PISAでは、全体的に上位層と下位層との得点のばらつきが広がっており、特に読解力では得点の経年比較で、中位層の生徒が下位層にシフトしている。ただし、二極分化とまでは言えない状況。
TIMSSでも、中学校数学では経年比較で上位層から中位層、下位層にシフト。ただし、二極分化とまでは言えない状況。
PISAの読解力について、正答率や無答率を基にして分析すると、全般的に課題があるが、特に、読解プロセスにおいて「テキストの解釈」「熟考・評価」に、出題形式において「自由記述(論述)」に課題がある。
読解力について、今後の改善の方向性としては、各教科等を通じて、次の方向での改善が必要。
PISAの数学的リテラシーでは、今回初めて調査した、数(「量」領域)、統計や確率(「不確実性」領域)では2位グループであり、他の領域に比べて得点が低い。特に、「量」では記述式の問題、「不確実性」では解釈が必要な問題で課題がある。
TIMSSの数学では、同一問題について前回と比べて低下している。公開問題について経年比較で低下している問題について見ると、基礎的・基本的な計算の技能、数についての感覚などと関連の深い問題に課題。
小学校算数 問1 (数:分数と等しい小数を見つける)
正答率 60%(前回65%)
中学校数学 問3
(数:整数を分数でわる文章題を解く)
正答率 62%(前回70%)
算数・数学について、今後の改善の方向性としては、次の方向での改善が必要。
PISAの科学的リテラシーについて、正答率を基にして分析すると、全般的にOECD平均を上回っているが、科学のプロセスにおいて「科学的証拠と結果の解釈」、出題形式において「論述形式」の低下が認められる。
TIMSSの公開問題について国際平均値や同一問題との比較において低い問題について見ると、日常生活と関連付けた設問で課題がある
小学校理科 問5
(物理科学:ロウソクの消える様子)
正答率 51%(国際平均値66%)
小学校理科 問8
(物理科学:積み木の重量)
正答率 66%(国際平均値72%、前回76%)
科学・理科について、今後の改善の方向性としては、次の方向での改善が必要。
PISAの問題解決能力では、他の分野と同様に得点のばらつきはOECD平均より大きいが、習熟度レベル別の生徒の割合では、上位層の生徒が多く、下位層の生徒が少ない状況。
平均得点:547点(4位:1位グループ)
標準偏差:105
※ 問題解決能力とは、
「問題の状況が、1.現実のものであり、2.解決の道筋がすぐには明らかではなく、3.1つのリテラシー領域内に限定されない場合に、問題に対処し解決する能力」
初等中等教育局教育課程課
-- 登録:平成21年以前 --