平成30年度「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(東近江市)

平成30年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

 事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

2.具体の取組内容

<3>日本語能力測定方法等を活用した実践研究の実施
  • 日本語指導担当者会
    • 日本語能力測定方法等の学習会の実施。(6月)
    • 日本語能力測定方法等を活用した対象児童の実態を通した研修会(市立の小中学校内の日本語指導教室の公開授業を実施)(11月)
<4>「特別の教育課程」による日本語指導の実施
  • 「特別の教育課程」による日本語指導の実施に係る協議会
    • 「特別の教育課程」の編成と実施について。(4・6月)
    • 個別の指導計画に基づいた指導実践について交流し、理解を深める。(日本語指導担当者会)(11月)
    • 個別の指導計画の見直し、指導の改善について。達成目標の評価。(3月)
<9>成果の普及
  • 紀要を作成し、実践の概要と成果を市全体へ周知する。(年度末~年度始)
<1>運営協議会・連絡協議会の実施
  • 運営協議会
     必要に応じて開催し、日本語初期指導教室の運営について協議する。
    • 運営全般について
    • 事務的な手続きについて
    • 給食対応について
    • 入学前の対応について
       (教育委員会、設置校校長・養護教諭、日本語初期指導教室室長)
  • 連絡協議会
     日本語指導担当者会を開催し、実践交流及び今後の指導についての協議を行う。(6月 11月)
     中学校区内の幼小中の教員が一堂に会し、児童生徒の実態を把握し、情報共有を行う。(各月1回)
<2>拠点校等の設置や拠点的機能の整備

 市立小中学校に在籍し、日本語の初期指導が必要と認められる外国人児童生徒に対し、「日本語初期指導教室」において学校教育に必要な初歩的・基礎的な生活指導及び日本語指導を含む適応指導を一定期間集中的に行っている。これにより、通室する児童生徒の在籍校での学校生活を円滑に進める力を育成することはもとより、その成果を広めることで市内の拠点としての役割を担っている。

<6>児童生徒の母語が分かる支援員の派遣

(日本語指導を必要とする外国人児童生徒等教育支援事業)
 外国人児童生徒の在籍する学校に対して、ポルトガル語4名、スペイン語1名、タガログ語1名の支援相談員を派遣する。

  • 業務内容
    1. 日本語指導を必要とする外国人児童生徒(以下「児童生徒」)の日本語指導、学習指導と生活指導等に関わる補助(通訳、翻訳、相談等)
    2. 児童生徒の保護者等との懇談・相談・連絡時等の補助(通訳、翻訳、相談等)

3.成果と課題

<3>日本語能力測定方法等を活用した実践研究の実施
  • 学習会や研修会を行うことで、担当者が測定方法を理解することができた。
  • また、校内の教員に日本語能力測定方法の必要性を周知することができ、外国人児童生徒のより深い理解につながった。
  • 日本語能力測定方法等を活用して児童生徒の実態を把握することにより、個に応じた効果的な指導を実施することができた。
  • 日本語能力測定方法等を活用して児童生徒の実態把握をしているが、1人ずつの見取りなので、時間がかかるのが現状である。また、外国にルーツのある児童が多いが、教員数が少ない学校は補助教員がいないため、外国人児童・生徒教育支援事業における支援相談員が補助するなどの対応が必要である。
<4>「特別の教育課程」による日本語指導の実施
  • 指導者と支援者が個々の役割を自覚した上で計画を立てることができた。
  • 個別の指導計画の計画・実施・見直しを行うことにより、対象児童の日本語能力や学力の向上につながった。また、在籍学級での生活や学習活動への参加が多くなった。
  • 該当児童の日本語能力や課題について、より多くの情報から正確な資料を作成するために、個別の指導計画作成時に担任や加配教員だけでなく、支援相談員等が関わることが大切である。
<9>成果の普及
  • 市立小中学校へ配付することにより、外国人児童生徒に対する教育の理解を深められた。
  • 年度末から年度始めの配布になるため、全教員への周知が難しい。
<1>運営協議会・連絡協議会の実施
  • 日本語初期指導教室の運営において、連携、協力した支援体制が構築できた。
  • 中学校区で課題を共有することにより、地域全体の指導・支援の質の向上を図る。
  • 日本語指導担当者が各校一人であり、普段の授業や生活指導において、相談することができない現状である。今後も連絡協議会や授業公開後の研修会で交流できる時間を設ける必要がある。
<2>拠点校等の設置や拠点的機能の整備
  • 言葉や学校生活に馴染み・理解するための、日本語初期指導教室を開設し、外国人児童生徒へのよりきめ細かな指導を推進するための日本語初期指導を実施し、地域の拠点としての役割を担うことができた。
  • 日本語指導加配教員(正員・非常勤)との連携を深めることで、「受け入れ(日本語と生活習慣の獲得)→学習の充実」という流れを確立させている。
  • ポルトガル語の母語支援員しかいない中、タガログ語や中国語の母語支援員が必要になったため、市の日本語支援相談員の派遣校を変更して対応をしたがきめ細かな指導が難しい現状である。また、在籍校での生活を円滑に進めるための引継ぎや授業参観の時間確保が難しい。
<6>児童生徒の母語が分かる支援員の派遣
  • 学校や担任の指導を支援することにより、外国人児童生徒や保護者と学校とをつなぐかけ橋となった。
  • 支援相談員と母語の会話をすることで児童生徒の学校生活への不安の緩和、心の安定が図れた。
  • 支援員が派遣されることによって課題のある児童生徒に対するよりきめ細かな対応が可能となった。 
  • 学校や担任の指導を支援することにより、外国人児童生徒や保護者と学校とをつなぐかけ橋となったが、休日まで、困ったことがあると支援相談員に連絡をとることがあり、負担になっている。また、きめ細かな指導のために、学期末の翻訳業務等が大変多く、時間外勤務も増えている現状である。

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