本文へ
文部科学省
文部科学省ホームページのトップへ
Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 調査研究協力者会議等 > 原子力安全規制等懇談会 > 試験研究用原子炉施設等の安全規制のあり方について(案) > 2−4


4. 検討結果

 以上の検討内容をまとめると、以下のとおりとなる。

(4−1) クリアランスレベル検認制度関係

 試験研究用原子炉施設等の廃止措置に伴って発生する廃棄物の量は、発電用原子炉施設の廃止措置に伴って発生する廃棄物の量に比べて大幅に少なくなるが、この物量の違いは、クリアランス制度の導入そのものに影響を与えるものではないと考えられる。
 また、試験研究用原子炉施設等の廃止に伴って発生する廃棄物に対するクリアランスレベル検認制度としては、原子力安全委員会が示した検認報告書を踏まえ、クリアランスレベルを用いて、「放射性物質として扱う必要がない物」であることを原子炉設置者等が判断し、その判断に加えて規制当局が適切な関与を行うこが妥当である。クリアランスレベル検認における国の関与としては、国は、クリアランスレベル検認の対象物の測定及び判断の方法に関する技術基準を定めるとともに、技術基準に従って原子炉設置者等が予め定める測定及び判断の方法の妥当性や測定及び判断の結果の確認を行う必要がある。
 なお、原子炉等規制法及び放射線障害防止法の双方の規制を受けている施設については、密封された放射性同位元素のみを使用する施設のように、当該放射性同位元素を施設外へ搬出する等の措置を講じた後に、放射線障害防止法による規制対象からはずすことが可能な施設に対しては、原子炉等規制法による規制によりクリアランスレベル検認が可能であると考えられるが、双方の規制を受けつつ廃止措置を行う施設も存在することが想定されることから、今後、国において、これらの施設について引き続き検討を行うことが必要であると考えられる。
 施設の改造等に伴って発生する金属廃棄物等、その汚染や放射化の起源が廃止措置によって発生する固体状物質と同等と判断される廃棄物については、クリアランス制度を適用することが妥当であると考えられる。

(4−2) クリアランスレベル検認方法等の技術的要件関係

 試験研究用原子炉施設においては、基本的には、クリアランスレベル検認の対象物や重要放射性核種が安全委員会報告書で評価・検討された原子炉施設で想定される対象物や重要放射性核種に包含される核種であると考えられることから、対象物中の重要放射性核種の濃度を評価する上では、軽水炉で例示された方法と同様の方法を検討することが可能であると考えられる。なお、試験研究用原子炉施設については、その性格上、積算出力が低く、放射化が進んでいない場合や、新しい燃料や材料が使われる可能性を有している。このため、国は、原子炉設置者等が定めたクリアランスレベル検認の対象物の測定・判断の方法に関する認可の段階において、このような点に留意しつつ、安全委員会報告書等に記載された重要放射性核種及びその基準値、検認方法等の適用が可能か否かを個々に検討して判断することが必要である。
 また、安全委員会報告書に示された重要放射性核種のうち、ホットラボに係る重要放射性核種は、安全委員会報告書で評価・検討された原子炉施設に係る重要放射性核種と異なることから、今後、原子炉設置者等が行うクリアランスレベル検認の対象物の測定・判断等の具体的な運用面での検討を行う必要がある。また、重要放射性核種がそのまま適用できない核燃料使用施設については、原子力安全委員会によってクリアランスレベルが示された58核種、あるいは、必要に応じRS-G-1.7で示された値(参考8)を基に、使用履歴、施設区分等による記録等から、個別の施設ごとに重要放射性核種を選定することが可能であるが、このような施設に対するクリアランスレベルの取扱いについては、今後検討すべき課題であると考える。


←前のページへ 次のページへ→


ページの先頭へ   文部科学省ホームページのトップへ