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平成26年度「公立学校における帰国・外国人児童生徒に対するきめ細かな支援事業」に係る報告書の概要(浜松市)

平成26年度に実施した取組の内容及び成果と課題【実施団体 浜松市教育委員会】

1事業の実施体制(運営協議会・連絡協議会の構成員等)
【実施主体】  
「教育相談支援センター」(教育委員会指導課)
*相談員・協力員の配置 *就学ガイダンスの実施*教育相談 *入学準備ガイダンス    
*指導補助者・サポーター等を対象にした研修会の実施   *先進地視察
*対話型アセスメント(DLA)活用法研修会の実施
*小中学校への支援○相談員の学校訪問 ○指導補助者の配置 ○対話型アセスメントの実施
○相談員の学校訪問 ○指導補助者の配置 ○対話型アセスメントの実施
○就学サポーターの派遣
(ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ベトナム語、中国語、インドネシア語)

【浜松市外国人子ども支援協議会】・・・15人
・静岡文化芸術大学教授(会長)・静岡県教育委員会指導主事
・市教育長 ・教育委員会学校教育部長 ・ハローワーク専門官 ・企業内保育所園長 
・保護者代表  ・NPO代表 ・企画部国際課長 ・浜松国際交流協会専門理事 
・市立高校校長 県立高校校長(定時制)・市立小中学校校長代表・市立幼稚園園長代表 
※事務局 教育委員会指導課副参事 主幹 指導主事 協力員

 

2具体の取組内容

[1]運営協議会、連絡協議会の実施
・外国人の子供に対する支援の現状、及び課題、協議会の方向性の確認。
・ライフコースの観点からみた支援や取組についての課題の共有。
・進路にかかわる保護者への支援について、ロールモデルとの出会いについての状況把握や課題の共有。
○外国人の子供教育に精通する委員15人で構成、年3回開催(第1回6月、第2回10月、第3回1月)
ライフコースの観点を踏まえた全市的な支援について、浜松の地域性を踏まえての意見交換を行った。

[3]日本語能力測定方法の活用
研修会の開催
7月29日(火曜日)児童生徒のための日本語指導とDLA活用法研修会
DLAの概要説明、「聴く」の概要説明及び実践演習
能力測定ツールの具体的な取り組みについての講師との意見交換
9月17日(水曜日)外国人児童生徒のための日本語指導とDLA活用法研修会
DLA「書く」の概要説明及び実践演習
能力測定ツールの具体的な取り組みについての講師との意見交換
教員研修で活用するDVDの作成に向けて、外国人児童生徒教育担当者の中から測定者を選び、「聴く」の測定を実施。

[4]「特別の教育課程」による日本語指導の導入に向けた協議会の実施
協議会の実施
(教育委員会指導主事及び相談員と加配措置による外国人児童生徒教育担当者で構成)
6月6日(金曜日) 
[1] 研修目的と本年度の研修の内容説明
[2]「個別の指導計画」の作成と対話型アセスメント(DLA)の実施について
[3]DLA「読む」の体験及び「個別の指導計画」の作成
10月10日(金曜日) 午後2時30分~午後4時30分
[1]「特別の教育課程」及び個別の指導計画の説明
[2]「個別の指導計画」の見直し
[3]「個別の指導計画」作成枠についての意見交換
 
[5]日本語指導ができる支援員の派遣
○小学校:算数科の取り出し指導
在籍学級の学習進度に合わせた算数科の指導を実施。子供の日本語や学習の習得状況に応じ、定着していない内容を補うことができた。また、JSLカリキュラムを取り入れ、学習用語及び算数科における日本語の表現の定着を図った。
○中学校:日本語及び学習支援
学校や生徒の実態に応じて、授業への入り込みや取り出し指導又は、放課後等に補充学習支援を行った。
中学3年生については、進学を目指し教科の補充や作文指導を実施した。
また、県立高等学校の定時制図書室を借用し、高校進学を目指す中学生の学習支援を実施した。

[6]児童生徒の母語が分かる支援員の派遣
【外国人児童生徒就学サポーターの派遣】各学校に派遣
対応言語:ポルトガル語、スペイン語、タガログ語、ベトナム語、中国語、インドネシア語  
人数:44人
派遣校数:小48校中25校…合計73校(実数)
業務内容:学校生活への適応支援、加配教員による取り出し指導の補助、保護者宛(あ)て文書の翻訳、面談通訳、母語による電話対応等
【バイリンガル相談員】教育相談支援センターに常駐
対応言語:ポルトガル語、スペイン語、英語
人数:4人(浜松市非常勤3人、委嘱1人)
業務内容:就学ガイダンスにおける通訳、電話相談における母国語での対応、学校訪問による適応指導や保護者面談時の通訳。
【バイリンガル協力員】 教育相談支援センターに常駐
人数:1人(委嘱)
業務内容:保護者や学校からの問合せについて電話対応、通訳。就学ガイダンス時通訳
【就学促進員】
人数:6人(委嘱)
業務内容:新年度小学校に入学する児童及び保護者を対象に「入学準備ガイダンス」の通訳を行い、学校の仕組みや手続等の説明をした。

[7]その他
支援者の資質向上を目指した研修会の実施(年間 6回開催)
入学準備ガイダンスの実施(10月12日、2月7日)
先進地視察(豊橋市)


3成果と課題
[1]成果:幼児期から就労期まで、それぞれの外国人と関わる機関・部署から委員を選出したことにより、ライフコースの視点をふまえ、子供たちを取り巻く生活環境や学力の定着状況と進路選択に関して、関係機関間の情報交換が具体的に行われた。
課題:今年度は、テーマを「ライフコース」と定め、話合いを行った。未来を担う子供たちに対して、特別の教育課程をふまえながら、学習支援の在り方について考えていきたい。

[3]成果:研修に参加した教員が、開発に関わった先生方から、判定方法や実施時の留意点について直接聞けたことで、学校での実践につながりやすくなった。
課題: 教員からは、より実践しやすくするためにも、採点基準を明確にしてほしいという声が上げられた。アセスメントではあるのだが、対話を通して、対象者に対する指導法を考える場でもあることを伝えることが必要である。DLAの概要や校内で実施していくための教員への周知が必要である。

[4]成果:本年度「個別の指導計画」を作成し指導を行った教員と協議を行うことで、DLAをもとにしたJSL参照ステージやその他の指導などを書き込めるよう考慮しながら「個別の指導計画」枠を修正することができた。
課題:「特別の教育課程」に当たる指導を行うには、教員免許が必要となる。教員免許を持っていない支援者による指導をどのように扱い、続けていくかについて、今後の見通しを持たければならない。

[5]成果:児童つまずきや理解の状況に応じて教材を作成して学習を進めたり、個々の気持ちに寄り添いながら支援をしたりした結果、意欲的に学習に取り組む態度が育った。
課題:指導補助者を希望する学校が増え、対応できない状況になってきた。システム及び予算の見直しを測り、学校の要望に応えていきたい。

[6]成果:バイリンガル相談員が面談に参加することによって、児童生徒の学校生活への適応指導や保護者に対して教育活動への理解を促すことができた。
課題:担当教員と指導補助者やサポーター等の支援者との情報交換や連絡調整を行う時間の確保が難しい。

[7]成果: バイリンガル支援者が校内で支援を行うために、学校教育において知っておくべき課題(進路指導、発達支援)を選び、有識者に講義をしていただいた。学校にまつわる知識を得た上で、支援を行うことができた。
課題:日本語や学習の支援に自信を持って行うために、指導法、特別の教育課程にかかわる知識などに係(かか)わる研修を行い、支援者のスキルアップを図ることが必要である


4その他(今後の取組等)
○「特別の教育課程」の編成・実施のできる体制の基盤を作る。そのため、教員や巡回指導員、指導補助者などの配置について経年的に計画を立てる。
○ライフコースをふまえた取組を推進する。

 

お問合せ先

総合教育政策局国際教育課

電話番号:03-6734-2035

-- 登録:平成27年10月 --