施設系採用とは

令和5年8月9日

文部科学省の施設系採用枠について


文部科学省には、事務系、技術系、施設系の3つの採用枠があり、それぞれについて総合職採用と一般職採用があります。事務系は国家公務員試験を文系の試験区分で受験された方、技術系は理系の試験区分で受験された方、施設系は理系の中でも、工学系の試験区分(主に建築系)で受験された方を対象としています。

【施設系採用の主な試験区分】
下記区分の受験者のうち、文教施設整備を中心とした業務への従事を希望する方を対象に採用を行っております。

総合職 工学区分(主に建築、電気、機械)
一般職 建築区分、機械区分、デジタル・電気・電子区分


施設系区分で採用されると、文教施設政策を担う「大臣官房文教施設企画・防災部」への配属が中心になりますが、部署ごとに採用枠を設けているわけではないので、文教施設企画・防災部以外の部署に配属される機会も多くあります。他の採用区分も同様で、事務系採用は教育関係の政策を担う部署、技術系採用は科学技術関係の政策を担う部署への配属が中心ですが、採用区分に関わらず、他の様々な分野の部署にも配属されます。そのため文部科学省では、様々な分野の専門性を持つ職員と一緒に仕事をする機会が多いことが、ひとつの大きな特徴です。
 
また、採用の段階でも、施設系区分だけに閉じず、事務系区分や技術系区分と一体的に採用活動を行うこともあります。例えば、技術系区分と合同で説明会を実施したり、事務系区分と合同で官庁訪問を実施しています。

なぜ施設系職員を採用しているのか


学校をはじめとする文教施設は、もっとも身近な公共建築のひとつです。よりよい文教施設をつくっていくことは、国全体の公共建築の質を高めていくことにもつながります。

よりよい文教施設をつくるには、誰もが安心・安全に過ごせる建物をつくること、学びを支える豊かな空間をつくることが大切です。
 

安心で安心な建物をつくるために

安心で安全な建物をつくるには、構造・設備・計画などの、建築に関する専門的な知識が必要です。例えば、昭和の時代に大量に建てられた学校の多くは、現在改修の時期を迎えています。そのような古くなった建物を、より長く快適に過ごせる建物として使っていくためには、建築の専門知識が必要です。さらに、頻発する災害に対して強い建物をつくったり、被災した場合に迅速な復旧を図るためにも、建築の専門知識が必要です。

 

学びを支える豊かな空間をつくるために

学びを支える豊かな空間をつくるには、建築に関する知識だけではなく、教育に関するソフト面の施策も理解して、建物をつくることが必要です。例えば、教育に関する重要な基本方針を審議する場である中央教育審議会の令和3年1月の答申では、令和の日本型学校教育の構築を目指し、全ての子供たちの可能性を引き出し、個別最適な学びと協働的な学びを一体的に充実するための改革の方向性が示されています。学びを支える豊かな空間を作るには、そういった教育全体の方針や、建築以外の他の様々な施策も踏まえつつ、空間としてはどのようなことができるのか、そういったハード面での解決方法を提示する力が必要です。

 

ハード・ソフト一体となった整備を行う力が必要

このように、よりよい文教施設をつくっていくため、建築の専門知識やハード面での解決方法を提示する力を持ちつつ、ソフト面の施策を担う他の分野とも協働できる施設系職員を、文部科学省では求めています。

 

 

((大臣官房文教施設企画・防災部施設企画課))