平成30年度「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(広島市)

平成30年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

 事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

※ 日本語指導協力者

 教育委員会において、次のいずれかに該当する者を指導協力者として登録する。

  • ア 学校教育法に基づく大学若しくは短期大学又は専修学校で、日本語教育に関する専門課程を修了した者
  • イ 日本語教育能力検定試験に合格した者
  • ウ 日本語教師養成講座420時間を受講した者
  • エ 学校などにおいて日本語指導の経験がある者

2.具体の取組内容

(2)日本語指導コーディネーターを配置する「拠点校」を中心とした日本語指導体制の構築

 日本語指導の拠点校に配置した1名の日本語指導コーディネーターが、日本語指導体制の構築に関して主として次のことを行い、指導内容、教材等の研究及び普及を行った。

  • <1>日本語指導コーディネーターの在籍校における日本語学習指導
  • <2>日本語学習教室設置校への定期訪問
  • <3>要請に応じて、日本語指導が必要な児童生徒が在籍する学校への巡回訪問
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施
  • 担当者会議内で「特別の教育課程」や支援体制について協議
(6)日本語指導協力者の派遣
  • 日本語指導が必要な児童生徒に対し、日本語指導協力者を派遣する。
  • 1回の派遣につき、小学校1.5時間、中学校2時間の指導を実施。
  • 児童生徒1名につき、120回程度派遣する。
(10)成果の普及

 日本語指導コーディネーターを配置する「拠点校」を中心とした日本語指導体制を構築するとともに成果の普及を図った。

3.成果と課題

(2)拠点校の設置等による指導体制のモデル化
  • 日本語指導コーディネーターが、日本語学習教室設置校への定期訪問や、日本語指導が必要な児童生徒が在籍する学校の要請に応じた巡回訪問を行うことで、各校の受入体制及び指導体制の整備・充実を図ることができた。
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施
  • 特別の教育課程の実施に向けて日本語学習教室設置校を訪問指導し、個別の指導計画に基づく指導について実地指導を行ったことで、拠点校を中心に特別の教育課程の整備を段階的に進めていくことができた。
  • 拠点校が個別の指導計画のモデルを示すことで、各校が具体的にイメージすることができ、各校において個別の指導計画の作成に着手することができた。
(6)日本語指導協力者の派遣
  • 日本語指導協力者による日本語指導を主とした指導支援を行ったことで、学校生活へのスムーズな適応や、授業へ意欲的に参加する児童の姿が見られた。しかし、派遣対象児童生徒の増加にともない派遣回数が学校の要望回数を下回り、十分な指導が実施できていない。今後は、充実した指導が可能となる予算の確保が必要である。
(10)成果の普及
  • 日本語指導コーディネーターの定期訪問により、指導の実際を把握したり、日本語指導担当者との協議の場を設定し、情報を共有したりすることができた。
  • 拠点校の研究会において、日本語指導の実際を多くの関係者に参観してもらうことができた。また、日本語教育の分野の専門家の指導助言を仰ぐことができ、今後の日本語指導について改めて考える機会をもつことができた。

4.その他(今後の取組予定等)

(2)拠点校の設置等による指導体制のモデル化
  • 日本語指導コーディネーターに対し、初期適応指導や個別の指導計画作成に係る助言等の希望が増加傾向である。今後、個に応じた適切な指導を行っていく上で、日本語指導コーディネーターの派遣方法や拠点校の役割について整理していく必要がある。
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施
  • 日本語学習教室担当者対象に特別の教育課程の実施に係る研修会を開催する。
(6)日本語指導協力者の派遣
  • 児童生徒の実態に応じた計画的な指導ができるよう指導協力者研修の充実を図る。
  • 日本語指導の専門性の高い人材確保に努める。
(10)成果の普及
  • 指導の実際を参観し、その指導内容について協議することができるような研修会を設定する。

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総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035