第2節 地域における文化芸術の振興

4.文化ボランティアの推進

 文化芸術活動には,芸術家などによる創造活動や公演・展示などの鑑賞以外にも様々な形があります。美術館・歴史博物館などでの展示の解説や文化会館での公演の補助,さらには学校の教員と美術館の学芸員や地域の芸術家とを結び付け,授業の計画づくりや実施をサポートする取組など,各地域で行われている種々のボランティア活動もその一つです。
 文化庁では,このような「文化芸術に自ら親しむとともに,他の人が親しむのに役立ったり,お手伝いするようなボランティア活動」を広く,「文化ボランティア活動」ととらえ,これを推進するために様々な課題に対応して,各地域で多様な活動が行われるように環境の整備を図っています。例えば,平成15年度からは「文化ボランティア推進モデル事業」を実施しています。これは,行政機関,文化施設,NPO法人等における先進的・モデル的な事業に対して支援を行うことによって,継続的な活動の場の創設・提供を図るものです。これまでに同事業の委嘱を受けた団体等からは,「学んだことを伝えることで自らも成長した」,「活動を通じて子どもや地域の人からエネルギーをもらった」,「地域の理解が深まり,文化ボランティアの輪が広がった」などの声が上がっています。
 また,平成18年12月22日,23日には「文化ボランティア全国フォーラム」が開催されました。このフォーラムは,「文化ボランティア 明日からのデザイン」をテーマに,全国の文化ボランティア団体のコーディネーターや文化行政担当者,文化ボランティア実践者などが集い,各地のユニークな事例にじっくりと耳を傾け,討議し,深く学ぶことを目的にしたものです。
 これらの事業を通して,自ら文化芸術に親しみ,将来に伝えることの大切さを感じたり,あるいは自分も文化芸術を支え,育てるお手伝いをしたいという思いを持っていただくことで,「文化ボランティア活動」が更に広まることを目指しています。

▲文化ボランティア全国フォーラム

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