ユネスコエコパークの推薦決定について

平成25年9月4日

 ユネスコが実施する生物圏保存地域*(国内呼称:ユネスコエコパーク)に関して、本日開催した、日本ユネスコ国内委員会自然科学小委員会人間と生物圏(MAB)計画分科会において、「只見」(福島県)及び「南アルプス」(山梨県、長野県、静岡県)の2件の新規登録、並びに既に登録されている「志賀高原」(群馬県、長野県)の拡張について、ユネスコに推薦することを決定しました。
 今後、日本ユネスコ国内委員会からユネスコに推薦書を提出し、2014(平成26)年6月にスウェーデンにて開催されるユネスコMAB計画国際調整理事会において、登録・拡張の可否が決定される予定です。
 *英名:Biosphere Reserves(BR)

(同時発表:環境省、林野庁)

1.生物圏保存地域(国内呼称:ユネスコエコパーク)の概要

 ユネスコエコパーク(英名: Biosphere Reserves(BR))は、1976(昭和51)年に、ユネスコの自然科学セクターのユネスコ人間と生物圏(MAB: Man and Biosphere)計画*における一事業として開始されたもの。
 世界自然遺産が、顕著な普遍的価値を有する自然地域を保護・保全する一方、ユネスコエコパークは、生態系の保全と持続可能な利活用の調和(自然と人間社会の共生)が目的。「保存機能」、「経済と社会の発展」及び「学術的研究支援」の三つの機能を達成するため、ユネスコエコパークには、「核心地域」、「緩衝地域」及び「移行地域」(社会と経済の発展が図られる地域)の三つの地域(ゾーニング)の設定が求められている。(資料1参照)
 登録総数は、117か国、621地域(2013(平成25)年5月現在)。

【我が国のユネスコエコパーク登録状況】

・1980(昭和55)年 「志賀高原」、「白山」、「大台ヶ原・大峰山」及び「屋久島」の4件の登録**
・2012(平成24)年 「綾」の登録

* 人間と生物圏(MAB)計画とは、生物多様性の保護を目的に、自然及び天然資源の持続可能な利用と保護に関する科学的研究を行うユネスコの政府間事業。

** 1980(昭和55)年当時は、「保存機能」と「学術的研究支援」の機能に重点が置かれていたため、「核心地域」と「緩衝地域」の設定で申請し、登録された。その後、1995(平成7)年にユネスコによるセビリア戦略(BR世界ネットワーク定款含む)が策定され、「経済と社会の発展」の機能と「移行地域」の設定が追加されたため、1980(昭和55)年に登録された4件のユネスコエコパークについては、移行地域の設定が必要。

2.審査基準

 2011(平成23)年に、日本ユネスコ国内委員会人間と生物圏(MAB)計画分科会が作成した「生物圏保存地域審査基準」(資料2参照)に照らし、ユネスコエコパークとしての三つの機能(保存機能、学術的研究支援、経済と社会の発展)を有するか、三つのゾーニング(核心地域、緩衝地域、移行地域)の設定及び保全管理の考え方や管理運営体制等が適切か、ユネスコエコパークとしての活発な活動が見込めるか等を踏まえ、審査を行った。

3.推薦決定地

(1)新規推薦地

 「只見」及び「南アルプス」 (資料3-1、3-2参照)

(2)拡張推薦地

 「志賀高原」 (資料3-3参照)

4.今後のスケジュール

2013(平成25)年9月 日本ユネスコ国内委員会からユネスコに推薦書を提出
2014(平成26)年6月  ユネスコMAB計画国際調整理事会(スウェーデン)において登録・拡張の可否が決定される予定

お問合せ先

文部科学省国際統括官付(日本ユネスコ国内委員会事務局)

国際戦略企画官 籾井 圭子(内線2573)、ユネスコ協力官 堀尾 多香(内線2585)
電話番号: 03-5253-4111(代表)

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(文部科学省国際統括官付(日本ユネスコ国内委員会事務局))