平成29年度 「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(久留米市)

平成29年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

 事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

2.具体の取組内容

(1)運営委員会・連絡協議会の実施
  • 第1回日本語指導担当教員連絡協議会(平成29年6月16日)
    • 年度当初の取組について
    • 日本語指導担当教員の役割、課題についての交流
  • 第2回日本語指導担当教員連絡協議会(平成29年12月15日)
    • 2学期までの取組について
    • 講演
    • 協議
  • 第3回日本語指導担当教員連絡協議会(平成30年2月23日)
    • 1年間の総括及び今後の課題についての交流
    • 各学校の担当者からの児童生徒の実態や課題、実践報告等
(3)日本語能力測定方法等を活用した実践研究の実施 (必須実施項目)

 日本語能力測定方法の活用については、日本語指導教員を対象とした以下の研修会においてその活用方法等についての講話、演習等を行った。

  • 日本語指導担当教員研修会
  • 日本語指導教員研修会(平成29年6月28日)
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施 (必須実施項目)
  • 日本語指導教員研修会(平成29年6月28日)
    • 学校における日本語指導の流れについて
    • 「特別の教育課程」を編成や個別の指導計画の作成について
    • 実態の把握から指導計画の作成、指導・学習評価・指導計画の見直しのPDCAサイクル
    • 「日本語力に応じた指導プログラム例」等を参照した指導目標の設定について
    • 「外国人児童生徒の受入れの手引き」等を参照した日本語学習内容の設定について
    • 指導内容、方法に関する評価について
  • 第2回及び第3回日本語指導担当教員連絡協議会
    • 12月と2月に行われた連絡協議会の中で、「特別の教育課程」の編成と指導のあり方について協議
    • 取り出し指導による日本語指導と入り込みによる学習支援の実践事例
    • 「特別の教育課程」を編成する際の指導体制づくり
    • 年度途中に転入してくる児童生徒に対する様々な支援のあり方
    • 講義「日本語指導が必要な児童生徒の状況と課題について」
(5)日本語指導ができる支援員の派遣、(6)児童生徒の母語が分かる支援員の派遣

 日本語の理解が困難な外国人児童生徒等が在籍している学校に対して、外国人児童等授業介助員を派遣し、学校が作成した指導計画に沿って、学習支援及び日本語指導支援、学校生活適応支援、保護者との教育相談及び連絡の支援を行った。

  • 平成29年度の配置校数
    • 小学校14校、中学校4校
(9)成果の普及 (必須実施項目)
  • 連絡協議会において平成29年度の総括
  • 成果と課題の取りまとめ
    • 各学校での取組の成果や課題を取りまとめ、各学校へ情報発信する。

3.成果と課題

(1)運営委員会・連絡協議会の実施
  • ○家庭・学校・行政のそれぞれの立場から、今後の支援策について協議することができ、必要な支援策に関するアイディアや意見交流を行なうことができた。
  • ●中学校においては、多様な母語に応じた生徒及び保護者への高校進学や就職に関する情報を提供できるようなシステムを構築する必要がある。
(3)日本語能力測定方法等を活用した実践研究の実施 (必須実施項目)
  • ○日本語能力の測定方法に関する研修を通して、日本語指導の充実を図るための実態把握のあり方について、具体的に学習することができた。
  • ●多様な言語に対応するための個別の指導計画や指導事例を市として取りまとめていき、学校と共有して指導・支援に活用できるようにする必要がある。
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施 (必須実施項目)
  • ○研修会における児童生徒の受入から実態把握、「特別の教育課程」の編成、「特別の教育課程」による指導の終了判断に至るまでの流れが全体で確認できた。
  • ●日本語指導教員が変更になる学校もあるため、個々の児童生徒の日本語の習得状況や各学校での支援体制(日本語指導担当教員の有無、介助員の配置状況、支援言語の数等)に関して引継ぎがスムーズに行われるように、日本語指導の取組に学校間格差が出ないように、情報共有の日常化を図る必要がある。
(5)日本語指導ができる支援員の派遣、(6)児童生徒の母語が分かる支援員の派遣
  • ○対象の児童生徒が在籍する学校に、母国語を話すことができる外国人児童等授業介助員を派遣することで、日本語の初期指導や学習用語の説明などの支援を個別に行い、日本語の習得、学習に必要な日本語の理解を支援することができた。
  • ●家庭の課題や人間関係、学力面等の様々な問題から、スムーズに学校生活に馴染めない児童生徒もおり、生徒指導面での支援も少なくないため、児童生徒との良好な関係を築くことができる介助員の確保が不可欠である。
(9)成果の普及 (必須実施項目)
  • ○日本語指導担当教員がどのような取り組みを行っているのか、日本語指導が必要な児童生徒が転入してきた場合に、どのような配慮や支援が必要なのかを提示することができた。
  • ●年度途中に、日本語が全く話せない児童生徒が転入してくることがあり、殆どの保護者は、日本語指導担当教員がいる学校への通学を希望してくる。そのため、特定の学校に偏ってしまい、学校の負担が大きくなっている。成果の普及を活用し、市内全ての学校において日本語指導や支援をいつでもできる体制づくりが必要である。

4.その他(今後の取組予定等)

  • ○授業介助員は、教育委員会としても新たな人材を発掘、確保する必要があるため登録制度を実施しており、今後も英語や中国語等の多様な言語に対応できるように、関係機関等への協力要請を図るために広報活動を充実させる。
  • ○中学校卒業後の進路保障に関する課題があり、市としても、日本語指導が必要な生徒の公立高等学校への進学指導や受入体制の整備を進めていく。

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総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035