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1 大学発 知のODA −知的国際貢献に向けて−

 文部科学省は文部科学大臣の私的懇談会として「国際教育協力懇談会」(座長:木村孟 大学評価・学位授与機構長)を平成18年2月から開催し,大学を中心とした教育関係者の国際開発協力への参画の在り方などについて審議し,8月に報告書に取りまとめました。
 本報告では,政府開発援助(ODA)を戦略的に実施するとともに,コストを削減し,質を向上させるという政府の方針により,基礎教育協力については,途上国の教育の量的・質的向上や持続的発展への貢献を促し,高等教育・職業教育協力については,アジア地域を中心に,戦略的に展開していくことを提言しています。具体的には,次のことをなどを挙げています。

 また,我が国の大学が有する「知」の活用については,開発途上国の多様な開発課題の解決に向けた知的貢献を行うための「知的コミュニティ」(注1)を構築することを提言しています。具体的には,次のことなどを示しています。

 他方,国際協力に参画する大学に対しては,国際協力を本来業務として位置付けて,大学として取り組むことが重要であり,こうした活動に従事する教員の活動実績が学内においても適切に評価されるような仕組みが望まれることに言及しています。
 文部科学省では,本報告を踏まえ,課題解決に向けた我が国の知的国際貢献を促進するための施策を,「国際協力イニシアティブ」としてまとめ,「国際開発協力サポート・センター」プロジェクト(参照:本章第3節4)を中心に,これまでの取組を抜本的に改善・強化するとともに,大学等の組織的な国際協力活動全般に対する支援に取り組むことを検討しています。

国際開発協力のための「知的コミュニティ」の構築

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