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文化審議会

2002/10/24議事録
文化審議会著作権分科会著作権教育小委員会(第5回)議事要旨

文化審議会著作権分科会
著作権教育小委員会(第5回)議事要旨

  日  時   平成14年10月24日(木)  午後2時〜午後4時

場  所 文部科学省分館201・202

出席者 (委員)
松村主査,小熊,久保田,坂井,中里,中井,中村,松下,水島の各委員
(文化庁)
丸山長官官房審議官,岡本著作権課長,吉尾国際課長,石垣著作権課課長補佐,その他担当官

配付資料

資料1   文化審議会著作権分化会著作権教育小委員会第4回議事要旨
資料2   著作権に関する普及啓発事業の概要について
資料3   国が講ずべき具体的施策の検討について

概  要

(1)   主査より,「著作権分科会(第6回)の概要」について報告があった。
(2)   事務局より,文化庁が直接実施している著作権教育事業の現状及び課題について,また,国が講ずべき施策全体について説明があった。

  [上記のことについて,次のような意見があった。]

  (以下,委員:○,事務局:△)

(1)文化庁が直接実施している著作権教育事業の現状と課題について

○:   一般の人たちが著作権の知識を高めるためには公民館や社会教育施設の職員の役割はとても大きいと思う。公民館の職員などは,人に教えることのできる人材にまで知識を高めてほしいと思う。中央公民館など,色々な講座などを開催するところを対象に教育してはどうか。

○:   単独で行う事業を行うことも重要であるが,それぞれを組み合わせることによって,さらに効果的な事業を実施できる場合もある。

△:

  中学校3年生向けマンガについては,分科会でも意見があったように,どのように活用されているかが問題である。来年度の概算要求で,研究指定校について要求しているが,その中で様々なマテリアルの活用を含めて,これまでの媒体,これからの媒体を含めて,場面場面に応じた学ぶプロセンス全体について研究を行うことにしている。

○:   パンフレットについては,使い方も含めてセットされたものを,かつ効果として検証されたものを作成・配布すべきである。また,講習会についても,参加者の動機付けが重要であり,例えば人に教えるという義務を課すというような工夫も必要ではないか。


(2)国が講ずべき具体的な施策について

○:   具体的な施策について,今年でこの小委員会としての答を出すのか。それとも,何年かの課題としていき,最終的に結論を出すのか。

△:

  どういう課題があるのか,何が問題なのかに関して,課題の洗い出しをするのが一つの目的である。また,総論から全体を検討し,アイデアがあればできるところから実施していきたい。

△:

  日本の中で,どういう人が著作権に関してどういう知識を必要としているのか,また,そこには知識が十分届いているのかと言うことについて議論をいただきたい。

○:   講習会などを受けたりする際に,なにか達成感を得られるような,スキルアップが分かる目安があるとチャレンジしやすいのではないか。また,インターネット上でのヘルプデスクなどは大変価値があると思うが,ある意味で印刷物というものはオンデマンド的には非常によい媒体だと思う。印刷物も今の現状では決して軽視してはいけない。

△:   目標を明確にしなければならないということで,基礎レベルで全ての人に必要なことと,応用レベルとしてプロのクリエーターとして,また,プロのユーザーとしてそれぞれどういうレベルの知識が必要か,ということを整理しながらご意見を頂きたいと思う。

○:   原作者に関して言えば,著作権について何も知らないまま仕事をしている人が多い。自分の権利が侵害されたときにはじめて知っておかなければならないと感じる。また,先日アジア各国の出版者や漫画家との集まりがあったが,そのなかで,日本人は著作権について知らなすぎる,しっかりして欲しいという話があった。著作権は,難しいものであるという誤解を払拭することが大事であり,義務教育の場でこういうことを教えているということが分かれば,自分たちも最低限基礎レベルは分からなければという認識ができるのではないか。実際に起こっていることを知らせることが重要である。

○:   著作権に関するネットや冊子を見てくれない,勉強してくれないというのがこれからもしばらく続くと思う。入試問題に出し強制するなど多少荒っぽい手だても必要だと思う。

○:   現在,司法試験と法学院コース,大学院コースの中に,知的財産の中の著作権,特許,商標,不正競争防止法をいれて何単位かということを検討している。多分資格を取るとという方でも著作権が入る。また,弁理士の試験などにも著作権が入る状況になってきている。

○:   利用者サイドの組織化というのが殆どない状況にあるのが問題だと思う。利用者側で一部気付いている人もいるものの,それがルーツになるには,利用者側と権利者側が同じ机に付くという組織が必要だと思う。また,博物館などの組織の代表者に対して研修を行えば一挙に効果が上がるのではないか。企業でもキーパーソンに個別に当たっていった方が効果があると思う。

○:   部分的に人に教える程度の人を育てるということは現にあるが,全般的に人に教えられるというのは難しいのではないか。ごく少数についてそういうことをやっていくのか,それとも一般の国民に著作権意識を高めさせるということでやっていくのかということを検討する必要がある。仮に人に教えられるレベル,例えば資格のようなものを創ってしっかりした講師を養成する講習会というものを国の施策で決めないといけないのではないか。

○:   社会教育施設や職員等を対象とした普及啓発事業ということも大変だと思うが,学校教育の場合は指導要領に「著作権の保護」などが入ってくれば,研究事業などが行われその成果が活用できるが,社会教育施設ではそのようなことは行われないと思う。社会教育施設が,市民からの問い合わせに適切に対応できるプログラム開発も必要ではないかと思う。

○:   著作権について教えることができる人を増やすためには,例えば,都道府県著作権事務担当者講習会の受講者が,今度は市町村向け講習会の講師になるといった仕組みを組み立てる必要があるのではないか。また,企業向けの著作権講習会についても,はじめから対象を決めるのではなく,何処にニーズがあるのかを把握して実施する必要があるのではないか。事業については,効果と評価という検証をセットで行うことが必要である。

○:   著作権管理士のようなものも考えるべきではないか。

○:   著作権管理士について,弁護士のようにレベルの高いものでなければ需要はあると思う。いくつかの科目を履修して国家公務員試験を受けて,資格を出すというとは可能性があるのではないか。知的財産ブームであり,知的財産管理士というようなものがあってもよいのではないか。


6  次回は平成14年11月22日(金)に開催することとなった。


(文化庁長官官房著作権課)

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