平成29年度 「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(広島市)

平成29年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

 事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

※ 日本語指導協力者
 教育委員会において、次のいずれかに該当する者を指導協力者として登録する。

  • ア 学校教育法に基づく大学若しくは短期大学又は専修学校で、日本語教育に関する専門課程を修了した者
  • イ 日本語教育能力検定試験に合格した者
  • ウ 日本語教師養成講座420時間を受講した者
  • エ 学校などにおいて日本語指導の経験がある者

2.具体の取組内容

 平成29年度帰国・外国人児童生徒の受け入れに係る研修会の実施

  • 日時 平成29年8月1日(火曜日)9時50分~16時30分
  • 内容
    • [1]講義
      • JSL児童生徒の現状と受け入れ体制づくり
        東京学芸大学国際教育センター 教授 吉谷 武志先生
      • JSL児童生徒の言葉と学び―JSLカリキュラムの考え方と授業改善―
        東京学芸大学国際教育センター 准教授 菅原 雅枝先生
    • [2]実践発表 ・広島市立基町小学校の受け入れ体制と日本語指導
      広島市立基町小学校 校長 二宮 孝司先生
      広島市立基町小学校 教諭 川﨑 敏子先生
    • [3]講義 ・ワークショップの課題‐日本語能力を考慮した授業づくりの考え方―
      福岡市教育委員会指導部学校指導課 指導主事 西村 綾子先生
      愛知県小牧市立大城小学校 教諭 伊藤 敦子先生
    • [4]分野別協議
  • 対象者 広島市立小学校、広島特別支援学校の校長又は教頭、教諭等
    日本語学習教室担当者、日本語指導協力者及び各校の帰国・外国人児童生徒教育担当者等(当該児童生徒の学級担任等も含む)(65名参加)
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議会の実施
  • 担当者会議内で「特別の教育課程」導入に向けて検討
(5)日本語指導協力者の派遣
  • 日本語指導の必要な小・中学校児童生徒に対し、日本語指導協力者を派遣する。
  • 1回の派遣につき、小学校1.5時間、中学校2時間の指導を実施。
  • 児童生徒1名につき、120回程度派遣する。
(9)成果の普及
  • 日本語学習教室設置校である基町小学校を拠点校として位置づけ、日本語指導コーディネーターを配置することにより、日本語指導体制を構築するとともに成果の普及を図った。

3.成果と課題

(3)日本語指導能力測定方法活用のための協議会の実施
  • DLAの活用範囲が限られている。学校の担当者等で協議しながら児童生徒の日本語力を測定することについては課題があるが、DLAを教材として活用しながら児童生徒の日本語力を把握するという活用の仕方は広がってきている。
    今後も、継続して研修会等でDLAについての周知を図り、児童生徒の日本語力を測定する一つの方法として活用していくとともに、DLA測定のスキルを身に付け、DLAを活用することができる人材の育成にも努めていく。
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議会の実施
  • 特別の教育課程の導入に向けての検討を行った。
    →日本語学習教室設置校から順次導入する段階的な実施が必要である。
(5)日本語指導ができる支援員の派遣
  • 日本語指導が必要な児童生徒の実態に応じて個別指導を実施したことで、学校生活へのスムーズな適応や、授業への意欲的な参加を促すことにつながった。指導回数が十分ではなく、学校からも追加派遣の要望があがっており更に十分な指導が実施できるよう、予算の確保が必要である。
(9)成果の普及
  • 日本語指導コーディネーターの巡回訪問により、指導の実際を把握したり、日本語指導担当者との協議の場を設定し、情報を共有したりすることができた。今後も、このような成果普及の機会を設定していきたい。
  • 公開研究会で指導の実際を参観することを通して、その後の指導にすぐに生かせるポイントを参加者が共有することができる。今後も、このような成果普及の機会を設定する必要がある。

4.その他(今後の取組予定等)

(3)日本語指導能力測定方法活用のための協議会の実施
  • DLAについての周知を図り、DLAを活用することのできる人材育成にも努めていく。
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議会の実施
  • 日本語学習教室担当者対象に特別の教育課程の実施に係る協議会を開催する。
(5)日本語指導ができる支援員の派遣
  • 限られた指導回数の中で効果的な指導ができるよう指導協力者研修の充実を図る。
  • 人材確保に努める。
(9)成果の普及
  • 実際の指導を参観し、ポイントを参加者が共有することができるような機会を設定する。

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