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3 派遣教師の身分、処遇等


3-1 派遣教師の身分取扱い
  (1)  国内身分
 
 昭和53年度以降、各都道府県から在外教育施設へ派遣される教師の身分取扱いは、教育公務員特例法第22条第3項に基づく長期の研修出張に統一しています。
 国は、研修出張という身分取扱いを受けた教師に対し、文部科学大臣名をもって在外教育施設における教育に従事することを委嘱し、派遣教師は委嘱に基づきその教育業務に専念することとなります。
 このような取扱いとしているのは、派遣教師の身分の安定と給与面等の処遇の改善を図るとともに、外国の地という困難な環境下において教育に従事するということが、当該教師の資質の向上に資することが極めて大きいという意味において、職務としての研修という性格を併せもつことによります。
 国立大学附属学校から派遣されている者については、東京学芸大学に在籍出向の上、海外出張を命じ、その間公立学校教師の場合と同様、在外教育施設における教育の実施を委嘱するという形をとっているほか、東京学芸大学から同大学先端教育人材育成推進機構の共同研究員を命ぜられています。
 私立学校教師についても、出張という身分取扱いを受けた教師について公立学校教師と同様、在外教育施設における教育の実施を委嘱しています。

(2)  派遣先での身分
 
 派遣教師とは、文部科学大臣の委嘱を受け、在外教育施設に日本から派遣されている校長、教頭又は教諭をいいます。派遣教師は、文部科学大臣の委嘱に基づき、在外教育施設における校長、教頭又は教諭としての職務に従事、専念することが要請されます。
 派遣教員は外務大臣から公用旅券が発給されます。公用旅券上の官職は、「在外公館の嘱託(Extra Chancellor)」となります。
 この旅券上の官職による派遣国での法的地位は,国によって異なっており,滞在資格、免税等の面での取扱いも一様ではありません。(一般的には,在留国での所得税免税等一定の優遇措置がとられていますが,我が国の外交官に付与されている身分とは全く異なる身分扱いですので留意する必要があります。また,台北,台中,高雄所在の日本人学校に派遣される教員については,現在,一般旅券が発給されています。)

(3)  派遣教師の服務
   在外教育施設に派遣されている教師のうち、地方公務員については、地方公務員法(国家公務員については国家公務員法)の適用があります。公務員は国民全体の奉仕者であり、職場の内外を問わず、全体の奉仕者としてふさわしくない行為をなしてはいけないことになっています。それに反した場合には、信用失墜行為(地方公務員法第33条)あるいは、全体の奉仕者たるにふさわしくない非行(同法29条第1項第3号)をなしたものとして、懲戒処分の対象となります。ここでいう「非行」とは、その人の社会的•法律的な地位にふさわしくないものとして社会通念上非難されるべき行為又は不行為をいうものとして用いられ、必ずしも違法な行為であることを必要としません。
 国立大学附属学校教師、私立学校教師、シニア派遣教師及びプレ派遣教師についても、派遣教師として信用を傷つけ、又は派遣先在外教育施設の不名誉となる行為をしてはなりません。
【参考:地方公務員法(抄)】
  (懲戒)
第二十九条  職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
 
 この法律若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
 職務上の義務に違反し、又は職務を怠った場合
 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合
(信用失墜行為の禁止)
第三十三条  職員は、その職の信用を傷つけ、又は職員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない。

(4)  派遣教師の派遣期間
   派遣期間(以下「任期」という。)は、原則2年間とし、評価(派遣教師のうち現職派遣教師については、評価に加えて派遣元教育委員会等の了承等)に応じて最大2年間の延長を認めることとしています。なお、米国に所在する在外教育施設への派遣教師については、査証の関係上、任期の延長は最大1年間です。
 ただし、年度途中に派遣される教師については、原則として、当該年度の初日から委嘱の日の前日までの期間に相当する期間を2年間から控除した期間とします。

(5)  派遣から帰国までの身分取扱い
 
派遣から帰国までの身分取扱いの図

3-2 派遣教師の任期延長又は任期短縮
  (1)  原則として、個人的な理由による任期の延長又は短縮は認めません。

(2)  ただし、病気その他の事由により、任期途中で帰国せざるを得ない者や、在外教育施設で勤務することが適当でないと認められる者について、当該在外教育施設からの申出があった場合に、申し出理由を検討の上、現職派遣教師については派遣元の都道府県教育委員会等とも協議し、任期短縮を検討することとしています。派遣教師が健康上の理由その他によりやむを得ず任期短縮を希望する場合には、任期短縮願を所属学校運営委員会委員長及び校長の添え状とともに提出してください。また、その他、関係資料を送付いただく必要があります。
※ プレ派遣教師については、教員採用試験の合格による任期途中での帰国は、任期短縮の理由として認められておりません。採用時期に留意し、教員採用試験を受験ください。

3-3 日本人学校等派遣教師の定期報告の実施について
  (1)  定期報告制度の目的
   海外という特殊な環境にある日本人学校等における教育に携わる派遣教師の使命・役割がきわめて重要であることに鑑み、能力と業績に応じた人事管理を通じて、派遣教師の資質向上及び日本人学校等組織の活性化を図っていくことを目的とします。
 また、評価に応じた委嘱期間の弾力化の制度を設けましたが、その評価は本定期報告書に基づき、各在外教育施設において実施されます。

(2)  定期報告の対象
   定期報告制度は、現職派遣教師、シニア派遣教師、プレ派遣教師を問わず、全ての派遣教師に適用されます。
 各派遣教師は、基本的に、それぞれ文部科学大臣が委嘱した職に応じて、校長用、教頭用又は教諭用のそれぞれの定期報告の取扱を受けます。

(3)  定期報告の構成
   定期報告は、自己申告及び業績報告から構成します。
1  自己申告
   申告実施時期
   全ての派遣教師は、各年度の4月1日を基準日とした目標設定、8月1日を基準日とした目標の追加・変更、3月31日を基準日とした自己評価を実施することとなります。
自己申告書の流れ
 自己申告の手順
 
  A:  教諭は、校長及び教頭に自己申告書を提出します。その際、校長及び教頭と面接を行い、申告した目標の方向性や水準、達成度等について指導助言を受けます。
B:  教頭は、校長及び委員長に自己申告書を提出します。その際、校長と面接を行い、申告した目標の方向性や水準、達成度等について指導助言を受けます。
C:  校長は、学校運営委員会等の委員長に自己申告書を提出します。その際、同委員長と面接を行い、申告した目標の方向性や水準、達成度等について協議します。
2  業績報告
   業績報告の時期(例: 令和6年度派遣教師の場合)
  [派遣1年目]
・A1(R6.4.1~R7.3.31)
業績を令和7年3月31日基準日で評価し、業績報告書を令和7年4月中に提出します。
・A1の業績評価をA2(R7.4.1~R7.8.1)
再考の上、修正及び追加がある場合には令和7年8月中に提出します。
[派遣2年目]
・B1(R7.4.1~R8.3.31)
業績を令和8年3月31日基準日で評価し、業績報告書を令和8年4月中に提出します。
・B1の業績評価をB2(R8.4.1~R8.8.1)
再考の上、修正及び追加がある場合には令和8年8月中に提出します。
[派遣3年目以降]
・[派遣2年目]と同じ手順で実施します。
業績報告の流れ
 評価者
 
教諭:  教諭の業績評価は、教頭が第一次評価、校長が第二次評価者となります。なお、教頭のいない学校にあっては、校長が第一次評価を実施します。
教頭:  教頭の業績評価は、校長及び国際教育課長が行います。
 ただし、国際教育課長は学校運営委員長が教頭の業績について業績報告書に記述した意見を考慮して評価します。
(委員長は意見の記述の際に、必要に応じて委員等から参考意見を求めることができます。)
校長:  校長の業績評価は、学校運営委員長の意見を考慮し、国際教育課長が行います。
(委員長は意見の記述の際に、必要に応じて委員等から参考意見を求めることができます。)
評価者が異動する場合には当該年度の評価について、次年度の評価者への説明等引継ぎを必ず行うこと。また、閉校等の理由により配置換えとなった者の評価については、異動元の評価者から異動先の評価者への引継ぎを必ず行うこと。

(4)  評価結果の活用
   評価の結果については、次に示す5段階(SS~C)の評価区分に従い実施するものとし、その評価結果は派遣教師の委嘱期間の設定に反映されることとなります。
 ただし、任期延長については、文部科学省において任期延長の可否を検討し、さらに現職派遣教師については各所属教育委員会等の承諾が必要となるため、延長可能な派遣教師全てが任期延長できるとは限りません。
 

3-4 派遣教師の給与上の処遇及び所得税課税について
   都道府県教育委員会等に所属する派遣教師には所属先より給与が支給されますが、同時に文部科学省は、在外教育施設における教育業務を委嘱することに伴い、外国生活の特殊性を勘案して、派遣教師に対し在勤手当を別途支給することとしています。また、赴任及び帰国に要する旅費についても、同様に文部科学省が支給しています。
 文部科学省から支給する手当のうち、在勤地に到着した日の翌日から支給される手当については日本の所得税は非課税扱いになっていますが、在勤地の感染症等のやむを得ない理由により在勤地に赴任することができないことにより、本邦において支給された在勤手当については原則所得税の対象となり、文部科学省において源泉徴収を行うことになります。

3-5 派遣教師家族の就労について
  (1)  家族の同伴について
   旅費等について国庫補助の対象となる範囲は、本人、配偶者、18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子で主として当該派遣教師の収入によって生計を維持している者、及び心身に障害のある子で他に生計の途がない者として文部科学大臣が認めた者です。
※ 令和5年度から、プレ派遣教師についても、配偶者や18歳に達する日以後最初の3月31日までの間にある子で当該派遣教師の収入によって生計を維持している子が国庫補助の対象となります。

(2)  公用旅券の意義
   公用旅券は、国の用務により渡航する者が、その用務を能率的に遂行出来るよう発給されるものであり、(1)の趣旨により配偶者及び子についても国の用務により派遣される教師に同伴し任地に赴くという観点から、同伴する配偶者及び子((1)の旅費等について国庫補助の対象となる配偶者及び子に限る)についても派遣教師同様に公用旅券を発給しているものです。

(3)  就労の禁止について
   現地で就労活動を行うということは、上記の公用旅券の意義に反する行為であり、また、家族の者が現地にて就労せずとも生活に支障を来さぬよう国より在勤手当を支給していることから、派遣期間中の家族の就労については認められません。
 実際に派遣教師の家族が任地で就労活動を行い、その報酬を受けたために、その全額を返還するという事例が過去にありました。派遣教師の家族が学校の支援等を積極的に行うことは望ましいことですが、雇用関係に基づかない無報酬の活動として従事することが本筋であり、その協力に対し対価を得ることのないよう十分留意してください。
 たとえその額が、現地法制上問題の生じない金額であったとしても、派遣教師の同伴家族として求められる規範上の観点から、誤解を生じるような行為については慎むべきであると考えます。

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