第2節 文教施設における安全・安心の確保

2.学校施設の防犯対策

 学校施設は,心身ともに成長過程にある多数の児童生徒などが学習や生活をする場であることから,防犯上も十分な安全性を確保することが重要です。子どもの安全を守るためには,教職員をはじめとする関係者が危機管理意識を持って緊密に連携し,具体的な防犯対策を行う必要があります。また,施設・設備面(ハード面)に関する対応のみならず,管理運営等(ソフト面)の対応も含め,総合的に実施する必要があります。
 平成14年11月に「学校施設の安全管理に関する調査研究協力者会議」から報告された「学校施設の防犯対策について」では,施設・設備面における防犯対策について,1全体的な防犯計画,2視認性・領域性の確保,3接近・侵入の制御,4定期的な点検・評価の実施,5防犯設備などの積極的な活用を原則として学校施設の計画・設計を行うことが重要であるとしています。
 文部科学省では,この報告などを踏まえ,「学校施設整備指針」を改訂し,学校施設の防犯対策に関する規定を充実しました。また,児童生徒などの安全を第一に確保しつつ,地域住民も利用・協力しやすい学校施設づくりが,個々の地域や学校の実情に応じて進められるよう,平成16年9月に学校施設の防犯対策に関する手引書を作成しました。さらに,18年2月には,学校施設における特色ある防犯対策の取組を紹介した事例集を作成しました。また,定期的に実効性のある点検を実施するなどの継続的な取組を行うことが重要であることから,18年6月には,学校施設の防犯対策に関する点検・改善マニュアル作成の取組に関する調査研究報告書を作成しました(コラムナンバー20参照)。今後も,引き続き学校の組織的・継続的な取組を促進していくこととしています(参照:第2部第8章第6節3)。また,防犯対策のための施設整備について国庫補助を行っています。

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