【整備手法】段差解消の整備手法

教室・廊下の段差解消、体育館ステージへのアクセス(新築・改築/改修)

 今回は、教室、廊下、体育館ステージの段差解消の整備手法について紹介します。学校施設の同一階においては、できる限り段差を設けず、平面移動が円滑となるような計画とすることが重要です。やむを得ず段差が生じる場合は、適切なスロープや段差解消機等を設置することが重要です。

(1) 東京都【新築・改築】教室と廊下の段差を設けない設計とした事例(中央区立晴海西小学校・晴海西中学校)

 中央区立晴海西小学校・晴海西中学校では、車いすでも容易に出入りできるよう、廊下やオープンスペースと各教室の境目に段差が生じないように設計しています。

構造
SRC造(一部RC造、S造)
竣工年
令和6年
  • 段差がないオープンスペースと教室の境目

(2) 【改修】既存校舎の段差解消を図った事例(滋賀県草津市立志津小学校)

 草津市立志津小学校では、既存校舎の段差解消について金属板を敷く等の細かな対応をしています。

構造
RC造
竣工年
昭和46年等
改修年
随時実施
工期
製作から 1か月~1か月半(取付:1週間程度)
費用
48,000円/箇所
  • 出入口の段差については、予算が付き次第順次、金属板の設置を行っている。
  • 出入口の段差解消

(3) 【改修】渡り廊下の段差解消事例(東京都北区立飛鳥中学校)

 北区立飛鳥中学校では、校舎の大規模改修の際に校舎と屋内運動場をつなぐ渡り廊下の段差を解消する工事を行いました。

構造
RC造、一部S造
竣工年
昭和41年等
改修年
令和4年
工期
約6か月
費用
約400万円
  • 改修前

  • 改修後

(4) 【改修】廊下の段差解消事例(横浜国立大学教育学部附属横浜小学校、横浜中学校)

 横浜国立大学教育学部附属横浜小学校、横浜中学校のバリアフリー整備では、児童生徒と校舎改修について考えるワークショップを行い、そこで得た意見を尊重してバリアフリー整備を行いました。

構造
RC造
竣工年
昭和13年等
改修年
令和5~6年
工期
約3か月
使用した補助制度等
公益財団法人日本財団 助成プログラム 公益・福祉募集(※インクルーシブ教育のための人材育成、継続的データ収集による教育実践の効果検証等の複数の取組みメニューのうちの1つとしてバリアフリー化を実施)
  • 児童生徒と行ったワークショップの中でも意見の出た、昇降口や廊下にある階段をスロープとする工事等を行った。

生徒昇降口の段差解消(左:解消前、右:解消後)

​(5) 【新築・改築】ステージにスロープを設置した事例(沖縄県沖縄市立越来小学校)

 沖縄市立越来小学校では、市の整備要綱に沿って体育館ステージにスロープを整備しました。

構造
RC造
竣工年
平成11年
  • 平成11年の体育館の新築に合わせて体育館ステージにスロープを整備した。
  • スロープは「人まち要綱」(※)も踏まえ、市内の全公立小中学校に基本的に整備している。

※ 沖縄市は公共施設等のハード面の整備をはじめ、障害者福祉施策の推進のため、平成5年に「沖縄市人にやさしいまちづくり環境整備要綱」を策定し、学校施設のバリアフリー化についても整備基準を定めており、人まち要綱に基づき、学校施設のバリアフリー化を推進している。

体育館ステージへのスロープ

  • ステージ周りの平面図

(6) 【新築・改築】ステージにスロープを設置した事例(兵庫県神戸市立灘さくら支援学校)

 神戸市立灘さくら支援学校の体育館ステージは、高さを抑え、スロープでアクセスできるように計画しています。こちらの整備は特別支援学校以外の学校でも取り入れることができる整備手法です。

構造
RC造
竣工年
令和3年
工期
約1年9か月(学校建築時の全体工期)
  • 高さを抑えた体育館ステージ

  • 体育館内から延びるスロープ

(7) 【改修で活用可能】段差解消機を設置した事例(熊本県八代市立第六中学校)

 八代市立第六中学校では、体育館改築工事と併せてステージに上がるための段差解消機を設置しています。

竣工年
昭和41年
改修年
平成28年
工期
約1か月(取付工期:半日(製品情報より))
費用
約100万円(取付工事費含む)

【機器のサイズ・耐荷重】

  • サイズ:機械1,150ミリメートル×1,200ミリメートル、乗降部1,016ミリメートル×1,060ミリメートル
  • 耐荷重:180キログラム(定員1名)
  • 速さ:1.4メートル毎秒(60ヘルツ
  • 安全装置:挟み込み防止のため段差解消機下部に四面ジャバラを採用
    停電時にも下降させることができる停電時降下装置
    キースイッチにより作動する仕様 等
  • 電源:電源プラグをコンセントに接続する必要がある。

【運用】

  • 稼働させる際は、介助者が操作する製品となっている。
  • 設置した段差解消機

  • 赤枠部分に段差解消機を設置(壁の内部)

渋谷区での取組事例(体育館ステージへの段差解消機の設置)

渋谷区が区内の公立小中学校の整備の方針としてまとめた「渋谷区『新しい学校づくり』整備方針」(令和4年5月発行(令和5年3月改訂))において、教室等の整備水準として、屋内運動場の舞台(ステージ)については、昇降機(段差解消機)を設置することが示されています。

渋谷区『新しい学校づくり』整備方針より抜粋

[段差解消機設置事例等]