第4章 著作権保護技術の現状と当該技術を活用したビジネスの現状について

第2節 著作権保護技術の種類と特徴について

 著作権保護技術は、技術の特徴によって大きく「フラグ検出型」と「暗号技術利用型」に区分される。

1 フラグ検出型

(1)著作権保護技術の概要

 フラグ検出型の著作権保護技術は、基本的には暗号化されていないコンテンツ(例えば音楽CD)に複製制御フラグを付加し、複製機器が当該信号を検出し、反応することで複製を制限する方法である。

(2)特徴

 フラグ検出型の著作権保護技術は、法律やライセンス契約等の義務付けに従い、複製機器が当該フラグを検出・反応する場合しか複製等の制御ができないのが特徴である。

[フラグ検出型の著作権保護技術の概念図(コピー禁止の場合の例)]

(出所:社団法人電子情報技術産業協会提供資料)

2 暗号技術利用型

(1)著作権保護技術の概要

 暗号技術利用型の著作権保護技術は、コンテンツを暗号化し、そのままでは視聴可能な状態で複製等ができないようにした上で、復号に必要な鍵等の機器メーカーへのライセンス契約により、利用者側の機器で当該コンテンツを再生、出力、複製等を行う際に一定の利用制限を加えることを可能にする方法である。

(2)特徴

 フラグ検出型と異なり、ライセンス契約がないと視聴可能な状態で複製等ができないのが特徴である。

 暗号技術利用型の著作権保護技術は、復号鍵のライセンス契約の内容に様々な条件を付すことが可能である。例えば、相手先の機器が著作権保護技術に対応しているものであればデータを出力し、それ以外は出力不可にするなど、複製の制御以外に様々な条件を付加してコンテンツの利用を制御できる。

 なお、暗号技術利用型の著作権保護技術は、例えば、次のような制御を暗号化してコンテンツに付加することが可能である。

制御の種類 制御の内容
複製の制御
  • コピー世代の制限
    (コピー禁止、一世代までコピー可、コピー制限なしなど)
  • コピー個数の制限
転送・出力の制御
  • 複製・転送が可能な機器の限定
  • 出力先の限定、出力時や出力先でのコンテンツの扱い(再暗号化など)
再生の制御
  • ライセンス契約上認められていない方法で作成された複製物を検知し、再生を止めるなど
[暗号技術利用型の著作権保護技術の概念図(出力先の限定の例)]

(出所:社団法人電子情報技術産業協会提供資料)

<参考1:著作権保護技術の例>

(出所:社団法人電子情報技術産業協会提供資料)

<参考2:著作権保護技術採用の歴史>

(出所:社団法人電子情報技術産業協会提供資料)

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