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2 更なる「教育の情報化」に向けて

 文部科学省では,政府の「e-Japan戦略」の下,過去5年間にわたり「学校のIT環境の整備」と「教員のIT活用指導力の向上」を大きな柱として,教育の情報化の推進に積極的に取り組んできました。この戦略に掲げられた主な目標の達成状況については,「高速インターネット接続率」など順調に推移したものがある一方,「校内LAN整備率」や「コンピュータを使って指導できる教員の割合」など進捗が遅れているものもあり,全体として進展は見られつつも,個々の目標においてはなお多くの課題を残しています。文部科学省は,これらの結果を踏まえ,平成18年1月に策定された「IT新改革戦略」(IT戦略本部決定)に基づき,教育の情報化を一層進めていきます(参照:本章第1節1)。
 一方,ITを活用した授業の効果を客観的に明らかにし,教育の情報化を一層進めることを目的として,平成17年度に「ICTを活用した授業の効果等の調査」を実施しました。具体的には,ITを活用した実証授業を行った教員を対象として,IT活用の効果に関する意識調査を行った結果,小学校,中学校,高等学校すべての学校段階において9割以上の教員がIT活用の効果を認識していることが確認されました。また,IT活用に関する児童生徒の意識を調査した結果,学習に対する積極性,意欲,達成感いずれの点においてもIT活用の効果が確認されました。文部科学省は,教育の情報化の重要性について広く理解を得るため,本調査結果を周知するとともに,引き続き多面的な調査研究を推進し,IT活用の意義をより明確にしていきます(参照:https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/07/06071911.htm(※報道発表へリンク))。
 さらに,社会の変化に応じた適時適切な情報教育が求められていることから,文部科学省は,「初等中等教育における教育の情報化に関する検討会」を設置し,情報化の進展などに対応した教育の情報化の今後の在り方について検討を進め,平成18年8月に,「初等中等教育の情報教育に係る学習活動の具体的展開」として報告書を取りまとめました。本報告書では,初等中等教育における情報教育の考え方を整理し,情報教育の内容の体系化を図った上で,小・中・高等学校の各学校段階において,子どもたちが身に付けるべき「情報活用能力」に関する指導内容や学習活動例を一覧表にまとめています(参照:https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/08/06082512.htm(※報道発表へリンク))。
 これらの取組や調査結果を踏まえ,今後とも,世界最高水準のIT国家を支える基盤となる「人づくり」の観点から,教育の情報化などのIT関連施策を積極的に進めていきます。

教員のICT活用に関する意識調査(総合評価)
  • (資料)メディア教育開発センター「ICTを活用した授業の効果等の調査結果報告書」(概要)

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