平成30年度「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(宇治市)

平成30年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

 事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

2.具体の取組内容

(2)初期指導教室やセンター校等の設置

 センター校は外国語加配教員のいる、以下の3校とした。

  • 平盛小学校・・・宇治市大久保町平盛91‐3(対応言語)中国語 
  • 南部小学校・・・宇治市五ヶ庄戸ノ内15‐1 (対応言語)英語
  • 南宇治中学校・・・宇治市大久保町平盛31‐5 (対応言語)中国語
(3)日本語能力測定方法等を活用した実践研究の実施

 「日本語能力測定方法(DLA)」を宇治市帰国・外国人センター校へ配付し、本測定方法により把握した日本語能力を基に、個別の指導計画の作成等に活かすことができるよう、活用を促した。

(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施

 日本語指導が必要な児童生徒を対象とした「特別の教育課程」による日本語指導の実践を市内のセンター校(平盛小学校・南宇治中学校)で行った。

(5)日本語指導ができる支援員の派遣

 編入学直後の帰国・外国人児童生徒のうち、生活言語程度の日本語能力が十分でない児童・生徒に対して、日本の学校生活への適応指導や、基本的な日本語指導の充実を図るための講師を配置した。

  • <平盛小学校><1>中国語40時間 <2>中国語40時間 <3>中国語40時間
  • <南部小学校><4>タガログ語26時間 <5>ロシア語30時間
  • <南宇治中学校><6>中国語60時間 
(6)児童生徒の母語が分かる支援員の派遣

 帰国・外国人児童が在籍する公立学校に、学校と外国人保護者との連絡調整等を行う際に必要となる、指導補助者・支援員等を配置した。取組内容としては、保護者の日本語能力が十分でないことから、学校と保護者との間における意思疎通が困難な状況であるため、各学校で実施される行事の詳細な説明、事務的な手続きの説明、保護者懇談等の通訳等を実施した。

<南部小学校>
(ア)第2学年 日本籍の児童…1回1時間の通訳派遣

<西宇治中学校>
(イ)第2学年 中国籍の生徒…1回2時間の通訳派遣

(9)成果の普及

 帰国・外国人児童生徒の円滑な受入と制度・施策の適切な運用を図るため、帰国・外国人児童生徒の指導担当者等が集まり、各校における指導の現状の成果報告や交流、協議を行い、成果の普及、情報共有を図るとともに、帰国・外国人児童生徒教育に対する実践的な研修の機会とした。

<日本語指導担当者会>

  • 開催日時:平成31年1月15日(火曜日)13時30分~16時30分
  • 会場:宇治市立平盛小学校
  • 参加対象:日本語指導担当教員、外国人児童生徒在籍学級担任等

3.成果と課題

(2)初期指導教室やセンター校等の設置

 宇治市帰国・外国人センター校として平盛小学校・南部小学校・南宇治中学校の3校を継続設置し、入学・編入学予定の帰国・外国人児童生徒に対し、日本の学校生活への適応指導や基礎的な日本語指導が実施できるようにすると同時に、センター校以外の市内小・中学校に対して、情報提供や支援を行うことにより、円滑な受入促進を図ることができた。

(3)日本語能力測定方法等を活用した実践研究の実施

 受入する児童生徒の日本語能力に応じた個別指導の実施等におけるツールとして実際に役立てることができ、受入後の支援強化につながった。

(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施

 児童生徒が日本語を用いて学校生活を営むとともに、学習に取り組むことができるようにするため、児童生徒の日本語の能力を高める指導だけではなく、当該児童生徒の日本語の能力に応じて行う各教科等の指導により、効果的に行うことができた。

(5)日本語指導ができる支援員の派遣

 支援員の派遣や初期指導教室等を通して、帰国・外国人児童生徒に一定程度の生活言語を身につけさせることができ、当該児童生徒の学校生活を支援することができた。また、編入学直後の環境の変化にも、きめ細やかな支援により、うまく対応することができた。

(6)児童生徒の母語が分かる支援員の派遣

 日本語が話せない保護者との面談等において、児童生徒の日常の様子や連絡事項がうまく伝わらないなど困難な状況があったが、通訳を派遣することで円滑な意思疎通を図ることができた。

(9)成果の普及

 学校現場で実際に指導を行う教職員に対し、成果の普及及び情報共有を図ることができた。

4.その他(今後の取組予定等)

 受入時のみの支援員派遣では、対象児童生徒の日本語の定着には至らないこと、学齢が進むにつれて習得しなければならない日本語の難易度が上がることなどから、受入時以降も継続した支援が必要であると認識している。そのため、今後も引き続き、必要な予算の確保に努めるとともに、より有効な配置等を検討していく必要がある。

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電話番号:03-6734-2035