平成28年度　「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要（宍粟市）

平成28年度に実施した取組の内容及び成果と課題

1．事業の実施体制（運営協議会・連絡協議会の構成員等）

• 教育委員会事務局学校教育課長
  • 人権教育担当指導主事
  • 国際理解教育担当指導主事
  • 社会教育文化財課長
• センター校校長
• 該当児童担任

2．具体の取組内容

　※取り組んだ実施事項［1］～［8］について、それぞれ記入すること

［2］初期指導教室やセンター校等の設置

• 通年でセンター校（宍粟市立山崎西小学校）を設置する。
• 学校での早期適応をめざした初期指導教室をセンター校に開設し、初期日本語指導等を行う。

［3］日本語能力測定方法の活用

• 日本語能力測定方法の研修会をセンター校において実施（平成28年8月17日）
• センター校において、日本語能力測定を実施（平成28年9月7日）
• センター校において、測定結果をもとにした今後の日本語指導について協議（平成28年10月11日）

［4］「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議会の実施

• 「個別の指導計画」について協議（平成28年5月18日）
• 「個別の指導計画」作成に向けて説明会の実施および各校への周知（平成28年8月17日）

［5］日本語指導ができる支援員を派遣

• センター校に1名の日本語指導員を派遣（2時間×30日）
• 家庭訪問を行い、該当児童及び保護者への日本語指導を実施

［6］児童生徒の母語が分かる支援員の派遣

• センター校に1名の日本語指導員を派遣（2時間×30日）※上記［5］と同一の支援員
• 該当児童在籍校（宍粟市立山崎西小学校）において、該当国の理解を深める研修会の実施
• 該当児童及び保護者へのカウンセリングの実施

3．成果と課題

　※取り組んだ実施事項［1］～［8］について、それぞれ記入すること

［2］初期指導教室やセンター校等の設置

• 学校での早期適応をめざした初期指導教室をセンター校内に設置
• 児童の母語が理解でき日本語指導ができる支援員、学級担任、児童生徒支援教員等により、初期の日本語指導や学校への適応指導等を行った。
• センター校（宍粟市立山崎西小学校）において、日本語能力測定研修会等の開催

［3］日本語能力測定方法の活用

• センター校において研修会を実施し、日本語能力測定方法（DLA）を用いて児童生徒の日本語能力を把握することができるように協議した。
• 児童生徒の日本語能力について客観的に測定・評価をする日本語能力測定方法について理解を深めることができた。
• 日本語能力の測定方法およびその意義については、該当児童生徒の在籍していない学校の教職員にとっては、喫緊の課題としては捉えにくい面があり、まだまだ理解が進んでいない。

［4］「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議会の実施

• 日本語能力を測定することが「特別の教育過程」を編成するために大きく役立つことを教職員が理解することができた。
• 「特別の教育過程」について検討を行ったが、まとまった形とすることができなかった。今後も研究と協議を進め作成を進めていきたい。

［5］日本語指導ができる支援員を派遣

• 該当児童の母語が理解でき、かつ日本語指導ができる支援員をセンター校に設置していることで、該当児童の日本語能力が向上するとともに、学校と保護者との意思疎通が図られ信頼関係を構築することができた。
• 該当児童及び保護者については、支援員の通訳により、日本の文化や生活様式に対する理解が進んできており、生活上の困難さが軽減してきている。

［6］児童生徒の母語が分かる支援員の派遣

• 学校への適応指導や家庭訪問などを通じて、日本語指導や生活支援だけではなく、慣れない日本での生活に対する不安を取り除くためのカウンセリングも行った。
• 該当児童の母語が3種類（スペイン語、ビサイヤ語、英語）となっており、単独の支援員による支援は限界がある。

4．その他（今後の取組等）

• 日本語能力測定については年度の初めと終わりに実施するなど、能力の向上について把握できるよう継続的な取組を進めていきたい。
• 現在は2校（各2名）の児童生徒への取組となっているが、今後増加することも考えられるので、該当児童が在籍していない学校の教職員にとっても課題として捉えられるような研修を実施していきたい。
• 各種ボランティア団体等との連携をはかり、当協議会のみならず、普段から報告、連絡、相談ができる支援のためのネットワークを構築していく必要がある。