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平成26年度「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(宇都宮市)

平成26年度に実施した取組の内容及び成果と課題【実施主体 宇都宮市教育委員会】

1事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)
≪外国人児童生徒連絡協議会≫
[1]役割
・日本語能力測定方法活用のための協議
・「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議

[2]構成員
【宇都宮市教育委員会事務局】
・学校教育課長1名
・学校教育課指導グループ係長1名
・学校教育課指導グループ指導主事2名
【初期日本語指導教室業務嘱託員】1名
【母語による日本語指導の講師】17名 
≪対応言語≫
・ポルトガル語及びスペイン語3名
・スペイン語1名
・中国語4名
・タイ語2名
・タガログ語2名
・インドネシア語1名
・英語2名
・韓国語1名
・ウルドゥー語1名
※日本語指導講師は、主たる指導者である小中学校教員とともに、日本語指導等を行う支援者であるため、教員免許の有無については問わない。
【日本語による日本語指導のボランティア】35名
【小中学校日本語指導担当教員】 特別の教育課程を編成している小中学校の教諭35名

[3]組織図

 

組織図

 

2具体の取組内容  
[1]運営協議会・連絡協議会の実施
(1)第1回外国人児童生徒教育連絡協議会開催(平成26年4月4日)
(2)第2回外国人児童生徒教育連絡協議会開催(平成26年11月11日)
【目的】
「特別の教育課程」による日本語指導の導入に当たり、児童生徒一人一人の実態に応じたきめ細かな指導の実現を目指し、学校・日本語指導者・市教育委員会が連携・協力しながら、外国人児童生徒の現状把握及び必要な教育支援や効果的な指導・支援方法についての情報交換等を行う。
【内容】
・「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた「個別の指導計画」様式や作成等に向けた説明及び意見交換
・「特別の教育課程」による日本語指導を行う担当者の打合せ(各校担当教員及び日本語指導講師・日本語ボランティア)
・日本語能力測定方法の導入に向けた説明及び意見交換
・外国人児童生徒日本語指導教育拠点校(8校)における日本語能力測定方法の結果をもとにした、今後の日本語指導についての協議

[2]初期指導教室及び拠点校の設置
【初期日本語指導教室の設置】
初期日本語指導教室において,来日間もない児童生徒に集中した指導を行うことにより,初期日本語を習得させるとともに、小・中学校への円滑な編入学を図る。
【拠点校の設置】
栃木県教育委員会による外国人児童生徒教育拠点校決定に伴い、本市においても外国人児童生徒の就学の受入れの中心となり、外国人児童生徒に対する教育の研究や実践を行う学校を拠点校として指定し、外国人児童生徒教育の充実を図る。
・拠点校(8校:小学校5校,中学校3校)

[3]日本語能力測定方法の活用
(1)8月19日 拠点校指導者説明会
拠点校の日本語指導教育担当教員に日本語能力測定方法について説明するとともに、方法等について協議する学習会を開催。
(2)9月~10月 拠点校における日本語能力の測定
11月の第2回協議会に向け各拠点校においてDLAを実施し、評価結果をもとに指導の在り方について検討。
(3)11月11日 第2回外国人児童生徒教育連絡協議会
外国人児童生徒が在籍し日本語指導を行っている全小中学校の日本語指導担当教員を対象に日本語能力測定方法(DLA)について説明するとともに、既にDLAを実施した拠点校の評価結果をもとに、DLAの特徴や実施方法について学習。

[4]「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議会の実施
(1)4月4日 第1回外国人児童生徒教育連絡協議会
日本語指導が必要な児童生徒を対象とした「特別の教育課程」の編成・実施(学校教育法施行規則の一部改正)に向け、1指導の内容、2指導の対象とする児童生徒、3指導者、4授業時数、5指導の形態及び場所、6指導計画の作成及び学習評価の実施について共通理解を図った。特に、「学校設置者に提出する指導計画(特別の教育課程編成・実施計画)」及び「学校内で作成する指導計画(個別の指導計画)」の具体的な作成手順等を確認した。
(2)11月11日 第2回外国人児童生徒教育連絡協議会
外国人児童生徒が在籍し日本語指導を行っている全小中学校の日本語指導担当教員を対象に日本語能力測定方法(DLA)について説明するとともに、既にDLAを実施した拠点校の評価結果をもとに、DLAの特徴や実施方法について学習。

[5]日本語指導ができる支援員の派遣
【日本語指導講師(母語による日本語指導者)】
・配置地方公共団体:宇都宮市教育委員会
・人数:17人
・対応言語:ポルトガル語・スペイン語4人、中国語4人、タイ語2人、タガログ語2人、英語2人、韓国語1人、ウルドゥー語1人、インドネシア語1人
・内容:日本語習得が初期段階の児童生徒に対し、母語による日本語指導及び学校生活適応指導を行う。
【日本語ボランティア(日本語による日本語指導者)】
・配置地方公共団体:宇都宮市教育委員会(宇都宮市国際交流協会に業務委託)
・人数:35人
・内容:日本語習得が中・後期段階の児童生徒に対し、日本語による日本語指導を行う。

[6]児童生徒の母語が分かる支援員の派遣
【児童生徒への日本語指導】
・配置地方公共団体:宇都宮市教育委員会
・人数:17人
・対応言語:ポルトガル語・スペイン語4人、中国語4人、タイ語2人、タガログ語2人、英語2人、韓国語1人、ウルドゥー語1人、インドネシア語1人
・内容:日本語習得が初期段階の児童生徒に対し、母語による日本語及び学校生活適応指導を行う。
【保護者への通訳及び翻訳】
・配置地方公共団体:宇都宮市教育委員会
・人数:17人
・対応言語:同上
・内容:対象児童生徒が在籍する学校の要請を受け保護者への母語による通訳及び翻訳を行う。

 

3成果と課題   
[1]運営協議会・連絡協議会の実施
【成果】・学校、日本語指導支援者、市教育委員会の連携・協力
    ・「特別の教育課程」による日本語指導及び日本語能力測定方法についての周知
【課題】・学校、日本語指導支援者、市教育委員会の連携・協力のさらなる充実

[2]初期指導教室及び拠点校の設置
【成果】・小・中学校への円滑な編入学
    ・外国人児童生徒への日本語指導の充実
【課題】・初期日本語指導教室嘱託員の人材確保

[3]日本語能力測定方法の活用
【成果】・DLAについての周知
    ・DLA測定結果の活用
    ・児童生徒との対話による児童生徒理解の深化と信頼関係の強化
【課題】・DLAを実施する時間の確保
    ・測定結果の活用の仕方

[4]「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議会の実施
【成果】・「特別の教育課程」の編成・実施及びDLAについての周知
    ・指導計画の作成及び学習評価の実施
    ・日本語指導に関する指導方法等の情報共有
【課題】・日本語指導教育のさらなる充実

[5]日本語指導ができる支援員の派遣
【成果】・外国人児童生徒の日本語力の向上
    ・学校生活への円滑な適応
【課題】・人材及び財源の確保

[6]児童生徒の母語が分かる支援員の派遣
【成果】・外国人児童生徒の日本語力の向上
    ・学校生活への円滑な適応
     ・学校と家庭の連携強化
【課題】・人材及び財源の確保

 

4その他(今後の取組等)
本市の外国人児童生徒への日本語指導は平成4年度より開始され、当初は主に南米圏の外国人児童生徒が多く在籍したため、ポルトガル語やスペイン語に対応した母語指導者を派遣していた。近年は、アジア圏の児童生徒の編入学が急増し、ネパールやパキスタン、ロシア国籍の児童生徒も若干在籍するようになった。それに伴い、外国人児童生徒が在籍する小・中学校も、市内の様々な地域に分散するようになり、現在、小学校は68校中30校、中学校は25校中12校に、15か国の外国人児童生徒が在籍している。また、東日本大震災以降、外国人児童生徒数が減った時期もあったが、近年は元に戻る傾向が見られ、今後更に編入する児童生徒数の増加が見込まれる。こうしたことから、日本語指導の重要性は一層高まっていくと考えられ、特に外国人児童生徒の多国籍化や居住地の散在化に対応するための指導講師の確保や日本語指導教員の育成を図る必要がある。

 


 

お問合せ先

総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035

-- 登録:平成27年10月 --