平成31年度「帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(長浜市)

平成31年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

事業の実施体制

長浜市外国人児童生徒教育担当者連絡協議会の構成員:
外国人子どもサポート室長、日本語教育加配教員または学校の担当者、市主任指導員および指導員、各言語サポート支援員、市教育委員会事務局担当者
 

2.具体の取組内容 

(1) 運営協議会・連絡協議会の実施

○年2回の「長浜市児童生徒の日本語指導にかかる担当者連絡協議会」を開催した。
第1回 12月6日:外国人児童生徒の日本語指導について、(4)についての協議、情報交換
第2回 2月25日:達成目標の評価、来年度に向けて市内共通様式について改善点等の検討
(第1回:長浜市役所本庁、第2回:学校(日本語教室)にて開催)

(2) 拠点校の設置等による指導体制のモデル化

○常勤のサポート指導員を1名雇用し、拠点校2校に日替わりで終日配置をすることで、加配教員やサポート支援員等と連携をしながら、初期指導対応や、児童生徒及びその保護者や教員への支援や教育相談、就学指導等を行い、支援の強化へとつなげた。また、学習面・生活面での指導ができる「外国人児童生徒学習指導員」(非常勤講師)を3校に派遣し、加配教員と協力して外国人児童生徒の指導に当たった。

○外国人児童生徒対応の加配配置校で、30人を越える規模の学校3校に、教員免許を有する「外国人児童生徒学習指導員」(非常勤講師)を配置し、加配教員と協力して、外国人児童生徒に学習指
導や生活指導を行った。

(4) 「特別の教育課程」による日本語指導の実施

○協議会にて、「特別の教育課程」による日本語指導の実施のための協議を行った。
 

                      4月 各校にて「特別の教育課程」の編成
  1学期末 各校にて「個別の指導計画」の見直し、指導の改善
  12月 協議会にて、個別の指導計画に基づいた指導実践の共有
  2学期   各校にて「個別の指導計画」の見直し、指導の改善
  2月 協議会にて、今年度の実践の振り返りおよび市内共通様式について検討

 

(6) 日本語指導ができる、又は児童生徒等の母語が分かる支援員の派遣

○サポート支援員を定期的に市内9小学校、4中学校に派遣した。また、定期の家庭訪問や緊急の家庭訪問・保護者対応にも通訳として担任教員に同行した。学期末の個別懇談会や新入生説明会でも通訳を務めた。さらに、学校便りや保健便りといった、保護者配布文書の翻訳を行った。

(12) 成果の普及

○令和元年11月29日実施の「令和元年度帰国・外国人児童生徒指導者連絡協議会兼公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業運営連絡協議会兼外国人児童生徒担当者配置校連絡協議会」において、本市内小学校の加配教員より、外国人児童生徒の現状と課題日本語教室の運営、日本語加配指導教員による取り組み等について報告を行った。
 

3.成果と課題

(1)協議会を学校現場(日本語教室)で開催し、実際使用されている教材やICT機器を使った研修、各校の実践を交流することで、市内で共有すべき指導・支援の在り方などを確認できた。今後、児童生徒や保護者に対して、より適切な支援や指導が行えるよう、進路指導や保護者への関わり方等についての研修会をもつ必要がある。

(2)常勤のサポート指導員1名を、日本語指導が必要な児童生徒の在籍数が多い学校2校に日替わりで終日配置することで、初期指導への対応や、児童生徒及びその保護者や教員への支援や教育相談等の支援を行った。また生徒指導事案発生時などの緊急時の対応の強化へとつながった。今後は、増加傾向にある海外から直接転入してくる児童生徒が、安心してスムーズに学校生活に慣れるために、初期指導の充実を図っていく必要がある。

(4)市内共通様式の活用により、在籍児童生徒について、各学校で一定の指導の在り方を共通認識することができるようになった。また、作成者の負担軽減も図れている。今後も市内共通様式について検討を進め、より効果的に日本語指導が実施できる体制を構築していく。

(6)サポート支援員の計画的な派遣、支援を行い、外国にルーツをもつ児童生徒の日本語によるコミュニケーション能力と基礎的・基本的な学力向上のための一助となった。また、学習指導、生活指導、教育相談を在籍校で適宜行うことができ、外国にルーツをもつ児童生徒の学校生活をより円滑にし、また生徒指導等の問題が起こったときにも迅速に対応し、早期に解決することができた。外国にルーツをもつ児童生徒の保護者の不安を解消でき、特に転出入時の手続きについてもスムーズに行うことができた 。今後の課題としては、支援が必要な児童生徒の多言語化への対応として、音声翻訳機やICT等の活用など、対象児童生徒に対する支援の方策を考えていく必要がある。

表

 

4.その他(今後の取組予定等)

海外から直接転入してくる児童生徒も増加傾向にあり、言葉の問題はもちろん、文化や生活習慣の違いから、本人自身の様々な困難や、周囲とのトラブルにつながることも大変多い。児童生徒が安心してスムーズに学校生活に慣れるために、生活適応指導および生活に必要な初歩的、基礎的な日本語指導などの「初期指導」対応に特化した指導員1名雇用し、対象児童生徒の支援・指導ができるようにしていく。

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