参考資料2 参議院予算委員会議事録

参議院予算委員会議事録(10月13日)(抄)


○ 薬師寺みちよ君
(略)最近、テレビでも様々な障害者スポーツ、目にするようになりましたけれども、残念なことにこのパラリンピックの陰に隠れて忘れてしまいそうな大会、活動もございます。それが、知られざるオリンピックと称されることが多いデフリンピックとオリンピックスです。
ここからは簡単な手話を交えまして質問させていただきます。たどたどしい手話でございますので、聞き苦しいところがありましたら大変申し訳ございません。
まずは、このパネルを御覧いただきたいと思います。(資料提示)パラリンピックに全ての障害者が参加できるわけではないんです。聴覚障害者はパラリンピックに出場することさえできません。聴覚障害者のためのデフリンピックというものが別に開催をされております。知的発達障害者もパラリンピックの競技の一部に参加が認められているだけで、パラリンピックと別にスペシャルオリンピックスというものが開催をされております。
次のパネルを御覧ください。十年前に内閣府が行った調査においても、デフリンピックという言葉は2.8%、スペシャルオリンピックスは12%の方々にしか認識をされておらず、まだまだ一般的とは言い難い状況でございます。そのために、周囲から理解を得られにくく、聴覚障害や知的障害をお持ちの皆様方がスポーツ活動を行うにも十分な協力が得られにくい現状がございます。
この現状について、松野大臣、どのようにお考えになっていらっしゃいますでしょうか、お願い申し上げます。

○国務大臣(松野博一君)
委員から御指摘がありましたとおり、パラリンピックの認知度が約98%と高い一方で、スペシャルオリンピックスやデフリンピックの知名度、認知度がそこまで至らないという状況であります。このような状況を踏まえまして、今後、デフリンピックやスペシャルオリンピックスの認知度を高めることを含め、障害者スポーツの普及や障害者に対する理解促進を一層強めてまいらなければいけないと、そう考えております。

(略)

○薬師寺みちよ君
(略)では、次に、スペシャルオリンピックスについてもお尋ねをさせていただきます。
オリンピックというこの名称が付いている大会の中でも、スペシャルオリンピックスだけはsが付いております。これ、関係者の方、とても大切にしていらっしゃるんです。それはなぜなのか、そして文科省はこのスペシャルオリンピックスの活動をどのように応援してくださっているのか、松野大臣、お答えいただけますか。

○国務大臣(松野博一君)
スペシャルオリンピックスの語尾にsが付いている理由でございますが、世界大会の開催のみならず、日常的なスポーツトレーニングから世界大会まで様々な活動が年間を通じて世界中で行われていることを意味していると聞いております。
文部科学省においては、スペシャルオリンピックスの世界大会に係る選手派遣への財政的支援や、各種大会、行事への文部科学省からの出席等を通じて支援を行っているところであります。

○ 薬師寺みちよ君
ありがとうございます。
これも実は、私も説明会に行ってまいりましたけれども、だんだん規模が縮小してきているのではないかというふうに心配をいたしております。
なぜならば、このスペシャルオリンピックス、先ほども御説明いただきましたけど、競技会だけを示す言葉ではないんです。スポーツを通じた知的障害者の皆様方の自立と社会参加の促進、そして知的障害をお持ちの皆様方の、生産的な市民として認めていただくための社会活動というものを示すからこそ、このsというものが付いている。このsというものが付いているがために、日々日々の活動には大変な人的そして金銭的な負担が掛かっていらっしゃるようでございます。
このような活動は、制度ができ、国の予算が付けば成功するものでもないということは、私、身にしみて分かっております。身近な地域の皆様方の地道な活動があってこそ初めて成り立つムーブメント、社会運動の一つでございます。
総理、このようなムーブメントこそしっかりと主導していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

○内閣総理大臣(安倍晋三君)
スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは全ての人々の権利であり、知的障害者を含めて障害者のスポーツ振興を図ることは障害を持つ方々に対する理解を深めていく上でも重要と思います。
スペシャルオリンピックスの活動については、社会全体の理解促進が必要であります。私自身、スペシャルオリンピックスについて、国内大会、世界大会の際に応援メッセージを送っております。また、政府として世界大会への選手派遣について財政的な支援を行ってきたところであります。
また、キャロライン・ケネディ大使もこのスペシャルオリンピックスを支援をしてこられたことは多くの方々が御存じだと思いますが、今後ともスペシャルオリンピックスを始め障害者が活躍する活動への社会の関心が高まるよう努めてまいりたいと思います。

(以下略)

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