(1)外国人児童生徒教育担当者連絡会において、「個別の指導計画」の書き方について研修を行ったことで、具体的な評価方法や日本語能力を考慮した後期の指導計画を立てることができた。今後は、再任用教員や初心者を含めた研修会の充実を図っていく必要がある。
外国人児童生徒教育推進委員会が主催する外国人児童生徒と保護者のための「進路を考える会」では、100名を超える保護者や児童生徒の参加があり、高校の入試制度について理解を深めることや、個別の相談に対応することができた。小学生の子をもつ保護者の参加についても積極的に呼びかけていく必要がある。
(2)国際設置校には、4名のバイリンガル相談員が巡回し、国際未設置校には、7名の日本語指導相談員が巡回したことで、散在地域にある学校にもきめ細かな支援を行うことができ、市内一定の水準の日本語指導を推進することができた。また、編入生徒対象の初期支援校「みらい」を設置したことで、中学生の初期の日本語指導が充実した。今後は、初期支援校2校目が開校することを受けて、編入以外の豊橋市に住む日本語の習得が不十分な生徒の受入も行っていく。また、中学校での日本語指導の充実に向けて、初期支援校「みらい」での実践を市内の各中学校に発信できるように準備を進めていきたい。
(3)2回の語彙調査をもとに、就学前と入学直後に日本語能力を把握することで、新年度が始まる前に、取り出し指導の時間割の編成や支援員の巡回予定の参考にすることができた。豊橋市外国人児童生徒教育研究部が主体で行っているDLA研修やその後の実践で、よさやステージを上げるための指導方法について理解を深めることができた。より多くの学校で実践に取り組めるように、今後も研修会の中で積極的に取り組んでいく必要がある。
(4)外国人児童生徒教育担当者連絡会において、「特別の教育課程」編成による「個別の指導計画」 の作成についての研修を行ったことで、児童生徒の日本語の力を客観的に把握することや前期の評価をもとに4技能のバランスを考慮して後期の指導計画を立てることの重要性について理解を深めることができた。今後は、「個別の指導計画」にもとづいた授業研究など、実践に即した研修が必要である。
(5)新しい高校入試制度の周知を図るとともに、保護者や現役高校生の講演を聞くことで、将来への希望をもたせることができた。今後は、多言語化への対応や小学生への積極的な参加呼びかけをしていく必要がある。
(6)日本語指導適応学級担当教員の加配のない学校に、日本語指導相談員を派遣したことにより、取り出し指導の充実を図ることができた。また、日本語教育適応学級担当教員の加配のある学校に、バイリンガル相談員を派遣したことで、日本語能力の向上だけでなく、生活指導や相談活動を実施することができた。このバイリンガル相談員の存在が、保護者との信頼関係を築くことに重要な役割を果たしている。よりきめ細かな指導の展開のためにも、外国人児童生徒の増加や散在化に対応させて、相談員の増員が必要である。
(10)ホームページに様々な情報を公開することにより、各地から連絡が入り、地域のみでなく全国に発信できた。情報提供を積極的に行うことで、他市町の外国人児童生徒教育の充実にもつながったと思われる。また、「個別の指導計画」については、どの教員も記入例を参考にして書くことによって、内容の充実が図られた。また、相談員や外国人児童生徒教育相談員の訪問により、年度の途中でも、担当教員の指導方法について振り返りを行うことができ、その後の指導に役立てることができた。今後は、ホームページに公開する情報について、新たに追加する項目も含めて整理をしていくとともに、翻訳作成文書にかけている時間が膨大であるため、市の翻訳センターを設置し、各学校で個々に対応している文書の翻訳を集中的に作成・管理するようなシステムを考えていきたい。
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