資料7 |
これまでの取り組み
1. | アジア各国の著作権制度整備
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2. | エンフォースメント
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3. | 官民連携の推進
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今後の取り組み
1. | コンテンツ海外流通促進機構の設立 8月上旬に海賊版への取組として、事業者が侵害実態の監視や訴訟等への対応を目的とする、「コンテンツ海外流通促進機構」(仮称)の設立が予定されている。 本機構は業界団体、企業等を構成員とする民間の組織で、随時参加することが可能であり、文化庁と経済産業省は本機構の具体的な運営を当面共同して支援する。活動としては、権利者や企業が共同して、会員相互の海賊版等に関する情報交換等を行うほか、侵害状況の調査やミッションの派遣など個別のプロジェクトの実施などが考えられている。 また、本機構は4月16日に発足した知的財産全体の保護を推進する民間組織である「国際知的財産保護フォーラム」に参加する予定となっている。 |
2. | 二国間交渉の制度化 日中、日韓間の定期的な著作権に関する協議の実施を予定している。 文化庁と中国国家版権局及び韓国文化観光部との間で、(1)海賊版対策、(2)著作権集中管理団体間の交流・協力、(3)インターネットの普及等に伴う新たな課題への対応等に関し定期的に協議を行うことについて、合意形成に向けた詰めの作業を行っている。 [日中著作権シンポジウムの開催] 文化庁と中国国家版権局が協力して、2002年「日本年」「中国年」を記念して開催される日本メディア芸術作品展2002の開催時期に併せて、日中著作権シンポジウムを開催する。 シンポジウムでは、「デジタル化・インターネット環境下における著作権保護」のテーマの下で、海賊版対策を含めた様々な課題について、日中両国の著作権の専門家が中国の行政関係者、司法関係者等を対象に講演を行い、WTOに加盟した中国における著作権保護思想の普及・啓蒙を図る。 (日時)平成14年8月26日(月)午後2時〜5時 (場所)和平賓館(北京市) (参加者)中国の行政関係者、司法関係者、研究者、関係団体等から30〜40名の参加を予定 |
3. | WTO、WIPO等の国際機関の積極的活用 TRIPS協定(知的所有権の貿易関連の側面に関する協定)の審査制度を活用し、中国、台湾をはじめとするアジア地域における著作権制度の整備・運用を監視するとともに、必要に応じて紛争解決のための行動(WTOへの提訴等)をとる。WIPOにおいて進められている知的所有権のエンフォースメントについての取り組み(海賊版対策に対する成功事例集の作成等)に積極的に参画する。 |
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今後の検討事項(案)
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(参考)アジア地域における海賊版の被害実態
アジア地域における我が国の著作物の海賊版被害について、具体的には次のような状況が報告されている。
○ | 日本のコンテンツの侵害品市場規模は、ゲームソフト、音楽ソフト、映像ソフトの合計で、香港で約670億円、台湾で約800億円にのぼると推計される。(海外における著作権侵害の現状と課題に関する調査研究−海外調査編) |
○ | 東アジアにおけるレコード・CD等の侵害状況を見ると、中国においては、約980億円のレコード・CD等の音楽市場のうち、約90%に当たる約882億円が侵害市場(海賊版による市場)であり、台湾においては、約442億円の音楽市場のうち約50%(221億円)、韓国においては、約461億円の音楽市場のうち約25%(115億円)、香港においては、約168億円の音楽市場のうち約25%(42億円)がそれぞれ侵害市場と推計されている。なお、これらの地域の侵害市場のうち、約3割程度が日本の音楽の海賊版と推計されている。(2001年、国際レコード産業連盟) |
○ | 中国では、「宇多田ヒカル」、「浜崎あゆみ」や「小柳ユキ」等の所属会社の異なる歌手のヒット曲を集めたベストアルバムが200円前後で販売されているほか、日本のプレイステーション用ソフトの海賊版が約75円〜150円(正規品は6,800〜7,800円)、ゲームボーイ用ソフトの海賊版が700円前後(正規品は3,800〜4,800円)で販売されている。 また、海賊版のビデオCDやDVDが数多く存在し、日本のアニメーションを中心に「北野武」や「黒澤明」等の作品に人気があり、一枚約75〜375円(日本におけるDVDの販売価格は5,000円程度)で販売されている。(不正商品対策協議会) |
○ | 韓国では、プレイステーション2のゲームソフトの海賊版が2,500円前後(正規品は6,800〜7,800円)で販売されている。特に、ヒット作の場合には、正規品が正式に発売される2週間から1ヶ月前に市場に出回る事例が多い。市場流通ベースでの侵害率は約90%に上ると見られる。(社団法人コンピュータソフトウェア著作権協会) |
○ | 東南アジア地域で行われているものと推測されるが、映画館で上映された「千と千尋の神隠し」をビデオカメラで収録し、それをインターネット上でファイル交換する事例が発生している。(不正商品対策協議会) |