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文化審議会

2003年9月9日 議事録
文化審議会著作権分科会著作権教育小委員会(第4回)議事要旨

文化審議会著作権分科会著作権教育小委員会(第4回)議事要旨

  日  時   平成15年9月9日(火)14:00〜16:00

場  所 文部科学省分館2階第201・202特別会議室

出席者 (委員)  
小熊、久保田、齋藤、坂井、里中、清水、菅原、関口、大楽、中井、永井、中村(凱)、菱木、福島、水島、光主の各委員
(文化庁)
森口長官官房審議官、吉川著作権課長、川瀬著作物流通推進室長、吉尾国際課長、その他の担当官

配付資料

資料1     文化審議会著作権分科会著作権教育小委員会(第3回)議事要旨(案)
資料2   著作権教育を実施する関係機関・団体間の「連携」の促進のあり方について(案)
資料3   『学校における教育活動と著作権の関係を解説したパンフレット(案)』の作成について(案)
資料4   『楽しみながら学べる学習ソフトウェア(中学生編)』の作成について(案)
資料5   文化審議会著作権分科会「著作権教育小委員会」の検討状況について(案)
資料6   著作権教育小委員会審議スケジュール

   概   要
(1)    「著作権教育を実施する関係機関・団体間の「連携」の促進のあり方」について事務局から配布資料に基づき、説明が行われた。そして、その説明に対し、以下のような意見交換が行われた。
(以下、委員:○、事務局:△)

○: 各関係機関・団体が作成したホームページやパンフレット等について、著作権制度の基本的な部分の共有化を進め、団体間で使い合うという連携が必要ではないかと思う。
○: 関係機関・団体間の連携として、(社)著作権情報センターでは、「市民のための著作権」という講座の中に、平成15年度から教職員向けの講習会を実施した。この講習会では、(社)コンピュータソフトウェア著作権協会や(社)日本レコード協会にも参加してもらい、それぞれの団体の活動について講演してもらっている。
○: 「著作権教育連絡協議会」は、権利者の集まりだが、著作権教育の連絡協議会であるからには、教育委員会連合会、あるいは校長会といった著作物の利用者側と団体の交流する場が必要ではないか。
△: 著作権の関係機関・団体の事業に利用者側の意見を反映することは良いことだと思うが、「著作権教育連絡協議会」の運営方法として、利用者側をメンバーとして加えて、議論をしていくか、或いは、年に何回か利用者側と懇談をして意見を集約していくかといったように、幾つか選択肢があるのではないかと思う。
○: 教育委員会連合会や校長会が入ると、講習会を実施する際の受講者の募集等で非常に効果があるので、利用者側も含めた連携のあり方についても今後考えていくということは必要かと思う。
○: 今回の著作権法改正によって教育機関における例外的に著作権者の許諾なく利用できる例外規定が拡大されたことで、比較的教育団体が関心を示しているため、「著作権教育連絡協議会」への参加を呼びかけるにはいいタイミングだと思う。「著作権教育連絡協議会」には幅広く参加してもらう方が、効果が上がっていくのではないかと考えている。
○: 現場の先生は、教材の作り方やウェブサイトの活用の仕方等について、悩んでいる方々が多いので、そういった方々と交流しながら研修会を開く方が、一方的に講義を行うよりは良いかと思う。また、入手しやすいように立派な教材だけでなく、安価な教材も作成した方が良いかと思う。
○: 各団体が実施している著作権講座に関する情報を一括して横断的に見られるサイトの作成を著作権教育連絡協議会で実施していただきたい。実施が困難であれば、国立教育政策研究所教育研究情報センターで、そのような著作権情報サイトを立ち上げることはできると思う。
○: 一般の方から見ると、著作権に関する団体がたくさんあり、どこの団体を信頼していいのかわかりづらいと思うので、信頼できる団体がわかる情報サイトを作ることが必要であると思う。また、現在は個別具体のケースについては、関係する団体に確認しなければわからない状況であるが、各団体の共通のホームページに各団体の所有する情報をもちよって掲載するなど、利用者の利便性に配慮した対応が必要である。講習会についても、個別の講習会だけではなく、利用者を一同に集めた著作権フォーラムを実施する必要があると思う。
○: 総論的な著作権に関する簡単な冊子の共有化について、各団体でもニーズがあるのか、どういった内容になるか等を、著作権教育連絡協議会の中で今後検討することが必要である。
○: 利用者の立場からすると、著作権法の解釈は著作物の種類によって違うので、こうした情報を各団体のホームページ等で共有化して見られるようにすることが今後大切である。

(2)    事務局から今年度に実施を予定している「『学校における教育活動と著作権の関係を解説したパンフレット』の作成について(案)」と「『楽しみながら学べる学習ソフトウェア(中学生編)』の作成について(案)」の説明が行われた。そしてその説明に対し、以下のような意見交換が行われた。
   (以下、委員:○、事務局:△)

○: 「引用」の検討は、35条の中のただし書き「著作権者の利益を不当に害する」ときのガイドラインと、教科研究会等の中での「引用」をどう考えたらよいのかということを検討している。
○: 「引用」の検討については、実際に検討を始めていくと、原則論に戻ってしまい、学校現場にとってみれば、前と変わりなく、色々な条件が面倒で活用できないということになるのではないかという感じがしており、どうやってまとめていったらいいのか悩んでいる。
○: 「引用」についての検討の進捗状況からして、「引用」についてこのパンフレットに掲載するべきかどうかという問題もある。今回の法改正の35条、36条だけに的を絞ってパンフレットを明確な形で示し、「引用」については、その議論がまとまったところでパンフレットとするか、議論が間に合うならこのパンフレットに入れるという考え方の方が安全かもしれない。
○: パンフレットの提供として「各都道府県及び市町村教育委員会に送付(各学校には市町村教育委員会から通知)」とあるが、パンフレットだけが教育委員会に来て、教育委員会はただ届いたことを各学校に通知するとしたら、本当に必要な学校現場の教職員が本当に活用できるのだろうかという疑問がある。

(3)    事務局から10月15日に開催される「文化審議会著作権分科会」に提出する「文化審議会著作権分科会「著作権教育小委員会」の検討状況について」の説明が行われた。そしてその説明に対し、以下のような意見交換が行われた。
    (以下、委員:○、事務局:△)

○: 中間報告は、他の小委員会とのバランスはあるかと思うが、意見の概要が要約しすぎていて、どのような議論がされたのかが伝わらない部分があるという感じがする。どのような議論がされたのかわかるよう、もう少し工夫していただきたい。
△: 修正したものをもう一度ご覧いただき、ご意見をいただきたいと思う。また審議の報告については、結論のでているような部分と、まだ検討中の段階で、法制度改正等に結びつかないという部分とを区分した方が、報告書(文化審議会著作権分科会に提出する各小委員会の検討状況)として読みやすいのではないかと思っている。また、この著作権教育小委員会の場合は事務局が今後進めていく事業についてのアドバイスを各委員からもらうという性格かと思うので、報告でまとめるものと、そうでないものは、区分した方が良い気がする。著作権教育については、教員がどれだけ知識、関心があるのかの数量的、レベル的な把握がされていないので、教育現場の現状を把握して、何をどの位実施していくのかを検討していきたいと考えている。
△: 著作権教育小委員会では、事務局が作成したペーパーに基づいて、議論をしていただいており、各委員から大きな異論は基本的になかったと考えている。今回出した報告書(「文化審議会著作権分科会「著作権教育小委員会」の検討状況」)は、議論の中の留意点という観点から、各委員の意見を集約し、整理させていただいた。
○: 各委員から具体的な方策として発言のあった意見は、一応報告書(「文化審議会著作権分科会「著作権教育小委員会」の検討状況」)に掲載した方がいいのではないかという感じがする。
○: これからの著作権教育小委員会では、昨年の議論で提起された「現状の把握と事業の効果の評価を適切に行うこと」について、具体的にどのように取り組んで行けばよいかについて考える段階に来ていると思う。

   閉   会
   事務局から今後の日程について説明があった後、閉会となった。



(文化庁長官官房著作権課)

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