第3節 文化財の保存と活用

10.埋蔵文化財の保護

 埋蔵文化財とは,個性豊かな地域の歴史的・文化的環境を形づくる国民共有の貴重な財産です。
 これまでの埋蔵文化財行政は,開発事業等に伴う遺跡の内容確認調査の実施や,その保存のための調整,そして現状保存することができない遺跡については記録保存のための発掘調査を円滑かつ迅速に実施することが大きな課題でした。こうしたことから文化庁では,「埋蔵文化財発掘調査等整備充実に関する調査研究委員会」を設置し,出土品の取扱いなどの様々な課題について調査研究を進めてきました。その成果については,報告書が刊行されるたびに各都道府県に通知を行い,各地方公共団体ではそれを受けて取扱い基準の策定など,所要の施策が行われています。
 現在,社会情勢が変化し,環境や文化に対する国民の関心が高まる中で,埋蔵文化財の保存と活用を積極的に行うことが求められています。そのため,埋蔵文化財の保存と活用の在り方について調査研究を進めており,各地方公共団体が行う地域づくりなどに貢献できるよう,助言・支援を行っていきます。

▲登録有形文化財(建造物)
日光金谷ホテル本館

▲登録有形文化財(美術工芸品)
有田磁器(柴田夫妻コレクション)

▲選定保存技術(琵琶製作修理)石田勝雄
保持者 石田勝雄(雅号四世石田不識)

前のページへ

次のページへ