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2.教科書検定の改善等について

 1)検定申請時の提出書類の改善

 教科用図書検定基準においては、総則に、教育基本法に示す教育の目標等に基づき教科書の審査を行うことが明記されています。また、各教科共通の基本的条件として、教育基本法に示す教育の目的・目標及び義務教育の目的、学校教育法に示す義務教育の目標並びに各学校の目的及び教育の目標等に一致していることが定められています。
  このため、教科用図書検定規則実施細則により、検定申請された図書への添付を求めている編修趣意書において、教育基本法第2条に示す教育の目標を達成するための編修の基本方針を記入することとしています。また、同法第2条各号に示す目標を達成するために、図書の構成や内容において編修上特に意を用いた点や特色について記載した対照表を作成することとしています。

 「教科書改革実行プラン」においては、教科書の編集段階における改善として、編修趣意書等の検定申請時の提出書類を改善し、申請図書の作成に当たって教育基本法の目標をどのように具現化したかを明示してもらうこと、また、これらの提出書類をホームページにおいて公開することにより、より教育基本法の目標を意識した教科書編集を促進する、との改善方策を示しています。また、平成25年12月20日に検定審議会で取りまとめられた「教科書検定の改善について(審議のまとめ)」(以下「審議のまとめ」という。)において、編修趣意書の従前の様式によると、申請図書の構成・内容全体において、教育基本法第2条各号の教育の目標がどのように反映されているかを確認することができないという課題及び申請図書の審査を行う際に、編修趣意書が十分に活用されていないとの懸念が示されました。
  これらを踏まえて、検定申請時の提出書類について、以下の改善を図りました。

教科用図書検定規則実施細則の改正

○「編修趣意書」の書式の見直し

  • 教育基本法第2条各号ごとに対照させる現行の様式を、図書の構成・内容(第1章、第2章など)と教育基本法第2条各号を対照させる様式に改める。

○「編修趣意書」の内容の充実

  • 「学習指導要領との対照表」「配当授業時数表」「発展的な学習内容の記述」も編修趣意書として位置付ける。

○「編修趣意書」の公開の促進

  • 検定合格した図書の内容に即した「編修趣意書」を文部科学省ホームページで公開するため、検定合格後、「編修趣意書」の更新・提出を求める規定を新設する。
    →採択のための調査・研究の資料としても活用できるようにする。

など

(※平成26年1月改正、平成26年4月より施行)

2)教科用図書検定基準等の改正

 教科書における記述内容や話題・題材等の扱いについては、児童生徒の多面的・多角的な考察に資するよう、公正・中立でバランスの取れたものとなっていることが必要です。検定基準においては、各教科共通の条件として、教科書の内容が公正・中立であり、バランスが取れたものとなっているかを審査する規定として、「話題・題材の選択・扱いの調和に関する規定」、「事柄や見解の取扱いに配慮を求めた規定」が設けられています。
  また、社会科固有の条件においては、「未確定な時事的事象」について「断定的に記述しているところはないこと」及び「一面的な見解を十分な配慮なく取り上げているところはないこと」を求める規定が設けられています。

 「教科書改革実行プラン」においては、バランス良く教えられる教科書となるよう、社会科の検定基準を見直し、1.通説的な見解がない事柄を記述する場合や、特定の見解を強調して記述している場合などに、よりバランスの取れた記述にすること、2.政府の統一的な見解や確定した判例がある場合には、それらに基づいた記述も取り上げられていること、といった内容を新たに盛り込むべきであるとしています。
  また、同プランにおいては、教育基本法の目標等を意識した教科書作りを促進するという観点から、同法の目標等に照らして重大な欠陥がある場合を検定不合格要件として明記する、との考えも示しています。教科書検定における申請図書の合格又は不合格の判定方法については、教科用図書検定審査要項(平成13年1月15日教科用図書検定調査審議会決定)に示されており、検定意見相当箇所の数による判定方法のほかに、教科書としての基本的な構成に重大な欠陥が見られる場合などには、検定審査不合格と判定する旨が定められています。
  これらについて、「審議のまとめ」における指摘等も踏まえ、以下のように義務教育諸学校教科用図書検定基準及び高等学校教科用図書検定基準等の改正を行いました。

教科用図書検定基準の改正

○ 検定基準のうち、社会科(地図を除く)固有の条件(高等学校の検定基準にあっては地理歴史科(地図を除く)及び公民科)について以下を改正。

  • 未確定な時事的事象について記述する場合に、特定の事柄を強調し過ぎていたりするところはないことを明確化する。
  • 近現代の歴史的事象のうち、通説的な見解がない数字などの事項について記述する場合には、通説的な見解がないことが明示され、児童生徒が誤解しないようにすることを定める。
  • 閣議決定その他の方法により示された政府の統一的な見解や最高裁判所の判例がある場合には、それらに基づいた記述がされていることを定める。

(※平成26年1月改正、平成26年度教科書検定から適用)

教科用図書検定審査要項の改正

○ 教科書としての基本的な構成に重大な欠陥が見られる場合等に検定不合格と判定する方法について、教育基本法に示す教育の目標並びに学校教育法及び学習指導要領に示す目標等に照らして判断する旨を明確化する。

(※平成26年4月改正、平成26年度教科書検定から適用)

3)検定手続の透明化

 「教科書改革実行プラン」においては、検定関係文書をより具体化した上で、ホームページにおいて常時公開するなど、検定手続の透明化を図る、との改善方策を示しています。

 これについては、「審議のまとめ」において、検定審議会の部会及び小委員会の議事概要については、静ひつな環境の下での専門的かつ中立な審議を確保することに引き続き留意しつつ、その内容を国民により分かりやすいものにし、透明性の一層の向上を図る観点から、運用を改善することが適当であるなどの指摘があったことを踏まえて、以下の見直しを行っていくこととしています。

検定手続の透明化

○ 検定審議会の部会及び小委員会の議事概要について、申請図書が識別できるよう申請者名や検定意見の箇所数を付記する、審議会での審議のうち特に記すべき事項があれば記載するなど、より具体的に作成するよう運用を改善する。

○ 全ての検定意見書について文部科学省ホームページにも掲載する。併せて、検定意見書の記述内容の具体化を図るなどの改善を行う。

(※平成26年度教科書検定から実施)

4)学習指導要領の一部改正(「特別の教科 道徳」への対応について)

 平成27年3月に、学校教育法施行規則並びに小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領等の一部改正を行い、道徳の時間を「特別の教科 道徳」として新たに位置付けました。このことにより、検定教科書を用いた授業が順次実施されることになりました(小学校は平成30年度、中学校は平成31年度から実施)。
  このような状況を受け、同年5月に、文部科学大臣から教科用図書検定調査審議会に対して、「特別の教科 道徳」の教科書の検定基準等について審議要請があり、7月23日に同審議会において「「特別の教科 道徳」の教科書検定について(報告)」が取りまとめられました。この報告では、「特別の教科 道徳」の教科書検定に当たり、新たに規定する必要がある検定基準や、「特別の教科 道徳」の検定体制の充実方策等について提言されたところです。
  この提言を踏まえ、以下のように義務教育諸学校教科用図書検定基準等の改正を行いました。

義務教育諸学校教科用図書検定基準の改正

○「特別の教科 道徳」の教科固有の条件として以下の項目を新設。

  1. 学習指導要領において示されている題材・活動等について教科書上対応することを求める規定について
    • 「内容の取扱い」に示す題材(生命の尊厳、社会参画(中学校)、自然、伝統と文化、先人の伝記、スポーツ、情報化への対応等現代的な課題)は全て教材として取り上げていることを求める。(検定基準 固有1-(1))
    • 「内容の取扱い」に示す「言語活動」「問題解決的な学習」「道徳的行為に関する体験的な学習」について教科書上適切な配慮がされていることを求める。(検定基準 固有2-(1)、(2))
  2. 学習指導要領における教材の配慮事項を踏まえた規定について
    • 「内容の取扱い」に照らして、1)適切な教材を取り上げていること(検定基準 固有1-(2))、2)教材の取り上げ方として不適切なところはないこと、特に多様な見方や考え方ができる事柄を取り上げる場合には、その取り上げ方について特定の見方や考え方に偏った取扱いはされておらず公正であるとともに、児童生徒の心身の発達段階に即し、多面的・多角的に考えられるよう適切な配慮がされていることを求める。(検定基準 固有2-(3))
  3. 道徳科の内容項目との関係の明示を求める規定について
    • 図書の主な記述と、道徳科の内容項目との関係を明示し、かつその関係は学習指導要領に照らして適切であることを求める。(検定基準 固有2-(4)

(※平成27年9月改正、平成28年4月1日施行、平成28年度教科書検定から適用)


5)次期学習指導要領の実施に向けた対応


 平成29年3月に小学校学習指導要領及び中学校学習指導要領の改訂、平成30年3月に高等学校学習指導要領の改訂が行われ、検定教科書を用いた授業が順次実施されることになりました(小学校は令和2年度、中学校は令和3年度、高等学校は令和4年度から実施)。
このような状況に対応するため、平成28年9月に、文部科学大臣から教科用図書検定調査審議会に対して、次期学習指導要領の実施に対応した教科書の改善方策等について審議要請があり、平成29年5月23日に同審議会において「教科書の改善について(報告)」が取りまとめられました。この報告では、次期学習指導要領の実施に対応した教科書やデジタル教科書の導入の検討に関連した教科書の改善方策、教科書検定手続きの改善方策等について提言されたところです。
 この提言を踏まえ、以下のように義務教育諸学校教科用図書検定基準等の改正を行いました。

義務教育諸学校教科用図書検定基準・高等学校教科用図書検定基準の改正

○教科共通の条件として以下の項目を追加・新設。
・ 図書の内容の選択及び扱いは、知識及び技能、思考力、判断力、表現力等及び学びに向かう力、人間性等の資質・能力の育成に向けた主体的・対話的で深い学びの実現に資するよう適切な配慮がなされていること。
・ 発行者が管理するウェブページのアドレス等を掲載する場合は、当該ウェブページのアドレス等が参照させるものは図書の内容と密接な関連を有するとともに、客観的かつ明白に不適切な情報を参照させるものではなく、その扱いは公正であること。

○教科固有の条件として以下の項目を新設
・ 社会科、地理歴史科及び公民科において、図書の内容全体を通じて、児童生徒が多様な見解のある社会的事象について多面的・多角的に考察できるよう適切な配慮がされていること。
・ 小学校の算数・理科において、プログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を学習指導要領に示す内容と関連付けて取り上げていること。
・ 外国語科において、図書の内容と学習指導要領に示す領域別目標との関係が明示されているとともに、必要となる語が実際のコミュニケーションにおいて活用できるよう適切な配慮がされていること。(領域=「聞くこと」「読むこと」等)
・ 外国語科において、図書の内容を音声化したものを参照させるため発行者が管理するウェブページのアドレス等を図書中に掲載する場合は、相互に適切な関連が図られていること。
・ 理数科の新設に伴い、理科及び数学科の基準を踏まえ必要な基準を新設すること。

 ※義務教育諸学校教科用図書検定基準:平成29年8月改正、平成30年9月18日一部改正平成31年4月1日施行、平成31年度教科書検定から適用
 ※高等学校教科用図書検定基準:平成30年9月改正、平成31年4月1日施行、令和2年度教科書検定より適用








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初等中等教育局教科書課

-- 登録:平成25年12月 --