第4章 著作権保護技術の現状と当該技術を活用したビジネスの現状について

第1節 著作権保護技術について

 デジタル複製の技術は、元の著作物等の品質と同品質の複製ができること、記録媒体等の破損等の場合を除き何回利用しても品質が劣化しないこと、短時間に大量の複製物が作成できることなど様々な特徴を有する。

 我が国で補償金制度が導入された平成4年以降、デジタル化・ネットワーク化の流れは加速し、それに伴ってデジタル複製が行われる機会が多くなってきたことから、権利者側の要求により、様々な著作権保護技術が導入され、無制限な複製等が制限されるようになってきた。

 著作権保護技術は、後述するように必ずしも直接的に複製を制限する技術だけを意味しない。本小委員会では、著作権保護技術という用語を、何らかの方法により複製が実質的に制限される技術と捉え使用することとする。

 なお、先述したように複製を制限する技術については、著作権法でも技術的保護手段(第2条第1項第20号)を定義し、当該手段を回避して複製することや当該手段を回避する装置等を製造販売等することを規制しているので、必要に応じ、技術的保護手段という用語も用いるが、著作権保護技術は技術的保護手段より広い概念と考え使用していることに留意する必要がある。

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