「特別の教科 道徳」の教科書検定について(報告)〔概要〕

<参考>平成27年7月23日教科用図書検定調査審議会

1 具体の改善方策 (一部を除き、平成28年度の小学校道徳科の教科書検定から実施)

(1)「特別の教科 道徳」の教科書検定基準等について

○ 検定基準に道徳科の固有の条件として、以下の項目を新設する。

  1. 学習指導要領において示されている題材・活動等について教科書上対応することを求める規定について
    • 「内容の取扱い」に示す題材(生命の尊厳、社会参画(中学校)、自然、伝統と文化、先人の伝記、スポーツ、情報化への対応等現代的な課題)は全て教材として取り上げていることを求める。
    • 「内容の取扱い」に示す「言語活動」「問題解決的な学習」「道徳的行為に関する体験的な学習」について教科書上適切な配慮がされていることを求める。
  2. 学習指導要領における教材の配慮事項を踏まえた規定について
    • 「内容の取扱い」に照らして、1)適切な教材を取り上げていること、2)教材の取り上げ方として不適切なところはないこと、特に多様な見方や考え方ができる事柄を取り上げる場合には、その取り上げ方について特定の見方や考え方に偏った取扱いはされておらず公正であるとともに、児童生徒の心身の発達段階に即し、多面的・多角的に考えられるよう適切な配慮がされていることを求める。
  3. 道徳科の内容項目との関係の明示を求める規定について
    • 図書の主な記述と、道徳科の内容項目との関係を明示し、かつその関係は学習指導要領に照らして適切であることを求める。

○ 上記のほか、道徳科の教科書について留意すべき点として、例えば、国際理解や国際協調の観点から、多面的・多角的に考えることができる教材であること、民間発行の副読本、教育委員会等作成の地域教材、「私たちの道徳」等の文部科学省(文部省)作成の教材等の様々な教材のよさを生かすこと、家庭や地域社会と連携した道徳教育にも資するものとなることなどを示す。

○ 道徳科の検定体制の充実方策として、以下のような方策を講じる。

  1. 学校における道徳教育に精通した教員や指導主事等を専門委員として任命し、例えば一冊の教科書につき3名程度の者が調査に当たることができるようにすること。
  2. 図書の内容に応じ、道徳科以外の教科に関して専門的知見を有する者(道徳科以外の教科を担当する部会の委員・臨時委員・専門委員その他の学識経験者等)の協力を得ることができるようにすること。

(2)その他の教科書検定に関する諸課題について

○ 義務教育用教科書の不合格図書について、「図書の基本的構成に重大な欠陥」「欠陥箇所数が著しく多い」等の図書は翌年度再申請とするよう規定を見直す。その際、合否の判定基準(不合格となる欠陥箇所数)も見直す。併せて再申請図書が合格した場合、採択替えができるよう規定を見直す。

○ 検定基準や学習指導要領の改正があった場合、発行者は新しい基準に基づいた教科書を検定申請すべきことを規定上明確化する。(平成28年度以降の基準改正に適用)

○ このほか、1)検定済図書の訂正申請と検定基準との関係を規定上明確化、2)審査中の適切な情報管理の徹底(情報流出の際に当該事案の概要を文部科学省ホームページで公表等)、3)教科書記述の正確性の更なる向上(客観的に明白な誤記、誤植、脱字の箇所数一覧表の文部科学省ホームページでの公表等)、4)検定手続関係書類の見直し(様式を定める規程の一元化等)などの改善を行う。

2 審議の経過

平成27年

5月19日 教科用図書検定調査審議会総会

○審議要請

6月22日 教科用図書検定調査審議会総括部会・第10部会合同会議

○審議要請事項に関する現状と検討課題の検討

7月23日 教科用図書検定調査審議会総会

○報告の取りまとめ

お問合せ先

初等中等教育局教科書課

-- 登録:平成28年08月 --