平成30年度「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(長浜市)

平成30年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

 事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

 長浜市外国人児童生徒教育担当者連絡協議会の構成員:
 外国人子どもサポート室長、日本語教育加配教員または学校の担当者、市主任指導員、各言語サポート支援員、市教育委員会事務局担当者

2.具体の取組内容

(1)運営協議会・連絡協議会の実施
  • 年2回の「長浜市児童生徒の日本語指導にかかる担当者連絡協議会」を開催した。
     12月4日:市内外国人児童生徒の現状把握と(4)についての協議、特別支援教育についての研修
     2月26日:(4)についての協議、今後の課題の整理(両日とも長浜市役所本庁にて開催)
(2)拠点校の設置等による指導体制のモデル化
  • 外国人児童生徒対応の加配配置校で、30人を越える規模の学校2校に、教員免許を有する「外国人児童生徒学習指導員」(非常勤講師)を配置し、加配教員と協力して、外国人児童生徒に「学習指導」「生活指導」を行った。
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施
  • 協議会にて、「特別の教育課程」による日本語指導の実施のための協議を行った。
    • 4月 :各校にて「特別の教育課程」の編成
    • 12月:協議会にて、個別の指導計画に基づいた指導実践の共有
       個別の指導計画の見直し、指導の改善
    • 2月 :協議会にて、達成目標の評価、来年度に向けて長浜共通の様式について改善点等の検討
(6)日本語指導ができる、又は児童生徒等の母語が分かる支援員の派遣

 サポート支援員を定期的に市内9小学校、4中学校に派遣した。また、定期の家庭訪問や緊急の家庭訪問・保護者対応にも通訳として担任教員に同行した。学期末の個別懇談会や新入生説明会でも通訳を務めた。さらに、学校便りや保健便りといった、保護者配布文書の翻訳を行った。

(10)成果の普及
  • 平成30年12月18日(土曜日)長浜市国際交流協会が行うスピーチ発表会「You 弁 In Nagahama」にて、市内外国籍中学生1名が日本語でスピーチを行った。また、本市の子どもサポート主任指導員もスピーチを行い、日頃の小中学校での支援や活動の様子等を報告した。

3.成果と課題

  • (1)各校の実践を交流することで、市内で共有すべき指導・支援の在り方を確認できた。また、「特別の教育課程」について、長浜市様式の改善点の検討を行った。今後、児童生徒、保護者に対して、より適切な支援や指導が行えるよう、進路指導や保護者への関わり方等についての研修会をもつ必要がある。
  • (2)教員免許を有する学習指導員を配置することで、より一層個の力に応じた適切な学習指導が可能となった。また、加配指導員と協力をすることで指導が分散でき、一人ひとりの基礎的な学力の定着を図ることができた。特に中学校では、進路実現を控える3年生に、「学習指導」と併せて「進路指導」も丁寧に行えるようになった。今後は、常勤講師を配置するなど、特に中学校への配置時間数を増やし、より一層加配教員と密に連携、協力をして生徒の支援ができるようにしていきたい。
  • (4)市内共通様式を作成したことで、各学校で一定の指導の在り方について共通認識することがでるようになった。また、作成者の負担も軽減できるようになった。市内共通様式について、今後も検証し、より効果的に日本語指導が実施できる体制を構築していく。
  • (6)サポート支援員の計画的な派遣、支援を行い、外国にルーツをもつ児童生徒の日本語によるコミュニケーション能力と基礎的・基本的な学力向上のための一助となった。学習指導、生活指導、教育相談を在籍校で適宜行うことができ、外国にルーツをもつ児童生徒の学校生活をより円滑にし、また生徒指導等の問題が起こったときにも迅速に対応し、早期に解決することができた。外国にルーツをもつ児童生徒の保護者の不安を解消でき、特に転出入時の手続きについてもスムーズに行うことができた。大規模在籍校では、転出入も多く、また、様々なトラブル等も発生し、緊急の対応も増えている。
     次年度からサポート指導員を1名増員し、大規模在籍校に終日配置をし、初期指導の充実や緊急時の生徒指導や保護者支援等にすぐに対応することで、児童生徒がより安心して、安定した学校生活が送れるようにする。
  • (10)中学生のスピーチ発表では、多くの参加者に向けて、日頃の日本語学習の成果を披露することができた。また、子どもサポート主任指導員からの報告をとおして、多くの方に学校における取組を知っていただく機会となった。スピーチ発表会については、今後は、児童生徒が複数参加ができるよう働きかけをしていきたい。スピーチ発表会の主催者である市国際交流協会では、語学教室や多文化交流の行事などを開催されている。今後、学校と協会が協力・連携して、外国人児童生徒の支援につなげていく方策について検討していきたい。

4.その他(今後の取組予定等)

 次年度からサポート指導員を1名増員し、大規模在籍校に終日配置し、初期指導の充実や緊急時の生徒指導や保護者支援等にすぐに対応することで、児童生徒がより安心して、安定した学校生活が送れるようにする。

お問合せ先

総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035