第3節 科学技術振興のための基盤の強化

1.施設・設備の計画的・重点的整備

(1)大学等における施設・設備の整備

1研究施設の整備

 国立大学等の施設については,平成18年3月に閣議決定された第3期科学技術基本計画において,老朽施設の再生整備が最重要課題として位置付けられました。これを受けて,文部科学省では,世界一流の優れた人材の養成と創造的・先端的な研究開発の推進を目指し,「第2次国立大学等施設緊急整備5か年計画」を18年4月に策定して,国立大学等の施設の重点的・計画的整備を推進しています(参照:第2部第12章第3節1)。

2研究設備の整備

 学術研究を推進していくためには,その基盤となる研究設備の整備充実が必要不可欠です。大学などにおける研究設備については,老朽化・陳腐化した研究設備の維持・更新を含めた計画的整備が喫緊の課題となっており,科学技術・学術審議会においても大学の自主的な運営における研究設備の計画的な整備の必要性が指摘されています。このような現状を踏まえ,文部科学省では,大学などにおける計画的な研究設備の整備・充実のための取組への支援を行っています。

(2)先端大型共用研究設備の整備・共用の促進

 文部科学省は,世界最高性能を有する次世代スーパーコンピュータや次世代放射光施設のような最先端の大型施設の整備・共用の推進を行っています。特に,大型放射光施設(SPring-8)では,「特定先端大型研究施設の共用の促進に関する法律」(平成18年7月1日施行)により,整備・利用及び公平かつ効率的な共用の促進を推進しています。
 また,利用者をサポートする体制が整っていない等の施設側の問題点が存在するため,平成17年度から「先端大型研究施設戦略活用プログラム」を実施し,地球シミュレータなどの産業界を中心とした新規の利用者の拡大へつながる体制の充実を図っているところです。

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