2. 戸籍や住民票がない場合の就学手続について

Q 住民票や戸籍のない学齢児童生徒の就学手続はどのようになっていますか。

A
 学校教育法施行令第1条第2項では、学齢簿の編製は住民基本台帳に基づいて行うとものとされており、各市町村教育委員会はこの学齢簿に基づいて具体的な就学事務を行っているところです。
 しかしながら、下記(例)のような背景により、住民基本台帳や戸籍に記載されない児童生徒が域内に居住している場合は少なくなくありません。憲法に定める教育を受ける権利を保障する観点から、教育委員会においては、住民票や戸籍の有無にかかわらず、すべての学齢の児童生徒の義務教育諸学校への就学の機会を確保することが極めて重要です。

(例)
 住民票を異動しないまま転居を繰り返している場合
 配偶者からの暴力の被害者がその子と移住してきた場合
 保護者や親族などの都合による一時的滞在
 民法772条による嫡出推定を回避するために子が無戸籍となった場合

 

  市町村教育委員会は、住民基本台帳や戸籍に記載されていない学齢児童生徒が域内に居住している事実を把握した際、直ちに当該児童生徒に係る学齢簿を編製するとともに、対面により丁寧に就学の案内を行うなど、住民基本台帳や戸籍に記載されていない学齢児童生徒が就学の機会を逸することのないよう取組を徹底することが必要です。
  なお、住民基本台帳に記載されていない場合や無戸籍の場合は、保護者がその子を就学させることができないのではないかと誤解している場合があり、積極的に就学手続をとるよう促す必要があります。

 市町村教育委員会においては、住民基本台帳に記載のない学齢児童生徒について学齢簿を編製し域内の学校に就学させた場合、住民基本台帳に当該児童生徒が記載されている市町村の教育委員会に対し、学齢簿に記載した旨を速やかに通知することが望まれます。
 ただし、受け入れた児童生徒が配偶者からの暴力の被害者の子である場合は、被害者の意向等を踏まえつつ行うようにしてください。➡詳細については就学事務Q&A8「配偶者からの暴力が原因で前住所地から移動してきた保護者と学齢児童生徒の就学手続について」を参照。


〔参照条文〕
学校教育法施行令(昭和28年政令第340号)
(学齢簿の編製)
第1条 市(特別区を含む。以下同じ。)町村の教育委員会は、当該市町村の区域内に住所を有する学齢児童及び学齢生徒(それぞれ学校教育法(以下「法」という。)第18条に規定する学齢児童及び学齢生徒をいう。以下同じ。)について、学齢簿を編製しなければならない。
2 前項の規定による学齢簿の編製は、当該市町村の住民基本台帳に基づいて行なうものとする。
3~4(略)

〔参考通知〕
住民基本台帳法の制定に伴う学校教育法施行令および学校教育法施行規則の一部改正について(通達)(昭和42年10月)別ウィンドウで開きます

学齢簿および指導要録の取扱について(通達)(昭和32年2月25日)(※国立国会図書館ホームページへリンク)別ウィンドウで開きます

無戸籍の学齢児童・生徒の就学の徹底及びきめ細かな支援の充実について(通知)(平成27年7月8日)別ウィンドウで開きます

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