平成29年度 「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(箕面市)

平成29年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1.事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

 事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)

2.具体の取組内容

(1)運営協議会・連絡協議会の実施

 箕面市日本語指導協議会の実施

  • 年3回実施(2回実施済。第3回は2~3月に実施予定)
  • 構成員:日本語指導加配教員(豊川南小)、第四中学校教員、南小学校教員、箕面市在日外国人教育研究会担当者、箕面市国際交流協会担当者、指導主事
  • 内容:箕面市の日本語指導の現状と課題、箕面市国際交流協会との連携、他市・府・国の情報共有等
(3)日本語能力測定方法等を活用した実践研究の実施

 DLAの実施及びその結果を活用した日本語指導を検討する研究協議を開催

  • 実施回数:35回
    (DLAの様子をライブ中継して研究協議をした回数:4回、研修を兼ねて実施した回数:4回)
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施

 豊川南小学校に配置された日本語指導加配教員による、「特別の教育課程」として、以下の内容を実施

  • 対象:13名
  • 実施時間:週平均25時間以上
  • 内容:
     休憩時間、給食準備の待ち時間等を活用した指導を実施
     担任との緊密な連携
     他校でのDLA実施及び日本語指導を検討する研究協議に参加
(5)日本語指導ができる支援員の派遣 (6)児童生徒の母語が分かる支援員の派遣

 日本語の理解が不十分な児童生徒に対する、通訳(日本語指導支援員)の派遣

  • 対象児童生徒:10名
  • 通訳者:6名
  • 対応言語:英語、アラビア語

 日本語の理解が不十分な保護者に対して、通訳を派遣

  • 対象児童生徒の保護者:21名
  • 通訳者:9名
  • 対応言語:ロシア語、アラビア語、インドネシア語、タイ語、中国語、英語
(9)成果の普及

 [1]箕面市在日外国人教育研究会と協力しての成果の普及活動の実施

  • DLA及び日本語指導検討会を実施する際、参加者を募り、DLA等の普及活動を実施
  • 定例の箕面市在日外国人教育研究会の会議で、指導主事より活動の報告、説明等を実施

 [2]平成29年度 外国人児童生徒等に対する日本語指導 指導者養成研修(独立行政法人教職員支援機構主催)」において、箕面市の取組について発表

 [3]「平成29年度 第2回日本語指導教育担当指導主事連絡会(大阪府教育庁主催)」において、箕面市の取組について発表

 [4]大阪大学外国語学部授業「外国語教育(K)‐文化言語の多様な子どものためのバイリンガル教育‐」において、箕面市の取組について発表

3.成果と課題

(1)運営協議会・連絡協議会の実施

【成果】

  • 本市で1名の日本語指導加配教員が孤立することなく、他校や箕面市在日外国人教育研究会、箕面市国際交流協会との連携を深めることができた。
  • 学校、教育委員会、箕面市在日外国人教育研究会、箕面市国際交流協会とが日本語指導に関する協議を行い、情報共有、連携が進んだ。

【課題】

  • 日本語指導加配教員配置校以外での、効果的な日本語指導の実施方法、体制の研究。
  • 通訳(日本語指導支援員)派遣終了後の、日本語指導の実施方法、体制の研究。
(3)日本語能力測定方法等を活用した実践研究の実施

【成果】

  • DLA及びその後の研究協議を、校内研修に位置づけてくれた学校もあり、DLAや日本語指導の必要性について、参加した教職員への認識が広まった。
  • DLAを視聴しながら、日本語指導方法の検討等を行ったことにより、日本語指導担当者以外からも、児童生徒に合った様々な日本語指導方法が協議できた。

【課題】

  • DLA実施可能な教職員の育成。
  • DLAや日本語指導の必要性をより広めたいが、他校開催のDLA等に教職員が参加することは難しい。
(4)「特別の教育課程」による日本語指導の実施

【成果】

  • 毎週、時間割を作成し、可能な限り多くの時間に日本語指導加配教員が対象児童に関わることができるようにしたため、対象児童全員の日本語能力等をより適格に把握することができた。
     ⇒対象の13名全員のDLA及び検討会を実施
  • 日本語指導対象の児童13名全員の日本語能力が向上した。
     ⇒DLAのいずれかの項目でレベルを1つ以上向上させた。
  • 日本語指導加配教員が他校に出向き、日本語指導について検討会に参加し、他校教員等と協議ができた。

【課題】

  • 担任等(日本語指導加配教員以外)が、特別の教育課程による日本語指導を実施するのは、とても難しい現状がある。
    ⇒時間的な問題、専門性の問題等
(5)日本語指導ができる支援員の派遣 (6)児童生徒の母語が分かる支援員の派遣

【成果】

  • 児童生徒の日本語能力の向上。
     ⇒通訳が派遣された10名全員が、DLAのいずれかの評価項目においてレベルを1つ以上、向上することができた。)
  • 児童生徒が母語を学校で話す機会を確保。
  • 児童生徒が日本語だけでなく、母語で日本語学習に取り組む機会を確保。
  • 保護者と学校との円滑な意思疎通の推進。

【課題】

  • 児童生徒によっては、通訳派遣の時間数、期間の不足。
  • 通訳と学校の予定の調整。
  • 児童生徒の日本語能力の変化に合わせて、通訳(日本語指導支援員)が行う支援方法も変化させなければならない。
(9)成果の普及

【成果】

  • 「平成29年度 外国人児童生徒等に対する日本語指導 指導者養成研修 研修のしおり」の中に掲載。
  • 大阪府の他市町指導主事との連携が進み、他市の取組を箕面市在日外国人教育研究会、箕面市国際交流協会とも情報共有することができた。
  • 将来日本語指導等に携わろうとする大学生、大学院生との連携が進んだ。

【課題】

 日本語指導が必要な児童生徒は少数点在で、短期間での転出入が比較的に多く、日本語指導が必要な児童生徒が在籍していない学校も多いため、全市的に普及していくことは難しい。

4.その他(今後の取組予定等)

  • 豊川南小学校を拠点校に設定
  • 日本語指導加配教員による巡回指導

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総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035