平成30年度「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(長野市)

平成30年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

長野市日本語指導運営協議会の組織(23名)
  • 大学教授1名、国際交流専門員1名、センター校学校長2名、センター校教頭2名
  • 長野県地域共生コミュニケーター1名、日本語教室教員8名、日本語指導協力者2名
  • 日本語指導巡回指導員5名、長野県国際化協会日本語学習主任コーディネーター1名
  • 事務局:教育委員会担当2名

2.具体の取組内容

(1)運営協議会・連絡協議会の実施
  • 長野市日本語指導運営協議会 年3回開催
    • 外国籍等児童生徒の在籍する学校間の連携体制及び各校の支援体制の充実を図った。
      • 第1回 長野市の外国籍等児童生徒の現況報告
        「平成30年度 長野市帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」の確認
      • 第2回 情報交換
      • 第3回 長野市日本語指導運営協議会報告書「とびたとう世界へ」の概要について
        平成31年度の事業実施について
    • 長野市日本語指導連絡協議会 年4回開催
      • 日本語指導教室設置校における支援体制の状況や授業を公開することにより、外国籍等児童生徒が在籍する学校における教育支援の充実を図った。
        • 第1回 講演 「忘れられない子どもたち・・・・・」長野県国際化協会
        • 第2回 公開授業 「英語を扱った『ショッピングゲーム』」 長野市立徳間小学校
           日本語指導教室担当教員による実践発表
           指導協力者・巡回指導員による実践発表
        • 第3回 講義・演習「リライト教材について」信州大学教育学部教授
           授業に関する意見交換・日本語指導に関する情報交換
        • 第4回 公開授業 「見たことを伝えよう」長野市立芹田小学校
           日本語指導に関する意見交換
(2)拠点校の配置等による指導体制のモデル化
  • 言葉や文化・習慣の異なる外国籍等児童生徒が、安心して就学できる体制づくりや、ひとりひとりの実態に応じた日本語指導の実践的研究を行うためセンター校を指定した。
    • 平成30年度 長野市日本語指導センター校:長野市立芹田小学校・徳間小学校 
(3)日本語能力測定方法等を活用した実践研究の実施
  • DLAを活用した具体的事例を基に研修を行った。
  • DLA活用の実践発表の場を設け、疑問点を解消する場とした。
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施
  • 従来から行っている日本語指導教室での取り出し授業について、連絡協議会内で課題等の検討を行った。
(6)日本語指導ができる、又は児童生徒等の母語が分かる支援員の派遣
  • 日本語指導が必要な外国籍等児童生徒が在籍する学校へ母語話者を派遣し、派遣先学校の担当教員をはじめ、関係者と連携を密にし、日本語指導(生活言語及び学習言語)、適応指導を実施した。
(10)成果の普及
  • 1年間の取り組みを実践報告冊子「とびたとう世界へ」にまとめ、市内小中学校及び関係機関等に配布した。
(11)その他
  • 信州大学教育学部、長野市国際室とともに「外国籍等児童生徒学習交流会」を開催した。
  • 長野県国際化協会と連携した学校支援を行った。(進学ガイダンス等)

3.成果と課題

(1)運営協議会・連絡協議会の実施

 〈成果〉関係者が日頃抱えている問題を共有し、工夫していることを紹介し合い、自校での指導に取り入れていくことができた。

 〈課題〉会議内容の精査及び、開催時期の検討を行いたい。

(2)拠点校の設置等による指導体制のモデル化

 〈成果〉センター校における実践や効果の共有は、他の日本語指導教室の指導・支援の向上に向けた具体的な事例として有意義である。

(3)日本語能力測定方法等を活用した実践研究の実施

 〈成果〉講義や演習、公開授業を通して研修の場を多く持つことが出来た。
 情報交換の場では、各校の活用についての実践報告が多く出てくるようになった。

(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施

 〈成果〉児童・生徒ひとりひとりの個人カルテを作成等、関係者の認識共有を図ることを促し、特に初めて日本語指導教室を担当する教員への内容周知が図れた。

 〈課題〉「特別の教育課程」による効果の検証を行う。

(6)日本語指導ができる、又は児童生徒の母語が分かる支援員の派遣

 〈成果〉母語話者の支援は児童・生徒のみでなく保護者にも安心感があり、保護者と支援員の信頼関係ができている。

 〈課題〉支援員の確保及び、支援時間の確保は引き続き課題である。また支援員自身の日本語力向上が必要なケースがある。

(10)成果の普及

 〈成果〉実践報告冊子等は、年度途中に初めて外国籍等児童生徒の受入れをした学校にとって重要な参考資料となった。

4.その他(今後の取組予定等)

  • 日本がまったく分からない状態の児童・生徒を受け入れる場合等、初期段階での支援の充実を図る。
  • 指導教材・図書の充実を図る。
  • 「特別の教育課程」を組む必要のある児童・生徒、母語話者の支援が必要な児童・生徒の見極めを適切に行い、効率よく充実した支援を行う。
  • 外国籍児童生徒の就学を受け付ける際に、日本語指導教室設置校を紹介し、効果的・効率的な日本語指導が行える環境での就学につなげる。

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総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035