第2節 文教施設における安全・安心の確保

3.文教施設の室内環境対策

 文部科学省では,児童生徒が健康で快適に学校生活を送れるよう,室内空気汚染対策などの環境対策を推進しています。具体的には,建築材料などから発散する化学物質による室内空気汚染などに起因する健康への影響(いわゆる「シックハウス症候群」)が問題となっており,学校においても対策が求められています。文部科学省では,学校施設を整備する際の室内空気汚染に関する主な対策のポイントをまとめたパンフレットなどを作成し,各都道府県教育委員会などへ配付しています。また,学校施設整備指針の中でも,化学物質濃度が基準値以下であることを確認した上で建物の引渡しを受けるなどの対策を盛り込んでいます。さらに,いわゆる「アスベスト問題」については,平成17年の事業所などにおける健康被害の状況発表以来,社会的に深刻な問題となっています。これを受け文部科学省では,子どもたちなどの安全対策に万全を期すために,全国の学校施設などにおける吹き付けアスベストなどの使用実態調査を実施しています(図表2-12-3)。この調査結果などを踏まえ,文部科学省では,学校施設などの設置者に対し,必要な財政支援を行ったり,具体的な対策方法を示した留意事項を通知するなど,学校施設などのアスベスト対策を進めています。

図表●2-12-3 アスベスト使用実態調査結果

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