第10節 科学技術の活用を通じた文化芸術の振興

3.科学技術を活用した芸術の創造

 近年,デジタル技術の多機能性,柔軟性を活用した,映画,アニメーション,CGアート,ゲームソフトなど,いわゆるメディア芸術と言われる新しい芸術分野が創出されており,広く国民に親しまれています(参照:本章第2節2)。メディア芸術は新たな芸術の創造や我が国の芸術全体の活性化を促すとともに,諸外国に対して文化芸術のみならず,我が国への理解や関心を高める重要な媒体ともなっています。
 また,メディア芸術は,これまでにない新たな表現を可能とする芸術分野として注目を浴びており,今の時代にふさわしい,人々の心に訴える文化芸術を生み出せるのではないかという期待が寄せられています。
 現在,これらの多様な表現方法の研究開発や,だれもがコンテンツを創作し発信できる時代の実現に向けた研究開発が着実に進められています。文部科学省では,科学技術振興機構の戦略的創造研究推進事業などにおいて,芸術分野と工学分野との融合領域における研究開発を推進しており,これらの成果は,国際学会等多数の場で発表されています(図表2-9-29)。

図表●2-9-29 SIGGRAPH(米国コンピュータ学会グラフィックス分科会)2006 emerging technologies 採択テーマ

 また,平成17年度文化庁メディア芸術祭において,「芸術」と「技術」の融合のための橋渡しの場として,企画展示「先端技術ショーケース−未来のアート表現のために−」とテーマシンポジウム「アートとテクノロジーの融合−その未来−」を実施しました(図表2-9-30)。

図表●2-9-30 平成17年度(第9回)文化庁メディア芸術祭

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