第2節 相互理解を進める国際交流

2.教育の国際交流

(1)教員等の国際交流

 文部科学省では,小・中・高等学校教員の現職研修の一環として,国際的視野に立った識見などを高めさせるため,毎年,教員を海外に派遣しています。また,相互理解の増進と指導力の向上を図るため,関係機関の協力を得て,中国に教員を派遣しています。
 研究者については,日本学術振興会の事業などを通じて,派遣・受入れを行っています(平成17年度は4,549人派遣,4,571人受入れ)。
 特に,日米間では,昭和26年に発足した「日米教育交流計画」(フルブライト計画。日米両政府が経費を分担して運営。日米教育委員会が実施主体。)により,両国の研究者・大学院生・ジャーナリスト等の交流が行われています。また,平成8年の橋本・クリントン両国首脳間で合意された「日米国民交流」の取組の一環として,日米両国の教育を通じた理解増進を図るため,その翌年から「フルブライト・メモリアル・プログラム」を開始しました。この事業により,米国の小・中・高等学校教員等(18年度は約600人)を我が国に招へいし,滞在期間中に我が国の学校訪問,文化体験等を通じて,米国における対日理解促進への貢献を図っています。また,同事業では,日米の学校間による環境分野の共同プロジェクト,セミナー,サマーキャンプなどを実施して交流を深めています。
 中国及び韓国との間では,初等中等教育教職員を我が国に招へいし,我が国の教育制度や教育事情,生活,文化等について幅広く理解を深める機会を提供するとともに,我が国の教職員との交流や家庭訪問により,相互理解と友好親善を図る教職員招へいプログラムを実施しています。平成18年度は,中国及び韓国から300名の教職員を我が国に招へいすることになっています。
 また,社会教育に関しては,我が国の博物館等の学芸員等を海外の博物館等に派遣して研修させ,高度で専門的な知識・技術の修得を図るなどの事業を実施しています。国立女性教育会館では,平成17年度にアジア太平洋地域の女性行政担当官などを対象とする「国際女性情報処理研修」,開発途上国における女性教育の推進を支援することを目的とした「女性の教育推進セミナー」などの各種研修を行いました。

(2)青少年の国際交流

 文部科学省では,我が国の青少年や青少年指導者の海外派遣,海外の青少年や青少年指導者の招へいを行う交流事業を実施しています。さらに,財団法人ボーイスカウト日本連盟や社団法人中央青少年団体連絡協議会などが実施する青少年の国際交流事業に対して助成などを行っています。
 また,国立青少年教育振興機構においても,環太平洋地域の青少年教育指導者との交流を通して,参加国の青少年教育関係機関とのネットワーク化を図る「海外青少年教育指導者セミナー」などを実施しています。

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