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3.教科書検定の趣旨
  
1.教科書検定の意義
  我が国では、学校教育法により、小・中・高等学校等の教科書について教科書検定制度が採用されています。教科書の検定とは、民間で著作・編集された図書について、文部科学大臣が教科書として適切か否かを審査し、これに合格したものを教科書として使用することを認めることです。
  教科書に対する国の関与の在り方は、国によって様々ですが(表2参照)、教科書検定制度は、教科書の著作・編集を民間に委ねることにより、著作者の創意工夫に期待するとともに、検定を行うことにより、適切な教科書を確保することをねらいとして設けられているものです。

2.教科書検定の必要性
  小・中・高等学校の学校教育においては、国民の教育を受ける権利を実質的に保障するため、全国的な教育水準の維持向上、教育の機会均等の保障、適正な教育内容の維持、教育の中立性の確保などが要請されています。文部科学省においては、このような要請にこたえるため、小・中・高等学校等の教育課程の基準として学習指導要領を定めるとともに、教科の主たる教材として重要な役割を果たしている教科書について検定を実施しています(付表2参照)。

3.検定を行う時期
  検定は、それぞれの教科書について、おおむね4年ごとの周期で行われます。文部科学大臣は、検定を行うに当たっては、その前年度に検定の申請を行うことのできる図書の種目及び期間を告示することとしています。

表2  諸外国における教科書制度の概要
        (平成13年3月(財)教科書研究センター調査研究報告より)

国名 教科書制度
初等教育教科書 中等教育教科書
発行・検定 発行・検定
発行者 検定 認定 発行者 検定 認定
民間 民間
1











1.イギリス              
2.ドイツ        
3.フランス          
4.ロシア連邦    
5.スウェーデン            
6.フィンランド            
7.ノルウェー        
8.アメリカ合衆国     (1)     (1)
9.カナダ        
2








1.中国 (2) (2)   (2) (2)  
2.韓国       (3)  
3.タイ       (4) (5) (5)  
4.マレーシア       (6)  
5.シンガポール (7) (8)   (8) (9) (10)   (10)
6.インドネシア (11) (12) (12)      
7.オーストラリア            
8.ニュージーランド        

(1) 州により異なる。
(2) 1980年代の前半までは、国定教科書のみであったが、各地方、個人も教科書を作成することができるようになった。ただし、教育部の検定を受ける。
(3) 国語、社会、道徳の教科書のみ
(4) 前期中等教育の教科書及び後期中等教育の国語、国史、道徳の教科書
(5) 後期中等教育の教科書(国語、国史、道徳以外)
(6) 国語、イスラム教教育、道徳教育、歴史、アラビア語の教科書
(7) 社会科、公民・道徳及び母語(中国語、マレー語、タミール語)の教科書
(8) 社会科、公民・道徳、母語以外の教科書
(9) 社会科、シンガポール史、公民・道徳及び母語(中国語、マレー語、タミール語)の教科書
(10) 社会科、シンガポール史、公民・道徳、母語以外の教科書
(11) 主要5教科(道徳、国語、数学、理科、社会)
(12) 主要5教科以外

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