めているところです。具体的には、アポイントを取って、面談をして、我々のもう少し詳細な資料を御用意しておりますので、そういったものを準備しながら、我々の背景、目的、なぜ連携が必要で、企業にどのようなメリットがあるのか、今後生み出していく価値はこういうものですといったようなところ、御説明させていただければと思っています。本日、ここの委員会の中にも民間企業に御所属の方、民間企業とコネクションが強い方等いらっしゃるかと思います。こういったような委員の皆様のお力も借りながら、今後こういったような活動も進めていければと考えております。
一旦、私からの御説明も以上とさせていただきます。
最初の1点目、2点目、双方加えて、御質問、コメントある委員の皆様から御意見を伺えればと思います。よろしくお願いいたします。
【濵口会長】 ありがとうございました。12月のユースフォーラムの活躍、それから企業の連携の取組、期待しております。頑張ってください。国内委員の皆様におかれましても、是非御助言、サポートをどうぞよろしくお願いいたします。
それでは、ただいまの報告について御質問、御意見がある方は挙手をお願いいたします。どうぞ、溝内委員。
【溝内委員】 キリンの溝内でございます。民間企業としての意見を述べさせていただきます。
今御説明いただいた、企業のニーズと合致した連携というところについてです。具体的に申し上げますと、企業にとっては、企業の事業に結びつくものと読み替えていただいて御提案いただければと思います。例えばですけれども、科学小委員会の中で説明がございました、生物多様性を保全するOECMというのがございまして、日本では環境省の自然共生サイトに指定されたものがOECMになることになっています。弊社の場合ですと、長野県上田市にございます椀子ヴィンヤードというワイン用のブドウを作る畑が自然共生サイトに指定されております。なぜ企業としてこういう生物多様性に取り組むのかというと、やはりそのような自然共生サイトで作ったブドウで作ったワインはおいしそう、体に優しそうといった、付加価値になるからでございます。弊社といたしましても、上田市だけではなくて、塩尻市に片丘ヴィンヤードというのもありまして、こちらのほうも自然共生サイトに拡大していくとか、山梨県の甲州市に天狗沢ヴィンヤードというのもありますが、こちらにも拡大していくようなインセンティブが発生するようになります。企業の利益と公共の利益の重なりのところを意識した御提案をやっていただくと、企業としては乗りやすいということを意見として述べさせていただきました。ありがとうございます。
【濵口会長】 ありがとうございます。貴重な御意見いただきました。
小林委員長、何か御意見ございますか。
【小林次世代ユネスコ国内委員会委員長】 本当に貴重な御意見いただき、ありがとうございます。私たちも今まさに準備を進めているところですので、参考にさせていただいて、今後、これから企業とのミーティングが始まってきますので、いただいた御意見を参考に頑張っていきたいと思います。ありがとうございます。
【濵口会長】 よろしくお願いします。
それでは、芳賀委員、お願いします。
【芳賀委員】 芳賀です。
若者によるすばらしい活動とその御報告をありがとうございました。ユース世代の参加者を増やして、その多様性を豊かにすることが課題だ、との報告でした。ユネスコの偉大さというのは、堂々と正しいことを言って実行することだと思います。平和が大事なんて当たり前ですけど、しかし、大人が言って、本当に実行することは全く別次元の重大な意義がある。私はユネスコの国内委員会に、いわゆる皆さんのように国際的で高学歴の方々だけでなくて、国の中で地に足のついた第一次産業の若い人を加えてほしいと再三お願いしてきました。それを実行していただきたく思います。そこで、さらに提案ですけど、是非、拘禁刑で刑務所にいる若い人を、壁の中からでも次世代ユネスコ国内委員会活動に加えてほしいと思います。更生、出所後のキャリア形成にもなります。ユネスコは先端的な役割を市民社会において果たすために野望に満ちた前例のないことを果たすべきであるとフランスで言っているとき、実は既にフランスのルーブル美術館は刑務所当局と受刑者と協働で企画して、刑務所内でルーブル美術館展覧会「壁を超えて」という特別展を開催しています。誰も取り残さない、の実行です。そのようなときに、日本では悪人なおもて往生を遂ぐ、悪人というのは凡夫という意味ですけれど、それをも哲学としているときに、ソーシャル・インクルージョンとしても、拘禁刑で刑務所にいる若い世代に実際にユネスコ国内委員会活動に参加していただくことは、日本のユネスコは本当にすごいんだなと国内外に大きなメッセージを送ることとなります。
以上、提案です。
【濵口会長】 ありがとうございます。
これは事務局からも御意見をいただかないといけないですかね。どうですか。
【本村国際戦略企画官】 ありがとうございました。芳賀先生からの御意見、第一次産業の若い方、地に足をつけた取組をやっている方々を入れてはどうかと、以前も御提案いただきましたので、次世代と我々事務局と、どういう形で参加していただく可能性があるのかというところは引き続き検討していきたいと思っております。その後の提案、刑務所の中に入っていらっしゃる方でもという、それぐらいの意気込みでという芳賀先生の御提案だと思いますので、20名、次世代の委員いますけれども、皆さん優秀ですけれども、その中に新たな刺激をという意味だと思いますので、それを踏まえて、小林委員長とも相談して進めていきたいと思います。ありがとうございました。
【濵口会長】 御意見ありがとうございます。ダイバーシティーを広げるという大事な点だと思います。
髙橋秀行委員、どうぞお願いします。
【髙橋(秀)委員】 髙橋でございます。
次世代ユネスコ国内委員会の皆さんから御説明のあった民間企業との連携を深めるという対応は非常にすばらしいと思います。私自身、民間企業出身ですので、これまでも本委員会や小委員会で度々、ユネスコ活動と民間企業の連携を深めるべきタイミングにあるのではないかということは何度もお話ししてきました。この背景には、今日御説明があったように、民間企業におけるSDGsへの取組が活発化しているということがあると思います。資料では前向きになっているというふうに書かれていますけど、これはもう今や前向きだというステージではなくて、各企業が持続的な成長基盤を構築するには、社会問題に対して積極的に取り組んでいくということが自社の経営戦略にとって不可欠であるという認識にもう既に変わっているというステージにあると考えたほうがいいと思います。したがって、特に大きな企業では、サステナビリティ担当の専門セクションとかSDGs担当の専門の役員を作るなど、積極的に取り組んでいるところですが、民間企業から見ると、やはりユネスコ活動とそういった各企業のSDGsの活動をどういった形で結びつけてリンケージするのは難しいので、なかなかこれまで連携が進んでこなかったということがあると思います。今日御説明があったように、既に次世代ユネスコ国内委員会では、民間企業に対して連携の依頼を進めるためのいろんな資料を準備されていると聞いていますので、特に大きな企業では、専担の窓口があるので、民間企業に対して個別的に説明するというのはそれなりの成果があるとは思います。
その上での思いつきのような提案にはなりますが、こういった個別企業に対する要請なり説明を始めると同時に、2つの動きを検討したらどうかと思います。1つは経済団体との連携を、これはユースに限ることはないと思いますが、枠組みとして構築するという方向に進んだらどうかと思います。例えば、経済同友会という団体はこういった問題に対して物すごく前向きに、いろんな提言も出して取り組んでいます。かつ、経済同友会の活動自身は県ごと、地域ごとにも活発に行われているので、東京地区だけではなくて、全国的な広がりもあると思いますので、ここは文科省の事務局の方にお願いするということなのかもしれませんが、そういった経済団体との接点をこのタイミングでつくるというのも1つかなと思いますし、もう一つは、これは文科省の人にとってみると余計なお世話かもしれませんが、民間企業のこういったSDGs活動について霞が関の中で非常に積極的に多面的な取組をやられている経済産業省は、多くのSDGsの枠組みをつくったり、アワードみたいなものをつくったりもされています。そういう意味でいえば、例えば文科省と経産省との連携を、何かワーキンググループをつくるなりして強化することで、ユースに限らず、ユネスコ活動が広く民間企業と今後連携を深めていけるような最初のステップにしたらどうかと思います。特に今日、具体的にこういった話が次世代ユネスコ委員会から上がってきたので特にそう思ったのですが、まさに今、民間企業との連携を深めていく、そのタイミングにあるのではないかと思います。ユネスコ活動と民間企業の連携を強化するには、今が非常にスタートするにはいい時期であると思いますので、是非前向きに進めていただければと思う次第です。
以上です。
【濵口会長】 ありがとうございます。
どうぞ。
【田代副会長】 ありがとうございます。私も民間企業の立場と、あと今髙橋委員からお話がありました経済同友会の副代表幹事をやっておりまして、まさしく今お話がありましたように、今、経済同友会は共助資本主義ということで、マルチステークホルダーとの対話を非常に大切にしております。今、実は、学生の皆様というよりは、NPOの皆様と何回もステークホルダーという形で対話を持っておりまして、同友会の会員で例えば子供食堂にボランティアに行ったり、参画者の皆様と、18歳以上の立場、なかなか居場所がない方の場所に、対話を持たせていただいたりしております。マルチステークホルダーなので、当然、学生の皆様、ユースの皆様との対話というのも大切だと思いますので、もしよろしければ、事務局の方と御相談して、経済同友会とはおつなぎできると思いますので、いいきっかけを作ることができればと思います。よろしくお願いいたします。
【濵口会長】 ありがとうございます。もう早速チャンスが巡ってきたような気がします。よろしくお願いします。
吉田委員。それから、山口委員、お願いいたします。
【吉田(和)委員】 ありがとうございます。毎回、次世代委員からの御発表をいただくたびに我々本体のほうが刺激を受けるということがずっと続いています。それについてもう少しこの総会としての、次世代委員会をどうして設置したのかという原点に立ち戻って、その本体との関係、御報告いただくだけではなくて、次世代委員会のメッセージをどうしたらもう少し重要なメッセージとして発信できるのか、我々が、我々大人というか、言葉が難しいですけど、総会で出てきているような人たちの世代が取捨選択して何かレスポンスするということではそもそも趣旨にかなわないと思います。一方で、こういう民間の方々ともっと連携をするべきだと次世代が言っているときに、我々本体がそもそもそういう活動をしてきたのかという反省材料さえ示されているわけですよね。そういうことを考えますと、次世代と旧世代と言っていいのかの関係、それから、資金がなくて十分な活動ができないとまで言われているときに、それはどのように対応するべきなのかということを、次世代の委員会の中だけで議論しても解決できないような問題も提起されているわけですので、やはりその辺、メッセージをどう発信するのか、我々はそれを、本体はどのように支援できるのか、あるいは本体と次世代の関係をどう見直すのか、さらには次世代が発信する相手先との関係をどのようにもう少しハイライトできるのか、そのような点も含めて、少し場を設けた検討が必要ではないかと感じました。
【濵口会長】 ありがとうございます。今までユースの活動は、まずユースのレイヤーをつくることから始まってきました。それはなぜかというと、やはり率直に申し上げて、ユネスコ国内委員会が大分高齢化している経緯があって、リアルに現代的な社会に適応した組織に変わっていかなきゃいけないのではないかという気持ちが私もありまして、ユースをつくっていただいて、活動を広げて、今のステージは、ユースの方々に国際的にも連携をしていただきたいというのでサポートはしております。今回、このユースフォーラムの提案も、実は私どもの想像を超えた先をどんどん転換しておられるというのが正直な感想でして、企業の連携の話も、これは本気度が高いなと、正直、本当にすばらしいなと思っているところです。これをどういうふうにして本体のほうへフィードバックするかというところがございますが、恐らく運営小委員会で少し議論が要るかと思いますが、一番大事なことは、私が思いますのは、ユースの人たちと我々、フラットに、対等に会話をしないといけないので、この本委員会がああしろ、こうしろとか、こういう活動があるべきだというところばかり言うよりも、本当に何を彼らがやりたいのか、それにどういうサポートが必要なのか、もっと我々が探るべきだなと、実は今日すごく反省しているところです。私の任期もあと二、三か月です。ですけど、ちゃんとそこは引き継いで、議論を展開できるようにしたいと思っていますので、よろしくお願いします。
山口委員、お願いします。
【山口委員】 どうもありがとうございます。いつも刺激的な報告、ありがとうございます。
企業にこれからアプローチするということで、私の近年の経験を事例として共有したいと思いました。企業との連携を進めていく上で重要なのは、具体案を持って、自分たちがどういうことをしたいので、例えば直接この国際会議でこういう発言をしたいのでというような、企業から見てもウィン・ウィンになるような形の提案をすることが重要かなと思います。近年の事例でして、企業が有している財団ですね。例えば環境財団。私の近年の例では、イオン環境財団さんに大学生のグループがアプローチして、この10月、11月にコロンビアで開催される生物多様性条約第16回締約国会議(COP16)にこういう意見を持って自分たちは参加したいと。イオン環境財団がこのようなアイデアを持っているので、その一環として同行したいと。それで、資源を提供してくださいというような形で成功した事例があります。最近はユースデーとかユースフォーラムを、大きな気候変動の会議もそうですし、大きな教育会議もそうですので、そこの、具体的にユースがどういうサイドイベントをできるかということを調べて、企業がこういうことをやりたいということをマッチングするようなところを開発して、具体的な提案を持っていくというのが一番近道なのかなと私の経験から思いましたので、共有させていただきたいと思います。ありがとうございます。
【濵口会長】 ありがとうございます。貴重な御意見をいただきました。
それでは、どうぞ。
【鈴木(郁)委員】 ありがとうございます。柏ユネスコ協会の鈴木と申します。地域ユネスコ協会の立場、そして現職の教員としての立場、また数年前にユース世代を卒業した立場として意見を述べさせていただきたいと思います。
今、地域ユネスコ協会の高齢化という課題がある中で、今後のユネスコ活動の発展を考えていくためにも、ユース世代の活動の発展というのは非常に重要だと思っています。私も長年、ユース対象の活動というのを何年もやっておりますけれども、ネットワーク、つながりのないユースをいかに巻き込むかというのは大変難しいところかなと思いますけれども、今回のユースフォーラムは対象が15歳からと設定されているということですので、是非高校生、大学生に対するアプローチを積極的にしていただくといいかなと思っています。ユネスコスクールが増えている中で、高校、大学の学生さんたちの活動というのは大変活発になってきていると思いますけれども、どうしても卒業してしまうと活動は途絶えてしまうというのが課題で、学校という枠を超えたつながりをこのユースフォーラムで作ることによって、卒業後もユネスコ活動を続けていくユースが増えていくことを大変期待しておりますし、応援しております。私ができるサポートがあれば、是非積極的にさせていただきたいと思います。頑張ってください。
【濵口会長】 ありがとうございます。御支援よろしくお願いします。少し余談になりますが、オリンピック、覚えていますか。オリンピックのサッカー、ほかの国のサッカーチームとすごい違いがあったんです。オリンピックのサッカーは23歳までなんです。それで、オーバーエージの人を何人か入れることができるんですけど、日本は入れなくても強かったんですよね。あれ、私はユースの一つの完成形かなという感じがしています。今御指摘あったように、ユネスコスクールも世界的に見れば日本が一番多いんですよね。活発にいろんな多様な活動をしておられる。ユースの方々が、これがつながってきていて、高校、大学あるいは社会人の方がもう少しつながると、ちょっと世界に類を見ないようなユネスコ活動が展開できるような気がしてならないんですけど、是非御支援をいただきたいと思います。すみません。脱線しました。
オンラインで田中委員、お願いいたします。
【田中委員】 ありがとうございます。NPO法人で職員をしています田中と申します。ユースの皆さんの御活動が活動資金不足に課題があるというところで、非営利の立場から少し意見が言えたらと思いました。
まず、企業との連携を模索するというのは、非営利のセクターでも活動資金難に陥ることが多いので、よく課題として挙がる部分です。ただ、企業との連携を模索するあまり、企業が求める事業にどうしても発想の原点が流れていってしまいがちで、純粋にユネスコ活動の価値や、御自身たちが本当にやりたいこと、自分たちが担うべきミッションから少しずつ外れていってしまいがちであるという経験を非営利の団体は多くしています。それを乗り越えて十分な活動資金を何とか調達するために、NPO等には様々なノウハウがございます。山口委員の御発言にもありましたけれども、財団との交渉ですとか、申請書類の準備ですとか、あるいは一般の方々からいかに寄附をいただくかというようなファンドレージングの部分については、もしよろしければ、NPOとしてのノウハウや知見を御提供することもできますので、御相談いただけたらなと思いました。
それから、ユース活動に、社会的に抑圧された立場にあるユースを当事者として委員にという、すみません、ちょっとお名前が聞き取れなかったんですけれども、委員の御発言がありまして、そこに強く共感をします。当事者性を持つ抑圧された立場にあるユースを委員に迎えることは、活動の刺激や、ただ単にダイバーシティーの推進という片仮名のお題目ではなく、社会的な包摂の上で重要であると考えます。そうした意味においても、活動に当たって委員の方々が手弁当で活動しているということに少し驚いてしまいましたが、活動に当たって自分でお金を払わなくてはいけないような部分が多くなればなるほど、貧困状況にある抑圧された立場の若者の参画は遠のいてしまいますので、そうした部分も含めまして、大人側がどうサポートしていけるかということを考えていくことが重要だなと感じました。
以上です。
【濵口会長】 ありがとうございます。本当に御指摘のとおりだと思います。いろいろお手伝いいただければと思います。
もう一人、治部委員、お願いいたします。
【治部委員】 ありがとうございました。実は私が申し上げようと思ったことを田中委員が後半でおっしゃってくださいました。私、今、理工系の大学の教養部門で教えておりまして、その前は長く経済メディアの記者をしておりました。多様性といったことについて20年以上取材等してきた立場からも、田中委員と同様に、会場から御発言されていらっしゃいました、ユースの中にいわゆるバルネラブルポピュレーションを含めるべきであるという御意見に強く賛同するものであります。近年、SDGs、それから多様性ということが言われているのですが、SDGsの目的であるところの誰一人取り残さないということは、実態としてはかなりお題目になってしまいまして、大学においても、また、私、学齢期の子供がいるので、小・中学生もSDGsについて学んでいるんですが、実態は、最も厳しい貧困の問題であるとか戦争の問題といったようなことは回避されたまま、比較的取り組みやすいきれいなところばかりが学校の中でも扱われているという状況に非常に疑問を覚えていた次第です。また、大学でも多様性といったことは議論するのですが、多くの場合、性別ですとか、ジェンダーや人種といったような、目に見える多様性の部分の数をそろえるというところにとどまっているのが現実です。特に大学のようなところにおりますと、社会経済階層の多様性というところに本当に踏み込みが足りないという状況がありますし、例えば進学におきましても、地方の若い方が置かれている状況と首都圏の子供が置かれている状況では全く異なりますが、そこまでは手が回っていない状況にあります。こういった問題を踏まえたときに、最も恐らく連携するのは難しいと思うんですけれども、ユネスコは文科省が管轄されていると、刑事施設というのは法務省が管轄されているということなので、広い意味で言えば霞が関の中で何か連携を取るということは不可能ではないでしょうし、本当の意味での誰一人取り残さないということを是非やっていただけたらと思いますし、私も大学教員の1人としまして、何かできることがあればと思っております。
それからもう一点、企業のことなんですけれども、私、経済記者が長かった関係で、結構企業の研修や、ブランディングのお手伝い等をすることがあります。いわゆる一流企業、特にグローバルな一流企業、あとは日本を代表するような企業のブランディングと研修の話をしていますと、かなり長期的な視点でいろんなことに取り組んでおりますので、そんなに、今これやって何がもうかるのといった、近視眼的ではない企業もあるにはありますので、ちょっとこの場で企業名を挙げて申し上げるのは差し控えますが、よい企業、本当に長期的な視点を持って社会改善とビジネスとを統合しようと思っている企業というのは意外とあるということで、何かできるところはあるのではないかなと思います。
以上です。
【濵口会長】 ありがとうございました。
それでは、松本委員、お願いします。
【松本委員】 ユースの皆さん、最初に、一次産業から国内委員に推薦できないかというところで、ユースの次世代国内委員というメンバーを一次産業まで広げるというような御意見があったかと思いますが、その件に関しまして、民間ユネスコの立場でありますので、全9ブロックの国内委員に頼みまして、一次産業を推薦するという民間ユネスコ協会はありますかということでアンケートを取らせていただいております。そこで5つほどのユネスコ協会が手を挙げてくださっております。それについては既にもう事務局にメールで渡してありますので、それを御活用になって、ただ、問題は、どういった形で、どういった目的でその若者を次世代ユネスコ国内委員会に迎えたいと言うのか、そういうことが分からないと、こちらも推薦をするというときにどういうふうに話をしていいのか分からないというところがございます。具体的にそういうことを考えていただいて、アンケートにありますユネスコ協会に持っていっていただければ、多分話は進んでいくかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
【濵口会長】 ありがとうございます。少し事務局と相談してみます。
もう一人、沖田副委員長、手短に発言をお願いします。
【沖田次世代ユネスコ国内委員会副委員長】 ありがとうございます。最後に、民間企業との連携の部分に関しまして、結構私がリードして考えているところもありまして、コメントさせていただければと思います。
私、本業がコンサルティングファームに勤めておりまして、主に民間企業のサステナビリティ改革等に関連する部署におります。なので、基本的にふだん対峙しているのが、日本の大きな企業のサステナビリティ推進室です。そういった企業と対峙していく中で、今回、表に出されるということもございまして、資料自体は、SDGsで前向きになりつつあるといったような少しモデレートな書き方をしたんですけれども、肌感といたしまして、そういったような取組を進めていかないと今後まずいといったような感覚を持たれている企業がかなり増えている点はもう確信に近いところで今考えています。そのような中で、やはりなかなかユネスコや、若い人との連携というところが表に出てこないというところは1つ課題と思っています。やはり、ニーズがあるが、なかなか打ち込めていないというところがすごくかゆいところであって、そこに対してもう少し今年度具体的に動いていきたいと思っていたところでした。本日、私の予想以上に皆さんからここの点に関してコメントいただいて、大変ありがたく思います。今後、文部科学省と少しすり合わせをさせていただいて、少し個別に勉強させていただければと思います。
【濵口会長】 結論は、国のほうでシュートを打ってもらうことだと思います。もう条件はできていますので。よろしくお願いします。
それでは、渡辺統括官からお願いします。
【渡辺国際統括官】 それでは、事務局として発言します。
さすがに各分野の皆様御参加なので、必要な御指摘は全ていただいているような気がいたします。まずはユースの委員会のほうでユネスコ活動という軸をしっかり持っていただいて、それから、皆さんやはり、数と使える時間というのは限られていますので、どういう順番で何をトリガーにしていくかという作戦を一緒に考えさせていただければと思います。そのときに、NPOのお話をしてくださった田中委員、まさに御指摘のとおりで、そういう活動をしている方は世の中にたくさんいる、そこにユネスコのユース活動として何を持っていくのか、それから、企業側のことということが包括されることかと思うんですが、私どものほうでやるべきこととして、実は日本ユネスコ国内委員会というのは、外務次官も、それから財務次官も、先ほどまで出席していた文科次官も入っています。活動には、国交省の方も、環境省の方も、一生懸命科学のほうを中心にやってくださっています。と思ったんですけど、経産省とあんまりコンタクトしていなかったなと思いました。それから、一次産業という意味では、もう地域のユネスコ協会からもしていただいているとは思いますが、農水省とも意外と話していなかったなということで、ユネスコの活動ということをもう少し私どもから関係省庁の方にもしっかり御理解いただいて、つながるところをしっかりと、またユースの方にも、国内委員会の皆様にもお伝えしていきたいと思います。
簡単ですが、以上です。
【濵口会長】 ありがとうございます。次の大きな課題は、国内委員会、もう少し連携を深めていくことかもしれないですね。地域の協会と、それから企業の方とも深めていくということ。かなり宿題が出ましたが、取りあえず今、この件は水入りとさせていただきます。
それで、お時間押していますが、次の議題、(3)、「ユース(若者)によるユネスコ活動の促進」に関する取組事例について、これは是非御理解いただきたいと思いますので、本件について、まずは事務局から説明をお願いいたします。
【小野国際統括官補佐】 資料、今画面に表示させていただいております2-3を御覧いただければと思います。時間がかなり押してございますので、大変恐縮ですけれども、かなり割愛して、あとは資料を後ほど見ていただければと思います。
まず、資料の作りですけれども、タイトルにございますように、「ユースによるユネスコ活動の促進」に関する取組事例について、6月に日本ユネスコ国内委員会委員の皆様へ推薦をお願いいたしました。その結果、提供いただいた案件をこちらに表示しております。一つお詫びがございます。事前に送らせていただいた資料は9件のリストになってございました。1件漏れがあるということが判明しまして、今画面に共有させていただいているものは10件のリストにさせていただいております。また、頂いた推薦書に基づいて作りました概要の資料になりますので、その点をお含みいただければと思います。それから、番号が1番から振ってございますけれども、こちらは実施団体のカテゴリー順に、学校、ユネスコ協会といった順番で並べさせていただいております。
簡単に御説明させていただきます。1つ目は、中学校、高校、あと五井平和財団によるグループによる「GOALs~学校協働SDGsチャレンジ~」というものでございます。こちらは昔、ESD、2021年から始まったもので、以前、「ESD日本ユース・コンファレンス」というものを文科省、国内委員会、五井平和財団の主催で行いました。そこに参加された先生方による学校間の連携のESDのプロジェクトということになってございます。環境省のチャレンジ・アワード2023の環境大臣賞を受賞されています。
次に、2つ目、「別子銅山の近代化産業遺産を生かした持続可能なまちづくり学習」ということで、愛媛県の新居浜南高校のユネスコ部による取組になります。こちらに書いている、かなり幅広く、小学校、中学校、高校、それから国際交流、それから地元の企業、教育委員会、小学校・中学校は全てユネスコスクールと伺っておりますけれども、町ぐるみで、かなり分厚い活動をされてございます。その結果、一番下ですけど、未来をつくる若者オブザイヤー内閣府大臣賞等、多数の受賞歴がございます。
3番目でございます。高知県の室戸高校による取組で、ジオパークを活用した活動になります。
それから、4番目、奈良教育大学ユネスコクラブの「野外活動を楽しくサポート」ということで、こちらも奈良市内を中心に、学校、それから子供会の児童生徒の皆さんを対象にキャンプファイア等のグループ活動を通じたESDの価値観を育む活動をされてございます。
次に、5番目、令和版の「平和の鐘を鳴らそうプロジェクト」ということで、全国的な取組として、ユネスコ協会の青年連絡組織、青年会員の有志の皆様で活動されていると。特徴としましては、ユネスコ協会の伝統的な活動、平和の鐘を鳴らそうという活動をユースの視点から再構築されて取り組まれているということでございます。
6番目です。「復活~第6回宮城ユネスコ子どもキャンプ」ということで、こちらは仙台ユネスコ協会の青年部の皆さんによる活動でございます。東日本大震災ユネスコ子どもキャンプを日本ユネスコ協会連盟のほうでされた取組がありまして、それを引き継ぐ形で本事業化されており、コロナ禍を経て、本年度から再開されているということでございます。
次に、7番目としまして、「2000人プロジェクト」。こちらは東京都のユネスコ連絡協議会の皆様で取り組まれてございます。都内の25程度あるユネスコ協会の皆さんのユネスコ協会間の複数の連携によるプロジェクトと伺っております。11のアクションのうち、そちら記載の1番、3番、4番、7番、11番の取組ではユースの皆さんがリーダーを務めて、リーダーシップを発揮されて取り組まれているということでございます。
次に8番目、「スタディツアー」ということで、岐阜県のユネスコ協会の青年部の皆さんによる取組でございます。こちら、地域の歴史・文化・産業等の資産でしたり特徴を生かしてスタディツアーが行われているのと、それから全国の青年に募集をかけられているということで、次世代のネットワークを形成して拡大されているということでございます。
9番目としまして、「若者・学校・地域の変化を生み出すネパールとの交流活動」ということで、箕面ユネスコ協会の取組でございます。対象は高校生・大学生を中心に、ネパールへのスタディツアーをされていると。それから、クラウドファンディングも活用されていると。さらに、その経験を市内の学校との協働授業という形で共有されていたり、現地の学校との国際的なオンライン授業にも取り組まれているということでございます。
最後に、株式会社能水商店による「サカナでまちを盛り上げる~新潟県立海洋高校と能水商店の連携~」ということでございますけど、こちらもユネスコ世界ジオパークを活用して、廃棄されているような食品、ここではサケを活用した商品開発を企業と一緒になってやっていると。それから、糸魚川ユネスコ世界ジオパークや行政も、地域ぐるみで御対応されているということでございます。
簡単ではございますけれども、御紹介させていただきました。
【濵口会長】 ありがとうございました。
この件、特に御推薦いただきました委員の皆様に改めて深く御礼申し上げます。こちら、見ていただいたように、本当に幅広く、深く、多様性のある活動が地域で、様々な主体、世代が連携して取り組んで活動していることが御理解いただけると思います。なかなかここまで私ども、文科省のここで議論していると、目が行っていないというのをしみじみずっと感じていて、今回こうやって具体例を見せていただくことによって、ユネスコ活動の幅の広さ、深さというのが実感できるようになってきたなと思っています。この活動は、今後国内におけるユネスコ活動が目指すべき方向を示しているようにも思います。今回の事例を通じて、国内のユネスコ活動にはこのほかにも実はいろいろすばらしい取組があるというポテンシャルがあることをひしひし感じております。つきましては、もっと本格的にこういう方々の見える化をやり、お互いに感動を共有するようなプロセスをつくっていく必要があるなと思っていまして、私、もう任期少ないので、勝手なことを言うだけになってしまうかもしれませんが、国内委員会として、国内のユネスコ活動に取り組む団体を対象として広く深く公募して、ロールモデルとなる顕著な事例を表彰するようなシステムを作りたいと思うんです。そのような事例はまだまだあるように思うんです。そこからのフィードバックをいただくと、国内委員会の活動の深みももっとできてくるし、ユースとの連携ももっと展開ができるだろうなという実感があります。それで、そのために事務局においてまずやってもらわなければいけないことは、規程や募集要項の整備、審査体制の検討等、必要な準備を進めていただきたいと思います。これをすごくオフィシャルな形にできないかと、渡辺国際統括官にお願いして、剛腕を振るっていただけないかと思いますので、今ちょっと相談しているところであります。
本件について御質問、御意見ありましたら挙手をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。どうぞ。
【小浦委員】 小浦と申します。
全体の活動への質問というよりも、基本的にこの実施団体は、これまでユネスコ活動と位置付けられてきた活動を行っている組織で、そこで行ってきた活動が対象となっているという認識でよろしいんでしょうか。つまり、何が気になったかというと、こういった地域での様々な活動、社会課題に対する動きには様々な取り組み方があって、その中でユネスコ活動がどういう位置付けなのかが少し、見えにくかったのです。
【濵口会長】 そこは多分、審査体制を充実させて、審査の方々、委員の方々の見識、目利き力に期待するということが大きいと思います。
【小浦委員】 そういうことなんですね。
【濵口会長】 はい。
【濵口会長】 一言で言うと、こうあるべきということはあまり今決めるべきではないと私は思うんですね。
【小浦委員】 分かりました。そういうのはよく分かります。
【濵口会長】 ダイバーシティー、インクルージョンで考えていったほうがいいんじゃないか。その中で、これすばらしいなというのを共有感を持って選べるようなプロセスがあったほうがいいんじゃないか。
【小浦委員】 それはユネスコ活動という看板よりも、地域で起こっている様々な、こういった社会課題に対するいろんな動きを目利きとして拾っていくと。
【濵口会長】 ユネスコ活動化していくという。
インクルージョンです。
【小浦委員】 そういう方向で考えていけばいいと、そういうことでしょうか。
【濵口会長】 はい。
【小浦委員】 分かりました。少しその辺がよく分からなかったので。
【濵口会長】 これは私の個人的な見解で、審査委員の方に聞かなければいけないのですが。
【小浦委員】 ここにずっと参加させていただいていて、時々、ユネスコ活動というものが、社会的にどういうふうに捉えられているのかなというのが気になることがよくあります。私もこういったまちづくりや、ここのユースがやっていらっしゃる3つの課題のようなことにずっと取り組んできた立場で考えますと、先ほど省庁の連携の話もありましたけれども、とても色々なアプローチの仕方があります。そういった中で国内委員会がどのようにユネスコ活動として見出すのか、位置付けるのか、その考え方を少し議論してみたいと感じていたところがありましたので、今日はいい機会でした。ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございます。
押谷委員、お願いします。
【押谷委員】 ただいま濱口会長より御提案されたことに関連して発言させていただきます。私ごとですが日本計画行政学会の副会長を務めているのですけれども、この学会は地域の様々な計画や実際の取組に対して表彰する制度を事業として持っています。ユネスコの地域の取組や活動は、教育、科学、文化を通して平和を構築することを目的ということになると思いますが、地域の取組を評価することはとても大切なことのように思います。おっしゃられたようなユネスコの理念や目的に沿った取組等に対して表彰する制度というのは、取り組まれている方々や団体等のモチベーションを高め、良いモデルを提示するという意味で非常に重要であると思います。そういう意味で、ご提案を是非とも実現していただきたいと思います。この学会の取組等にご関心があれば連携を取っていただきたくお願いいたします。
【濵口会長】 ありがとうございます。
【押谷委員】 以上でございます。
【濵口会長】 ほか、いかがでしょうか。よろしいでしょうか。
それでは、引き続きちょっと事務局あるいは小委員会で検討を進めさせていただきたいと思いますが、よろしいですね。よろしくお願いします。
それでは、議題の3、日本ユネスコ国内委員会の構成に入ります。
審議に入る前に、本年11月末をもって任期を満了される委員がいらっしゃいますので、御退任いただく委員の皆様より一言御挨拶をいただきたいと思います。私自身も任期満了ということになるので、御退任される委員の皆様には、これまで長い間、様々な形でユネスコ活動の振興に御尽力いただきましたのと、会長を支えていただき、また、いろんな御意見をいただき、ありがとうございました。皆様の多大な御協力に改めて心より感謝申し上げたいと思います。
それでは、五十音で進めさせていただきますので、大変恐縮ですが、時間が押している関係もありまして、お一人様1分間でスピーチをお願いしたいと思います。準備はよろしいでしょうか。それでは、大濱委員、お願いいたします。
【大濱委員】 失礼します。教育小委員会でお世話になりました、箕面ユネスコ協会の大濱淳子です。
私は、皆さんのお話を自分の活動に重ねて何とか考えるだけで精一杯でした。それでも心の中に強く残っていることが二つありまして、一つは、この厳しい世界状況の中で採択されたユネスコ教育勧告の改定です。もう一つは、このメンバーでたくさん議論を重ねて、3月に提言が行えたということです。これからそれぞれがどういうことで確かになっていくか見守っていきたいと思っているのですけれども、私自身も、現場で働く、頑張っている先生たちや全国のユネスコの仲間と共に、少しでもその二つにつながる授業作り、活動作りに努めていきたいなと思っています。委員の皆様、事務局の方々、大変お世話になりました。ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございます。
それでは、オンラインで河野特別委員、お願いします。
【河野委員】 JAMSTECの河野と申します。
実は私、この国内ユネスコ委員会がいかなるものかというのをよく知らないまま委員をお引き受けいたしまして、初めての会合で、多くの人が様々な活動を行っていることや大所高所から真剣な議論が行われていることに対する感銘を受けた次第です。私自身は海洋が専門ですので、政府間海洋学委員会を通じた貢献というのが求められたわけですが、正直申し上げて、微々たるものだったと反省しておる次第です。今後もIOCが関連する活動を通じて貢献を続けてまいりたいと思っております。私、個人的には非常に勉強になりました。本当に長い間ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございます。
それでは、西藤委員、お願いいたします。
【西藤委員】 御紹介いただきました西藤です。
私がこの委員にさせていただいたときに、ちょうどSDGsという言葉が始まったような時期でした。だから、一般にはあまり知られていませんでしたし、私自身もあまり理解していなかったんですけれども、この6年で、関係者の皆さんの努力もあると思いますし、民間の人たちの努力もあると思うんですが、今やもう民放テレビの番組の冠に、タイトルにSDGsが入るという、私からしたら隔世の感があるかなと。このSDGsという言葉が非常に一般化してきているのを非常にうれしく思っています。私は文化・コミュニケーション小委員会に属させていただいて、ちょっと印象に残っているのが「世界の記憶」、それとユネスコ創造都市ネットワークの実情とか問題点というのを多く教えていただいたり、そして、もう一つは地域のユネスコ協会がその地域の自治体との協力関係を築くのに非常に苦労なさっているということを知ったことは本当に今後の私にとってもよかったのかなと思っています。そして、次世代ユネスコ国内委員会の活動というのは本当に私にとっては、非常に感銘を受けたし、今後の日本に希望を与えてくれるような、3年前にそういう委員会をつくっていただいて、日本、捨てたものじゃないよというふうに思わせていただいたのは本当にありがたいなと思いました。
最後に、お世話になりました事務局の方、そして委員の方々、どうもありがとうございました。今後とも陰ながらユネスコの活動を支援していきたいと思います。ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございます。
オンラインで、佐野委員、お願いします。
【佐野委員】 工房いにしへの佐野です。
現在、世界遺産の首里城の被災した所蔵品の修復プロジェクトに携わっております。正直、ユネスコといえば世界遺産のイメージしかありませんでした。そして、私が委員に就任したときは、恥ずかしながら、SDGって何というレベルでした。でも、そのSDGsがここ数年で一般にも広く普及、浸透したなと思います。ユネスコではそのほかにも多種多様のすばらしい活動をしていることを知りました。もっとそういう活動がSDGsのように広まっていくといいなと思います。知らない人にももっと知ってもらいたいというのが願いです。外に広げていく広報の仕方というのはもっとあるんじゃないかなとも思っております。どうもお世話になりました。ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございます。
それでは、次に鈴木昌徳委員、お願いいたします。
【鈴木(昌)委員】 失礼します。この3年間、国内委員という初めての大役を仰せつかり、当初は緊張と戸惑いの連続でした。しかし、これまで御見識豊かな皆様からの御意見を聞かせていただきながら、この会議を通してユネスコに関する多くの御示唆をいただくことができまして、私の民間活動におけるユネスコに幅が広がったんじゃないかなと思っている次第でございます。また、最後の1年は教育小委員会委員長という私には過分な役をいただきましたが、どうにかその役を全うすることができました。国内委員の皆様はじめ、特に事務局の皆様方に心から厚くお礼申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。どうもありがとうございました。お世話になりました。
【濵口会長】 ありがとうございます。
続きまして、髙木委員、お願いいたします。
【髙木委員】 民間ユネスコの一員として地域におけるユネスコ活動、科学分野の取組について実践して、そのことを科学小委員会で報告させていただく、また協議に参加させていただくことをしてきました。とりわけIHP、IOC、MAB等の取組、各分野間の連携協力等について多くの学びを得ることができました。ユネスコの理念に基づいて主体間、世代間を超えて取り組むことの重要性を認識できました。任期終了後も一層研さんを積んで、サステナビリティサイエンスの実践、共に学ぶ、共に生きるユネスコ活動、この充実に努力してまいりたいと思います。大変お世話になりました。ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございます。
それでは、オンラインで道傳顧問、お願いいたします。
【道傳委員】 道傳愛子でございます。委員の皆様、そして文科省の皆様、大変お世話になり、ありがとうございました。
8月よりワシントンのジョンズ・ホプキンズ大学のライシャワーセンターの研究員を務めておりまして、今日はアメリカからの参加になりました。委員を務めております間には、インドの国連のカテゴリー1の機関でもあるユネスコのMGIEP(UNESCOマハトマ・ガンジー平和と持続可能な開発のための教育研究所)とおつなぎをして意見交換をする機会を創出することができたということもうれしく、印象に残っております。今日は冒頭大臣からも御発言がありましたように、格差や紛争等で保健ですとか、あるいは教育といったところにしわ寄せが行ってしまうと。それは人間のウェルビーイング、人間の安全保障にも関わるところでありますので、これは日本からも発信を続け、取組をして、リーダーシップを発揮するところができる分野であると考えて、注視していきたいと思います。今後ともお役に立つ機会があればと思っております。引き続きどうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございました。
それでは、芳賀委員、お願いいたします。
【芳賀委員】 第一次産業と拘禁刑の若い人を是非委員にお願いしたいと思います。その上で、ユネスコという国際舞台での我が国のプレゼンスをより高めてほしいと思います。ユネスコは平和の憲法、心に平和のとりでを等と言っていますけど、そもそも日本こそ、平城京とかの都に城壁がない、永く平和が持続している国です。一方、フランスの国歌は、Marchons!、marchons!と言って、不潔な敵の血で畑の畝が満ちるまで戦え、行軍せよと言い血まみれですけど、日本にはそのような革命が1度もないことをこそ世界的に誇るべきです。これは王朝交代という革命を重ねた中国とも根本的に違う。また、男女共同参画においては、既に1,000年以上前から世界的な女性作家、紫式部がいる国です。現代日本社会の背骨としては軍隊も宗教もないですけれども、多様性に満ちた神々のアニミズムの国です。車輪も爆薬も羅針盤も紙も自転車も自動車もベンツも発明しなかったですけれども、漫画とアニメとマツダとトヨタが、ホンダもある国です。是非日本の国際プレゼンスを高めていただきたいと思います。私はこれからも「世界の記憶」の審査委員会の委員長、またユネスコの「世界の記憶」のアジア・太平洋地域の副議長を務めます。どうぞよろしくお願いいたします。
以上です。
【濵口会長】 よろしくお願いします。ありがとうございます。
続きまして、蓮生特別委員、お願いいたします。
【蓮生委員】 ありがとうございます。平成29年に新規任命を拝受して、その後6年間、委員をさせていただきました。最後の1年は特別委員として参加させていただき、ありがとうございました。私は特に文化・コミュニケーション小委員会で、今後ユネスコ活動を全国的に草の根レベルで広げていく上で価値が高いと思われたユネスコ創造都市ネットワーク(UCCN)の活動の活性化に向けた幾つかの問題提起をさせていただきました。それらの問題提起の幾つかは、例えば創造都市ネットワーク日本との連携強化等具体的な活動につながっていきましたこと、感謝申し上げます。また、例えば、先ほど芳賀委員からもございました漫画・アニメの独立カテゴリー化等という一見破天荒に思われるような提案に対しても、ユネスコ協会の松本委員をはじめとする委員の皆様の全国的なアンケート調査の実施等、こういった皆様の、私の提案をしっかり受け止めてくださって、また事務局の皆様も本当に具体的な動きをしてくださり、ここにいると破天荒な提案をしてもこんなに皆さんが受け止めてくれるんだと、本当にびっくりしてしまいました。本当にありがとうございました。こんなに幸せな7年間の委員の活動をさせていただきまして、私、本当に一生の思い出に残ります。本当に幸せな体験をさせていただきました。ありがとうございます。
【濵口会長】 ありがとうございます。
それでは、松本委員、お願いいたします。
【松本委員】 ただいまの蓮生委員から、破天荒な私の問題提起をと、私が受け止めてしまいまして、具体的に資料を差し上げまして、またそれが一つの契機になって活発な議論が取り交わされたこと、それが私は一番残っております。言い遅れましたけれども、文化・コミュニケーション小委員会に所属しました松本千恵子です。高崎ユネスコ協会という民間ユネスコ協会に所属しております。ほかには、「世界の記憶」で少し関わらせていただいたリーフレットと、それから動画の件に関してですけれども、もしよろしかったら企業の方でその動画等何かの際にちょっと使っていただいたりできないでしょうか。とてもすばらしいんです。1度見てください。それから、事務局の方々には本当に何度もメールを差し上げまして、答えていただき、ありがとうございました。委員の皆様、ふだんだったらお会いできない方たちとこうやって親しくお話ができたこと、私の一生の思い出になると思います。どうもありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございます。
それでは、続きまして、丸尾委員お願いします。
【丸尾委員】 文化・コミュニケーション小委員会の丸尾でございます。
当初、全く自分に縁がないと思っていた国内委員をコロナ禍の中で受けまして3年、この間、オンラインのみでの会議参加となりましたが、事務局や同じ国内委員、日本ユネスコ協会連盟、その他関係の皆様に大変お世話になりました。皆様のお力によりまして無事退任を迎えようとしておりますことにお礼を申し上げます。特に食文化創造都市・臼杵との連携が進められたのは、国内委員をしていたことが大きいと実感しております。私、教育現場でユネスコとの関わりを持ったのが1991年からですので、30年以上のユネスコ活動の総仕上げのような感じとなってきましたが、この貴重な経験を次世代につないでいくために、今後も地域の活動に生かしてまいりたいと考えております。また、皆様と構築したネットワークをこれからも大切にしていきたいと思います。年齢的にまだユネスコ協会の中では若いほうになるかもしれませんが、まだまだ引退は先にと考えております。今後とも御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございました。
続きまして、山口委員、お願いします。
【山口委員】 ありがとうございます。1期目は教育小委員会並びに情報・コミュニケーション委員会、2期目は教育小委員会と選考委員会の委員を務めさせていただきました。どうもありがとうございます。任期中に教育分野におきましては国際的にも大変大きな動きがあったと感じております。2年前、ユネスコと国連本部が主催したTransforming Education Summit(改革教育サミット)というのは、国連総長が自ら招集した初めての国連教育会議でした。そこにおいて日本が議長国としてリードしたタスクフォースのグリーニングエデュケーションの重要性というのはサミット宣言にも反映されているということで、大変すばらしい動きだったと感じております。昨年の国連SDGサミットでも教育に関するイベントが大変多く、そしてユースで開催されるなど、国内委員会の中で議論されてきた方向性が国際レベルで認識されたのだと私は確認いたしました。このような歴史的にも重要な時期に国内委員として参加できたこと、大変光栄に思います。個人的にユースの皆様に大変共感するのは、私がユースであった20代、30代、実はユネスコの本部と北京事務所のほうでユネスコの職員として仕事をさせていただきました。そこでも外務省の皆様と文科省の皆様に大変お世話になったということで、この年代になって国内委員として参加できたことを大変感慨深く感じております。9月にはSummit of the Future(未来サミット)が予定されておりますけれども、私、現職の立場で参加する予定です。これからも異なる視点から教育や環境の課題について意見交換に参加できる機会がございましたら幸いだと思っております。長い間、大変ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございます。
それでは、続きまして、吉田和浩特別委員、お願いいたします。
【吉田(和)委員】 吉田です。
2018年から2期プラス特別委員として1年、7年にわたって、特に教育小委員会を通じて参加させていただきました。それを遡ること、SDGs、特にSDG4の策定に責任を持っていたステアリングコミッティーの共同副議長をさせていただきました。そのときに、特に4.7の中にEducation for sustainable developmentが一つの言葉として、途切れることなく、必ず明記されるようにということで、国連とのやり取りの中で本当に必死にもがきながら何とかそこを死守したということは私にとって本当に生涯忘れられない勲章でありましたが、もっと実は感動しているのは、まさにその後、国内委員会の中に入って、ユネスコ協会の地元の活躍、ユネスコスクールの本当にすばらしい活動、そしてこの数年、ユースの方々の、もう本当に、これで心置きなくと言えるほど、将来が明るくなるような、そういう動きが非常に、よくよく目につき、そして勉強させていただきました。それにつけても、このユネスコ国内委員会はやはり、世界でどういうことが議論されているのかということと国内でどういうすばらしいことがなされているのか、その両方を結びつけて、さらに発信していく、そういう極めて重要な役割を担っていると思います。その意味では、建議ですとか、いろいろなツールも持っているわけですので、ますますこの国内委員会の役割というのは、時代が混迷する今であればこそ重要になってきているものと本当に確信しますし、それにつけても、そういう場で皆様から学ばせていただいたこと、本当に心から御礼申し上げたいと思います。長く付き合っていただいた事務局の方にも、いろいろ御迷惑をかけたとは思いますが、本当に御支援いただき、ありがとうございました。また、皆様、ありがとうございました。
【濵口会長】 ありがとうございました。
御挨拶ありがとうございます。また、本日御欠席及び途中退席の委員で御退任される方が7名いらっしゃいますので、この場で御紹介させていただきます。大枝顧問、大野特別委員、萱島委員、小池委員、東川委員、藤田委員、吉田達哉委員の方々であります。先ほど御挨拶いただきました委員の皆様を含めまして、改めて心から御礼申し上げます。どうもありがとうございました。
最後に、私も退任することになりますので、一言だけ御挨拶させていただきます。ユネスコに日本が参加したのは戦後初めて国際会議に日本が復帰した第1弾だったんですけど、これ、1951年の6月だったと思います。私、1951年の2月生まれでして、自分の一生とちょっとダブっているような気分が時々するんですけど、私が2歳、3歳の頃、私は伊勢神宮の近くで生まれたんですけど、伊勢神宮の前には手や足のない傷病者がいっぱい並んでおりました。神宮の近くの広場でも、冬になるとドラム缶で火をたいて皆さん野宿しておられた。そういう時代に実は国際会議に復帰したのですよね。日本が豊かになった、経済活動が活発になってから入ったのではないのです。すさまじい状況の中で一歩踏み出した。だから、ユネスコ憲章の前文というのは、本当にじっくり読んでみると、当時の、死線を越えて生き延びられて、何とかしようとしていた人たちの心からの振り絞るような言葉に見えるのです。心の中に平和のとりでをという文言が有名ですけど、あれの1つ前のフレーズが私は好きで、戦争は人の心に生まれるものだからというのがあるんです。人の心に生まれるものというのは、お互いの無理解、それから無関心、文化、教育への無視、こういうものがいっぱい絡んでできているということでユネスコが生まれたと思うんです。ということは、今、ウクライナや中東の問題を見ていると、ユネスコというのは今この世の中でサステナブルな社会をつくっていくために一番重要な活動のように思うんです。だから、この中でだけやっているんじゃなくて、もっと社会に広げて、日本に、世界に広げて、幅広い活動ができるようになるといいなと思っていて、ユースの方にもすごく期待しておるんですけど、宣言の前文の気持ち、我々の先達が持っていた気持ちを次世代へちゃんとつなぐということがこの委員会としては非常に大きなことかなと改めて思っております。退任に当たって一言、いろいろ申し上げました。皆様のさらなる御活動、御支援をお願いして、御挨拶とさせていただきます。本当ありがとうございました。
退任すると言いましたけれども、退任される委員の皆様の任期は本年11月末まででございますので、まだ働いていただかないと困ります。よろしいでしょうか。11月末までは委員として、またその後も協力者として引き続きユネスコ活動の一層の推進に御協力いただきたいと考えておりますので、よろしくお願いします。
さて、ここで非公開の審議に移りますので、委員及び事務局関係者以外の皆様におかれましては御退席をお願いします。
また、傍聴及び報道関係者の皆様につきましても、ここでYouTubeを通じたオンライン配信を終了いたしますので、どうか御了承ください。
(傍聴者等退席)
-以下、非公開-
―― 了 ――
国際統括官付