第1節 スポーツ振興のための基本的な方策

1.スポーツ振興基本計画とスポーツ助成

(1)スポーツ振興基本計画

 スポーツは,人生をより豊かにし,充実したものとするとともに,人間の身体的・精神的な欲求にこたえる人類共通の文化の一つです。心身の両面に影響を与える文化としてのスポーツは,明るく豊かで活力に満ちた社会の形成や個々人の心身の健全な発達に必要不可欠なものであり,人々が生涯にわたってスポーツに親しむことは,極めて大きな意義があります。
 文部科学省では,平成12年9月に策定した「スポーツ振興基本計画」に基づいて,生涯スポーツ社会の実現,国際競技力の向上,学校体育の充実など様々なスポーツ振興施策に取り組んでいます。
 本計画は,スポーツ振興法に基づき,我が国のスポーツ振興に関する基本的な方針を定めたものであり,平成13年度から22年度までの10年間で実現すべき政策目標を設定するとともに,その政策目標を達成するために必要な施策を示しています。18年9月,これまでの進捗状況等を踏まえて本計画を見直し,後半5年間分の計画として改定しました(参照:本章Topics 2)。

(2)施策推進の財源確保

 スポーツ振興基本計画に掲げられた施策の推進には,必要な財源の確保が重要です。予算措置以外に,文部科学省では,スポーツ振興基金及びスポーツ振興投票に取り組み,厳しい財政状況下において,国費では届き難いスポーツ振興活動への助成財源の確保に努めています。

1スポーツ振興基金

 スポーツ振興基金は,政府出資金と民間からの寄付金を原資とし,その運用益などにより,我が国のスポーツの競技水準の向上のための選手強化活動,国際的・全国的なスポーツ大会の開催,選手・指導者のスポーツ活動に対する助成が行われています。
 平成18年度は,以下の活動に対して約5.7億円の助成が行われています(図表2-8-1)。

図表●2-8-1 平成18年度スポーツ振興基金等助成金交付内定額

2競技強化支援事業助成金

 競技強化支援事業助成金は,オリンピック競技大会でメダル獲得の期待の高い競技種目及び重点強化によりメダルの獲得が期待できる競技種目について重点的・計画的に行う選手強化活動や,国内におけるトップリーグの運営に対する助成が行われており,日本スポーツ振興センターの運営費交付金が財源となっています。
 平成18年度は,以下の活動に対して約5.5億円の助成が行われています(図表2-8-2)。

図表●2-8-2 平成18年度競技強化支援事業助成金交付内定額

3スポーツ振興くじ

 「スポーツ振興くじ(toto(トト))」は,だれもが身近にスポーツに親しむことができる環境整備や,世界の第一線で活躍する選手の育成など,スポーツを振興するための財源確保を目的としています。
 スポーツ振興くじによる収益は,3分の1が地方公共団体等に,3分の1がスポーツ団体に,それぞれ交付され,子どもから高齢者まで,だれもが様々なスポーツに親しめる生涯スポーツ社会の実現に向けた活動を中心に助成を行っています。また,残り3分の1については,国庫に納付され,教育・文化の振興や自然環境の保全,青少年の健全育成などの目的に充てられます。
 この助成財源となる収益を確保するため,スポーツ振興くじの販売を行う日本スポーツ振興センターでは,コンビニエンスストアやインターネットでの販売などの販売方法の改善や,サッカーファンに限らずすべての人が参加できる新しいくじの導入など,スポーツ振興くじが広く国民に愛されるよう,改善に取り組んでいます(参照:http://www.toto-dream.com(※toto(トト)オフィシャルサイトホームページへリンク))。
 平成18年度は,以下の活動に対して約1.2億円の助成が行われています(図表2-8-3)。

図表●2-8-3 平成18年度スポーツ振興くじ助成金交付内定額

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