近年のITの発展により,インターネットなどの新しい技術を活用することで,大学等の授業内容の多様化・高度化や授業時間外の学習支援の更なる充実が期待されており,教育内容・方法の改善・充実をはじめとする様々な改革が進められています。
情報通信技術の進展に伴い,インターネットなどの高度なメディアを活用した教育の取組を行う大学などが増えてきています。例えば,複数の大学や分散されたキャンパスの間での合同授業や各種シンポジウムの実施や,時間的・地理的な制約を受けずに授業が受けられるeラーニングなども行われつつあります。さらに,インターネットを通じて学習情報を提供したり,電子メールや携帯電話での質疑応答を行ったりする大学なども増えてきています。
また,平成16年度から,「現代的教育ニーズ取組支援プログラム」を実施し,その公募テーマの一つに「eラーニング」に関するテーマを設定し,大学,短期大学,高等専門学校の取組を支援しています。このプログラムでは,各種審議会からの提言などを踏まえ,社会的要請の強い政策課題に対応したテーマを設定し,各大学などから申請された取組の中から優れたものを選定し,支援するとともに,広く社会に情報提供を行っています。本プログラムを活用することなどにより,大学等において高等教育の充実に資する優れた取組が進められています。
メディア教育開発センターでは,大学,短期大学及び高等専門学校における多様なメディアを高度に利用して行う教育の内容・方法等の研究及び開発やその成果の普及などを行い,高等教育の発展に資するITなどを活用した教育の普及・促進に努めています(図表2-11-4)。
特に,大学等で導入や普及が進んでいるeラーニングなどのITを活用する教育に関するシステム基盤技術の研究開発,教育用コンテンツ流通・促進のための基盤の整備,能力開発に関するコンテンツ開発と提供,ITを活用する教育に関する調査研究,研修やセミナーなどに積極的に取り組んでいます。
具体的には,大学等のeラーニングコースやオープン・コース・ウエア(OCW:Open Course Ware)(注1)等の教育用コンテンツを横断的に検索できる能力開発学習ゲートウェイ(NIME-glad)(参照:http://nime-glad.nime.ac.jp/index.php(※NIME-glad 能力開発 学習ゲートウェイ(学習ポータル)ホームページへリンク))の機能の拡充や国際連携の強化を図るとともに,学習支援のためのラーニング・マネジメント・システム(LMS)の開発やコース・マネジメント・システム(CMS)の開発を行い,大学等のIT活用教育の支援を行っています。また,大学生の能力開発の向上に資するため,リメディアル教育(注2)用コンテンツや情緒力など大学卒業生に求められる能力を自己点検できるコンテンツの開発と提供を行っています。さらに,国内外の大学などにおけるIT活用教育の実態調査・分析やIT活用教育に関する著作権の研究開発を行うとともに,IT活用教育のための人材育成に資する研修,セミナー及びフォーラムを開催しています。
このほかにも,私学助成によって,インターネットを活用したサイバーキャンパス整備事業を推進するとともに,マルチメディア装置や学内LAN(学内ネットワーク)の整備など,私立大学における高度情報化への各種の取組に関する支援を行っています。