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Home > 政策・施策 > 審議会情報 > 調査研究協力者会議等 > 原子力安全規制等懇談会 > 試験研究用原子炉施設等の安全規制のあり方について(案) > 2−5


5. まとめ

 試験研究用原子炉施設等におけるクリアランス制度について、安全委員会報告書、検認報告書、廃棄物安全小委員会報告書を参考に、クリアランスレベル検認制度及びクリアランスレベル検認方法等の技術的要件の観点から検討を行った。その結果、原子炉設置者等によりクリアランスレベル検認の対象物の測定・判断等、具体的な運用上の検討を要する事項もあるが、基本的には、原子力安全委員会が示した重要放射性核種が適用できる施設については、廃棄物安全小委員会報告書で示された検認制度及び検認方法等の技術的要件を基に、クリアランス制度の導入を図ることが合理的である。一方、重要放射性核種が異なる施設に対するクリアランスレベルの取扱いについては、今後検討すべき課題であると考える。

 クリアランス制度の導入に当たっては、国においては、今後、原子炉設置者等が行う事前の評価、クリアランスレベル検認の対象物の選定、測定・判断方法の技術基準等、クリアランス制度を運用するための技術的要件の明確化を図っていくことが重要である。また、国は、クリアランス制度を運用するに当たっては、実効性のある関与が行えるよう、人的資源の確保と検認に係る技術的知見の蓄積が重要である。一方、原子炉設置者等は、クリアランスレベルの判断及びクリアランスレベル以下と判断したものに放射性廃棄物が混入しないよう保管・管理を厳格に行うことが必要である。このためには、これらの一連の業務が、高い信頼性をもって機能するために、厳格な品質保証体制の下で実施されなければならない。

 クリアランス制度導入後において、引き続き検討すべきものとして、以下の事項が挙げられる。

 原子炉等規制法及び放射線障害防止法の双方の規制がなされる施設への適用
 廃止措置等以外の通常の運転に伴って発生する廃棄物への適用
 核燃料使用施設の廃止措置に対するクリアランスレベル検認方法
 原子力安全委員会の示した重要放射性核種と異なる核種が評価対象となる場合のクリアランスレベルの取扱

 放射性物質として扱う必要のない物は、それが廃棄物として一般廃棄物と同様に取り扱われたとしても、それに含まれる微量の放射性物質に起因する線量が、自然界の放射線レベルに比較して十分小さく、また、人の健康に対するリスクが無視できるものではある。
 しかし、当該廃棄物が原子力施設から排出されることに鑑みると、クリアランス制度の導入に当たっては、発生者である原子炉設置者等は、社会に対し、制度そのものが安全性と信頼性を持って受け入れられ、また、それを定着させるため、例えば、クリアランスされたものの情報の積極的な公開等の取り組みを行うことが必要であると考えられる。

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