日本ユネスコ国内委員会総会(第133回)議事録

1.日時

平成25年9月10日(火曜日)14時00分~16時00分

2.場所

東海大学校友会館 阿蘇・朝日の間(霞が関ビル35階)

3.出席者(敬称略)

〔委員〕

田村哲夫(会長)、佐藤禎一(副会長)、金澤一郎(副会長)
青野正、足立直樹、安西祐一郎、伊藤一義、井原正登、植松光夫、宇佐見恵子、内海房子、榎田好一、大津和子、岡崎天隆、岡田保良、加藤淳子、川井郁子、金原祥子、黒田一雄、西園寺裕夫、重政子、菅原展子、鈴木邦雄、鈴村興太郎、寶馨、二瓶和敏、林梓、東良和、広瀬晴子、見上一幸、三木繁光、吉見俊哉、林原行雄

〔委任・欠席〕

今井義典、小此木八郎、葛西敬之、河野俊行、白石隆、高橋淑子、張富士夫、南雲弘行、西村幸夫、野村萬斎、萩生田光一、堀川一晃、三村明夫、村上政俊、笠浩史

〔外務省〕

斎木尚子国際文化交流審議官、笠井達彦国際文化協力室長、その他関係官

〔文部科学省〕

下村博文文部科学大臣、山中伸一文部科学事務次官、永山賀久大臣官房国際課長

〔文化庁〕

中野潤也官房国際課国際文化交流室長

〔事務局〕

加藤重治日本ユネスコ国内委員会事務総長(文部科学省国際統括官)、岩本渉日本ユネスコ国内委員会上級事務次長(国際統括官付国際交渉分析官)、籾井圭子日本ユネスコ国内委員会事務次長(文部科学省国際統括官付国際戦略企画官) その他関係官 

4.議事

【田村会長】

 それでは、本日は大変御多忙のところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。定刻になりましたので、事務局におかれまして定足数の確認をお願いしたいと思います。お願いいたします。

【本村補佐】

 本日、出席の委員が34名、委員50名の過半数26名以上でございますので、定足数を満たしてございます。

【田村会長】

 ありがとうございます。ただ今事務局から、定足数が満たされているとの報告がありましたので、第133回日本ユネスコ国内委員会を開会いたします。国内委員会運営規則第8条及び会議の公開手続第1条に基づき、本日の総会は、一部の議題を除きまして、傍聴希望者に対して公開をさせていただきます。
 また、同手続第4条に基づきまして、御発言はそのまま議事録に掲載され、ホームページ等で公開されます。御了承いただければと思います。なお、本日の会議には、実はオリンピックでお出掛けになっておられた下村文科大臣にも御出席いただく予定でございます。
 また、12月1日付けで委員に御就任予定の山中文部科学事務次官にも御出席を頂いております。本日はどうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。事務次官お出ましというのもなかなか珍しいことなので、ありがとうございます。
それでは最初に、会議の開会に際しまして、日本ユネスコ国内委員会委員として我が国のユネスコ活動の振興に大変御尽力いただきました住田良能前産業経済新聞社相談役が、去る6月11日に享年68歳で御逝去されました。恐れ入りますが、ここで黙禱(もくとう)をささげたいと思います。皆様、御起立をお願いできますでしょうか。それでは、黙禱(もくとう)をお願いいたします。

( 黙禱(もくとう) )

【田村会長】

 ありがとうございました。どうぞ御着席ください。本年の2月13日に開催されました前回の国内委員会総会以降、委員の異動がございましたので、事務局から報告をお願い申し上げます。

【本村補佐】

 それでは、報告させていただきます。お手元の資料、国委133-3「我が国のユネスコ活動について」を御覧いただけますでしょうか。49ページ、50ページでございます。3月1日付けで衆議院からの指名がございました小此木八郎委員、萩生田光一委員、村上政俊委員、笠浩史委員の4名が新たに就任されてございます。退任の委員が10名いらっしゃいます。4月19日付け、大島賢三委員、5月20日付け、草野満代委員、6月11日御逝去されました住田良能委員、6月28日付け、事務次官の退任に伴いまして、河相周夫外務事務次官、真砂靖財務事務次官、7月8日付け、森口泰孝文部科学事務次官、同日付けで、文化庁長官に就任されました青柳正規委員、7月28日付けで、参議院議員の任期満了に伴いまして、大河原雅子委員、鈴木寛委員、武見敬三委員の10名が御退任されております。以上でございます。

【田村会長】

 ありがとうございました。新しい委員の皆様のお力もお借りしまして、我が国のユネスコ活動を一層推進していきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、議事に入るに当たりまして、本日の会議の配付資料について、事務局から御説明をお願いします。
(事務局から配付資料について説明)

【田村会長】

 ありがとうございました。書類の方はよろしゅうございましょうか。
 それでは、議題1に入らせていただきます。議題1は、議事日程(案)の採択及び前回議事録についてでございます。本日の議事日程(案)を資料としてお配りしております。先ほど御説明がありました。本日の主な議題としては、議題3で、我が国におけるユネスコ活動の諸課題について、これは是非、委員の皆様方の御議論をいただきたいと思っております。それから、次に議題4として、第37回ユネスコ総会への対応について、これも11月にございますが、御議論をいただき、御意見を賜りたいと思います。この議事日程(案)に御異議はございませんでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【田村会長】

 よろしゅうございましょうか。それでは、この議事日程に沿って進めさせていただきます。
 次に、前回総会の議事録を、国委133-1として皆様のお手元にお配りしております。この議事録は、事務局から各委員の先生方に照会をさせていただいて、頂いた意見を反映して確定されたもので、既にホームページで公開されております。御確認の意味ですけれども、この点よろしゅうございましょうか。よろしければ、議題2に入らせていただきます。国委133-2に当たります。議題2は、日本ユネスコ国内委員会の活動に関する報告についてでございます。まずは、8月28日に開催されました第490回運営小委員会での審議結果について、私から簡単に御説明をさせていただきます。お手元に書類としてお持ちでございますが、国委133-2を御覧ください。運営小委員会では、我が国におけるユネスコ活動の活性化等について、第132回日本ユネスコ国内委員会以降も引き続いて集中的に審議をしてまいりました。ESDの推進については、教育小委員会からの審議結果を報告いただき、その報告も踏まえまして、運営小委員会としてこの骨子案を作成いたしました。
 また、第37回ユネスコ総会、ここで審議される次期中期戦略案及び事業予算案等の対応方針に関する文部科学大臣の諮問と第37回ユネスコ総会における基本的方針等に関する外務大臣の諮問に対する答申案を審議いたしまして、各小委員会の審議結果も踏まえまして全体を審議してまいりました。この第37回ユネスコ総会というのは、11月のパリ総会でございます。
 さらに、各専門小委員会の委員長から、第132回日本ユネスコ国内委員会以降の各専門小委員会での審議結果の報告がありましたほか、第133回日本ユネスコ国内委員会に諮る議題案を審議し、決定させていただきました。各小委員会からの報告の概要を御紹介いたしますと、教育小委員会の審議結果につきましては、この後、議題3で御担当の委員長先生から御報告をいただきます。
 それから、自然科学小委員会及び人文・社会科学小委員会につきましては、サステイナビリティ・サイエンスの今後の進め方について議論がされまして、推進の必要性や具体的な活動につながるような検討が必要であるとの意見がございました。
 それから、文化活動小委員会及びコミュニケーション小委員会では、ユースフォーラム等、若者たちがユネスコ活動に参加するきっかけとなるイベントを積極的に活用すべきとの意見がございました。また、文化多様性条約について、世界の文化政策の流れに乗る意味でも、我が国も加入に向けて積極的に準備を進めるべきとの御意見がございました。
 最後に、普及活動小委員会では、若者、企業等の幅広い層をユネスコ活動に巻き込んでいくことの重要性が再確認されたと、以上のような御論議でございました。以上が私からの御報告でございます。御質問等は、この後の事務局からの活動報告の説明と併せてお願いをしたいと思っております。
 それでは、前回の国内委員会総会が開催された2月13日以降の国内委員会の活動について、国委133-3にまとめられていますので、事務局からこれに基づきまして御説明をお願いいたします。

【本村補佐】

 それでは、御説明させていただきます。お手元の133-3「我が国のユネスコ活動について」の冊子を御覧ください。こちらは、前回の総会以降、2月から9月までの活動を取りまとめたものでございます。ページをおめくりいただきまして、1ページを御覧ください。トピックスとしてまとめてございますが、本年6月にカンボジアのプノンペンでユネスコ世界遺産委員会が開催されまして、富士山が世界文化遺産に登録されております。また、同じ6月、「御堂関白記」及び「慶長遣欧使節関係資料」がユネスコの記憶遺産に登録されております。また、ESDのスローガンが「あなたの毎日が、未来になる」に決定しているところでございます。
 また1枚おめくりいただきまして3ページでございます。ユネスコ国内委員会関係で、我が国におけるユネスコ活動の諸課題ということで、昨年12月27日の運営小委員会を皮切りに、本年、3回にわたりまして運営小委員会、また、5月、7月、8月に教育小委員会を開催し、集中的に審議を行ってまいりました。
 続いて5ページでございますけれども、来年の11月に日本政府とユネスコの共催で愛知県名古屋市、岡山市で開催されます、「持続可能な開発のための教育に関するユネスコ世界会議」に向けた準備を進めております。本年4月及び7月にこれに向けたユネスコとの協議、DESD最終年会合タスクフォースが2回開催されました。また、7月には国際ステアリンググループ会合が開催され、我が国から佐藤禎一国内委員会副会長が出席されております。また、世界会議に関しましては、ロゴマーク、スローガンが決定されるとともに、ウェブサイトが開設されております。
 続きまして、ページをめくっていただいて、10ページを御覧いただけますでしょうか。ユネスコスクールにつきましては、昨年の時点で550校だったものが、本年に入りまして65校増えまして、今現在で615校まで増えております。
 続いて11ページです。教育分野に関して、ESDに関しまして、日米、日中、日韓の教員交流をそれぞれ実施してきております。また、つい昨日まで三日間にわたりまして、韓国スウォン市でユネスコスクール60周年記念国際フォーラムが開催されました。
 続いて14ページでございます。本年4月、クアラルンプールにおきまして、サステイナビリティ・サイエンス地域ワークショップが開催されております。
 また、15ページでございますけれども、第27回政府間海洋学委員会(IOC)の総会及び執行理事会が6月から7月にかけて開催されました。
 続いて17ページでございます。国際水文学計画(IHP)でございますけれども、水災害・リスクマネジメント国際センター、ICHARMと呼んでおりますけれども、こちらのセンターの更新に関する日本政府とユネスコの協定更新が本年7月に行われております。
 続きまして20ページを御覧ください。今月4日に開催されました、人間と生物圏(MAB)計画分科会の会議におきまして、只見及び南アルプスの2件の新規登録をユネスコに推薦することを決定しております。
 続きまして25ページを御覧いただけますでしょうか。無形文化遺産に関しまして、本年3月に「和紙:日本の手漉和紙技術」の無形文化遺産の提案が了承され、ユネスコに提出されております。
 続いて30ページでございます。民間のユネスコ活動といたしまして、日本ユネスコ協会連盟の活動が紹介されております。
 また、ユネスコ・アジア文化センターの活動を、37ページ以降に取りまとめております。43ページ以降は、これまでの国際会議やユネスコ関係者の来日一覧、国内委員会の会議等をまとめてございます。以上、駆け足でございますが、報告を終わりにさせていただきます。

【田村会長】

 ありがとうございました。それでは、ただ今の御報告と、先ほど私の方から御報告させていただきましたが、小委員会には各委員の先生方が所属されておりますので、私の報告で十分でないと思われたら、是非一つその点についても御意見を申し上げていただければありがたいと思っております。いかがでございましょうか。特に御質疑はございませんでしょうか。どうぞ。お名前をおっしゃっていただきまして。

【植松委員】

 植松光夫といいます。東京大学大気海洋研究所に所属しております。10ページのユネスコスクールの取組という点で、図を見ると、3年間で277校から615校と倍増しているのですが、これは何か秘訣というか、アイデアや工夫みたいなものがあってこういうふうに増えたんでしょうか。もし何かそういうことがあればお聞かせいただけるでしょうか。

【田村会長】

 どうぞ、岩本さん。

【岩本国際交渉分析官】

 どうもありがとうございます。ユネスコスクールにつきましては、実は6年ほど前は国内で24校ぐらいしかなかったわけです。ところが、我が国が提唱した持続可能な開発のための教育、これを推進していくためにはユネスコスクールを推進拠点とすべきであるという日本国内委員会から御提言を頂きまして、私どもは都道府県教育委員会に周知するとともに、一方では、三菱東京UFJ銀行、それから、日本ユネスコ協会連盟の御支援を仰ぎながら、優秀なユネスコスクールには財政的な支援もするとか、そういうこともしてまいりました。また、ユネスコ・アジア文化センターにおきましては専用のホームページを据えるということなどで、今現在615校というような数に急増したわけでございます。今後ユネスコスクールの質を更にどう高めていくかというのは課題でございますけれども、引き続きこの国内委員会の御指導を仰ぎながら推進していきたいと思っております。

【田村会長】

 ありがとうございます。よろしゅうございましょうか。もう少し具体的に申し上げますと、文部科学省は、いわゆる持続可能な社会の構築という考え方に基づいて、学習指導要領の中にこの持続発展教育の理念を位置付けております。これを位置付けてから急に増えてきたという背景がございます。それは一つのきっかけだったと思います。あとは、現場の先生方が今までの地道な活動に対して徐々に反応してきたというようなことが大きな理由だと思います。
 それから、今のお話にもございましたように、今日は委員でお出ましいただいていますけれども、これは三菱東京UFJ銀行の大変な御支援を頂いて、ユネスコスクールになると、全部プレートが付きまして、いろいろな支援がされます。それは非常に大きなきっかけになったと感じております。よろしゅうございましょうか。ほかにはいかがでございましょう。安西先生、教育小委員長でいらっしゃいますけれども、後ほど御発言いただく機会がございますので、そこでよろしくお願いしたいと思います。
 それでは、次に進めさせていただいてよろしいでしょうか。次は、本日のメインテーマの一つであります議題3になります。議題3は、我が国におけるユネスコ活動の諸課題についてでございます。本課題につきましては、年度内に国内委員会として骨太の方針を取りまとめるため、昨年12月から運営小委員会で集中的に議論を進めまして、2月の総会で検討の状況を報告いたしました。その後は運営小委員会で若者、企業の参加によるユネスコ活動の一層の促進につきまして、教育小委員会で学校教育・社会教育等を通じたESDの一層の推進について、それぞれ御審議をいただきました。8月の第490回運営小委員会で、教育小委員会から審議結果の御報告を頂きまして、その審議結果を踏まえて、運営小委員会として、「我が国におけるユネスコ活動の活性化」に関する審議報告の骨子案を策定いたしました。本日はその骨子案について御論議を頂きたいと思っております。
 それではまず私の方から、運営小委員会での審議結果について簡単に御報告をさせていただきます。その後、学校教育・社会教育等を通じたESDの一層の推進について、安西教育小委員会委員長先生から補足説明をお願い申し上げたいと思います。
 それでは最初に私の方から、我が国におけるユネスコ活動の活性化に関する審議報告ということで、運営小委員会で議論しました骨子案についての御説明をさせていただきます。国委133-4の資料、「我が国におけるユネスコ活動の活性化について」に挙げられています検討課題について議論を進めてまいりました。運営小委員会では、これらの検討課題のうち、特に一つ目の「若者・企業の参加によるユネスコ活動の一層の促進」につきまして集中的に議論を行いました。二つ目の検討課題でございます「学校教育・社会教育等を通じたESDの一層の推進」については、まずは教育小委員会で集中的に議論が行われました。その報告を受けて運営小委員会において審議を行いまして、運営小委員会には、教育小委員会の委員長でいらっしゃる安西先生がメンバーで入っておられますので、御議論をしていただき、今回の審議報告骨子案を取りまとめたという経緯でございます。
 では、審議報告骨子案について御説明をいたします。国委133-5の1ページを御覧ください。133-5でございます。若者、企業の参加によるユネスコ活動の一層の促進についてですが、まずユネスコ活動への参加者の裾野を広げることの必要性が再確認されました。そして、企業や若者たちが積極的に参加したくなるようなプラットフォームを構築するべきということが提言されました。
 また、ホームページやメディア等を活用し、ビジビリティの向上を図ることが必要とされました。
 さらに、世界遺産、記憶遺産、エコパーク等、地域振興に資するプログラムを活用して、地元企業等を含む広い層が関心を持つような工夫が必要だという強い御意見がございました。世界遺産、記憶遺産、エコパーク等は日本の社会一般に大変関心を持たれるプログラムでございますので、これを是非ユネスコ活動の普及につなげていったらどうだと、こういう意味でございます。そして、幅広い層をユネスコ活動に巻き込むためには、教育委員会と知事部局の連携、地域においてそれは不可欠でございますので、促進すべきだという強い御意見も出ました。これが1ページでございます。
 次に2ページを御覧ください。ユネスコ活動は、ボランティア活動に参加する意欲のある若者の関心を引き得るものでありまして、その認知度を高めるため、ボーイスカウトや大学のユネスコクラブ等との連携を検討するべきだという御意見がございました。
 さらに、ユネスコ活動への取組のモチベーション向上を図るための方策として顕彰制度を設けたり、また、途上国でのスタディツアー等のユネスコ活動への参加の機会を積極的に提供すべきとされております。企業のユネスコ活動への参加については、まずは企業に積極的にユネスコ活動に参加してもらうための具体的な方策について更に検討すべきとされました。この際、ユネスコ活動への参加が企業にとってもメリットとなり、企業間で広まっていくような仕組みとして、国として補助の仕方を検討すべきだという御意見も出ております。
 次に3ページ目でございます。学校教育・社会教育等を通じたESDの一層の推進についてでございます。ユネスコスクールについては、その質の確保の重要性が確認されまして、国内外のユネスコスクール間の交流を促進することが必要であるとされました。数の面ではかなり問題が解決してきつつあるわけですが、いよいよその質、ユネスコスクールの質が問われるという、こういう御意見で、これは非常に重要な御指摘だったと思います。ESDにつきましては、一般の人に分かりやすく伝える工夫が必要であると。また、教育委員会の理解を得るためにも、ESDがグローバル人材の育成に資するものであることを十分に説明することが必要だという意見が出ました。実はこの点につきましては、国立教育政策研究所から大変いいレポートが出ております。大体あんまりいいレポートは出ないんですけれども、今回はとてもいいので皆さん感心しているんですが、こういったことを大いに利用してもらえるとありがたいと思います。
 また、企業等の地域のステークホルダーや、ユネスコスクール以外の学校等とも連携しながらESDを推進するためにも、ユネスコスクールのESD推進拠点としての役割を強化すべきとされました。
 次に4ページをお開きください。ESDの活動に積極的に取り組む企業を顕彰する仕組みの検討も必要とされました。これは是非、国においても考えていただきたいという御意見でございました。
 また、ESDの概念を理論的に強固なものとし、これまでのESDの実践について、学習評価の観点から問い直すことが必要とされました。これにつきましては、いわゆるサステイナビリティ・サイエンスについての概念規定等、後ほど金澤先生から御説明いただくわけでございますが、その準備を着々と進めているところでございます。また、先ほど申し上げました国立教育政策研究所からも、これについてのなかなかいいレポートが出ております。
 さらに、ESDの概念を深く追求することも重要ではあるが、アウトリーチの観点から、世界遺産学習と観光等というような組合せで、ESD以外の分野との連携を図ることも必要だという御意見もございました。
 最後に、来年のESDに関するユネスコ世界会議においては、我が国が進めてきたESDについて効果的に発信し、会議の成果は2015年以降のEFAの議論にもつながるべきであるという、これは来年2014の世界大会以降の話としてこういった御意見が出ているわけでございます。
 では、続きまして、安西教育小委員長先生から、補足説明といいますか、教育小委員会からのお話を頂きたいと思います。同じく133-5でございます。よろしくお願いいたします。

【安西委員】

 教育小委員会の座長を務めております、安西でございます。今、田村会長がおっしゃられたとおりでございまして、教育小委員会では、委員の皆様、またワーキンググループ等の方々も含めて、大変熱心な前向きの議論がなされてまいりました。三つほど、重ねてですけれども申し上げておきますが、615校を数えるようになったユネスコスクールは、実際にはまだまだ日本の全部の県にあるわけではございませんで、やはり日本全国にわたるようなそういう広がりも大事だと思っておりますし、また、質を高めるということはもちろんこれからの非常に大きな目標になるというふうに議論がなされてまいりました。
 それから、グローバル人材についてでございますけれども、大学レベル等ではグローバル人材のことはよく言われるのでありますが、初等中等教育におけるグローバル人材の育成ということにつきましては、やはり主体性を持って社会の持続的発展・開発に寄与していく、そういう心掛けといいましょうか、姿勢を身に付けてもらうということがとても大事だと考えられます。このことにつきましても教育小委員会で熱心な議論がなされてまいりまして、ユネスコスクールあるいはESDの活動を核として、初等中等教育のグローバル人材育成が進められるべきではないかという議論になっております。
 それから、三つ目でございますけれども、教育委員会が全国にございますが、また、大学もユネスコスクールあるいはESDの活動を支援している大学の、例えば組織といたしましては、ASPUnivNetというのがございます。大学もそのようにしてユネスコの活動を行っておりますし、また、日本ユネスコ協会連盟もいらっしゃいますし、また、ユネスコ・アジア文化センターもある。もちろん企業もありますし、委員の方々のいろいろなバックグラウンド、組織もあられると思います。そういった組織との連携、コンソーシアム等を作って、ESDの活動を核としたユネスコスクールの活動を進めていくということが大事だと考えている次第でございます。
 以上、補足といいますか、田村会長も教育小委員会の委員でいらっしゃいますので、重ねてでございますけれども、申し上げさせていただきました。ありがとうございました。

【田村会長】

 ありがとうございました。この関連で、事務局からも参考資料の御説明をいたしますので、よろしくお願いします。本村さんですね。

【本村補佐】

 はい。それでは、お手元の参考5の資料を御覧ください。各都道府県、政令指定都市の教育振興基本計画のESD記載状況でございます。この資料は、国におきましては、本年6月に閣議決定されました第2期教育振興基本計画の中でもESDにつきましては明確に記載されているわけでございますけれども、各都道府県、また政令指定都市の基本計画にはどのようにESDが盛り込まれているかということを調べましたところ、例えば2ページの23番目の愛知県でございますが、持続可能な社会の構築に向けた教育、ESDに関する取組を推進しますと明確に書かれてはございますけれども、このようにESDと明記されております県が6県でございます。何らかの形で持続可能な社会の構築というような表現を合わせますと13県ございます。また、3ページ目でございますけれども、政令指定都市においては、20市中4市におきましてESD関係の記載がございました。以上でございます。

【田村会長】

 ありがとうございました。それでは、配付資料の国委133-5につきまして御議論をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。御挙手をされて、御発言いただければと思います。ちょっと会場が広いものですから、失礼するといけないので、お名前をおっしゃっていただいて御発言いただけると有り難いんですけれども。よろしくお願いいたします。

【井原委員】

 木曽ユネスコ協会の井原といいます。ユネスコスクールについて、長野県は1校しかないということを知りまして、長野県の教育長のもとに行って、どうしてでしょうかとかいろいろ話をしたんですが、先ほど参考資料5を見ても、ESDについて長野県は計画がないというような状況です。そこで分かったのは、教育委員会の担当者が全然知らない。ESDもユネスコスクールも初めて聞いたような感じで、「文部科学省からそんな案内が来ているんでしょうか」というような発言をされておりました。教育長自身は、今年の4月ですかね、文部科学省から出向された方で、広島に出向されていたときにユネスコスクールの話を聞いていて、広島が今、何校になっているかというのを御覧になって、自分がいたときにやったことが今、成果となっているんだなというような発言がありましたが、やっぱりそこら辺きちっとガイドが出ていないと、県は動かないと思うんです。
 それから、木曽についても、逆に、伊藤さんだったかな、教育長から、じゃあ、あなたのいる木曽地域に働き掛けてくださいということで、日本ユネスコ協会連盟からユネスコスクールの資料を頂いて9校に配ったんですが、ただ、その資料を見ても、やってみようという気になるかどうかという観点ではちょっと疑問を感じたんです。じゃ、具体的にそういうところに参加した学校がどういうことが良かったんだろうとか、そういうような声が載っているとか、もうちょっと魅力を感じるように。そういうこともなくても600幾つまで増えているので、長野県はどうしてかなというのは相変わらず思っていますが、教育県の長野県は教育県ではないという感じになって、昨年から教育改革をして、今年新たに文部科学省から赴任されたのは、知事の教育改革の熱意の表れと思っているので今後は期待しますが、やはりそこら辺がきっちりしていないと、まだ取組が後れている県とか地域はなかなか難しいなというのが、私がこの件に関していろいろ活動した結果の感想です。

【田村会長】

 ありがとうございました。それでは、ちょっと岩本さんの方から。

【岩本国際交渉分析官】

 どうもありがとうございます。今お話を聞いていてびっくりしたのは、県の教育長レベルでもその程度の認識だということであれば、私どもこれまで何度も何度も県の教育委員会に御通知申し上げたり、あるいはいろいろな会議を通じてやってきても、今、私どもの広報努力がますます足りなかったということかもしれません。

【井原委員】

 すみません。長野県の教育長とお話ししたのは赴任して2か月後ですので、まだ全部は見渡していなかったんじゃないかと思います。そこはちょっと無理じゃないかと思いまして。私もわざとちょっと間を空けて行ったんです。というのは、昔、当時の会社では赴任して3か月が猶予期間だと言われていましたので、まだ3か月以内のときでしたから、そこまではちょっと言い切れないと思うんですが、むしろ私はその下の人がちょっと問題かなと思ったんです。

【岩本国際交渉分析官】

 いずれにしましても、私ども、ESDを進めていく中で、いろいろ分かりやすくしていただくにはどうしていただいたらいいかということは広報してきたつもりなんでございますけれども、もし今まで足りなかった点としてどういうことかとすると、例えば初等中等教育行政で育もうとする子供の力と、それから、ESDで育もうとする力、これは実に密接に関連しているという辺りのアピールの仕方が少し足りなかったのかという気はいたします。
 それと同時に、先ほど田村会長から御紹介ありましたけれども、国立教育政策研究所などでは、ESDによってどういう力を育むかということをかなり明確に紹介しているような研究報告書も出ております。こういったことも活用しながら、今後更に第2期教育振興基本計画の中で、また更に先ほど御指摘のありました初等中等教育においてグローバル人材を地域でどう育てていくかということについては、せっかく2014年に世界会議もあることですから、お膝元の日本としては、これから初等中等教育局と連携を取りながら、ますますこのESDという考え方を教育委員会の方々に周知してまいりたいと思います。

【田村会長】

 ありがとうございました。よろしゅうございましょうか。実際には今やっている新しい学習指導要領の説明のときに文部科学省から、全国から集まっていただいた方に、今回新しいということでESDを説明しているんですよね。ですから、そこでお聞き忘れになってしまったのかどうかということもあるし、1回では進まないわけですから、これから粘り強くやっていきたいと思います。
 それから、例えばこの間の学力調査のときに各学校の国際化度を測るというので、事例として、外国との文通とか、それから、ユネスコスクールとか、そういったことを書き足して文部科学省の方からお配りさせていただいているんですね。ですから、御覧になるとお分かりになるはずなんですけどね。よろしく一つ井原先生の方からもプッシュしていただいて、県として考えていただけると大変有り難い。ESDというのはグローバル人材そのものなんですね。統括官、何かございますか。

【加藤国際統括官】

 そういった意味では、井原委員から御指摘のあったことにも関係するんですけれども、情報の流し方なんですけれども、文部科学省から都道府県教育委員会、そこから市町村と、これまでどちらかというと一方向的だったわけなんですね。それはそれで今後も続けますけれども、むしろ今後更に取り入れていきたいと思っているのは、教育委員会相互の間での情報流通などであります。全国や、あるいは都道府県内の教育委員会の皆さんが集まる場では、ESDがうまくいっている地域からそういう発表をしていただくとか、そういう同業者からの情報の方が非常に刺激になるかもしれないということがございます。
 それから、実は全国の保護者にも知っていただこうということで、伊藤委員のところの全国PTA新聞でも連載でESDの取組、これも単に私どもからの情報発信だけではなくて、実際に取り組んでいる学校から、どういうふうに教育が変わっているか、子供たちが変わっているかと、そういった情報発信もしております。そういったことで、まだ取り組んでいない学校現場、あるいはそういった学校の保護者の皆さん、更にはそういった教育委員会の皆さんにも、いろいろなルートから、ESDをやると何がいいのかという情報も届くように心掛けております。

【田村会長】

 ありがとうございました。頑張りますので、よろしくお願いしたいと思います。ほかには、御意見いかがでございましょうか。もうお一方ぐらいから是非頂ければと思っているんですが、よろしゅうございましょうか。数としてはとにかく増えて、全国に普及する条件が整いつつあるという、こういうところに来ている。これからは質の問題ですので、それにつきましては、国内委員の先生方が地域それぞれの場においていろいろと御活動いただければ大変有り難い。これは、国内委員会としてもそういうことでしっかりと方向性を出していかなければいけないわけです。いかがでございましょうか。何か御意見ございませんでしょうか。
 それでは、貴重な御意見を頂戴してまいりました。本日頂きました御意見につきましては、審議報告書の骨子案に反映したいと思っております。そんな意味で少し文言の調整が出るかもしれませんが、基本的にはこの形で報告をするという形を考えております。文言の調整等については、会長の私に御一任いただけますでしょうか。よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり) 

【田村会長】

 では、大体この形で進めさせていただきたいと思いますので、よろしく御了承いただければと思います。ありがとうございました。
 それでは、今後の議論の進め方と日程の案について、事務局から説明をお願いいたします。

【本村補佐】

 今後の議論の進め方でございますけれども、この後、11月下旬に第132回教育小委員会におきまして、検討事項のESDに関する提言案を作成いたします。その後、年内に運営小委員会で提言案をメール審議させていただく予定でございます。これはESDだけではございませんで、全体の検討でございます。
 さらに、来年1月に全ての国内委員会の委員の方々を対象に、提言案をメール審議させていただきます。
 そして、2月に第492回運営小委員会で提言案を取りまとめた上で、次回3月に開催されます第134回国内委員会総会で提言を取りまとめる予定でございます。以上でございます。

【田村会長】

 ありがとうございました。こういう形で進めていきたいと思っておりますが、本件については、来年3月の取りまとめに向けて引き続きよろしく御指導のほどお願いを申し上げたいと思います。
 それでは、次の議題4に入ります。議題4は、本年11月にパリのユネスコ本部で開催されます第37回ユネスコ総会への対応についてでございます。本年5月29日付けでユネスコ活動に関する法律第6条第1項に基づきまして、下村文部科学大臣と岸田外務大臣から日本ユネスコ国内委員会会長に対して、第37回ユネスコ総会への対応について諮問がございました。第37回ユネスコ総会というのはパリで11月で開かれる予定でございます。この御諮問を受けまして、これまで各小委員会においてユネスコの次期中期戦略案と事業・予算案について御審議を頂いてまいりました。本日の総会では、それらの審議結果を反映した答申(案)について御審議をいただきたいと思います。
 それではまず、事務局から答申(案)を御説明いただければと思います。お願いします。本村さんですね。

【本村補佐】

 それでは、まずお手元の参考7を御覧いただけますでしょうか。「第191回ユネスコ執行委員会の結果について」でございますけれども、簡単に、ユネスコの次期中期戦略、37C/4と呼んでおりますけれども、及び事業・予算案37C/5について説明させていただきます。前回の執行委員会におきまして、この資料の8ページを御覧ください。まずユネスコの中期戦略37C/4でございますけれども、これは2014年から20211年までの8か年の計画でございまして、ユネスコ憲章に基づいて、まずミッションステートメントが策定されております。これに基づきまして、包括的目標が、平和と持続可能な開発、二つの目標が設定されております。さらにその下に、地球規模の優先課題として、アフリカ、ジェンダー平等が掲げられております。これに基づいて、九つの戦略目標が定められております。戦略目標1から3までが教育の分野でございます。戦略目標4と5が自然科学、これは重複いたしますけれども、4から6が人文・社会科学でございます。戦略目標7,8が文化分野、戦略目標9がコミュニケーションでございまして、それぞれ戦略目標を掲げてございます。続いて9ページでございます。こちらはユネスコの事業・予算の案でございます。こちらの方は、中期戦略に沿う形で、教育、自然科学、人文・社会科学、文化、コミュニケーションのそれぞれの分野で主要事業を定めておりまして、それぞれ中期戦略で掲げております戦略目標に沿う形で、戦略目標の下に主要活動ライン、MLAと書いてありますけれども、Main Line of Actionということで、それぞれ活動のライン、方向性を定めております。
 続きまして、これに基づいて、本年の5月29日付けで、資料の参考8でございますけれども、下村文部科学大臣から国内委員会田村会長に宛てまして、第37回ユネスコ総会について諮問、こちらが先ほど申し上げました中期戦略案及び事業・予算案に関する方針についてでございます。裏面でございますけれども、岸田外務大臣から田村会長に宛てまして、同じく第37回ユネスコ総会について、総会における政府代表及び基本的方針について諮問がなされております。続きまして、参考9を御覧いただけますでしょうか。具体的に本年11月に開催されますユネスコ総会の日程でございます。まずユネスコ総会に先立ちまして、10月29日から31日にかけて、ユースフォーラムが開催されます。日本からは1名の代表と2名のオブザーバーが参加いたしますけれども、これは事前に公募、審査会を開催しております。審査会開催等に当たりましては、国内委員会の西園寺委員からも審査委員の推薦について御協力を頂いた上で、代表とオブザーバーを選んでおります。また、10月30日に、ユネスコと五井平和財団の共催といたしまして、文化イベントを開催する予定になっております。その後、総会が始まります。まず11月4日に国内委員会会議がございます。こちらには田村会長に御出席いただく予定です。続きまして、11月7日から11日にかけまして、教育のコミッション、委員会が開催されます。こちらには佐藤副会長に御出席いただく予定でございます。また、科学の分野でございますけれども、科学の委員会につきましては12日から14日でございますけれども、金澤副会長に御出席いただく予定でございます。御参考といたしまして、12日にユネスコの事務局長選挙がございます。こちらは今現在、現職のボコヴァ事務局長ほか2名、計3名が立候補しております。まず、10月に開催されます第192回執行委員会で投票が行われます。この場で指名者1名を選出し、総会へ通報することになっております。これを受けて、第37回総会において投票により過半数を得た場合、事務局長が選出されるということになっております。その日が12日でございます。以上が総会の流れでございます。
 続きまして、ユネスコ総会の文部科学大臣への答申案でございますけれども、こちらは資料の国委133-6を御覧ください。これまで各小委員会におきまして御議論いただいてきたところですけれども、それらを踏まえて策定したものでございます。まず1番といたしまして、第37回ユネスコ総会における基本的方針といたしまして、今現在、アメリカの資金拠出停止等によりましてユネスコは非常に厳しい財政難に直面しております。これらを踏まえて、中期戦略案、また事業・予算案につきましては、事業の精選化、重点化及び管理運営の合理化等を一層進める方向で検討されるべきとしております。次のページ、2ページでございます。同じく中期戦略案及び事業・予算案に関する方針といたしまして、まず総論の部分でございますが、5)のところで、我が国が提唱した持続可能な開発のための教育(ESD)及び我が国から提案したサステイナビリティ・サイエンスについて、特に重点的に推進すべきであるとしております。
 また、2ポツの教育分野におきましても、EFAの重要性を指摘しつつ、2)で、ESDにつきまして、来年11月には我が国でESDに関するユネスコ世界会議が開催されます。ここの本会議の議論及び成果も十分に踏まえて、2014年以降の国際社会におけるESDの取組に反映させるとともに、ユネスコ事務局内での予算・人員の両面において体制の強化を図るべきであるとしております。
 また、3ページでございますけれども、3ポツの自然科学及び人文・社会科学分野におきましては2)のサステイナビリティ・サイエンスのところで、このサステイナビリティ・サイエンスという統合的なアプローチを取り入れることで、ユネスコの科学分野が果たすべき役割、機能が一層推進されることを期待するとともに、我が国としても積極的にサステイナビリティ・サイエンスを推進していく必要があるとしております。文化分野におきましては、4ポツでございますけれども、我が国としては世界遺産や無形文化遺産等文化遺産保護の事業に対しまして、我が国の文化遺産保護を核とする、国益に資するような戦略的発想に基づく信託基金の拠出及び専門家の派遣等を通じて、積極的に協力していくべきであるとしております。
 続いて5ページでございます。コミュニケーション、情報分野で、2)ユネスコ記憶遺産事業といたしまして、ユネスコによる記憶や文化、歴史を伝えていくための国際的なコミュニケーション基盤の整備に対する努力を期待するとしております。
 また、最後に普及分野でございますけれども、2)若者・企業のユネスコ活動への参加といたしまして、最後のページ、6ページでございますけれども、ユネスコは、国際・地域・国レベルで、若者や企業のユネスコ活動への参加促進やユネスコ活動への理解と認知度を高めるための役割を果たしていくことを求めたいとしております。これに関連いたしまして、お手元に参考10でお配りしておりますけれども、サステイナビリティ・サイエンスの推進に向けたメッセージとして、金澤副会長にこのメッセージを御作成いただいております。こちらは、まずサステイナビリティ・サイエンス推進を提案した背景及び、裏面にサステイナビリティ・サイエンスの定義と内容を分かりやすく、ユネスコ加盟国及びユネスコに向けたメッセージとしておまとめいただいております。後ほど、金澤先生から御説明いただけると思います。
 続きまして、最後に国委133-7でございます。こちらは田村会長から岸田外務大臣に対する答申案でございます。まず、ユネスコ総会における政府代表についてでございますが、文部科学大臣が出席するとともに、以下の日本ユネスコ国内委員会委員及び国内委員会事務総長、また、日本政府代表部特命全権大使等が出席することが適当であるということになっております。裏面でございますけれども、ユネスコ総会における基本方針について。こちらは、一般事項といたしまして、今次総会の主要議題である中期戦略案及び事業・計画案は、ユネスコの今後8年間の方向性を決める極めて重要なものであり、現行の中期戦略で実施された事業の進捗状況を点検し、この新しい中期戦略で重点的に取り組むべき課題が明確にされるべきであるとしております。事務局からの説明は以上でございます。

【田村会長】

 ありがとうございます。ただ今の御説明の中にございました参考10「サステイナビリティ・サイエンスの推進に向けたメッセージ」につきましては、金澤副会長先生が御執筆されたものですが、副会長が学術会議の議長でいらしたときに取りまとめていただきましたサステイナビリティ・サイエンスについてお話を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。

【金澤副会長】

 これは最近書いたものでありまして、昔書いたのではないのです。このように皆さんに御説明申し上げるつもりで書いたのではないものですから、ちょっとそぐわない面もあるかもしれませんが、簡単に御説明をさせていただきます。よくあることなのですけれども、なぜ今サステイナビリティ・サイエンスを推進するのか、あるいは推進を提案するのかということがなかなか伝わりにくいところがございますので、科学というものは非常に人類に貢献をしてきたのだというところから始まって、そうは言うものの、かなり闇の部分もあって、その重要なものは資源がやはり有限であるということだと説明をいたします。その上で、一番下の3行ぐらいなのですが、サステイナビリティそのものが危ない可能性があるのではないかと。裏へ行きまして、しかし、そうは言うものの、そのまま漫然と過ごすのではなくて、このような悲観的に見える未来を希望ある未来に変えようではないかと。そのためには何か解決策を考え出さなければいかんじゃないかと。それがサステイナビリティ・サイエンスなんじゃないかというつもりで2ページ目の定義と内容に入っていきます。要するに、希望ある未来の実現に向けた学術的取組を早急に開始すべきであり、我々はこれをサステイナビリティ・サイエンスと呼ぶということにいたしました。これは私の勝手な考え方でありますが、学術会議その他でもこのようなことは一応話をしておりましたので、書きました。基本的には、エネルギーの問題とかそういう問題、あるいは環境の問題、それは人類のサステイナビリティに関わるとは思いますが、単独のものは一応、サステイナビリティ・サイエンスと呼ぶのはやめようということです。自然科学に関わる学問と、そして、人間を意識した人文・社会科学のようなもの、それを統合したものをやはりサステイナビリティ・サイエンスと呼ぼうじゃないかというのがこの定義と内容であります。その例を幾つか2ページの真ん中辺りから述べているところであります。
 そして、最後に、一番最後の段落になりますが、これは実は吉川弘之先生が学術会議の会長でいらっしゃった頃に、「日本の計画」というものをまとめられました。その中に書いてあるといいましょうか、そこの重要なテーマでありますが、要するに、先ほどおっしゃられたような、資源が有限であるというようなこと、あるいはエネルギーもそう簡単に継続的にならないというようなこと、ここには書いてありませんが、「日本の計画」の中ではそういうものを全部ひっくるめましてこれを行き詰り問題と呼んでおります。それを解決する方法には二つあると。一つは、そういう問題を取り巻いている環境あるいは条件を打ち破っていく。例えば新しい資源を探すとか、それが一つ。もう一つは、やはり人類の欲望あるいは価値観が高いレベルに行き過ぎているんではないか、それを抑制することによってバランスを取ろうではないかという考え方、これが2番目の考え方です。この二つをうまくバランスを取りながら、これからサステイナビリティ・サイエンスを進めていこうではないかというのが最後のメッセージでございます。以上です。

【田村会長】

 ありがとうございました。私の前の吉川会長が私に引き継いだテーマが、サステイナビリティ・サイエンスについての定義をしっかりとやってほしいということでした。金澤先生が学術会議の議長をされていたときにそれをしっかりとまとめていただいたというふうに記憶しております。今、御説明を頂きまして、昔のことを思い出しながら、サステイナビリティ・サイエンスとユネスコスクールという、二つテーマがあったんですね。そんな感じで、二つとも今進行しているというか、道が開けてきているというような感じがいたしております。それでは、ただ今の御説明につきまして、御意見、御質問等ございましたら、お願いしたいと思います。いかがでございましょう。どうぞ、西園寺先生。

【西園寺委員】

 西園寺でございます。今の金澤副会長のお話、大変すばらしいと思います。特に最後の「問題に直面している我々人間の意識・欲望・価値観などを転換し、変革をもたらす」と、これはESDの精神そのものだと思います。
 それで、私、この「我が国におけるユネスコ活動の活性化に関する審議報告」の中の最後にESDの理論的裏付けについてという項目がございますけれども、この中に、前回の話のときにも出たと思うんですが、ESDとサステイナビリティの連携ということを一つ盛り込むことを提案したいと思います。いずれにしても、この金澤先生のメッセージは、私は非常にすばらしいメッセージだと思っております。ありがとうございます。

【田村会長】

 ありがとうございました。これは文案については考えさせていただきたいと思っています。ありがとうございます。ほかにいかがでございましょう。
 どうぞ。お名前をおっしゃっていただいて。

【東委員】

 沖縄県ユネスコ協会の東と申します。よろしくお願いします。質問なんですけれども、この参考7の先ほど御説明いただいた8ページで別紙1があります。これ、単純な質問なんですが、別紙1の上の方に中期戦略案の概要と書いているんですけれども、戻りまして、3ページの方には、ミッションステートメントとか、機能、包括目標については、前回の第190回で反映されて、修正なしで了承されたということになっているんですけれども、この図でいうと、決定された部分と案の部分について少し教えていただきたいなという単純な質問です。ミッションステートメントと地球規模の優先課題とかまではもう了承されて、案ではなくて決定なんでしょうか。

【岩本国際交渉分析官】

 いわゆるC/4、それから、C/5につきましては、あくまで決定は11月のユネスコ総会でございます。したがいまして、別紙1のところで中期戦略案としておりますけれども、この案という意味は、前回までの執行委員会の議論でここまで収束してきていますという意味で、恐らくこういった形で今度の総会で最終決定がされるであろうと。すなわち、ミッションステートメントとか包括的な目標、これについてはこういった形で考えられていくということでございます。

【田村会長】

 よろしゅうございましょうか。

【東委員】

 ありがとうございます。

【田村会長】

 ありがとうございます。ほかにはいかがでしょう。実はサステイナビリティ・サイエンスにつきましては、鈴村先生にも随分お世話になったので、いかがでしょうか。御発言いただければ。

【鈴村委員】

 鈴村でございます。金澤先生のおまとめになられたメッセージというのは、やはり金澤先生ならではの非常にバランスのとれた御報告だと思います。強調されている資源の有限性ということはもちろん根幹にある要因ではあるわけですが、もし付け加えていただくとしたら、この問題に取り組む人間自体は、それぞれのライフスパンに関していうともっともっと有限なわけだけれども、人類としてはそれを継続して手渡していくべき理想があると。だから、そういう共有するべき理想として、正にサステイナビリティというリングを作っておこうということが問題のポイントじゃないかと思います。それだけに、サステイナビリティを考える際には、何のサステイナビリティか、What is sustainability? という、サステイナビリティのコンセプトそのものと同時に、何のサステイナビリティを我々は考えていくべきかと。そういう観点から、取り扱うべき対象を考察する人間が、そもそも有限なライフを持ちながら、継続して将来に向けて責任を取っていくのは現世代しかないんだと、そういう責任の所在をはっきりさせた上で現在世代がコミットする意思を示すというのが基本的なメッセージではないかと思います。基本的なラインとして金澤先生のメッセージには大賛成ではありますが、なお補足していただけることがもしあるとしたら、お考えいただければ幸いだと思います。ありがとうございました。

【田村会長】

 ありがとうございました。鈴村先生に対して少し責任を感じていたんですけれども、今のお話を聞いて、肩の荷が下りたような気がします。いかがでございましょう。ほかに何か御質問ございますでしょうか。
 それでは、特に御意見がございませんようですので、この線で二つの答申案を採択したい。御異議ございませんでしょうか。当然、今、貴重な御意見を幾つも頂いていますので、細かい文言の修正は入ると思いますが、それにつきましては、会長の私に御一任いただくということでよろしいでしょうか。もうこういった会を開くという機会がありませんので、来年の3月まで空いてしまいますので、よろしゅうございましょうか。
(「異議なし」の声あり)

【田村会長】

 それでは、この案で進めていくということで採択することといたします。本件につきましては、ユネスコ総会に向けて、文部科学大臣及び外務大臣へ答申をしたいと考えております。
 それでは、大きな議題が二つ終わりましたので、議題5に入ります。議題5は国内委員会の人事案件になりますので、議事は非公開ということになります。委員及び事務局関係者以外の傍聴の方々並びに報道関係の皆様には、誠に恐縮ですが、御退席をいただきますようお願いをしたいと思います。
 なお、議題6からは再び公開いたします。また、下村文部科学大臣もオリンピックの決定の場から飛んで帰ってきて、今、記者会見をやっておられると聞いていますが、間もなくいらっしゃると思います。その大臣もお迎えする予定ですので、是非一つ再入場いただければありがたいと思います。


(人事案件のため、非公開)

【田村会長】

 恐縮ですが、席上にお手持ちでございます資料をお閉じいただければということです。非公開のときの資料がお手元に行っておりますので、カメラなどが入ると映ってしまうということを心配しておられるようですので、申し訳ありません。
 では、恐縮です。席上の資料を回収させていただきます。今、係の人がお手元に参ると思いますが、よろしくお願いします。
 それでは、間もなく大臣がいらっしゃいますので、心積もりをしていただければと思うんですけれども、差し当たり、いらっしゃるまでの間に、御報告、御意見を賜ることがございますので、そちらの方を始めさせていただきます。9月2日付けでユネスコ活動に関する法律第6条第1項第1号及び第2項に基づきまして、岸田外務大臣から国内委員会に対して、ユネスコにおける日本政府常駐代表の交代に関する諮問がございました。これを受けまして、ユネスコ活動に関する法律第17条及び日本ユネスコ国内委員会運営規則第16条第1項に基づきまして、同日、第491回運営小委員会を持ち回りで開催しました。これは運営小委員会の委員の先生方御存じだと思いますが、同小委員会の持ち回りでの議決をもちまして国内委員会の議決とさせていただきます。そして、門司健次郎在カタール特命全権大使をユネスコ日本政府常駐代表として任命することについて差し支えない旨答申をいたしました。この議決について、日本ユネスコ国内委員会運営規則第16条2項により、次の国内委員会の会議において承認を得なければならないこととされております。皆様の御承認をいただきたいと思いますが、御異議ございませんでしょうか。事後承認になってしまうんですけれども、これは時間的な関係でどうしても運営小委員会で手続を進めざるを得ませんでしたので、よろしく御承認いただければと思います。承認いただいたということで手続きを進めさせていただいてよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)

【田村会長】

 ありがとうございます。なお、これを受けまして、本日9月10日付けで門司健次郎大使が次期ユネスコ日本政府常駐代表として発令されました。先ほどの閣議で確認されたようですから、もうぎりぎりなんですね。確認されたそうです。ですから、その御報告を申し上げます。以上でございます。ありがとうございました。
 それでは、大臣がいらっしゃるまで、事務局から報告すべきことがございますでしょうか。

【本村補佐】

 1点だけ御報告させていただきます。お手元の参考11の資料を御覧ください。平成26年度概算要求主要事項の概要といたしましてまとめたものでございます。1ページをおめくりいただければと思います。(1)といたしまして、来年11月に愛知県、岡山市でESDに関するユネスコ世界大会が開催されますけれども、この開催経費といたしまして9億7,400万の要求をしております。また、(2)といたしまして、ESD推進のためのコンソーシアムの形成ということで、来年度6,900万の要求をしております。3ページを御覧いただきますと、これまで教育小委員会等で御議論いただきました提案等を踏まえまして、要求の形にまとめたものでございます。こちらは、教育委員会及び大学、またユネスコ協会、企業、地域のNGO等がコンソーシアムを組んで、外国のユネスコスクールとか、国内のユネスコスクール、その他の学校等の交流を促進していくための新規の予算と考えております。
この2点を要求させていただいておりますことを御報告させていただきます。以上でございます。

【田村会長】

 ありがとうございました。ただ今の御報告につきまして、何か御質問はございますでしょうか。予算ですから、これから年末にかけていろいろやりとりがあるんだろうと思いますけれども、大体これで文部科学省は行くということですね。
 それでは、間もなく下村文部科学大臣がお見えになるようです。下村大臣におかれましては、皆さんも御承知のとおり、ブエノスアイレスで開催されておりましたIOC、国際オリンピック委員会総会に御出席されており、今朝御帰国されたばかりでございます。多分かなりお眠いのではないかと思います。大臣の御尽力もありまして、2020年オリンピックの東京での開催が決定いたしました。本日は超多忙の中でわざわざこの日本ユネスコ国内委員会総会に時間を割いて御出席いただきます。いらっしゃいましたら、どうぞ皆様、こちらで何か御連絡しますので、御起立いただきまして、盛大な拍手でお迎えいただけますと有り難いと思います。準備がございますので、ちょっとこのままお待ちいただければと思います。
( 休憩 )

【田村会長】

 大臣がお見えになられたようですので、恐縮でございます。
(下村大臣入場)

【田村会長】

 それでは、大変うれしいニュースをお持ちいただいて大臣がはるばる、飛行機を2路線乗り継がれたというのでかなりお疲れだと思うんですけれども、今朝着かれた。それで、ここへ来ていただいた。超多忙な時間を割いてお見えいただきました。本当に大臣、ありがとうございます。また、おめでとうございます。

【下村大臣】

ありがとうございます。

【田村会長】

では、到着早々申し訳ないんですけれども、御挨拶を賜ればと思います。

【下村大臣】

 皆様、ありがとうございます。拍手で、なおかつ立礼で迎えていただきまして、大変恐縮でございます。日本時間で8日に、2020年の東京オリンピック・パラリンピック招致がアルゼンチン・ブエノスアイレスで決定いたしました。これは今回、本当にオールジャパン体制の中でそれぞれが最善の努力を招致に向けてした結果であると思いますし、7年後でございますけれども、必ず2020年オリンピック・パラリンピックをきっかけに、日本の未来に向けたしっかりとした足取りのスタートになる日に8日からなったのではないかと思います。文部科学省では早速、今日午前中省議をいたしまして、スポーツ立国だけでなく、文化、芸術立国を目指して、あるいは、今日のテーマにも関係いたしますが、教育のグローバル人材、また科学技術イノベーション等、7年後の東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに、日本そのものをトータル的な戦略の中で活力ある国にしていこうという話をさせていただいたところでもございます。本来、スケジュールでは実は今日の夕方帰国することになっておりましたが、私の方で、ユネスコ国内委員のメンバーにしばらく国会議員の枠の中で私自身がさせていただいていた経緯もございまして、このユネスコ国内委員会に間に合うように飛行機を変更いたしまして、今朝5時に到着したところでもございます。そういう中で今日は挨拶の機会を作って、もう本来終わりの時間であると思いますが、ぎりぎりの時間の中で、あるいはもしかしたらお待ちになっていただいたのかもしれませんが、大変恐縮でございます。もう閉会でございますが、閉会に当たりまして、一言挨拶を申し上げたいと思います。本日の主な議題として、我が国におけるユネスコ活動の諸課題について御議論いただいたと聞いております。若者・企業の参画、ESDの更なる推進などの観点から、我が国におけるユネスコ活動の活性化について、年度内の取りまとめに向けて、議論の更なる深化と具体化を期待しているところでございます。
 また、本年11月にはパリで第37回ユネスコ総会が開催されます。現在、ユネスコは、米国の資金拠出停止を受けて深刻な財政難に直面しております。しかし、我が国としては、これを、ユネスコが比較優位を有する分野に活動を絞り込み、具体的な成果を上げる取組を強化する好機として捉え、第2位の拠出国として積極的に貢献し、国際的な存在感を示していきたいと思います。このような問題意識で、本日御議論いただいた私への答申を踏まえまして、ユネスコ総会へ臨みたいと思います。来年11月には、ユネスコと日本政府の共催により、愛知県名古屋市及び岡山市において、ESDに関するユネスコ世界大会を開催いたします。来年は、2002年の持続可能な開発に関する世界首脳会議で当時の小泉首相が提唱し、その年の国連総会で決議された国連ESDの10年の最終年に当たります。本世界会議は、この10年の提唱国である我が国において、これまでの取組を振り返るとともに、2015年以降の展望を示す大変重要なものであります。文部科学省としましても、ユネスコ及び開催地の自治体と協力し、本世界会議を是非とも成功させる覚悟であります。委員の皆様方におかれましても、それぞれのお立場で本会議の成功に御協力をいただければ幸いであります。
 また、ESDの推進拠点と位置付けているユネスコスクールについては、関係の皆様方の御努力、御尽力、御協力によりまして、現在615校まで広がりました。今後、ユネスコスクールを核として、地域においてESDを面的に普及していくことで、グローバル人材の裾野を広げることが必要と考えております。このため、文部科学省としては、ユネスコスクール、教育委員会、大学、地域のユネスコ協会及び企業等が連携し、国内外における学校間の交流の促進を図りつつ、ESDを更に広く推進するための事業を来年度の概算要求に盛り込んだところであります。委員の皆様方におかれましても、ESDの一層の推進に御協力をお願いいたします。ユネスコの科学分野の活動については、国内委員会からユネスコに対して、持続可能性に係る問題には、自然科学と人文・社会科学を統合して取り組むべきであるとする、サステイナビリティ・サイエンスというアプローチを提案されました。ユネスコがこの概念を事業に反映させ、科学分野で強力なリーダーシップを発揮できるよう、国内委員会としても更なる取組をお願いしたいと思います。文化分野の活動に関しては、本年6月に富士山がユネスコ世界遺産へ登録され、「御堂関白記」及び「慶長遣欧使節関係資料」がユネスコ記憶遺産に登録されるなど、国内でもユネスコの文化分野の活動への関心は高まっております。これらの事業は地域振興や我が国文化への誇りの涵養(かんよう)にも資するものであり、ユネスコ活動について幅広い層の関心を引く優れたきっかけとなると思います。委員の皆様方におかれましても、これらの事業を通じて、ユネスコ活動の認知度の向上に御協力をいただきたいと思います。
 最後になりましたが、田村会長はじめ9名の委員におかれましては、今回が最後の国内委員会総会であると伺っております。これまでの御尽力に心から感謝を申し上げますとともに、今後も我が国のユネスコ活動に対し、御支援と御協力を賜りますようお願いを申し上げます。また、引き続き国内委員会委員をお務めいただく皆様方におかれましても、一層の御支援と御協力を賜りますことをお願い申し上げまして、私の挨拶とさせていただきます。ありがとうございます。

【田村会長】

 大臣、誠にありがとうございました。本当にお疲れのところ、本当に申し訳ございませんでした。ありがとうございました。皆さんも大喜びでいらっしゃいました。大臣におかれましては、この後開かれます親睦会にもお出ましいただけるとお伺いしております。しかし、一旦ここで御退席になります。ものすごく忙しいので、あちこち飛んで回らなければならないというお立場ですので。本当に今日はありがとうございました。大変お疲れだと思います。頑張っていただきたいと思います。
(下村大臣退席・拍手)

【田村会長】

それでは、国内委員会はこれで閉会といたします。本日は大変御多忙の中、委員の先生方に御出席いただきまして、誠にありがとうございます。
 また、この後、引き続きまして、日本ユネスコ国内委員会の懇親会を隣の東海・三保の間で開催いたします。ノンアルコールですので、どうぞ御遠慮なく御出席いただければありがたいと思います。御都合の付く国内委員の皆様方、どうぞ御出席いただければと思います。
 本日はどうもありがとうございました。本当にいろいろお世話になりました。

―― 了 ――

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