勤労学生控除制度の改正について(通知)

18文科生第42号
平成18年4月1日

各都道府県知事
各都道府県教育委員会
専修学校を置く各国立大学法人学長
  殿

文部科学省生涯学習政策局長
田中 壮一郎

 このたび、別添(PDF:33KB)のとおり、所得税法(昭和40年法律第33号)、同法施行令(昭和40年政令第96号)及び同法施行規則(昭和40年大蔵省令第11号)が改正され、また、「所得税法施行令第11条の3第1項第2号の規定に基づき文部科学大臣が定める基準(平成18年文部科学省告示第48号)」の告示が制定され、それぞれ本年4月1日より施行されました。
 この改正の概要は下記のとおりです。
 これにより、これまで所得税等に係る勤労学生控除の対象とされていなかった個人立専修学校等の生徒についても、当該専修学校等が文部科学大臣の定める基準を満たす場合には、勤労学生控除の対象として取り扱われることとなりました。また、これらの生徒が勤労学生控除を受けるに当たっては、これまで必要とされていた「所得税法施行令第11条の3第2項に掲げる専修学校・各種学校の課程である旨の証明書」の写に加えて、「所得税法施行令第11条の3第1項第2号に基づき文部科学大臣が定める基準を満たす専修学校・各種学校である旨の証明書」の写も必要とされることとなりました。
 ついては、両証明書の発行に関する実施要項を別紙1及び別紙2のとおり定めましたので、事務処理上遺漏のないようお願いします。あわせて、各都道府県知事等におかれては、以上の趣旨を所轄の専修学校及び各種学校に対し周知いただくようお願いします。
 なお、昭和41年3月25日付け文管振第88号「勤労学生控除の対象となる各種学校の課程の証明手続きについて」、昭和42年9月1日付け42管振第23号「勤労学生控除の対象となる各種学校の課程の証明書の記載事項の変更の取扱い等について」、昭和46年7月20日付け文管振第123号「勤労学生控除制度等の改正について」、昭和51年8月16日付け文管企第222号「勤労学生控除の対象となる専修学校の課程の証明手続きについて」は、廃止します。

1  改正の概要
 
(1)  勤労学生控除の対象となる専修学校及び各種学校(以下「専修学校等」という。)の設置者の範囲は、従来、国、地方公共団体、学校法人、私立学校法第64条第4項に規定する法人及び改正前の所得税法施行令第11条の3第1項に規定する法人に限定されていたが、このたびの改正により、独立行政法人国立病院機構及びこれらの設置者以外の設置者のうち文部科学大臣が定める基準を満たす専修学校等を設置する者にまで拡大されたこと。(改正後の所得税法施行令第11条の3第1項第1号及び第2号関係)
(2)  改正後の所得税法施行令第11条の3第1項第2号の規定に基づき文部科学大臣が定める基準(以下「本件基準」という。)を、次のとおり定めたこと。(平成18年文部科学省告示第48号関係)
 所得税法施行令第11条の3第2項に規定する専修学校等の課程を履修する生徒の数が20人以上であること(20人に満たない場合であって、相当の期間内に20人以上となる見込みがあるときを含む。)。(第1号関係)
 職業に必要な能力を育成するにふさわしい授業科目、実際生活に必要な能力を育成するにふさわしい授業科目及び教養の向上を図るにふさわしい授業科目が開設されていること。(第2号関係)
 教育水準を維持するための教員の数が、2の授業科目の開設の状況に照らして適切なものであること。ただし、3人を下ることができない。(第3号関係)
(3)  本件基準を満たす専修学校等の生徒が勤労学生控除を受けるに当たっては、従来の「所得税法施行令第11条の3第2項に掲げる専修学校・各種学校の課程である旨の証明書」の写に加えて、「所得税法施行令第11条の3第1項第2号に基づき文部科学大臣が定める基準を満たす専修学校・各種学校である旨の証明書」の写が必要であること。(改正後の所得税法施行規則第47条の2第4項第1号イ関係)

2  留意事項
 
(1)  このたびの所得税法の一部改正等は平成18年4月1日より施行し、平成18年分以後の所得税について適用されること。また、個人住民税に係る勤労学生控除については、地方税法第34条第10項及び同法第314条の2第10項で所得税法第2条第1項第32号を準用しており、平成19年分以後の個人住民税について同様に適用されること。(なお、個人住民税は、前年の所得を基礎として課税するいわゆる前年所得課税主義が採られているため、今回改正は、平成19年分以後について適用されることになっているので留意されたい。)
(2)  本件基準は、所得税及び個人住民税の取り扱いにおいて、勤労学生控除の対象となる専修学校等の範囲について定めるものであり、専修学校等は、専修学校設置基準第1条及び各種学校規程第2条の趣旨を踏まえ、常にその教育水準の維持向上に努めなければならないこと。
(3)  基準第1号中の「20人に満たない場合であって、相当の期間内に20人以上となる見込みがあるときを含む。」とは、以下の場合を含むと考えられること。
 近年の生徒数が20人前後で推移しており、相当の期間内(5年以内を目処。以下同じ。)に20人以上となる見込みがあるとき。
 近年の生徒数が着実に増加しており、相当の期間内に20人以上となる見込みがあるとき。
 学校の統合や学科の新設などの特別な事由により、相当の期間内に20人以上となる見込みがあるとき。


(生涯学習政策局生涯学習推進課専修学校教育振興室)

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