大学教授1名、幼小中高学校関係者10名、市長部局1名、公益財団法人とよなか国際交流協会1名、市教育委員会6名
学識経験者(大学教授)2名、NPO法人1名、日本語指導加配校3名、国際関係学校代表2名、公益財団法人とよなか国際交流協会1名、とよなかJSL1名、市教育委員会4名
こども園小中学校関係者8名、市教育委員会5名
在日外国人教育推進協議会委員4名、こども園小中学校関係者68名、公益財団法人とよなか国際交流協会1名、市教育委員会1名
とよなかJSL3名、公益財団法人とよなか国際交流協会2名、コミュニティ政策課1名、人権政策課1名、市教育委員会3名
とよなかJSL11名、公益財団法人とよなか国際交流協会1名、市教育委員会2名
DLAや特別の教育課程、日本語指導が必要な児童生徒の実態調査(気づきのチェックシート)、こども日本語教室等、日本語指導が必要な児童生徒に対する効果的な支援方法について協議を進めた。
市内小学校3校において、7回DLAを実施した。DLA実施後、DLA評価会をもち、皆で評価をするとともに、その結果を踏まえ、指導方法や連携について協議し、その後の指導に活かした。
※DLA評価会の構成員 :教育委員会2名、日本語指導加配2名、実施校長、担任、該当児童に関わる教員、国際教室支援員2名、学識経験者1名等
「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けて、上記協議会で、個別の指導計画や教育委員会提出用の指導計画の様式等について協議し、共通理解を図った。
協議会を実施することで、DLAや特別の教育課程の効果的な進め方や、こども日本語教室の協働事業から豊中市の提案公募型委託制度による委託事業への移行に向けて進めることができた。今後も、様々な協議会との連携をより一層深め、児童生徒一人ひとりの実態を踏まえ、個々に応じたきめ細かな教育を行っていきたい。
豊中市立小学校内に設置した国際教室では、DLA評価会に基づき、対話を重視した書く活動を中心とした指導を行った結果、発話が2~3語文レベルであった日本滞在期間約1年の児童が、あらすじ作文では文法上の誤用が直っていたり、再話後の対話内容が組み込まれて書かれていたりした。さらに発話数が増え、学習に対する態度も積極的になった。この児童の様子を見て、周りの児童も読書活動等に興味を示すなどの相乗効果を生んだ。また、少年文化館設置の国際教室へは通級終了後もテスト期間中に教科指導を受けにくるなど地域の拠点となりつつある。今後も、小学校内設置の国際教室では、DLAを活用し、日本語指導が必要な児童に関わる教員や支援員、市教育委員会が連携をとりながら、効果的な日本語指導を進めていく予定である。また、対象児童の年齢や交通の利便性などにより、通級できない児童が出ないような仕組み作りに努めたい。
帰国教室(豊中市立小学校での放課後補充学習事業)では、学校生活への適応を図るとともに、学習言語や未学習教科・未学習領域の学習及び外国における生活経験を生かすなどの指導を行い、児童の安心できる場となっている。当該小学校の校区を目指して海外から帰国される方も多く、特に今年度は日本語指導が必要な児童数が69名と急増し、対応教員数の不足が課題である。
帰国教室(国際交流センターで土曜実施)では、生活言語だけでなく、学習言語について重点的に指導し、経験豊富な指導者とともに学びを深めることで、教科学習をはじめ学校生活全体において効果を生んだ。次年度は、帰国教室の名称を「国際教室」へと変更し、帰国児童生徒、渡日児童生徒をわけることなく、様々な立場の子どもが共に集い学べる場として、更なる教室の発展を目指していきたい。
こども日本語教室へ通級している多文化・多言語を背景にもつ児童生徒にとって、同じような背景をもつ友達に会える安心の場となっているとともに、系統だった日本語指導を受けることにより、日本語能力が向上するにつれ、学校生活へも意欲的に取り組み、交友関係も広がりをみせるようになった。しかし、市内1ヶ所での開催であるため、遠方からの通級が難しい実情があり、週3回の参加が難しいとの声もあった。また日本語指導が必要な児童生徒の増加に伴い、日本語指導のスキルをもつ人材の確保が課題である。
DLAの評価後、結果をどのように指導に活かしていくかが課題となったため、学識経験者を招いて指導助言を受け、当該児童の今後の指導計画をたてるとともに、その児童に関わる教員及び支援員の役割の明確化と連携強化につなげることができた。
また、日本語指導担当教員、また同教員が配置されている学校等では、DLAについて認知されつつあるが、市内の学校教職員全てにDLAについて認知してもらうことが課題である。
個別の指導計画や教育委員会提出用の指導計画の様式について協議、作成。豊中市立小学校1校で、特別の教育課程を3名の児童に実施。DLAの結果を踏まえ、対話を重視した書く活動を中心に、効果的な指導を進めることができた。また、市教育委員会主催のDLA評価会において、児童に関わる日本語指導担当教員、担任、国際教室支援員、学校長をはじめ全校を挙げての支援体制の構築の必要性を共通確認し、個に応じたきめ細かな教育の一層の充実を図ることができた。
通訳者の派遣時間数が終わった後は、要望により、日本語指導者を派遣している。日本語指導が必要な児童生徒にとって、教科学習を中心とした日本語指導を受けることにより、学校生活でも友達ができ、友達ができたことにより、友達との日常会話の中で日本語の語彙力の増加にもつながり、相乗効果を生んだ例もある。
日本語指導者は専門的なスキルが必要なため、学校からの要請に応じて派遣できるだけの人員を確保していくことが課題である。
通訳者の存在が渡日児童生徒にとって、この上なく大きな存在であり、対象者と学校(学級)をつなぐかけがえのないものとなっている。例えば、比較的年齢の近い通訳者を派遣し、通訳者自身が生徒のロールモデルとなったことで、生徒の中学校での生活態度に大きな変化が見られ、希望する進路に向けて教科学習への意欲も高まった例がある。また、個人懇談会、家庭訪問時にも通訳者を派遣しており、保護者にとっても、学校においても渡日児童生徒を指導する上で必要不可欠な事業となっている。
日本語支援者は専門的なスキルを持つが、通訳者は地域人材であり、学校での教科指導内容(特に中学校)を伝えるのは難しく、通訳を辞退する事例があった。通訳者を派遣できる時数にも一定時限を設けなければならず、学校からの要望に全て応じることができない。今後も、必要な言語において通訳者を十分に確保するとともに、学校からの要請に応じて速やかに派遣できるように努める必要がある。
渡日児童生徒相談室では、帰国渡日・外国にルーツがある児童生徒の支援を、支援員(通訳者、日本語指導者)と連携しながら行った。また、積極的に学校訪問し、学校や児童生徒、保護者から聞き取りを行い、指導上の課題を明らかにし対応していくことができた。今後も多様化している児童生徒の背景に対応していくことが必要である。
多言語進路ガイダンスでは、高等学校入学選抜制度や高校生活について、9か国語に対応する通訳者の支援を介し、直接、高等学校の担当者や先輩から話をきき正確な情報を得ることができ、生徒、保護者の不安の解消につながった。
次年度からは、日本語指導が必要な児童生徒に対し日本語学習の場を提供するために、豊中市の提案公募型委託制度による委託事業として「こども日本語教室」を実施する。また、通級の難しい児童に対し日本語指導者の学校派遣を本事業により行うことが決まった。次年度から委託事業となるため、委託団体との新たな関係作りや、日本語指導カリキュラム及び指導方法等の継承が必要である。
日本語指導担当教員やDLA・特別の教育課程実施校と連携しながら、DLAの実践活用を進めていくとともに、DLAや特別の教育課程についての研修等をもち、更に広く周知していく予定である。
電話番号:03-6734-2035
-- 登録:平成29年02月 --