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Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 調査研究協力者会議等 > 原子力安全規制等懇談会 > 試験研究用原子炉施設等の安全規制のあり方について(案) > 5 検討の背景


5 自然放射性物質の使用に係る安全管理について

検討の背景

 自然界には、地球誕生以来地殻に存在するものや宇宙線により生成されたものなど、さまざまな放射性核種が存在し、これらの核種を含む物質は、自然起源の放射性物質(NORM注1)(以下「自然放射性物質」という。)と呼ばれている。放射能濃度の高いものは、モナザイト、リン鉱石、チタン鉱石、その他の鉱石、鉱物砂などであり、産業用の原材料として広く利用されている。また、これらをもとに製造された製品は、幅広い分野で利用され、一般消費財としても多くの人に使用されている。
 放射線審議会は、平成15年2月、自然放射性物質の規制免除注2についての検討を同審議会基本部会で行うこととし、国内法令に国際原子力機関(IAEA)による「電離放射線に対する防護と放射線源の安全のための国際基本安全基準」(以下「BSS免除レベル」という。)を取り入れることに関連し、自然放射性物質の規制免除に関して検討し、同年10月に報告書「自然放射性物質の規制免除について」(以下「基本部会報告書」という。)が取りまとめられた。
 基本部会報告書では、自然放射線の規制免除について、国際放射線防護委員会(ICRP)の勧告や欧州委員会の報告書(RP−122)で示された自然放射性物質の規制に関する考え方を基に、各国の動向、国内の利用実態等も踏まえつつ、被ばく評価を行うなど様々な角度から調査を進めた結果、物質の状態による区分とそれに適した規制の対応を明らかにし、各区分の特性に応じた規制免除を適用することが適切であるとの結論に達している。そして、今後、関係行政機関において具体的な規制を行うにあたっては、実際の使用状況等を十分に勘案し適切な規制が行われることが望ましいとの見解が示されている。
 このようなことを踏まえ、今後の自然放射性物質の使用に係る安全規制のあり方について検討を行うこととした。

注 1 Naturally Occurring Radioactive Materials
自然起源の放射性物質で、詳細な定義としては、自然に存在する放射性核種を含み、それ以外の放射性核種について有意な量を含まない物質のこと。(IAEA Safety Glossary,2000による)

注 2 規制免除
 ある放射線源について、それによる健康への影響が無視できるほど小さく、放射性物質として扱う必要がないことから、当該放射線源について放射線防護に係る規制の対象としないことをいう。これらの放射線源には、研究用トレーサー、校正線源等の少量のものや、極僅かの放射性核種を含む一般消費財のような低濃度のものがある。これらの放射線源に起因する線量は、自然界の放射線レベルと比較しても十分小さい。
 免除の判断基準となる放射性物質の放射能及び濃度を「免除レベル」という。

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