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Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 調査研究協力者会議等 > 原子力安全規制等懇談会 > 試験研究用原子炉施設等の安全規制のあり方について(案) > 4 検討の背景


4 少量核燃料物質の使用に係る安全規制について

検討の背景

 現在、核燃料物質等の使用に関しては、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「原子炉等規制法」という。)において、天然ウラン及び劣化ウランは300グラムを超えるもの、トリウムは900グラムを超えるものを対象として規制されている。

 国際原子力機関(IAEA)は、国際放射線防護委員会(ICRP)1990年勧告を踏まえ、国際労働機関(ILO)、世界保健機構(WHO)などの国際機関と共同して、国際基本安全基準(Basic Safety Standards)の一環として、「電離放射線に対する防護と放射線源の安全のための国際基本安全基準」(以下「BSS」という。)を1996年に刊行し、その中で規制免除に関する具体的な基準である国際基本安全基準免除レベルを提示した。
 国際免除レベルは、通常時では、実効線量を年間10マイクロシーベルト、事故時では実効線量を年間1ミリシーベルト、かつ、線源の1年間の使用による集団線量が1人毎シーベルトを超えないとする線量基準を定めた上で、一定の被ばくシナリオに基づく被ばく計算により核種ごとに設定された規制を免除する具体的数値基準であり、核種ごとの放射能(ベクレル)及び放射能濃度(ベクレル毎グラム)からなる。
 BSSでは、免除レベルとして295核種について放射能(ベクレル)及び放射能濃度(ベクレル毎グラム)が定められている。また、英国放射線防護庁(NRPB)が1999年に刊行した免除レベルに関する報告書(以下「NRPB−R306」という。)において、BSSの295核種以外の核種の免除レベルを計算し、合計765核種の免除レベルが示されている。

 国際免除レベルの国内法令への取り入れについては、放射線審議会で審議が行われ、2002年10月、同審議会第78回総会において、同規制免除レベルを国内法令に取り入れることが適切であるとする報告書「規制免除について」が取りまとめられている。また、原子力安全委員会では、BSS規制免除レベルの国内規制体系への取り入れ等に際しての基本的な考え方について検討が行われ、2003年3月、BSS規制免除レベルを国内法令に取り入れ、規制に反映することは、時宜を得た適切な措置である旨の報告書「国際基本安全基準(BSS)の規制免除レベルの国内規制体系への取り入れに当たって」が公表されている。この報告書では、今後の規制に関連して考慮すべき留意点の一つとして、「核燃料物等の使用については、原子炉等規制法で規制されているが、BSS規制免除レベルを超える量の核燃料物質等の使用については、関係省庁において、放射線安全の観点から検討することが必要である。」と示されている。

 このようなことを踏まえて、核燃料物質の使用に係る安全規制に国際免除レベルを取り入れる際の考え方を以下に示す。

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